キャリア教育を知ろう!学校での実践や家庭でできること

近年の教育現場では、学力向上のための教育に加え、様々な新しい教育指導を取り入れています。

その中のひとつが「キャリア教育」精神的・社会的自立の基礎を作る大切な教育とされています。

この記事では、キャリア教育を分かりやすく説明し、学校や家庭での実践例をご紹介します。

キャリア教育について知ろう

キャリアには職業や経歴という意味があるため、難しいイメージを持つかもしれません。まずは、保護者のみなさんもキャリア教育について理解し、子どもたちをサポートしましょう。

キャリア教育とは?

文部科学省はキャリア教育を、一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育と定義しています。

働くことを通じて社会や人と関わり、自分の役割りを理解するための基礎となる「基礎的・汎用(はんよう)的能力」を養うことが中心となり、次のような能力を年齢や個性に合わせて発達を促します。

①人間形成・社会形成能力
②自己理解・自己管理能力
③課題対応能力
④キャリアプランニング能力

外国語教育やプログラミング教育などの教育法も注目されていますが、共通して求められているものは、変化し続ける社会の中で生き抜く力の育成なのです。

なぜ小学校からキャリア教育が必要なの?

IT化が進み情報社会で育つ現代の子どもたちは、インターネットや便利な電化機器に囲まれることによって、生活体験や社会体験が変化してきています。

昔のように商店街などで働く大人を目にしたり、接したりしながら、働くことを身近に感じる機会が少なくなっています。

また、早熟傾向にある身体的成長に比べ、精神的、社会的自立の遅れも指摘され、人間関係がうまく築けない、将来への意欲や希望が持てない子どもが増えています。

そのため、小学校から他者と関わる活動や社会に対する関心を高める活動を積極的に行い、自らの力で生き方を選択する基盤となる能力や態度の育成が必要と考えられています。

IT化によってプログラミング教育の重要性も高まってきています。
プログラミング教育についてはこちら。

小学校でのキャリア教育

キャリア教育は子どもの発達状況に合わせて行うことが重要です。低・中・高学年に分けて、課題や実践例はどのようなものがあるでしょう。

低学年におけるキャリア教育

【低学年のキャリア発達課題】

・小学校生活への適応
・身の回りの事象への関心を高める
・好きなことを見つけて、のびのびと活動する

【日常生活】

・みんなのために働く経験
・きまりを守って、生活する、遊ぶ
例:係 、日直 、清掃 、給食当番 、飼育・栽培活動など

【各教科】

生活科:自分自身や身近な人々、社会に対する関心を高めながら、自立への基礎を養う
(学校探検、まち探検、お手伝い、幼稚園児・保育園児との交流など)
その他の教科:協同的な学習活動を通して社会性を培う、好きなことへ一生懸命取り組む姿勢を育む

【道徳の時間】

・よいと思うことや勉強や仕事はしっかりと行い、のびのびと生活する
・友達と仲よくし、助け合うなど

【特別活動】

・活動する楽しさを体感し、仲よく助け合おうとする態度の基礎を培う
例:縦割り行事、学級集会、1年生を迎える会など

中学年におけるキャリア教育

【発達課題】

・友だちと協力して活動する中で関わりを深める
・自分の持ち味を発揮し、役割を自覚する

【日常生活】

・学級生活の様々な場面で、自分たちで決まりを作って守る力を育てる
例:係、日直、清掃、給食当番、朝の会・帰りの会など

【各教科】

日常生活や将来の生き方と関連していることに気づかせる機会を積極的に設け、学ぶ意欲につなげる
社会:町探検、昔の暮らし、工場・お店の見学や調査、消防署や警察で働く人たち、水道のしくみ
体育:大きくなってきたわたしの体
国語:わたしの研究レポート

