いつから始める?小学校でのプログラミング教育に向けての準備

 

2020年、ついに小学校でのプログラミング教育が始動します!

どのような内容か、準備はいつから始めればよいかといった保護者の尽きない疑問にお答えします。

 

小学校教育でのプログラミング授業、いつから開始か。

小学校でプログラミング教育がスタートする理由

 

なぜ小学生にプログラミング教育が行われるのかというと、今の子どもたちが現代の情報社会で適応していくためです。

 

今世の中は第4次産業革命の真っ最中です。18世紀半ばにイギリスで起こった産業革命は歴史で習いましたが、実は将来教科書にのるような産業革命の時代に私たちはいます。

 

現代の産業革命はIOT(モノのインターネット)やAI(人工知能)などのテクノロジーによるモノのデジタル化、コンピュータ化です。私たちはスマホやインターネットなしでは仕事や日常生活が送ることはとても難しくなっています。

 

そのため子どもたちには、コンピュータやAIなどの技術を使いこなす能力が求められ、今後日本で不足するIT人材へ成長していく期待がされているのです。

 

特にIT人材の不足は深刻で、経済産業省の調査では2030年に78.9万人のIT人材が不足すると予想されています。詳しい内容は「IT 人材の最新動向と将来推計に関する調査結果を取りまとめました」に記載されています。

 

経済産業省 IT 人材の最新動向と将来推計に関する調査結果を取りまとめました

https://www.meti.go.jp/press/2016/06/20160610002/20160610002.pdf

 

プログラミング教育の内容:学習指導例案から考える

 

ではプログラミング教育の授業内容はどのようなものなのでしょうか。文部科学省の「小学校プログラミングの手引き(第二版)」に記載されている一部を紹介すると、

5年生算数「プログラミングを通して、正多角形の意味を基に正多角形をかく」

6年生理科「身の回りには電気の性質や働きを利用した道具があること等をプログラミングを通して学習する」

総合的な学習の時間「「情報技術を生かした生産や人の手によるものづくり」を探究課題として学習する」

3~6年生音楽「様々なリズム・パターンを組み合わせて音楽をつくることをプログラミングを通して学習する場面」

などさまざまな教科や単元でプログラミングを導入する内容となっています。「プログラミング」という科目があたらしくできるわけではないのです。

プログラミングの授業は、一つの教科として扱われるのではなく「算数」「理科」「総合的学習」など既存の教科に組み合わせる形で導入されます。各学校の創意工夫を生かした内容が求められてはいますが、組み合わせ次第で子どもたちのやる気を促すこれまでなかった学習を行うことも可能になります。

さらに詳しい内容は、文部科学省「小学校プログラミング教育の手引(第二版)」に示されています。

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/11/06/1403162_02_1.pdf

 

教科書から考えるプログラミング授業のイメージ

 

対象となる小学生の保護者の中には、うちの子ついていけるかしら・・と心配に思う方もいるでしょう。そして授業をする小学校の教師の方も、プログラミング授業に戸惑いを感じたかもしれません。

プログラミングと聞けば、パソコンと向かい合って1人で数列とにらめっこする、黙々と作業をこなすイメージが浮かぶかもしれません。

しかしそれでは教える側も学ぶ側も楽しくありませんよね。実際は教室で何が行われるのでしょうか。次に挙げるのは文部科学省の「小学校プログラミング教育に関する指導案集」の一例ですが、

・プログラミングの基礎を学んで、地域の課題を解決するアプリケーションを デザインしよう

・地域の魅力を伝えよう!私たちの街大好きプロジェクト!

・スポーツとデータ分析。地域スポーツチームを応援しよう

など子どもたちの身のまわりにある問題や身近な地域の課題に気づき、その解決策にプログラミングの基礎を活用しよう!という内容です。なんだか面白そうですよね。

また2020年度から使用される教科書の中のプログラミングでは、

1年生 プログラミングにちょうせん!・ゴールをめざそう

3年生 プログラミングのグ・ロボくんに「重さのちがうもののさがし方」を教えよう

など子どもたちがワクワクしながら授業に取り組む内容になっています。そして子どもたちが決して1人で作業をするのではなく、チームワークをもって意見を出し合い解決方法を導き出す授業スタイルになります。

さらに、文部科学省・総務省・経済産業省が共同で作成した、プログラミング教育の実践例や指導案例が紹介されているサイトがあります。主に教員向けの内容ですが、実際にどのようなプログラミング教育を想定しているのかが分かります。

「小学校を中心としたプログラミング教育ポータル」

https://miraino-manabi.jp/

 

プログラミング教育によって小学校で身につく力は?いつから効果は発揮されるのか?

