
【わたしたちができること】SDGs1.貧困をなくそうをわかりやすく解説!
SDGsの目標1「貧困をなくそう」は国、自治体、企業、非営利団体など様々な分野の取り組みが必要ですが、わたしたち一人ひとりにもできることが沢山あります。
今回は、SDGsの目標1について詳しく解説した上で、わたしたちにどのようなことができるのか、わかりやすくご紹介していきましょう。
SDGsについて詳しくなりたいという方は、まず目標1「貧困をなくそう」からチェックしていきましょう!
動画でも3分で解説しておりますので、ぜひご覧ください!
【SDGs 1】「貧困をなくそう」を3分で解説!
いま世界中で注目されている『SDGs』 今回は目標1「貧困をなくそう」について3分で解説いたします。 ・聞いたことはあるけど実際の内容は知らない! ・この目標にはどんな背景があるの? ・私たちにできることはあるだろうか? そんな疑問を解説いたします。 詳しい内容はコチラ↓ https://miraii.jp/le...
SDGsとは?
まずは、SDGsについて簡単に解説していきます。
「持続可能な開発目標」の略称で、17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。
2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。
詳しい説明はこちらをご覧ください!
SDGs1.「貧困をなくそう」の内容と7つのターゲット
持続可能な開発目標、SDGs「貧困をなくそう」は、貧しい人を無くすことを目標としています。
全世界を見てみると、現在も多くの人々が以下のような貧しい生活を強いられている状況です。
- 1日1.25ドル未満で暮らしている
- 十分な食事ができなくて、常に空腹状態
- きれいな水を手に入れることができない
- 衛生施設を利用できない
経済が成長した国でさえも、一部のでは貧困から抜け出せなずにいる方もおり、このような貧困に陥ってしまった人々を救うために、目標1「貧困をなくそう」は掲げられました。
具体的には次の2つを目指しています。
- 世界中で極度の貧困にある人をなくす
- 様々な次元で貧困ラインを下回っている人の割合を半減させる
収入が低い、資産がないという金銭的な苦しみはもちろん、教育を受けられなかったりといった辛い生活を送っている人たちを救うことが大きな課題となっているのです。
7つのターゲット
SDGsの目標1「貧困をなくそう」には、以下のように7つのターゲットが設定されています。
ターゲット | |
1.1 | 2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。 |
1.2 | 2030年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。 |
1.3 | 各国において最低限の基準を含む適切な社会保護制度及び対策を実施し、2030年までに貧困層及び脆弱層に対し十分な保護を達成する。 |
1.4 | 2030年までに、貧困層及び脆弱層をはじめ、すべての男性及び女性が、基礎的サービスへのアクセス、土地及びその他の形態の財産に対する所有権と管理権限、相続財産、天然資源、適切な新技術、マイクロファイナンスを含む金融サービスに加え、経済的資源についても平等な権利を持つことができるように確保する。 |
1.5 | 2030年までに、貧困層や脆弱な状況にある人々の強靱性(レジリエンス)を構築し、気候変動に関連する極端な気象現象やその他の経済、社会、環境的ショックや災害に暴露や脆弱性を軽減する。 |
1.a | あらゆる次元での貧困を終わらせるための計画や政策を実施するべく、後発開発途上国をはじめとする開発途上国に対して適切かつ予測可能な手段を講じるため、開発協力の強化などを通じて、さまざまな供給源からの相当量の資源の動員を確保する。 |
1.b | 貧困撲滅のための行動への投資拡大を支援するため、国、地域及び国際レベルで、貧困層やジェンダーに配慮した開発戦略に基づいた適正な政策的枠組みを構築する。 |
出典:http://www.maff.go.jp/j/shokusan/sdgs/sdgs_target.html
ターゲットでは、「貧困をなくそう」の目標をより詳しく、細かい部分まで解説されています。
この中でも「1日1ドル25セント未満で生活する人々をなくす」というのが大きなターゲットのひとつ。
また、災害の影響を大きく受けてしまったり、ジェンダーといわれる男女性区別で苦しんでいたりする人々を救える仕組みを作ることも重要だと考えられています。
まさに、あらゆる貧困をなくすべく、ターゲットが掲げられていますね!
現状の問題から紐解く!なぜ目標になっているのか
日本では、「貧困」という言葉に馴染みがない人が多いのではないでしょうか?
