【SDGs 4.質の高い教育をみんなに】の内容と実践例

 

国際的な取り組みとして重要視されつつあるSDGs。中でも「4.質の高い教育をみんなに」は、子どもたちの将来をより良いものにするための目標として注目を集めます。その内容とともに、企業の取り組みや子どもたち自身にできる取り組みを紹介します。

 

SDGs「4.質の高い教育をみんなに」の内容

 

SDGsとは?

そもそもSDGsとは、「Sustainable Development Goals」の略で、「持続可能な開発目標」という意味です。読み方は「エス・ディー・ジーズ」。まだ耳慣れない人も多いかもしれません。SDGsは「世界共通の課題」として、2015年9月に開催された国連サミットで採択されました。17の目標と169のターゲットが設定されており、2030年までにこの目標を達成させる必要があります。詳しくは、外務省が作成した「「持続可能な開発目標(SDGs)」について」に記載されています。

 

SDGsにおける「質の高い教育」とは?

SDGsの17の目標の中にある「4.質の高い教育をみんなに」ですが、具体的にどのような内容なのでしょうか。明確な数字とともにターゲットが設定されています。

 

(引用)

4.1 2030年までに、すべての子どもが男女の区別なく、適切かつ効果的な学習成果をもたらす、無償かつ公正で質の高い初等教育及び中等教育を修了できるようにする。

4.2 2030年までに、すべての子どもが男女の区別なく、質の高い乳幼児の発達・ケア及び就学前教育にアクセスすることにより、初等教育を受ける準備が整うようにする。

4.3 2030年までに、すべての人々が男女の区別なく、手の届く質の高い技術教育・職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする。

4.4 2030年までに、技術的・職業的スキルなど、雇用、働きがいのある人間らしい仕事及び起業に必要な技能を備えた若者と成人の割合を大幅に増加させる。

4.5 2030年までに、教育におけるジェンダー格差を無くし、障害者、先住民及び脆弱な立場にある子どもなど、脆弱層があらゆるレベルの教育や職業訓練に平等にアクセスできるようにする。

4.6 2030年までに、すべての若者及び大多数(男女ともに)の成人が、読み書き能力及び基本的計算能力を身に付けられるようにする。

4.7 2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。

4.a 子ども、障害及びジェンダーに配慮した教育施設を構築・改良し、すべての人々に安全で非暴力的、包摂的、効果的な学習環境を提供できるようにする。

4.b 2020年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国、ならびにアフリカ諸国を対象とした、職業訓練、情報通信技術(ICT)、技術・工学・科学プログラムなど、先進国及びその他の開発途上国における高等教育の奨学金の件数を全世界で大幅に増加させる。

4.c 2030年までに、開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国における教員研修のための国際協力などを通じて、質の高い教員の数を大幅に増加させる

(引用終わり)

 

全体を通して、発展途上国における教育の質向上が目標となっていることが分かります。では、日本には全く関係がないのかと言うと、決してそうではありません。

 

4.7の「全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。」はつまり、SDGsを広め、SDGsのために行動できる人を増やしましょうということです。

まだまだ日本では広まっていないSDGsのために、わたしたちができることも多くあります。

 

「質の高い教育」がもたらすメリット

日本においては「義務教育無償化」はもちろん、識字率100%と、すでに質の高い教育が実行されているといえます。ところが、世界子供白書2017によると、識字率が80%を切る国や地域もまだ多いことが分かります。

また、男女によって受けられる教育が異なることもあるため、「男女の成人の大多数が、読み書きと簡単な計算ができるように」というターゲットが設定されているのです。

「4.質の高い教育をみんなに」が達成されると、まず人々の安全が守られます。「薬品の取り扱い」や「地雷原区域看板の認識」など、直接身体に関係する文字だってたくさんあります。

さらに、仕事の選択肢が広がったり、選挙へ行って投票できるようになったり、犯罪や詐欺から身を守ったりと、さまざまなメリットが期待できます。

 

企業が実践しているSDGs「4.質の高い教育をみんなに」

 

各企業が、SDGsに関する取り組みを行っています。外務省が各企業の取り組み事例を紹介していますので、一部を紹介します。取り組み事例4.質の高い教育をみんなに

 

