子どもの発達障害とは?3つのタイプ別に特徴を分かりやすく解説!

近年、「子どもの発達障害」という言葉をよく聞くようになりました。「発達障害」って聞いたことはあるけど言葉がひとり歩きしていて具体的には分からない…という方も多いのではないでしょうか。ここでは、3つのタイプ別に、発達障害の特徴をお伝えします。

発達障害とは

発達障害は、生まれつきのもので脳の発達に障害があるものの総称です。近年、「子どもの発達障害」というのもよく聞く言葉になってきました。

生まれつき脳の発達の仕方が通常とは異なるため、脳機能(認知)に課題があり、成長していく過程のどこかで、生活や学習上などに問題が現れてきます。
問題が現れていることに気がつく時期は、人によって乳幼児期であったり、学齢期だったり、成人してからだったりと、その方の発達特性によって様々です。

厚生労働省「みんなのメンタルヘルス総合サイト」では、以下のように説明されています。
「発達障害は、生まれつき脳の発達が通常と違っているために、幼児のうちから症状が現れ、通常の育児ではうまくいかないことがあります。成長するにつれ、自分自身のもつ不得手な部分に気づき、生きにくさを感じることがあるかもしれません。」

誤解を受けやすいですが、生まれつきの「特性」で「病気」とは異なるものです。

また、よく発達障害と混同されやすいものに「ギフテッド」もあります。
★「ギフテッド」についての解説はこちらの記事をご覧ください。
→ギフテッドって何?ギフテッド小学生の今

 

3つのタイプ別の特徴

発達障害は、脳機能(認知)の問題による障害であるということは共通していますが、症状は多岐にわたります。この症状を大きく分けると図のように3つのタイプに分けられます。

(発達障害情報・支援センターより引用)
このようにタイプを分けることはできますが、一人ひとりが少しずつ違う障害の特徴を持っていて、持っている特徴の数も人により異なります。症状は人それぞれのため、明確に分けて診断することはとても難しいものです。

ADHD(注意欠如多動性障害)とは

ADHDは、注意欠陥多動性障害(AD/HD:Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)の短縮表記で、症状は7歳以前に現れることが多いようです。

厚生労働省のe-ヘルスネットによると、ADHDをもつ子どもの脳では、前頭葉や線条体と呼ばれる部位のドーパミン物質の機能障害が想定され、遺伝的要因も関連していると考えられています。

特徴としては、多動性、衝動性、不注意といったことから、例えば、落ち着きのなさ、気持ちの切り替えが不得手、気が散りやすく集中力が続かない、熟考する前に行動するため順序立てた行動が難しい、忘れ物が多い、時間を守れないなどといったことが挙げられます。

上記のような症状が、その子どもの月齢(年齢)や発達レベルにそぐわないレベルで頻繁に現れ、すべての症状が出る場合もあれば、どれかが強くでている場合もあります。

なお、ADHDの診断は、アメリカ精神医学会のDMS-5(精神障害の診断と統計マニュアル第5版)によると以下のようになっています。

1 「不注意(活動に集中できない・気が散りやすい・物をなくしやすい・順序だてて活動に取り組めないなど)」と「多動-衝動性(じっとしていられない・静かに遊べない・待つことが苦手で他人のじゃまをしてしまうなど)」が同程度の年齢の発達水準に比べてより頻繁に強く認められること
2 症状のいくつかが12歳以前より認められること
3 2つ以上の状況において(家庭、学校、職場、その他の活動中など)障害となっていること
4 発達に応じた対人関係や学業的・職業的な機能が障害されていること
5 その症状が、統合失調症、または他の精神病性障害の経過中に起こるものではなく、他の精神疾患ではうまく説明されないこと

現在のところ、上記のことが医師の診察時に観察される行動の特徴に基づく診断となっており、インフルエンザの検査のような確立した医学的な検査はない状況です。

ASD(自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群、広汎性発達障害) とは

ASDは自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder)の短縮表記です。DMS-5への改定時に、自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害など似た症状をもつものをまとめてASDと呼ぶようになりました。

スペクトラム(spectrum)は、その現象や症状などの境界があいまいで連続的なことを意味しています。自閉症スペクトラムという名称に改定したことで、改定前の自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害が共通の特性を持っていながらも異なる特性もあり、虹の色のように連続的で明確に区切ることが難しいものであることも表しています。

ASDの特徴としては、決まった順序でやることにこだわる、自分の好きな話題や活動ばかりをする、目があってもそらす、他人との関わろうとせず集団で遊べない、集中しすぎて周囲の声が耳に入らない、動いたり回転するものにとても強い興味をもつ(常同的な興味)、同じ手の格好や動作を繰り返す(常同的な行動)、などがあります。

ASDのDMS-5における診断基準は次のようになっており、このうち4つの基準を満たした場合に診断がおります。

1 社会でのコミュニケーションや対人交流の持続的な障害
A 社会での情緒的な相互交流の障害
B 社会的交流における非言語コミュニケーション行動の障害
C 人間関係を築いて保ち理解することの障害
2 限られた反復されるパターンの行動や興味、活動(以下の項目のうち少なくとも2つに当てはまる)
A 型にはまった体の動き、物の使用や発話
B 同一性へのこだわり、決まった手順への融通の利かない固執、儀式化された言語もしくは非言語行動パターン
C 集中の深さや狭さが一般的でないほど非常に限られている大変強い興味・関心
D 感覚入力に対しての反応性の過度の上昇もしくは低下、もしくは周囲の環境の感覚的側面に対しての並外れた興味
3 症状は早期の発達段階までに発現していなければならない