ここでは、貧困の定義について踏み込んで説明します。
SDGsが定義付けている貧困とは、世界銀行で決定された国際貧困ラインを基準にしています。国際貧困ラインでは「1日1.9ドル未満で生活している人=貧困」となっています。SDGsが定められた当初の国際貧困ラインは1.25ドルでしたが、2015年10月に現在の1.9ドルまで引き上げられました。SDGsのターゲットが1.25ドルとなっているのはそのためです。
1.9ドルを日本円に換算すると、2020年時点で約198円。
つまり、SDGsの定義では「日本では1日198円未満で生活している人」が極度の貧困だと考えられます。1日198円で生活…苦しいどころか生きて行けないレベルですよね。
こうして金額に表すのが一番わかりやすい、想像しやすい貧困の状況でしょう。
貧困はあらゆる問題の原因
貧困は、苦しい生活を強いられるだけでなく、あらゆる問題の原因にもなってしまいます。
- 離婚
- 失業
- 病気やケガ
- 災害
- 教育問題
- 極度の貧困
- 紛争や内戦
といったことが原因で、貧困になる人々が世界中にいます。
しかし、反対に貧困が原因で起こる可能性も高いでしょう。たとえば、貧困が原因で離婚をする夫婦がいます。貧困が原因で生活に支障が出てしまい、仕事も上手くいかなくなりリストラされる人も世界のどこかにはいるでしょう。貧困の中で生活する不満が紛争に発展する…など、貧困から社会的な問題になる可能性は否定できません。
貧困をなくすことがSDGsを達成するために重要視されているのは、「貧困はあらゆる問題の原因で、人の命も関わっている」ということからです。
日本でも7人に1人の子どもが貧困状態
貧困は、ライフラインが整っている日本では身近に感じられないという人が多いのではないでしょうか。
しかし、ユニセフの調査によると日本でも7人に1人の子どもが貧困状態にあるという事実が明らかになっています。
この「7人に1人」という割合は、先進国31ヵ国中で高い方から数えると10番目。
豊かな国だと思われる日本でも、貧困の中で暮らしている子どもは少なくないという事実は、親の立場からすると決して見過ごせる問題ではありませんよね。
SDGsの主人公はわたしたち
わたしたちが、SDGsの目標1「貧困をなくそう」を達成させるためにできることは、まず貧困を知るということ。
「どうして貧しい人が世界中にいるの?」
「貧しいとどうなるの?」
「貧しさはどんな社会現象を引き起こすの?」
などといった疑問を一つひとつ調べていき、貧困に対する知識や理解を深めましょう。
そうすることで、貧困を身近に考えられるようになり、自然と貧困をなくすような行動がとれるはずです。
身近なところにあるSDGs
意識しなければ見つけることができませんが、わたしたちの身近にはSDGsが存在しています。ここでは、どんなところにSDGsがあるのかご紹介しましょう。
寄附をする
わたしたちがすぐにできる取り組みとしては、「寄附」があげられますよね。「赤い羽根募金」をはじめ、さまざまな募金が存在しています。国内はもちろん、海外にも支援することができるのが寄附の大きな特徴と言えるでしょう。
現在では日本国際ボランティアセンターが、貧困に苦しむパレスチナのためにクラウドファンディングを立ち上げています。
「戦争によって人々は10年以上厳しい制限がある中で暮らしています。貧困率も高いため、子どもたちをはじめ多くの人々が食糧不足、ひいては栄養不足に陥っています。そして追い討ちをかけるように、新型コロナウイルスの影響もあり、「貧困層」の中では失業し、より大変な生活を強いられている人々も増えています。」
ぜひ下記サイトから寄附をしてはいかがでしょうか。
パレスチナ・ガザ地区でお母さんと子どもたちの健康を守りたい!
食材を子ども食堂に寄付する
日本でも、最近良く耳にするようになった「子ども食堂」。家庭環境をはじめさまざまな要因により、貧困の影響が子どもに大きく降りかかってしまい、当然の生活と言える「食」の部分を満足にできない子どもたちが利用しています。ふと周囲に目をやれば、身近な場所に子ども食堂があるかもしれません。「子どもの貧困を助ける場所」に手を差し伸べてみるのも、個人でできる取り組みのひとつではないでしょうか。
ボランティア活動に参加する
貧困をなくすためにできることは、寄付だけではありません。ボランティア活動に参加することも立派な貧困をなくすためにできる活動の一つと言えるでしょう。現地で活動するだけではなく、身近なところから始められるボランティア活動があります。募金の呼びかけやイベント活動の手伝いなども間接的ですが貧困をなくすために有効です。
SDGs1.「貧困をなくそう」の取り組み事例
貧困をなくすことがSDGsのすべての目標を達成するためにも大切だということがわかったところで、日本では目標1「貧困をなくそう」を達成するためにどのような取り組みが行われているのでしょうか。
具体例をあげると株式会社ジモティーで行っている活動をご紹介します。ジモティーについて簡単に説明すると、地元密着型のクラシファイドサービスで、利用者がお金をかけずに不要になったものをあげたり、人を募集したりできるWebサービスです。
手数料を一切かけずに物品を譲渡でき、さらに無料で物品をもらうことができるということから現在、多くの方が利用しています。最近ではCMも流れているので、知っている方も多いのではないでしょうか。
株式会社ジモティーが行っている主な活動は
- ひとり親支援の継続
- 2018年にはひとり親家庭優先の物品受け渡し会の催し
- 貧困層の自立サポート活動を行っているグラミン日本のコーポレートサポーターに加盟し、活動を支援している
ジモティーを実際に使用しているユーザー調査で、で、日本のひとり親世帯のおよそ半分がジモティーを使っていることが明らかになったことから、現在ひとり親家庭のサポート活動に力を注いでいるそうです。
詳しい事例が知りたい方はこちらをご覧ください!
おわりに
持続可能な開発目標SDGsの目標1「貧困をなくそう」は、世界中から貧困に苦しむ人々をなくそうとする目標です。さまざまな困難から貧困になってしまうこともあれば、問題の原因は貧困という場合もあるでしょう。そのため、貧困に苦しむ人々をなくすことが、持続可能な開発目標SDGsの達成にも大きく関わってきます。
目標1「貧困をなくそう」達成のためにわたしたちができることは限られていますが、小さなことでも取り組み、活動の輪を広げていくことが大切です!
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