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花粉症で「勉強できない」を解決!家庭でできる工夫とテスト中の即効策

学校生活
公開日:2025年12月22日 更新日:2025年12月22日
花粉症で「勉強できない」を解決!家庭でできる工夫とテスト中の即効策

花粉症は、今や小学生の約3人に1人がかかるといわれる身近な悩みです。

症状がつらいと、勉強どころではなくなってしまいますよね。

この記事では、花粉症で勉強に集中できなくなる理由を整理したうえで、家庭でできる対策や、テスト中でも実践できる工夫をご紹介します。

「花粉症だから仕方ない」とあきらめず、できることを知って取り組んでいきましょう。

もくじ

    花粉症で勉強できないのはなぜ?小学生が集中しにくい3つの理由

    花粉症の症状は、大人が思う以上に子どもの集中力を奪います。
    はじめに花粉症が勉強の妨げになる3つの理由を見ていきましょう。

    鼻水・鼻づまり・目のかゆみで集中が続かない

    花粉症の代表的な症状であるくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみは、勉強中の集中力を大きく低下させます。

    鼻水が止まらないと何度もティッシュで鼻をかむことになり、その都度勉強を中断せざるを得ません。
    鼻がつまると呼吸が苦しくなり、教科書を読んでいても内容が頭に入らないことも。
    目がかゆいときは、こすらないように我慢するだけでも気が散ってしまい、問題を解くどころではなくなります。

    2025年に大正製薬が行った調査では、花粉症の症状がある人の約70%が「受験勉強や試験に影響がある」と回答
    この結果は15歳以上の受験経験がある人を対象とした調査ですが、集中力や体力の面で影響を受けやすい小学生にとっても、花粉症対策が重要であることを示しています。

    眠りが浅くなり記憶力に影響する

    花粉症になると、記憶力に影響が出る場合も。
    鼻がつまると、口呼吸になり眠りが浅くなってしまいます。その結果、睡眠不足になり、日中の集中力や記憶力が落ちてしまうからです。

    勉強した内容を覚えるには、質の良い睡眠が欠かせません。
    しかし、花粉症の症状が続くと、夜ぐっすり眠れず、朝起きてもすっきりしない状態が続くため、学習効率が下がってしまうのです。
    特に小学生は成長期にあり、十分な睡眠が心身の発達にも重要です。
    花粉症の症状が睡眠を妨げている場合は、早めに対策を講じることが大切になります。

    不快感やストレスで「勉強に向かえない」気持ちになる

    花粉症の症状が続くと、体のだるさやイライラ感といった全身症状が現れることがあります。
    調査によると、花粉症の人の約57%が「集中力の低下」を、約42%が「倦怠感」を経験しています。
    体がだるく、気分も沈みがちになると「勉強しなきゃ」と思っていても机に向かう気力が湧いてきません。

    お子さまが「やる気が出ない」「疲れた」と言う背景に、花粉症の不快感が隠れていることもあります。
    症状そのものだけでなく、そこから生まれるストレスも、勉強への意欲を削いでしまう要因になるのです

    勉強中・テスト中にもできる即効策

    花粉症の症状がつらいときは、勉強中やテスト中にできる対処法を知っておくと安心です。
    ここでは、お子さまが自分でできる簡単なケア方法をご紹介します。
    すべてを完璧に対処する必要はありません。
    お子さまの症状に合わせて、できるものを1つ取り入れるだけでも違いがあります。

    鼻水が止まらないときの簡単ケア

    勉強中に鼻水が止まらないときは、こまめにティッシュで優しく鼻をかむことが基本です。
    強くかみすぎると鼻の粘膜を傷つけてしまうため、片方ずつ優しくかむようにしましょう
    保湿ティッシュを使うと鼻の下の肌荒れを防げます。

    また、温かい飲み物を飲むと、鼻の通りが少し良くなることも。
    白湯や温かい麦茶などを用意して、勉強の合間に飲むのもおすすめです。
    また、濡れタオルを軽く絞って鼻に当てると、鼻の粘膜が潤って症状を和らげられます。

    目のかゆみ・喉の不快感を和らげる方法

    目がかゆいときは、つい手でこすってしまいがちですが、これは症状を悪化させる原因になります。
    目を傷つけてしまう可能性もあるので、なるべくこすらないようにしましょう。
    目がかゆい時は、冷たいタオルをまぶたの上に優しく乗せると、かゆみが和らぎます。
    保冷剤をタオルで包んで使うのも効果的です。
    また、目薬を使って、目を潤すのも有効です。

    喉がイガイガするときは、のど飴を舐めたり、こまめに水分を取ったりして喉を潤しましょう。
    マスクを使うと、喉の乾燥を防げます。濡れマスクを使うと加湿もできます。
    加湿器がある部屋で勉強すると、喉や鼻の粘膜を守るのに役立ちます。

