【SDGs 8.働きがいも、経済成長も】とは?事例と家でできること

 

最近、大手企業を中心にSDGs(エスディージーズ)の取り組みがさかんになってきています。

なかでも、そのうちの1つである「8.働きがいも、経済成長も」は、これからの日本経済の主軸になるお子さんにはぜひ教えてあげたいところ。しかし、お子さんに「働きがい」ましてや「経済成長」の話は難しいと思われる方は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、SDGsの全体像をおさらいしつつ、

・SDGs8.働きがいも、経済成長も」の意味と現状

・世界の人が「働きがい」を感じて、経済成長もするために必要なこと

・各国の取り組み事例

・「働きがいって?」親子でできるキャリア教育

について紹介します。「SDGs(エスディージーズ)って何?」「8.働きがいも、経済成長もって何?」、「自分の子どものキャリア教育のために何をしたらよい?」と思っている方はぜひ参考にしてみてください!

 

1. SDGs(エスディージーズ)8.働きがいも、経済成長も」とは?

SDGs「8.働きがいも、経済成長も」とは? 現状は?

SDGsとは、持続可能な世界の実現のために定められた世界共通の目標を指します。簡単に言うと「世界の人が満たされた生活を続けられて、かつ将来の世代が必要とするエネルギーなどの資産を損なわない社会」を目指したもので、実現のために貧困・環境、労働問題まで17のゴールを掲げています。

では今回紹介する「8.働きがいも、経済成長も」はいったいどのようなものなのでしょうか

ポイントは2つあります。 

1つ目は、生産性の向上と技術革新によって、持続的な経済成長を促進することです。これを達成するためには、起業や従業員の雇用を促すようにするだけでなく、強制労働や奴隷制、人身取引を根絶することも重要といわれています。

2つ目は、2030年までにすべての女性と男性の完全かつ生産的な雇用と、働きがいのある人間らしい仕事を達成することです。

現状は、世界の経済が回復を続けているものの、その成長スピードは遅く格差は広がり、雇用は労働力人口の成長に見合うペースで増加していません。国際労働機関(ILO)によると、2015年の失業者は2400万人を超えていると言われていて、収入やその他の面における不平等は長期的な経済成長を阻害するとも考えられています。

 

雇用と経済成長は表裏一体。両方を改善する必要がある。

では、どうしたら持続的な経済成長が可能になるのでしょうか?

それは雇用を増やすことと経済成長を促すことを同時に行うことと考えられています。

なぜなら、経済活動は就業する一人一人の働きにより成り立っているためです。

 

つまり、いくら産業を多様化し生産性の高い産業の拡大を図っても、従業員の収入や健康、教育などの面で著しく不利な立場に置かれてしまうとモチベーションや活力が低下し、生産性が下がるためです。適切な就業機会を得られない場合も同様です。

ですので、経済成長を促すのと並行して雇用環境で不平等に扱われる人たちをなくし、皆が適切な生活を持続的に営んでいくことが重要になります。

経済成長と雇用を促進するポイントは「平等な雇用環境」「生産性向上」「働きがい」

経済成長と雇用を促進するポイントは3つあります。

1つは、不平等な雇用環境の改善です。現状は、これからの経済発展の主軸となる若者が仕事につけていないという深刻な状態なので、若者を中心とした雇用環境の改善が急務となっています。

データで見てみると失業率全体としては改善しているのですが、15歳から24歳の若者の失業者数は全体の35%を占め、失業率でみると若者が13.1%に対して25歳以上の年長者の失業率は4.4%となっています。

経済成長と雇用を促進する2つ目のポイントは、生産性向上の課題です。先進国の企業が、開発途上の国の労働者に対して技術やスキルをインプットしていくことで生産性が高まり、経済成長が可能になると考えられています。

3つ目は、「働きがいのある人間らしい仕事」です。これは、ディーセント・ワークとも言われているのですが、「権利が保障され、十分な収入を生み出し、適切な社会的保護が与えられる生産的な仕事」を意味します。

もちろん、まず仕事があることが基本ですが、その仕事は、権利や社会保障が確保されていて、自由と平等が保障され、働く人々の生活が安定するといった人間としての尊厳を保てる生産的な仕事のことを指しています。

 

SDGs8.働きがいも、経済成長も」を目指した各国の取り組み

経済成長と雇用を促進するポイントは「平等な雇用環境」「生産性向上」「働きがい」

ということが分かりました。では具体的にどうやって実現していくのか、世界で行われている取組み事例をみてみましょう。

 

コカ・コーラ社の「平等な雇用環境」のための取り組み

1つ目は、コカ・コーラ社の事例です。 

コカ・コーラ社は、生活スキルの教育と経済力をつけられるよう支援するために、2009年にコレティボと称される組織を立ち上げました。
スーパーフルーツの収穫者をコカ・
コーラシステムのバリューチェーンと結び付け、すべてのメンバーに対して広範なトレーニングを提供し、さらに環境保全を促進しました。 

