非認知能力とは?伸ばすためのポイントと親ができる4つのこと

「非認知能力」について、簡単に説明できるお父さん・お母さんは少ないのではないでしょうか。
言葉を見るからに「難しそう…」というイメージがありますよね。しかし、非認知能力とはどんな能力かを知れば、私たちのごく身近にある力で、難しく考える必要がないことがわかります!
今回の記事では、非認知能力について簡単に解説します。
子どもの非認知能力を伸ばすためのポイントや、親ができることも併せて紹介しますので、ぜひ子育てする上での参考にしてみてください。
非認知能力は簡単に説明するとどんな能力?
非認知能力に対する難しいイメージは、はじめに払拭しておきましょう!
さっそく、非認知能力について説明していきます。
数値で測ることができない能力
非認知能力とは、簡単に説明すると偏差値やテストの点数などの数値で測ることができない能力です。
非認知能力の定義は明確には定まっていないのですが、
- 最後までやり遂げる力
- 目標を達成するために頑張る力
- 発想力
- 他人への思いやり
というような、表面的には見えない力が当てはまるとされています。
また、認知能力ではない力が非認知能力という見方もできます。
認知能力とは、IQや偏差値など、数値で測ることができる知的能力のことです。
今までは「認知能力を伸ばす=賢い子に育てる」と考えられていました。
実際、「点数が高いといい」「IQが高いと賢い」というイメージを持っているお父さん・お母さんは多いのではないでしょうか。
しかし、「ペリー幼稚園プログラム」という研究結果によって、認知能力以上に非認知能力を伸ばしておくことが、子どもの将来の人間形成や就職などに大きく影響することが明らかになっています。
主に9つに分けられる
先ほど非認知能力がどういう能力かを簡単に説明しましたが、さらに細かくみていくと主に9つに分けられます。
その分類と能力の概要は、以下の通りです。
1.自己認識
自分に自信をもつ/自己肯定感
2.意欲
やる気がある/意欲的
3.忍耐力
忍耐強い/粘り強さがある/根気がある
4.自制心
強い意志を持っている/精神力が強い
5.メタ認知ストラテジー
自分の状況/スキルを把握する
6.社会的能力
コミュニケーション能力やリーダーシップがある
7.回復力・対処能力
立ち直りが早い/出来事に対して上手に対応できる
8.創造性
創造性がある工夫ができる
9.性格的な特性
誠実/好奇心旺盛/協調性がある/外交的
中には、聞きなれない能力もあるかと思いますが、どんな能力かを知れば決して特別なものではないとわかりますよね。
非認知能力が注目される理由を簡単に説明すると?
非認知能力は世界で注目されています。
それは、子どもの将来に大きく影響することも理由ですが、世界のあらゆる問題を解決するためにも必要な能力だと考えられているからです。
地球上には、以下のように解決しなければならない問題がたくさんあります。
- 環境
- 貧困
- 差別
- 難民
非認知能力は、このようなさまざまな問題を解決に導く可能性を秘めていると考えられています。
より良い未来のためには、壁にぶつかったときにでも諦めず、状況を把握し、解決のためのアイデアを出せる力が必要不可欠。
そのため、非認知能力は先進国をはじめ世界中から注目され、幼児教育や保育などにおいて能力を伸ばすためのカリキュラムが取り入れられています。
また、近年の研究によると、非認知能力の中でも「GRIT(グリット)」が注目されています。
★「GRIT」について詳しく知りたいお父さん・お母さんはこちらの記事も参考にしてみてください。
【令和時代をやり抜く力】「非認知能力」の「GRIT(グリット)」の意味とは?
非認知能力を伸ばすためのポイントを簡単に解説!
非認知能力の重要さがわかると、「わが子の非認知能力も伸ばしたい!」と考えるお父さん・お母さんは多いのではないでしょうか。
非認知能力を伸ばす方法は意外と簡単です!