    テスト中でも静かにできる対処法

    テスト中は、周りの人の迷惑にならないよう静かに対処する必要があります。
    鼻水が出そうなときは、先生に確認した上でポケットティッシュを机の上に用意しておき、音を立てずに優しく鼻を押さえましょう。
    くしゃみが出そうなときは、ハンカチやティッシュで口と鼻を覆い、できるだけ音を抑えます。

    目がかゆいときは、目をこすらず、まばたきを数回繰り返すとかゆみが少し和らげられることもあります。
    つらいときは、手を挙げて先生に相談し、一時的に席を外したり、普段使用している薬があればそれを使ったりしても良いかなど相談してみましょう。
    教室で受けるのが難しい場合は、事前に担任の先生に症状を伝えておくと、別室でテストを受けられるように配慮してもらえるかもしれません。

    花粉症の日でも勉強しやすくなる家庭の工夫

    家庭でできる花粉症対策は、お子さまの勉強環境を整えるうえでとても大切です。
    花粉を家に持ち込まない工夫と、室内の花粉を減らす方法を実践してみましょう。

    花粉を家に持ち込まない玄関ルール

    花粉症対策の基本は、花粉を家の中に持ち込まないことです。
    外から帰ってきたら、玄関に入る前に必ず衣服や髪についた花粉を払い落とすルールを作りましょう。
    上着は玄関でブラシや粘着ローラーを使って花粉を取り除き、できれば玄関に収納できると良いです。

    帽子や髪の毛にも花粉はたくさん付着しています。家に入る前に手で軽く払うだけでも効果があります。
    マスクも玄関で外し、ビニール袋などに入れて処分するか、洗えるタイプなら玄関で保管しましょう。
    家族でこの習慣を続けると、室内に持ち込まれる花粉の量を大きく減らせます。

    部屋の花粉を減らす換気・加湿・掃除

    部屋の換気は、花粉症の時期でも完全にやめてしまうのはおすすめできません。
    空気がこもると、インフルエンザなどの感染症リスクが高まったり、二酸化炭素が増えて集中力が落ちたりすることがあるためです。

    換気をする際に、花粉の侵入を防ぐためには、花粉が多く飛ぶ日中は避け、早朝や夜など比較的少ない時間帯に短時間で行うのがポイントです。
    窓は全開にせず10cm程度開け、レースカーテンを閉めたまま換気すると、室内に入る花粉を抑えられます。
    24時間換気機能がある家庭では、花粉対応フィルターに交換すると、窓を開けずに換気することも可能です。

    加湿器を使って部屋の湿度を50〜60%に保つと、花粉が水分を含んで床に落ちやすくなり、空気中を舞いにくくなります。
    掃除は、人の動きが少ない朝一番に行うのが効果的です。
    濡れた雑巾やフローリングワイパーで先に床を拭き、その後で掃除機をかけると、花粉を舞い上げずに取り除けます。
    空気清浄機を併用するのも、室内の花粉対策として有効です。

    衣類・洗濯物で気をつけたいポイント

    花粉が多い時期は、洗濯物を外に干すのは避けましょう。
    部屋干しや乾燥機を使うと、衣類に花粉がつくのを防げます。
    外に干す場合は、花粉の飛散量が少ない早朝に干し、取り込む前に必ず花粉を払い落としましょう。
    花粉や汚れから洗濯物を守ってくれる通気性の良いカバーもあります。

    外出する際の衣類選びも重要です。表面がツルツルした素材(ポリエステルやナイロンなど)の服を選ぶと、花粉が付きにくく、払い落としやすくなります。
    逆に、ウールやフリースなど毛羽立った素材は花粉が付着しやすいため、花粉シーズンは避けた方がよいでしょう。

    こちらもすべてを完璧に行う必要はありません。
    家庭の環境やお子さまの体調に合わせて、できる対策から取り入れていきましょう。

    花粉症でもできる!体調に合わせた勉強の進め方

    花粉症の症状がある日でも、工夫次第で効率よく勉強を進めることは可能です。
    お子さまの体調に合わせた学習方法を見つけてあげましょう。

    症状が軽い時間帯に勉強する

    花粉の飛散量は、時間帯によって変わります。
    一般的に、午後1時から3時頃が最も多く飛散するといわれています。
    朝や夕方以降は比較的飛散量が少ないため、症状が軽いようです。
    お子さまの症状を観察して、調子が良い時間帯を見つけ、その時間に集中して勉強できるようにしましょう。

    たとえば、朝型のお子さまなら、学校から帰ってきてすぐではなく、夕食後や朝の時間を活用するのも一つの方法です。
    症状が軽い時間帯に重要な科目や難しい問題に取り組み、調子が悪い時間帯は復習や軽めの課題に充てるなど、メリハリをつけると良いでしょう。