このトレーニングには確実な雇用を前提としたものが含まれ、参加者が生活力と自信を身に付け、自分の将来を構築できるようにすることを重視しているそうです。
結果的に、コレティボ・モデルはブラジル全体で約
500件のプログラムを率いており、15万人を超える人々に直接影響をもたらしているそうです。また、コレ ティボ参加者の70%は女性が占めています。 

テトラ・パック社の「生産性向上」のための取り組み

2つ目は、日本だと三角パックの牛乳で有名な、食品用紙容器を開発・製造するテトラ・パックの事例です。

顧客である現地の乳製品製造加工業者が、できるだけ現地生産で高品質な牛乳を手に入れられるように、デイリーハブというコンセプトを生み出しました。そして現地で生産された高品質な牛乳の長期にわたる供給を確保し、それと同時に小自作酪農業者を自給自足から高利益事業として酪農業を経営できるように支援しました。

実際に、バングラデシュでは、牛一頭当たりの一日の平均牛乳生産高が110%増加し、小自作農の平均所得 145%増加しました。2014年にはケニア、スリランカ、ニカラグア、そしてセネガルでも酪農業開発プロジェクトを展開したそうです。

 

大和ハウス工業(株)の「働きがい」のための取り組み

大和ハウス工業は、仕事と子育てを両立できる次世代型多機能物流施設「DPL流山」をつくりました。

働き方改革への支援として、親子が通勤でき緊急時でも保護者がすぐ対応できるなど「職育近接」の労働環境を整備したという事例です。
保育施設を完備するとともに免震システムや非常用自家発電機を設置するなど、防災配慮設計を行い8,000人に雇用を目指すとのことです。

SDGs8.働きがいも、経済成長も」から考える親子でできるキャリア教育

ここまで、SDGs8.働きがいも、経済成長も」の説明をしてきました。大まかに言うと「経済成長には働きがいも大事だし、経済成長しないと雇用が生まれない」ということですが、働いたことのないお子さんに経済成長や働きがいの話をそのまましてもピンとこないかもしれません。

そこで紹介したいのが「お父さんやお母さんが、ご自身のお仕事と関連付けて話をするのがコツ」ということです!

 

「働くこと」をお給料だけでなく世界とつなげてとらえる

まずは、「働くこと」と「経済成長」の関係についてです。

小さい頃は、お金はもらえるものだと思っていますが、小学生くらいになると「仕事をしないとお金をもらえない」と理解できるようになってきます。

 

働くことの良いことは「お金」を貰えることだけでなく、「世の中にお金が回るようになる」ということをお子さんに伝えてあげるとよいでしょう。

 

例えば、パパが広告営業の仕事だとしたら、

・お父さんが石鹸会社のところにいって「CMつくります!つくるために必要なのでお金ください」といってお金をもらうでしょ?

・そのお金を使って、コピーライターの人やCM制作会社の人にお仕事をお願いするでしょ?

・そうしたら、コピーライターの人や制作会社の人がお金もらえるし、CMを見たお客さんが「この商品いいな」と思って、買ってくれるでしょ。そしたら、最初にパパにお金を払ったお客さんのところお金がはいってくるよね。

 

いかがでしょうか言葉だけだとわかりづらいかもしれないので、絵に描きながら説明すると頭に入りやすいと思います。

 パパや(家庭によっては)ママが経済成長の一躍を担っている!大げさに聞こえるかもしれませんが、本当の話です。

 

制約のある人がどうやって働いているのかを知る

つぎは、「平等な雇用環境」についてです。これは、お母さんの出番かもしれません。

おばあちゃんに話を聞くともっとよいかもしれません。

・お母さんは子育ての時間を持ちたいから、働く時間を制限しているよ

・おばあちゃんの時代は、子育てをしながら働くことはできなかったので、今は働きやすくなっているよ。もちろん持ち帰り仕事や、残業をしなければならないときもあるけどね。

・子育てだけでなくて、介護と両立する人の方や、身体的に制約のある人も働いているよ

 

子どもの好きなことを観察してみる

最後は「働きがい」についてです。これは、好きな仕事を見つけてもらうにつきると考えられます。大和ハウス工業の事例では、職育近接を掲げて働きやすさを促進していましたが、お子さん自身が将来仕事を探すときになった場合、職育近接といった働きやすい環境に加えて「やりたい/強みを活かせる仕事か」どうかというのも重要なポイントになってきます。 

なぜなら、専門性や強みがあると職場環境や待遇を選べる立場になり、結果的に「働きがい」「雇用環境」の向上を目指せる可能性が高まるからです。一般的に「好き」「得意」が成果を得られやすいと言われています。

目の前のお子さんの遊びや行動パターンに隠されていることが多いので、よく観察して、話をきいてあげるとよいでしょう。

おわりに

いかがでしたでしょうか? SDGs8.働きがいも、経済成長も」について、親子で対話をすることで、お子さんの頭の中に「働くこと」「経済成長」に対する新たなアンテナがたてられることでしょう。

日々の暮らしの中で、新たな視座をお子さんに伝えることで、将来の職業や働くスタイルの選択に良い影響をもたらしてくれると良いですね!

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