「SDGs 3.すべての人に健康と福祉を」の取り組み事例6選!


SDGsの掲げる17の目標のうちの3つ目は、「すべての人に健康と福祉を」です。

今回は、この「すべての人に健康と福祉を」の実現のために行われている事例に焦点をあてて紹介します。

 

事例紹介の前に、「SDGs 3.すべての人に健康と福祉を」って何だろう?

 

SDGsは世界規模の目標

SDGsをご存知でしょうか?

SDGsとは、2015年9月の国連総会において採択された、世界を変えるために2030年までに達成すべき17の目標「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals、略称SDGs)」のことです。「地球上の誰一人として取り残さない(No one will be left behind)」ということを理念として設定されました。

 

世界規模で、国や企業、NPOなどの団体が協力して、この目標達成に向けた活動をしています。

 

詳しい内容はこちらをご覧ください↓

【SDGs 3.すべての人に健康と福祉を】はどう実現する?

今回は、これの実現のためにどんな取り組みがあるかといういことについて、そもそもSDGsってなに?というところから紹介します。 最近、見聞きすることが多くなってきたSDGs(エスディージーズ)、何のことかご存知でしょうか? SDGsとは、2015年9月の国連総会において採択された、 世界を変えるために2030年までに達成すべき17の目標「持続可能な開発目標(Sustainable ...

 

「すべての人に健康と福祉を」のキーポイント「UHC」

「SDGs 3.すべての人に健康と福祉を」の実現に欠かせないのがUHCです。UHCは、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの略称ですべての人が、適切な健康増進、予防、治療、機能回復に関するサービスを、支払い可能な費用で受けられるという意味です。

 

日本では、比較的身近に医療へのアクセスができ、義務教育や皆保険によって、医療の必要性を知ったり自己負担が抑えられたりしますが、このような保健医療が整っている国ばかりではありません。

 

すべての人が経済的困難をともなわずに保健医療サービスを享受することがUHCの達成で、「SDGs 3.すべての人に健康と福祉を」においても、ターゲット3.8で「全ての人々に対する財政リスクからの保護、質の高い基礎的な保健サービスへのアクセス及び安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンへのアクセスを含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する。」と掲げています。

 

「SDGs 3.すべての人に健康と福祉を」の日本企業の取り組み事例

 

味の素株式会社

味の素株式会社は、「アミノサイエンス」で、世界中の人々のウエルネスを実現することを使命としています。

創業100周年事業の一環として2009年から「ガーナ栄養改善プロジェクト」に取り組んでいます。

 

これは、「SDGs 3.すべての人に健康と福祉を」のターゲット3.2「全ての国が新生児死亡率を少なくとも出生1,000件中12件以下まで減らし、5歳以下死亡率を少なくとも出生1,000件中25件以下まで減らすことを目指し、 2030年までに、新生児及び5歳未満児の予防可能な死亡を根絶する。」の事例にあたります。

 

このプロジェクトは、NGOの協力や国際協力機構(JICA)、米国国際開発庁(USAID)の資金提供を得て、ガーナの伝統的な離乳食、発酵コーン等でつくられる「koko」に加える栄養サプリメント「KOKO Plus」を開発し、普及活動をしています。

 

kokoだけでは取ることができない栄養素などを、kokoの調理時に「KOKO Plus」を加えることで補えるようにし、乳幼児の栄養不足による死亡リスクの低減に貢献しています。

 

乳幼児の栄養では、妊娠期から2歳までの人生最初の1000日の栄養状態がとても重要だそうです。

この期間の栄養不足は身体や脳の発育など様々な悪影響を与える可能性があり、栄養不足が将来に渡った慢性疾患へのかかりやすさや、免疫システムの発達への悪影響なども引き起こすそうです。
(出典:事業構想 アミノ酸入りサプリで途上国乳幼児の栄養を改善(https://www.projectdesign.jp/201610/kankyo/003216.php))

 

NTT西日本

NTT西日本は、ICTで社会課題の解決に貢献するという企業理念の下、ICTを活用した熱中症対策に取り組んでいます。

「SDGs 3.すべての人に健康と福祉を」のターゲットへの分類は難しいですが、健康に過ごすためには医療にかかる前段階での予防も大切な取り組みです。

 

昨今、夏になると問題になる熱中症。学校での体育や部活動中に発生することもあります。

学校での熱中症の未然防止のため、トライアルを行った学校では、グラウンドと体育館に計測センサーを設置し測定したデータをクラウドサーバに蓄積し暑さ指数を5段階で算定しました。その情報を職員室のタブレットで視える化し、先生方が指数に合わせた対処をしやすくしています。

 

グラウンドと体育館には、暑さ指数に応じて光るパトランプも設置し、運動中止となるレベル5ではグラウンドで警告音がなるようにしています。
(出典:NTT西日本 熱中症対策xICT~暑さ指数の視える化~(https://www.ntt-west.co.jp/ict/casestudy/hyperthermia.html))

 

住友化学

住友化学では、サステイナビリティ推進基本原則に国際社会の重要課題解決の貢献を掲げており、ターゲット3.3「2030年までに、エイズ、結核、マラリア及び顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する。」に対応できる製品があります。

