モンテッソーリ教育とは?おすすめする理由

モンテッソーリ教育とは医師であり、教育家であったマリア・モンテッソーリが「子どもの観察」から考案した教育法です。日本でも最近では、史上最年少棋士の藤井聡太七段も取り入れていたとして注目を浴びていますが、世界中でこの教育法が支持され、盛んに実践されている理由を探っていきましょう。

モンテッソーリ教育とは?

モンテッソーリ教育では、「子どもには、自分を育てる力が備わっている」という「自己教育力」が前提となっています。子どもは歩くことを教えなくても、歩こうとしたり、積極的に環境に関わりながらさまざまなことを吸収していきます。子どもは生まれながらにして知ることを求めていて、自発的に学んでいくので、大人は余計な手や口を出さず、学ぶ環境を提供する役割のみでよいという考え方です。

モンテッソーリ教育は、大脳生理学、心理学、教育学などの面からも確かであると証明されています。「自立していて、有能で、責任感と他人への思いやりがあり、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てる」目的を達成するために、子どもを科学的に観察し、そこから得た事実に基づいています。100年以上たった今も世界中で支持され、現在世界140以上の国にモンテッソーリ実践園があるといい、その中から世界をリードする人々が数多く育っています。

モンテッソーリ教育では何をするのか?

モンテッソーリ教育では個性的な教具を使い、子どもたちそれぞれの敏感期(成長の過程である特定の機能を成長させるため、特別に際立った感受性を持つ時期)を背景に、以下の5つの分野での教育を行います。

①日常生活の練習

洗濯やアイロンがけ、飲み物を注ぐなどの日常生活を体験させ、自立する心を育てます。この時、道具には子どもが扱いやすいサイズの色や形が魅力的で、清潔なものを使います。子ども自身が汚れに気づき、清潔に保とうと意識できること、また飲み物を注ぐ練習に使うのは落としたら割れてしまう陶器やガラスなどの本物であることが大切です。これにより本物の持つ美しさを感じられたり、壊さないように慎重に扱うことができるようになるのです。

②感覚教育

感覚の発達は知的活動の基礎となるため、モンテッソーリ教育の中でも特に重視されています。具体的には、大小10個の立方体を大きい方から積み上げていく「ピンクタワー」や、大小・高低などの視覚を養う「円柱さし」、聴覚で音の高低を識別する「音感ベル」などの教具があります。それらは大人の手を借りなくてもいいように、教具の使い方に誤りがあれば自分で気づくように工夫されています。

    ピンクタワー            円柱さし

③言語教育

「話す」「書く」「読む」だけではなく、「文法」や「文章構成」も早い時期から学びます。言語教育の教具には、ツルツルした台にザラザラの砂文字で平仮名、カタカナが一文字ずつ書かれており、指でなぞる「砂文字板」などがあります。

④算数教育

モンテッソーリの算数教育で十進法は、1、10、100、1000の「金ビーズ」を用いて、視覚、重さなどで数を体感しながら学びます。また、「銀行あそび」、「切手あそび」、「蛇あそび」などの教具を用いて、グループや個人で楽しく4桁の四則演算を学びます。

⑤文化教育

動植物、地理、地学、歴史、道徳(宗教)、音楽、体育、美術などが含まれます。生命の神秘への興味や芸術に関する表現力などの能力を育みます。モンテッソーリ文化教育の教具には、「太陽系の惑星の模型」や「世界地図・日本地図パズル」、「動植物の絵のカード」などがあります。

モンテッソーリ教育に必要な環境

 

モンテッソーリ教育の環境構成のポイント6つあります。

①子どもの活動に適切であること

②色彩や形などが子どもにとって魅力的であること

③制限のあること

教具は1セットづつ備えておくのは、自分のやりたい教具を他の人が使っている場合は待つというマナーを身に付けるためです。

④教具の使い方に誤りがあれば自分で気付くように工夫されていること

誤りの訂正が大人や周りの人の手を借りずに自分でできることは大切です。

⑤できるだけ本物であること

⑥子どもの成長、文化的発展

生命の神秘への興味や芸術に関する表現力などを育てます。ITツールの活用スキルを育成し、将来、様々な分野で活躍できるITリテラシーを育んでいます。

モンテッソーリ教育における大人の心得

モンテッソーリ教育の基本的な考え方は「子どもは、生まれながらに自らを成長・発達させる力を持っており、大人はその要求をくみ取り、自由を保障し、子どもたちの自発的な活動を援助する存在に徹しなければならない」というものです。

大人は子どもを観察し、子どもの自主活動を援助する人的環境要素と考えられています。子どもたちを注意深く観察する態度が要求され、それぞれの子どもたちの欲求にそって、その教育を提供する注意深さが求められます。また、子どもたちの集中時にそれを妨げない心遣いや、子どもの自発性を「待つ」姿勢もとても重要です。

モンテッソーリ教育で子どものここが伸びる!

一般的な学校教育では答えを導き出す最短経路を教えられますが、モンテッソーリ教育では遠回りしながらも、型にはまることなく子どもがじっくりと自分の力で物事の本質を理解できるようになっています。それゆえに集中力と論理的思考力が身につくことが期待できるのです。

また、知的好奇心を引き出すモンテッソーリ教育により育った子どもは興味のあるものにとことん没頭することができます。自らの好奇心に従って活動に取り組み、根気強く自分で答えを探求し続けるのです。これは是非子どもに身につけさせたい能力ですね。

家庭でやってみよう!モンテッソーリ教育

モンテッソーリの教具を買わなくても、近所にモンテッソーリの学び舎がなくても、私たちの心がけ一つで家庭で手軽にモンテッソーリ教育を実践できます。

あれこれ子どものことに口を挟みたくなる気持ちをグッと抑えてまずは子どもを観察してみましょう。子どもが何かに興味を示したら、手本をゆっくりとやってみせたり、知っている限りのことを教えてみましょう。また、一緒に調べるというのもいいでしょう。子どもが助けを必要とするタイミングは逃さないように、常に子どもを観察して、子どもから呼ばれたらすぐに駆け寄るべきです。

また、子どもの「できた」「わかった」という喜びを奪わないように、大人が手出しをし過ぎないようにしましょう。子どもの意志を尊重し、大人の一方的な都合で中断させたりせず、見守るべきです。この時、子どもが間違いに自分で気づいて訂正するのを待つことも重要です。また、間違わないように仕向けるのはよくありません。力を出し切った子どもに対しては、やさしく言葉をかけてあげましょう。

子どもの興味にまかせてやらせてみるといろいろなことがわかります。子どもを見る目が変わり、今まで不可解だった子どもの困った言動の意味がわかってくることもあるでしょう。そして子どもを暖かく見守っていく中で、子育てというものがこれまで以上にやりがいのあるものに変わっていきます。

おわりに

日本では「幼児教育」として有名なモンテッソーリ教育ですが、決して幼児教育だけではなく、小学生の子どもと向き合う上でも大切なことがたくさん盛り込まれています。大人が先回りしてあれこれ指示を出すのではなく、子どもが自分で考えて行動するのを待ち、見守ることは大事です。子どもはたくさん失敗を経験して、そこで初めてやり方の工夫を学び、一人で頑張ろうとすることで自立心や集中力が大きく育まれます。責任感と思いやりを持った自立的な大人、一生を通じてしっかりと学び続ける姿勢を持った大人に、子どもたちを育てていきたいですね。

家庭で実践してみて気づいたこと、実践したことで子どもがこう変わったなど、みなさんの体験を是非みらいいまでお知らせください。