プログラミングで身につく力:パソコンの基本的な操作と思考、判断、表現力

 

小学校のプログラミング教育で育まれる力には、「パソコンの基本的な操作能力」と子どもたちの「思考力、判断力、表現力」があります。生まれながらにパソコンやスマートフォンがおもちゃになる現代の子どもたちにとって慣れ親しんでいる感がありますが、その仕組みを理解する人は少ないです。

 

またスマートフォンは操作できるけれどパソコンは触ったことがなく扱えないという子どもも多くいます。なので小学生のうちはまずプログラミングをするための第一歩としてパソコンの操作を学習します。そして「思考力、判断力、表現力」については、プログラミング的思考力の育成に移っていきます。

 

「プログラミング的思考」は小学校におけるプログラミング教育の中核です。

コンピューターに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を育成することで、目指すゴールのためにどの手順をふみ、順序や方法を考える力です。

 

今の子どもたちはこの力が弱いと言われています。新しく始まる大学入学共通テストの内容も、一問一答形式から図や表から求められる答えを導きだす応用力が問われます。小学校でのプログラミング教育もその一環なのです。

 

プログラミングで身につく力:コミュニケーション能力、人間力

 

またプログラミング教育で期待されるのは、コミュニケーション能力です。プログラミングの基本はチームでの作業です。実際のSE(システムエンジニア)・プログラマーも複数人のチームで1つのシステムを作り上げます。人との関わりが希薄になっている環境で、人と協力し助け合いながら問題解決していく教育が学校で行われるのは保護者としても嬉しいですよね。

 

もちろん子どもたちにとって全てがうまくいくわけありません。コンピュータにうまく命令ができない、チーム内でもめるかもしれないと失敗もするでしょう。逆にその失敗から成功にたどり着くこともできるでしょう。普段得ることができない失敗と成功の体験で子どもたちは人間力を磨くのです。

 

失敗が許容されにくい今の社会でたくさん失敗できて自分で考え、失敗を乗り越えられる経験ができるのが小学校のプログラミング教育なのです。

 

プログラミング教育に向けて学校現場で進むICT環境整備

 

小学校でプログラミング教育が行われるに合わせて、ICT環境の整備も進められます。「電子黒板の導入」「一人一台のタブレット端末」と、こちらは普及にはまだ時間が必要だと予想されています。特にタブレット端末については、1人1台の確保が難しいため、まずは「3クラスに1クラス分」を目安に配置し、タブレットが必要となる授業で「1人1台」使える環境作りをめざしています

 

小学校のプログラミング教育。家庭ではいつから準備を始めたらよいのか。

増え続ける「プログラミング学習塾」

 

ここ何年かで学習塾がこぞってプログラミング教室を開講しています。IT系の専門学校でも小学生向けのプログラミング体験教室を夏休みに行っています。「ScratchJr(スクラッチジュニア)」や「マインクラフト」といったゲーム感覚で楽しめる内容から本格的なものまで様々です。

プログラミングスキルは話題のキーワードであり、将来を見据えて習わせてみたという保護者も多いようです。

 

文部科学省は、2024年度に実施される「大学入学共通テスト」から、プログラミング教育を基にした「情報Ⅰ」を教科に加える検討を行っています。小学校からプログラミング教育を受けた子どもたちは、中学校・高校でさらに力をつけ、大学入試に必須のスキルになると考えられています。

 

プログラミング教育がもたらす子どもたちの将来の選択肢

 

小中学生がなりたい職業ランキングの上位に、SE(システムエンジニア)・プログラマーがランクインしています。人材不足な上、専門的な知識が必要なだけに収入も高い特徴があります。今後はさらに将来の選択として選択肢に上がってくることでしょう。

これからはどんな職業をめざす子どもにとっても、パソコン操作スキル、IT技術、プログラミング能力が重要なものとなります

 

来るべき「AI時代」に備えるために

 

今から10年後、AI(人工知能)時代によって大半の職業がコンピュータに取って代わられると言われています。すなわちこれからの時代は、そのコンピュータを扱う側の仕事に就けば良いのです。

そして小学生から失敗から成功体験を積み重ねた子どもたちが、プログラミング的思考で新たなモノ作りや仕事を生み出していくでしょう。我々親にできることはそのサポートと、将来を見据えた働きかけです。

 

おわりに

以上、いつから始める?小学校でのプログラミング教育に向けての準備について紹介しました。小学校で行われるプログラミング教育の内容は難しいものではなく、家庭での準備は特に必要ないでしょうが、パソコンやタブレットの操作に慣れ、プログラミングに触れてみることは良い経験になるはずです。

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