    「こま切れ勉強法」で短時間集中する

    花粉症の症状があると、長時間集中して勉強するのは難しくなります。
    そんなときは、15分や20分といった短い時間で区切って勉強する「こま切れ勉強法」が効果的です。
    タイマーを使って時間を決め、その間だけ集中して取り組むのです。
    ドリルなどの場合は15〜20分で1ページとキリよく終わらせることも可能ですし、
    長時間かかる問題でも途中で区切られると続きが気になるため、休憩後の勉強に取りかかりやすくなります。

    短時間でも集中できれば、学習効果は十分にあります。
    休憩時間は5分としっかり時間を決めて、目を休めたり、鼻をかんだり、水分を取ったりして、次の勉強時間に備えましょう。
    休憩時間もタイマーでしっかり管理することが大切です。
    こま切れ勉強法は、花粉症でない日にも使える効率的な学習方法です。

    苦手科目は体調が良い日にまわす

    花粉症の症状がひどい日に、苦手な科目や難しい問題に取り組むのは大きなストレスになります。
    そんな日は無理をせず、得意科目の復習や、漢字練習、計算ドリルなど比較的取り組みやすい課題に取り組みましょう。

    体調が良い日や症状が軽い日に、集中力が必要な苦手科目や新しい単元の学習をするようにします。
    このように、学習内容を体調に合わせて調整すると、無理なく勉強を進められます。
    学習計画を立てる際に、予備日を設けておくと、体調が悪い日の遅れをカバーできて安心です。

    ただし、思うように時間を調整できない日もあります。
    その場合は、無理に計画通り進めようとせず「今日はここまで」と区切ることも大切です。

    花粉症でつらい子どもへの寄り添い方

    花粉症の症状がつらいとき、お子さまは思うように勉強できない自分にもどかしさを感じているかもしれません。
    保護者として、どのように寄り添い、サポートできるか紹介します。
    花粉症の時期は「勉強させる」よりも「安心して過ごせる環境を整える」ことが、結果的に学習の土台になります。

    つらい症状が出ているときの声かけ・励まし方

    花粉症の症状が出ているときは「頑張って」「我慢しよう」という声かけよりも「つらいね」「大変だね」とお子さまの気持ちに共感する言葉をかけてあげましょう。
    症状を認めてもらえるだけで、お子さまの心は少し軽くなります。

    「今日はできる範囲でやろう」と、無理をしなくて良いと伝えることも大切です。
    また「症状が良くなったらまた頑張ろう」と前向きな言葉を添えるとお子さまも安心して休めます。
    症状がつらいことを否定せず、受け止めてあげる姿勢が大切です。

    無理させない学習量の調整のコツ

    花粉症の症状がひどい日は、学習量を思い切って減らすことも必要です。
    いつもの半分の量にする、宿題だけに絞る、といった柔軟な調整をしてあげましょう。
    完璧を求めず「今日できたことを認める」という姿勢が大切です。

    学習計画を立てる際には、花粉症の症状が出やすい時期を考慮して、余裕を持ったスケジュールにしておくと良いでしょう。
    調子が良い日に少し多めに進めておけば、調子が悪い日に無理をする必要がなくなります。
    お子さまと一緒に、無理のない計画を立ててみてください。

    イライラしやすい子への心のフォロー

    花粉症の症状が続くと、体の不快感からイライラしやすくなることがあります。
    いつもは穏やかなお子さまが、些細なことで怒りっぽくなったり、泣きやすくなったりする場合は、症状によるストレスが影響しているのかもしれません。

    そんなときは、お子さまの感情を否定せず「体がつらいと、イライラしちゃうよね」と気持ちを受け止めてあげましょう。
    一緒にリラックスできる時間を作ったり、好きなことをする時間を設けたりして、心の余裕を取り戻せるようサポートします

    症状がひどい場合は、無理をせず医療機関を受診することも検討しましょう。
    受診時は、普段の症状や様子を伝えると、対応方法を教えてもらえる場合もあります。

    花粉症の日も少しずつ勉強をすすめよう

    勉強中やテスト中には、こまめに鼻をかんだり、冷たいタオルで目を冷やしたりといった簡単なケアが役立ちます。
    家庭では、花粉を持ち込まない工夫と室内環境の整備が基本です。
    まずは「玄関で花粉を落とす」「勉強前にティッシュとタオルを用意する」など、今日からできることを1つ決めて取り入れてみるのがおすすめです。
    花粉症の症状がひどい場合は、早めに医師に相談し、適切な治療を受けることも検討してみてください。
    完璧を目指さず、できる範囲で少しずつ進めていきましょう。

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