Panasonic

カンボジア:『農村部での識字率アップに貢献(ASACカンボジアに学校を贈る会)』

電力供給が不安定なカンボジアに、ソーラーランタンを寄付する活動を行っています。カンボジアで活動するNPO/NGO等15団体がソーラーランタンを受け取り、カンボジアの各地域で識字活動を展開しています。授業は6か月間、週6回18時~20時まで。昼間の仕事や農作業に影響のない時間に授業を行うには、ソーラーランタンの光が不可欠です。

 

ミャンマー:『ミャンマーの未来をつくる寺子屋支援(メコン総合研究所)』

同じように、ミャンマーでもソーラーランタンの寄付活動を行っています。ミャンマーでは公立学校に通えない子供たちのために、お寺が運営する「寺子屋」を支援する団体がいます。ここでも、夜勉強を行うためにソーラーランタンが活用されているのです。

 

名古屋銀行

『名古屋銀行チャリティコンサート』『名古屋銀行キッズサッカー教室』『名古屋銀行教育ローン』

名古屋銀行は、国内の子どもたちがより良い教育を受けられるような支援を行っています。名古屋フィルハーモニー交響楽団を招いてのチャリティコンサート、名古屋グランパスコーチによるサッカー教室では、地元の子どもたちにより質の高い芸術・技術に触れることができる機会となっています。

また、教育ローンでは特別な低金利プランを設け、「もっと学びたい」という意欲のある親子を応援しています。「学びたい人に学ぶ機会を」というのも、SDGsを達成することに貢献しています。

 

ケイ・ウノ

『エネジュエリー』『皮素材の寄贈』

ネパールの無電力地域に水力発電機導入のクラウドファンディングが行われました。そのとき、一定金額以上の寄付を行った人に届けられる「リターン商品」として開発されたのが、ケイ・ウノの「エネジュエリー・しずく」です。このように、直接的な支援は難しくても、間接的な支援を行える場合もあります。

また、ファッション業界で活躍する人材を育成する服装学院には、皮素材の寄贈を行いました。寄贈した皮は卒業制作で使用され、モノづくり業界の発展に寄与しています。

 

 SDGs「4.質の高い教育をみんなに」を子どもが実践するには?

 

障害やLGBTに配慮した学習空間づくり

発達障害や学習障害、身体障害や精神障害など、さまざまな障害をもつ子どもが同じ教室で学ぶことがあります。このとき、単なる特別視や特別扱いをするのではなく、「個性に応じた配慮や手助け」を意識しましょう。「困っている人がいたら助ける」または「誰も困らない空間づくりの工夫を行う」ということが重要です。

また、小学校高学年になるとジェンダー意識も芽生えます。LGBTの子どもがいた場合に課題となりやすいのが、着替えやトイレの問題。どう解決していくのか、クラス全員が過ごしやすい学校生活となるような配慮が必要です。

 

男女平等の職業選択・学び意識

近年、性別による職業差がなくなりつつあります。「性差よりも個人差」という言葉があるように、性別よりもひとりひとりの個性や適性に応じた職業選択が重要視されています。ところが、警察官、会社役員、看護師、幼稚園教諭など、男女による人数差がまだまだ大きい職業があるのも事実。男女平等の職業選択を意識するだけで、視野が広まるでしょう。

また、職業選択に付随して「学び意識の平等」も重要です。「男なのに幼児科」「女なのに理系」などと否定的な意見はやめ、誰もが自分が望む教育を受ける権利意識を育みましょう。

 

地域の人々と一緒に学ぶ場所づくり

文部科学省が行っている活動「学校と地域でつくる学びの未来」にもあるように、地域に開かれた学校づくりが進んでいます。学校と地域が協力して、子どもたちにより質の高い学習の場を提供しようという流れです。地域のボランティアに「朝活動」の支援をしてもらったり、放課後に開かれる「アフタースクール」にて勉強や宿題の指導をしてもらったり、学校現場以外での学びが行われています。不登校児を対象にしたコミュニティの運営をお願いしている事例もあります。

また、「子どもも大人も一緒に学ぶ」といった観点から、放課後や休日の学校で「ボランティア講座」や「地域特産物の勉強会」などを開くこともあります。地元愛を育て、子どもたちだけでなく地域の方々も一緒に学び、活動できるような仕組みづくりが広がっています。

 

 

おわりに

以上、SDGs「4.質の高い教育をみんなに」の内容と実践例を紹介しました。

日本ではもう十分に達成されている目標ととらえられがちですが、わたしたちにもできることがまだあります。子どもたちがより良い未来を歩めるような手助けをしていきましょう。

おすすめの記事