 

薬剤を練り込んだ蚊帳で、防虫効果が3年以上続くその製品は、SDGsより前のMDGs(Millennium Development Goals:ミレニアム開発目標)から継続してマラリア対策に貢献してきました。

2001年には、WHO(世界保険機構)から世界初の長期残効型蚊帳としてマラリア対策に製品の使用が推奨されています。

 

なお、2017年の第1回ジャパンSDGsアワードでSDGs推進副本部長(外務大臣)賞を受賞しています。

(出典:住友化学株式会社 住友化学のマラリアへの取り組み(https://www.sumitomo-chem.co.jp/sustainability/social_contributions/olysetnet/initiative/))
(出典:外務省ジャパンSDGsアワード(https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/award/index.html))

 

「SDGs 3.すべての人に健康と福祉を」の海外での取り組み事例

 

ユニリーバ

「SDGs 3.すべての人に健康と福祉を」のターゲット3.3「2030年までに、エイズ、結核、マラリア及び顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する。」の事例として、ユニリーバを紹介します。

 

世界有数の一般消費財メーカーのユニリーバは、イギリスとオランダに本拠地があります。

SDGsができるよりも前の2010年に、「ユニリーバ・サステイナブル・リビング・プラン」を導入し、「サステイナビリティを暮らしの”あたりまえ”に」という目的や存在意義の下、よりよい世界への変化を起こしながら事業活動をしています。

 

製品と通じた公衆衛生の指導や啓発を行い、石鹸では2018年末までに10億人以上に正しい手洗いを指導しています。除菌クリーナーのドメストでは、衛生教育やパートナーシッププログラムをあわせ、清潔なトイレへのアクセスができるようにしています。
(出典:ユニリーバ・ジャパン 国連の持続可能な開発目標(SDGs)(https://www.unilever.co.jp/sustainable-living/sdgs/))

 

手洗いなど、シンプルながらも日常生活の習慣や環境から感染症へ対処しています。

 

ボルボ・グループ

「SDGs 3.すべての人に健康と福祉を」のターゲット3.6「2020年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる。」

これの事例として、ボルボ・グループの取り組みを紹介します。

ボルボ・グループをはスウェーデンに本社がある、車やトラック、船舶の製造グループです。「安全は私達の魂の一部です」と、道路交通安全の啓蒙活動や、ボルボグループ製品が関わる事故をゼロにするという目標にむかって、事故調査や製品開発を行っています。

 

世界保険機構によれば19歳未満の26万人以上が交通事故により世界中で毎年亡くなっています。また、これらの事故の多くはトラックとバスに関係しているそうです。

 

子どもたちに向けた道路交通安全のグローバルキャンペーンでは「Stop Look Wave」を標語にしています。

Stop:交差点の手前で立ち止まる

Look:左右を確認してドライバーとアイコンタクトをとる

Wave:手を振ってドライバーが手を振り返すのを待ってから横断する

 

ただ左右の確認をして手を挙げて渡るのではなく、LookとWaveではドライバーとコミュニケーションをとるのがとても良いですね!
(出典: ボルボ・グループ 持続可能な開発目標(https://www.volvogroup.jp/ja-jp/about-us/csr-and-sustainability/supporting-development-goals.html))

 

ノバルティス

「SDGs 3.すべての人に健康と福祉を」のターゲット3.8「全ての人々に対する財政リスクからの保護、質の高い基礎的な保健サービスへのアクセス及び安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンへのアクセスを含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する。」

これに関わる事例としてスイスのバーゼルに本社があるノバルティスを紹介します。

ノバルティスは国際的な製薬会社です。社会から信頼を得られる責任ある企業市民として医療へのアクセスの拡大にも力を注いでいます。

 

生活習慣病とも呼ばれる、非感染性疾患(NCD)が低中所得国で増大していますが、これらの国では、世界保健機関が指定するNCDの必須医薬品もまともに手に入らない状況です。また、価格面でも入手が難しくなっています。

 

ノバルティスでは、15種類の特許医薬品及びジェネリック医薬品を「Novartis Access」ポートフォリオとして治療ごとに1ヶ月平均1ドルという低価格に設定し、政府や公共機関に提供しています。

この「Novartis Access」の取り組みを、政府などの需要に応じて今後数年間で30カ国で展開するよう努めています。
(出典:NOVARTIS Novartis Access(https://www.novartis.com/our-company/corporate-responsibility/expanding-access-healthcare/novartis-social-business/novartis-access))

 

おわりに

今回は、「SDGs 3.すべての人に健康と福祉を」の取り組み事例を国内と海外から6つを紹介しました。みなさんが普段の生活の中でよく見聞きする企業名もあったのではないでしょうか。

個人でも、普段の手洗いや衛生に保つこと、お子さんへの交通安全教育や栄養バランスを考えた食事づくりなど、SDGs.3の活動につながることがあります。

 

きっと、今までもされてきたこれらのことが、SDGs.3の第一歩になっているのだと思います。

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