【道徳の時間】

・自分の特徴に気づき、よい所を伸ばそうとする
・友達や家族などの立場に立って考えることの大切さが分かる
・集団の規則や遊びのきまりの意義を自覚する

【特別活動】

・協力し合える人間関係を築く態度を育てる
・自発的な活動への欲求の高まりなどを積極的に生かす
例:縦割り行事、係の仕事発表会、学級集会、所属クラブの決定など

【総合的な学習の時間】

・探究的な活動を通して、地域の人々の暮らしや生き方を学ぶ機会を設ける
・学び方やものの考え方を身につけるとともに、協同的に取り組む

高学年におけるキャリア教育

【発達課題】

・自分の役割や責任を果たし、役立つ喜びの体得
・集団の中で自己を生かす
・社会との関わりから、夢や希望をふくらませる

【日常生活】

課題や問題を見つけ、自分たちで解決できる意識を持たせる
(例)係、日直、異年齢集団活動など

【各教科】

生活や職業と関連することの理解を深め、互いに学び合い高め合える態度を育てる

国語:伝記を読み、自分の生き方を考える
社会:産業と国民生活との関連を理解する
理科:電気を利用した道具が生活を支えていることを理解する
家庭:自分の成長を自覚し、家庭生活と家族の大切さに気づく

【道徳の時間】

・思いやりを持って共によりよく生きようとする
・自己に対する肯定的な自覚を深め、未来への夢や希望を持つ
・集団生活での役割や責任を理解して行動し、全体の向上に役立とうとする態度

【特別活動】

・高学年としての役割と責任を果たそうとする態度を育てる
・中学校での生活や将来の生き方を話し合う
例:縦割り行事、学級活動計画の作成、児童会集会など

【その他の学習・活動】

・社会の一員として何をすべきか考えられるような活動
・地域社会に関わる喜びやものづくりの楽しさを実感できる体験活動
・日本と外国の言語や文化を比較し、多様なものの見方や考え方を実感できる活動

参考URL:文部科学省 小学校キャリア教育の手引き

家庭にも取り入れたいキャリア教育とは

家庭や親子でできるキャリア教育があれば試してみたいと思いませんか。普段の生活の中に取り入れられる実践法をご紹介します。

親としてできること

親の働くことへのポジティブな姿勢は、生きることは楽しいという子どもへのメッセージとなり、将来の希望へと繋がります。

仕事や会社の不満や愚痴は「働くこと=つまらない、辛いこと」というような印象に繋がる可能性があるのでNGですよ。

親が仕事での出来事やうまくいったことなどを、楽しそうに話すことで、子どもも働くことへ興味を持ったり、やりたい職業につくためにはどのような勉強が必要なのか考えたりするかもしれません。親は子どもが質問をしてきたら、真剣に答えましょう。

疲れているときなどは、つい愚痴が出るときもあるでしょう。言ってしまった次の日は、明るく仕事に出かける姿を子どもに見せてくださいね。

お手伝い

家庭では、食器を片づける、お風呂掃除など、子どもの役割を決めましょう。子どもは毎日役割をするうちに、自分のやるべきことをいつ、どのようにすればよいのか理解するようになります。

自分の役割を持つことは、キャリア教育で育てたい、自己理解・自己管理能力や課題対応能力、プランニング能力を養うことに繋がります。

さらに、自己肯定感を高めるために、役割を果たしたらたくさん褒め、感謝を伝えましょう。また、自分の役割り以外のことを手伝ったり、家族と協力したりすることで、他者との関わりの大切さも実感できます。

働く人に目を向ける

親子で外出するときは、働く人に目を向ける絶好のチャンスです。意識をしてみると、バスに乗ったら運転手さん、レストランに行ったらコックさんなど、様々な仕事に気づきます。

そこから、バスが安全に走るために必要な仕事など、関連する仕事に話を広げることもできます。

また、近所にスーパーやコンビニ以外に、どのようなお店があるのか調べるのもおすすめです。そのお店にどのような人が働き、なにが売られているのか親子で話してみましょう。

お店の人にあいさつや質問をして、コミュニケーションをとるのもよいですね。子どもが興味を持った仕事を調べたり、ご近所マップを作ったりするのも、親子で楽しめますよ。

まとめ

いかがでしたか?成長が著しい小学生の段階でのキャリア教育は、「自分らしく力強く生きる力」の基盤を作るために重要ということがお分かりいただけたのではないでしょうか?

子どもが将来へ夢と希望を持てるよう、学校での活動と並行して家庭でもできることを実践しましょう。