(が、社会的な要求が限られた能力を超えるまで全てが現れないかもしれない。

もしくは後天的に学んだ対処法で見えなくなっているかもしれない。)

4 症状によって社会や職業またはその他の重要な分野で臨床的に重大な機能障害が起こっている

SLD(学習障害)とは

SLDは、限局性学習症/限局性学習障害(Specific learning disorder)の短縮表記で、DMS-5において名称変更がされ、それまで症状の種類別になっていた名称をひとまとめにした定義がなされました。

SLDの特徴として、知的な発達の遅れが見られない、特定の分野もしくは複数の分野に渡っての困難がある、学齢期に入ってから分かる場合が多い、といったことが挙げられます。
また、生活の中で見られることとして、本人が文字を読んで理解することはできないが誰かが読み上げたものを聞けば内容を理解できる、本人がペンで書字を行うことはできないがパソコンに文字入力はできる、算数字の「1」と漢数字の「一」などが具体物の「1つ」と同じ量を表すことが理解できていない、数を読み上げることができるが数の大小が分からない、などがあります。

なお、文部科学省では学習障害について
「学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。
学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。」
と定義しています。(文部科学省:学習障害(LD)の定義)

学習障害は、DMS-5においてSLDに名称変更がありましたが、変更前のSがつかないLD(Learning Disability)という表現や、困難なことの種類別に細分化したディスレクシア(dyslexia/読字困難、読み書き障害)、ディスカリキュリア(dyscalculia/算数障害)、ディスグラフィア(dysgraphia/書字困難)いう表記もよく見られます。

発達障害の原因

様々な特徴のある発達障害ですが、発症の要因は現在のところ明確にはわかっていません。
特徴が目立つかどうかは、症状に対してどんな対処をしているかといった生活環境も関係しますが、親の育て方や愛情不足、個人の努力不足が原因だというのは誤りです。

身体的要因について

発達障害は、身体的には脳機能の偏りが起こしているものです。
脳に起きているため外見からは解りにくいことが多いですが、先天的なもので、本人の性格や、親の養育などによっておきるものではありません。病気のように投薬して完治する、骨折したので固定して治す、といったような治り方はなく、生涯に渡って発達障害による特性と付き合っていくことになります。

なお、脳機能の特性から、不器用さが目立つ場合もあり、作業療法士などのもとで感覚統合の訓練をする場合もあります。感覚統合が未熟な場合、ちょうどいい力加減がうまくできずに、軽く触ったつもりが強く叩かれたと相手が感じるほどの強さということがあったり、近くの子にボールを渡すだけなのに力いっぱい投げたりといったことが起きたりします。

環境的要因

発達障害の要因に環境は関係あるのでしょうか?
これまでの多くの研究で、胎内にいたときの感染症、環境汚染物質の水銀、鉛、PCB、ダイオキシンなどによるものといったもの、食事の影響など、環境といっても色々で数多くの候補があげられていますが、まだ確定されていません。

では、誕生後の生活環境ではどうでしょうか。
発達障害は先天的なものですが、生活する環境によって、その症状を目立たなくすることや悪化してしまうこともあるといわれています。

たとえば、周囲の誤解や理解不足、発達障害があることの発見の遅れなどから、周囲の人から適切な支援を受けられず、いじめにあったり、非行がはじまったり、学齢期では不登校になるケースもあります。
このような、発達障害があることが起因して別の問題が起きる状況を二次障害と呼びます。

逆に、どのような発達障害があるか理解されている環境では、適切な支援を受けらると、当事者も精神的に安定して過ごすことができ、症状が目立たなくなっていきます。

たとえば、授業中になんの意図も感じられない離席が続けば、クラス内で先生や子ども同士でも指摘されるようになるかもしれませんが、離席をしがちなお子さんに、離席してもおかしくない係などをお願いすれば、離席で注意はされにくくなりますね。

ほかにも、やりたいことを衝動的に始めがちで順序立てた行動が難しい子に、やることを順番に書いたメモを渡すと、スムーズに取り組めるようになったり、急な予定変更でパニックになる子には、クールダウンできる方法を身に着け、その方法ができるように配慮するなど、環境を整えることで、自分でできたという成功体験をすることもできます。

まとめ

子どもの発達障害について、3つのタイプとその特徴などを紹介しましたが、いかがでしたか?
我が子や、知っている子もこういう特徴が…と思う方もいるかもしれません。もしそのように思われたら、まずはどのような特性があるのか観察し、必要な支援を考えてみましょう。

以前より、身近になった発達障害ですが、病院に行けば治ると思われたり、やる気がないと指摘されたり、まだまだ誤解や偏見も多くある状態です。

発達障害をもつ子どもたちは、そうでない子たちよりも、叱責をうけることが増えてしまいがちで、成長過程で自己肯定感を育てにくいとも言われています。支援環境を整え、褒められたり、自分でできた!という成功体験を増やしてあげたいですね。

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