【動画解説付き】ギフテッドとは?ギフテッド小学生の今


ギフテッド」という言葉をご存知ですか?

日本では認知度が低い「ギフテッド」ですが、その認知度の低さや、誤解から悩ましい状況にあるようです。ここでは、そんなギフテッドな小学生の今についてお伝えします。

 

動画でも3分で解説しておりますので、ぜひご覧ください!

 

ギフテッドとは?

近頃は、テレビや映画でも扱われるようになったギフテッド。ギフテッドとは、「ギフト」=贈り物です。生まれつき、天から飛び抜けた才能を授かった人のことを称します。

著名な人々のなかにもいて、相対性理論のアインシュタイン、「モナ・リザ」などを描いたレオナルド・ダ・ヴィンチ、マイクロソフトのビル・ゲイツ、Facebookのマーク・ザッカーバーグ、歌手のレディ・ガガなどがギフテッドの有名人です。

どのようにギフテッドと診断するかは、様々な方法が取られているようです。代表的なものには、IQ(知能指数)を測るウィスクラー式知能検査(WISC-IV)があります。この検査で、IQ130以上である場合にギフテッドとされます。ただし、人の知能には、IQで測ることのできない芸術や創造性なども含まれるので、IQのみでの診断には賛否両論あり、総合的に判定するのが現実的です。

アメリカで行われた調査では、学齢期にある子どもの約6%がギフテッドであると推定されるそうです。100人に、2~6人いるとされるならば、学年に1人以上いる可能性があるということ。

日本でも250万人以上いると言われています。

意外とみなさんの身近なところに、ギフテッドな人がいるのかもしれません。

「ギフテッド」は発達障害?

ギフテッドと、間違えやすいものにアスペルガー症候群(現在は自閉症スペクトラム障害という分類になっています)があります。

アスペルガー症候群の特徴に、対人コミュニケーション能力や社会性、想像力の障害があり、対人関係がなかなかうまくいかないといった特徴があります。アスペルガー症候群の子どもたちの中には、特定のモノやコト、行動などに強いこだわりをもつ子どももいます。

ギフテッドの特徴にも、一見似たところがあり、共通の特徴を持っているように見えることがあるので、間違えられることがあるようです。

また、授業とまったく関係ない行動や、ルーチンワークを丁寧に行えない様子などから、ADHDとの誤診がでることもあります。

また、ギフテッドであり他の発達障害も持つという人もいて、その場合は「二重に特殊な」という意味で「2E(twice-exceptional)」と呼ばれています。

★発達障害に関してはこちらもご覧ください。

ギフテッドな小学生の悩みや特徴

ギフテッドの特徴

ギフテッドは、どんな特徴があるでしょうか?1人のギフテッドがすべての特徴を持っているというわけではありませんが、人並み外れな高い能力を持っていて驚かされることになるようです。

以下に、特徴をいくつかご紹介します。

・記憶力がとても高い

・集中力が高い

・新たなことの学習スピードが早い

・実年齢に対して語彙が豊富(その結果、同年代より大人との会話を好む)

・好奇心、探究心が強い

・責任感が強い

・感覚や感情がとても繊細

・豊かな独創性

・正義感が強い

ギフテッドの人には、このような特徴から脳などが絶えず強い刺激を受けているため、疲れやすいという特徴も現れるようです。

ギフテッドだと困る?

羨ましくも思える、素晴らしい能力を持つギフテッドですが、ギフテッドな小学生には、困ったことがあります。

知能面では何学年も先の内容を理解できても、精神面では同年代の子と変わらなかったり実年齢よりも遅れる場合もあり、感情が勝ってとった行動で激しい自己嫌悪に陥ることもあるのです。

強い好奇心などから、挑戦して達成することに喜びを感じる傾向があり、それが学校の勉強や成績につながることもあります。逆に、興味がないと能力を向けることがなく、ギフテッド=成績優秀者とは言えない現実があります。

学び方にも独特な思考回路が働き、一般的な学習方法では学べなかったことが、自由な学習方法を取ることができてから急速にわかるようになったりすることがあるそうです。

★詳しいギフテッドの子供の育て方についてはこちらからご覧ください!