その方法を知る前に、まずは非認知能力を伸ばすためのポイントを解説します。
土台は3歳までに作られることを知っておく
非認知能力の土台は、3歳までに作られると言われています。
さらに、幼いころに身につけておくと、能力へのいい影響が長く続くとも言われているのです。
そのため、3歳までのお子さんがいるお父さん・お母さんは、できるだけ早く非認知能力を伸ばすことを意識するのがおすすめです。
ただし、RIETI(独立行政法人経済産業研究所)が公開しているデータによると、10代後半でも非認知能力を育てることは可能と考えられています。
出典:幼少期の家庭環境、非認知能力が学歴、雇用形態、賃金に与える影響|RIETI(独立行政法人経済産業研究所)
3歳よりも大きなお子さんの場合でも、気づいた時点から非認知能力を伸ばす意識を高めてみてください。
認知能力も大切
非認知能力を伸ばすことは大切ですが、だからと言って認知能力を伸ばすことを放置していいわけではありません。
読み書きしたり、計算を解いたりする学習能力も大切です。
忍耐強く仕事を進められても、コミュニケーションを上手く築くことができても、ベースとなる知識がなければ、キャリアアップや日常シーンでつまずくことが出てくるはずです。
そう考えると、非認知能力を伸ばすことだけに意識を傾けるのは避けたほうがいいことがわかりますよね。
また、非認知能力と認知能力を一緒に鍛えたほうが、効率よくそれぞれの能力を伸ばすことができます。
たとえば、「プログラミングを意欲的に粘り強く取り組む」という場合は、
- コンピューターに命令を順序立てて伝えるためにベースの知識である認知能力が必要になる
↓
- 認知能力のおかげで目標が達成できたら、充実感や向上意欲が刺激され、さらに意欲や忍耐力、想像力が伸びる
といった流れが想定できます。
つまり、どちらか一方に意識を置くよりも、非認知能力・認知能力を両方伸ばすイメージをもつことが大切なのです。
非認知能力を伸ばしたいなら、認知能力も大切にしましょう。
非認知能力を伸ばすために親ができることを簡単に紹介
子どもの非認知能力を伸ばすためには、親のサポートや意識向上などがポイントになってきます。
最後に、非認知能力を伸ばすために親ができることを紹介します。
愛情を注ぐ
子どもの非認知能力を伸ばすためには、親の愛情が必要不可欠です。
「親から愛されている」と感じることで、安心感や信頼感が育まれて、「自分はこれでいいんだ」という自己肯定感が身につきます。
そしてありのままの自分を受け入れることは、「頑張ろう」「諦めずにやってみよう」とポジティブに進む力になるのです。
たとえば、以下のような行動を心がけてみましょう。
- 子どもが泣いていたら寄り添ってあげる
- ミスをしても頭ごなしに怒るのではなく、まずは理由を聞いてあげる
- 不安そうなときは支えてあげる
親からの愛情が、子どもの非認知能力を育むベースになってくるので、どんな時でも愛情をもって接してあげてください。
子どもの好奇心を尊重する
非認知能力を伸ばすためには、子どもの好奇心を尊重してあげましょう。
好きなことなら誰だって意欲的に取り組み、根気強く続けられるものです。
好奇心を尊重して、子どもがやりたいと思うことをさせてあげることで、意欲を伸ばしたり、工夫することを覚えたりなどの能力が育まれます。
何に興味を持ち、楽しいと思うかは子どもによってさまざま。
大人からしたら「何してるの⁉」「なんでそんなのを選ぶの?」と思うような物ごとにも、興味を持つことが子どもにはあるので、取り組みを邪魔してしまいたくなることもあるかもしれません。
しかし、子どもは一見無駄とも思える行動からも、多くのことを学んでいます。
子どもが好奇心を持って取り組んでいることは、危険なことでない限り、やらせてあげてみてはいかがでしょう。
子どもの気持ちに共感してあげる
子どもの気持ちに共感してあげることも、非認知能力を伸ばすために有効だと考えられています。
嬉しいときは一緒に喜び、失敗したときは共に落ち込んであげてください。
自分の気持ちを受け入れてもらえたことで、ますます意欲が湧いたり、自分で気持ちに折り合いをつけて立ち直ったりできる力がつくはずです。
ぜひ、お子さんが驚く出来事に遭遇したとき、ショックなことがあったとき、幸せを感じたときなどには、その気持ちにそっと寄り添ってあげてください。
自信を持たせてあげる
非認知能力を伸ばすためには、自信を持たせてあげるように意識しましょう。
自分に自信がつくと、「もっとチャレンジしたい!」「もっとよくできる方法があるはず」というように、意欲的になったり、根気よく取り組んだりすることができます。
また、自信があることから心に余裕を持つことができ、コミュニケーションを上手く進めることができるようになります。
子どもに自信を持たせるためには、以下の点を意識してみてください。
- 「頑張ったね!」「いっぱい練習してすごい」というように子どもの努力を褒める
- 「あなたが大好き」「産まれてきてくれて嬉しい」というように子どもの存在自体を褒める
- 他の子と比べない
- 習い事や遊びの中で成功体験を増やしてあげる
自信は、人を形成する大きな要素の1つ。
子どもの未来のために、日常的に自信を持たせてあげるように意識してみてください。
また、自信をもたせるための方法の1つ「成功体験を増やす」を実践するなら、プログラミング教育にチャレンジするのもおすすめです。
★プログラミング教育について詳しく知りたいお父さん・お母さんは、こちらの記事も参考にしてみてください。
【子どものここが伸びる!】プログラミング教育でどんな能力が身につくの?
小学生向けおすすめプログラミング教材を年代別に紹介!家庭で学べる!
まとめ
非認知能力は、簡単に言うと「頑張る」「我慢する」などといった感情や心の動きに関連する能力。
世界で注目される能力であり、子どもの将来に大きな影響があると考えられています。
非認知能力を伸ばすために、親ができることは意外と簡単です。
無条件の愛を与えて、ありのままを受け入れてあげる…言葉にすると身構えてしまうかもしれませんが、子どもを愛する気持ちがあれば大丈夫!
今回の記事をきっかけに、非認知能力へ意識をほんの少し傾けるところから、はじめてみてくださいね。
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