これだけ知っておけば大丈夫!小学校でのキャリア教育

 

近年「キャリア教育」の重要性が注目されています。キャリア教育とは何か?そして小学校ではどのようなキャリア教育がおこなわれるのでしょうか。

「キャリア教育」という言葉が文部科学省関連の文書に初めて登場したのは1999年12月。約20年も前から書かれているにも関わらず「キャリア教育」という言葉を理解し実践している人は少ないと思います。今回は、「キャリア教育」の重要性を具体例を交えて詳しく説明します。 

小学校から必要とされている「キャリア教育」とは何か

 

キャリア教育とは:「キャリア」って何?

 

キャリア教育とは何でしょうか。

「キャリア」という言葉ですが、多くの人が「経歴」という意味で使用していると思います。実際、ハローワークなどを所管している厚生労働省では、「過去から将来の長期にわたる職務経験やこれに伴う計画的な能力開発の連鎖を指すもの」とされています。(厚生労働省「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書より) 

では、キャリア教育という言葉の「キャリア」とは?文部科学省では「人が生涯の中で様々な役割を果たす過程で自らの役割の価値や自分と役割との関係を見いだしていく連なりや積み重ね」とされています。(中央教育審議会「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」より)

キャリア教育とは、キャリアを形成していくために必要な能力や態度の育成を目標とする教育的働きかけであり、文部科学省では「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通してキャリア発達を促す教育」と定義されています。つまり、キャリア教育とは社会の中で自分の役割を見つけ、自分らしく生きることができるようになるための教育なのです。

 

厚生労働省「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書 https://www.mhlw.go.jp/houdou/2002/07/h0731-3.html

 中央教育審議会「今後の学校におけるキャリア教育・職業教育の在り方について(答申)」http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2011/02/01/1301878_1_1.pdf

 

なぜキャリア教育が必要とされているのか

近年の社会環境、経済、雇用のめまぐるしい変化は、子どもたちにも大きな影響を及ぼしています。将来に夢を持てない子どもや高学歴なのに職につかない若者などがその例です。社会の変化を恐れず、対応する力をつけ、自分の力で未来を切りひらくために、生き抜く力を形成するキャリア教育が必要なのです。

キャリア教育は子どもの成長や発達、進路に影響する

社会環境の変化は、子どもの成長にも影響しています。身体的には、成熟しているのに精神的・社会的発達が伴っておらず、人間関係がうまく作ることができないなどが例として挙げられます。

自己肯定感が低い子ども、将来に希望を持てない子どもが増えています。キャリア教育は、このような子どもの増加を予防し、社会人として自立した人を育てる教育です。

 

キャリア教育が小学校で必要とされる理由

 

文部科学省が掲げるキャリア教育の目標とは?

文部科学省の目標は「生き抜く力をつけること」といえます。「生きること」や「働くこと」と結びつきがあまりなかった学校教育を改革すべく、キャリア教育が推進されているのです。 

なぜ小学校でキャリア教育が必要なのか?

小学校という時期は、生き方や進路に対する基礎的な考えや能力をやしなう時期です。この頃、子どもたちは将来に対して夢や希望を抱きます。

その時に、学校や家庭での役割や関係性を学ぶことにより、将来の可能性に向けてのエネルギーが生まれます。子どもたちに、夢に向かって頑張るエネルギーを持ってもらうために、早期からのキャリア教育が必要なのです。私の娘は宇宙飛行士になる夢を持っています。この夢を叶えるためにはどうしたらいいかなどを考えていく力を身につけてほしいと思っています。

 

家庭でできるキャリア教育のサポートとは?

家庭でのサポートは、子どもと話すことです。将来の夢や仕事について語り合うことがとても大切です。

職業人として一番身近な親が、働くことの楽しさや厳しさを伝えることが、勤労観や職業観を育むことにつながります。自分には仕事のことなんて教えられるのか?なんて不安に思う必要はありません。

教科書にあるようなことや背伸びした内容の話をするより、あなたが体験したありのままの「仕事」について話すことの方が、きっと子どもの心には響くのだと思います。また、基本的な生活習慣を身につけること、お手伝いをさせることも社会性を育むために重要です。

小学校で実践されているキャリア教育例

低学年、中学年、高学年それぞれのキャリア教育の特徴

 

小学校のキャリア教育では、社会性、自主性、意欲などをやしなうことを目標としています。

低学年では、小学校生活への適応、身の回りのことへの関心を高めること、自分の好きなことを見つけてのびのびと活動することを目標としたキャリア教育が行われています。中学年では、友達と協力して活動するなかで関わりを深めること、自分の持ち味を発揮し役割を自覚することを目指します。

そして高学年では、自身の責任を果たし役立つ喜びを体得すること、集団の中で自己を生かすこと、社会と自己のかかわりから夢や希望をふくらませることを課題としてキャリア教育が推進されます。

詳しくは、文部科学省「小学校でのキャリア教育の手引き」に記載されています。

 

文部科学省「小学校でのキャリア教育の手引き」http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/1293933.htm

 

小学校単元内におけるキャリア教育例:がっこうたんけん(1年生)

 

1年生の初めに「がっこうたんけん」があります。私の娘も、「がっこうたんけん」で校内をまわり、担任の先生以外の保健室や給食室の先生、用務員さんたちのことを知ることができました。

小学校の中に自分の好きな場所を見つけたり、用務員さんがどんな仕事をしているのかインタビューしたりと毎日楽しそうにしていたのを覚えています。小学校のことに興味をもち、調べ、お友達と共有していく過程で、小学校への適応の基礎ができたように思います。

  

企業や地域のキャリア教育への取り組み例:株式会社ダスキン、福井商工会議所

 

勤労観や職業観を育むためには、企業や地域との取り組みも重要です。様々な企業、地域が取り組んでいますが、今回は2例紹介します。

 

●株式会社ダスキン 学校掃除教育支援活動―みんなでつくろう、キレイをいっしょにー

「どうして掃除をするのか?」を学び、正しい掃除用具の使い方を学ぶ授業です。家庭生活の中で、掃除について子どもたちが改めて考えるきっかけになり、掃除に興味・関心を持ち、大切さを理解してもらうことを目的に実施されています。ぞうきんの絞り方や正しい掃除用具の使い方は掃除のプロから教わり、子どもたち自身で掃除計画を立て、掃除を実践して学びます。

株式会社ダスキン 学校教育支援活動 https://www.duskin.co.jp/torikumi/gakko/instance/

 

●福井商工会議所

福井商工会議所青年部では職業体験教育活動として、おしごと探検隊「アントレ・キッズ」を実施しています。青年部のメンバーが自分の職業・職種を紹介し、体験する機会を提供する活動で、この活動を通して、仕事の厳しさ、働くことの素晴らしさ、物づくり・サービス業の面白さを伝えることで、子供達に将来の仕事に対する「夢」の幅を広げ、更に、日本(福井)を支える人材育成をはかりたいと2005年からスタートした教育活動です。

おしごと探検隊アントレ・キッズ https://www.fukui-yeg.jp/entrekids/

 

まとめ

社会環境の変化に対応し、自分の道を切り開いていく力をつけていくのがキャリア教育です。子どもたちは小学校で自分の役割や社会との関係性を学び、そして家庭で親と話すことにより社会性に加えて、勤労観を学びます。小学校と家庭、両方のキャリア教育によって子どもたちは自立し、自分らしく生きていく方法を身につけていくのです。

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