個性的であったり独創的であることから、周囲の同級生から受け入れにくく、孤独になったり仲間はずれになってしまうこともあるようです。そのため、自分の個性や独創性を隠し、その知能の高さを活かして自分を周囲に合わせることで、孤独になってしまうのを回避しているギフテッドの人もいます。

ギフテッドな小学生の学びはどうなるか

欧米でのギフテッド教育

日本に比べて、欧米ではギフテッド教育が積極的に行われています。ギフテッドへの理解が進んでいるアメリカでは、教育省が「ギフテッドとは、同世代の子供と比較して、並外れた成果を出せる程、突出した才能を持つ子供のことである。」と1993年に定義しています。

アメリカでは、州によってギフテッドの定義が異なったりはしますが、1920年ごろには3分の2ほどの大都市で既に実施されていました。

欧米では、ギフテッド教育は GATE (Gifted and Talented Education) や TAG (Talented and Gifted) という略称が使われ、公立学校での代表的なギフテッド教育の方法には3つの方式があります。

エンリッチメント方式 普段は他の子と一緒に過ごし、ギフテッドの子に対しては課題の難易度を上げた知的挑戦を与えたりする。通常の学級で過ごしながら、能力を発揮する場を与える方法
プルアウト方式 定期的にギフテッド子だけを集めて学ぶ機会を作る方法。ギフテッドな子ども同士がコミュニケーションをとる機会にもなる。
アクセルレイト方式 日本で言うところの、飛び級にあたるもの。

自分の能力にあった高いレベルのクラスの学習に進める。

 

その子の得意や関心によって限界を持たせずに追求できるので、得意分野での成功体験を得やすいと言えるでしょう。

また、多くの先進国では、通常の教員免許を取得した上で、大学院をでてはじめて特別支援教育の免許が取れる制度になっていて、専門の教育をうけた者のみが特別支援教育に携わるようになっています。

参考レポート:アメリカでのギフテッド教育事情

日本でのギフテッド教育

日本ではギフテッドへの教育や対応が遅れているのが現状です。

これは、日本は能力平等観と言われるものがはたらき、全員が同じ指導で教育を受けて、同じ到達目標を目指すような教育になっていることが大きいでしょう。

そのため、ギフテッドの認知は日本では低く、「天才」「変わった子」と言われたり、習ってないことを先んじて行うと担任の注意を受けたりと、落ちこぼれならぬ「浮きこぼれ」につながっています。

また、欧米とは異なり、特別支援教育が、知的に高いレベルにある子に対して行われることは一部の例を除きありません。知的に高いレベルにあるギフテッドな小学生も、他の子と一緒のスピードで学ばなくてはならないのです。

もし特別支援クラスに入ったとしても、日本では、通常校での特別支援クラスは、特別支援教育の免許を持っていなくても担当ができるので、特別支援教育免許を持たない特別支援クラスの担任も多くいます。この点も、先に述べた、他の多くの先進国における特別支援教育への体制との大きな違いです。

特別支援を要する子どもたちにとっては、日本的な「他の人と等しい指導の保証」よりも、「他の人と等しく理解ができる保証」や「学びたいレベルに応じた指導の保証」が必要なのです。

このような現状から、ギフテッドな小学生の中には、一斉授業が合わず不登校になり、フリースクールへ通ったり、学年にとらわれずに学習できる方法を取るようになる子もいます。

現状では、日本においては、まだまだ家庭が子を理解して才能を育てていくことが必要です。

このような中、2017年に日本でもついに公立学校でのギフテッド教育が渋谷区でスタートしました。(参考:マイナビニュース「渋谷区で動き出したギフテッド教育、協働する東大先端研と区長の思い」

茅野市においても、2019年に市長の提案もあり、「令和元年12月定例教育委員会 会議録」には、令和2年度からのギフテッド教育の実施内容の検討中とあります。

 

★詳しいギフテッド教育についてはこちらをご覧ください。

おわりに

これまで日本では、ギフテッド自体の認知度の低さと、ギフテッドの多くが知的に高いレベルにあることから、特別な支援は要らないとされてきました。

そのため、ギフテッドな小学生は、その能力を隠して周囲に迎合することで小学校生活を送ってきた人も多くいたようです。

渋谷区でのギフテッド教育スタートをきっかけに、日本でも「ここの自治体ではギフテッド教育の予定はありますか?」といった問い合わせが各地で出てきています。市民の声が多く出ることは、行政にその必要性を伝えることとなり取り組みにつながっていきます。

ギフテッドと、ギフテッド教育への理解が進み、特別支援教育のイメージが今よりもポジティブなものになっていくといいですね。

ポジティブになるためには、「SDGs4.質の高い教育をみんなに」を一人一人が理解して実践していく必要もあります。
★理解して実践したい方はこちらの記事もご覧ください。
→【SDGs 4.質の高い教育をみんなに】の内容と実践例