検索

節分の豆まきはいつから始まった?意味・歴史・子どもと楽しむ方法を解説

子どもの成長
公開日:2025年12月28日 更新日:2025年12月28日
節分の豆まきはいつから始まった?意味・歴史・子どもと楽しむ方法を解説

家族で節分を楽しむことは、お子さまが季節の行事を身近に感じるきっかけになります。

ただし、お子さまと一緒に豆まきをする際には、安全面などいくつか気をつけたいポイントもあります。

ここでは、節分に込められた意味や歴史を紹介しながら、お子さまと一緒に楽しめる節分の方法を分かりやすく解説。

家庭で安心して節分を行うために、ぜひ参考にしてください。

もくじ

    節分の豆まきはいつから?起源と歴史

    まずは、節分の豆まきの起源と歴史を簡単に説明しましょう。

    平安時代の宮中行事「追儺(ついな)」が起源

    日本の豆まきの起源は、平安時代の宮中行事「追儺」とされています。

    当時の宮中では、立春の前日にあたる大晦日に、邪気を払い疫病を防ぐ目的で追儺という儀式が行われていました。
    この儀式では豆が使われており、現代の豆まきの原型になったと考えられています。

    室町時代から江戸時代にかけて定着した豆まき

    追儺の儀式は、平安時代から鎌倉時代にかけて次第に簡略化され、寺社や民間にも広がっていきました。

    室町時代ごろから豆をまいて鬼を払う行いが見られるようになり、江戸時代には庶民の間で節分の豆まきとして定着しました。

    豆まきは、宮中で行われていた追儺の儀式から、家族の無病息災や幸福を願う身近な年中行事へと変化し、現代まで続く節分の風習となりました。
    この頃から、鬼のお面を使ったり、家庭で行ったりする形が広まったとされています。

    節分に豆まきを行う意味

    ここでは、節分についての基礎知識を紹介。
    節分の意味や込められた願いを知ることで、さらに節分を楽しめるようになるかもしれません。

    「鬼は外・福は内」に込められた願い

    「鬼は外」は、「家の中に入り込んだ悪いものを外へ追い出す」という意味があります。
    節分でいう鬼は、病気や災害、悪い感情などの象徴とされており、そうした災いを遠ざけたいという願いが込められています。

    一方、「福」は家族の健康や商売繁盛、子孫繁栄といった良い運気を表したもの。
    「福は内」には、家の中に福を呼び込み、幸せを願う想いが込められています。

    豆が使われる理由

    豆は、お米と同じように人々の大切なエネルギー源であり、古くから霊力を持つ食べ物と考えられてきました。

    また、紀元前2800年頃に書かれた中国最古の薬物書『神農本草経』には、生大豆について「煮飲汁殺鬼毒」と記されています。
    これは「生の大豆の煮汁が、鬼毒つまり病や災いを追い払う」という意味です。

    このような考えから、豆をまいて災いを追い出し、食べることで力をもらう習慣が生まれたとされています。

    節分に行うのは季節の変わり目に邪気を祓うため

    節分には「季節を分ける」という意味があり、元々は季節の変わり目を表す暦上の呼び名でした。

    現在の節分は、季節の始まりと考えられていた立春の前日にあたります。
    昔の人々は、季節の変わり目には、邪気つまり鬼が生じやすいと考えていました。

    そのため節分には、豆をまいて邪気を追い払い、新しい季節を健康に迎えられるよう願いを込めて豆まきを行うようになったのです。

    節分の豆まきは何時にやる?昔と今の考え方

    では、節分に対する考え方は、今と昔でどのように変わっているのでしょうか。
    どのような違いがあるのかを調べてみても楽しいですよ。

    昔は夜に行われていた理由

    豆まきが夜に行われていた理由には、病気や災いを象徴する鬼の存在が関係しているとされています。

    昔の人々は、鬼は丑寅(うしとら)の方角、すなわち北東から現れると考えていました。
    丑寅は時刻でいうと午前2時から4時頃にあたるため、豆まきは夜に行う風習が生まれたと言われています。

    しかし、家族揃っての行事として深夜に実施するのは難しく、午後8時~10時ごろにずらして行うのが一般的になりました。

    また、平安時代の追儺も、病疫を追い払うため、旧暦の大晦日の夜に行われていました。
    旧暦の大晦日とは、新年にあたる「立春」の前日のことで、言わば「節分の日」を指します。
    豆まきが夜に行われてきた背景には、こうした古い儀式の習慣も影響していると考えられています。

    現代は家庭の都合に合わせてOK

    現代では、節分の豆まきを行う時間に決まりはなく、地域や家庭の都合に合わせて行うのが一般的です。
    家族が全員そろう夜に行う家庭も多く見られます。

    また、寺社では伝統行事として昼間に豆まきを行うこともあり、地域ごとに風習はさまざま。

    新しい季節を気持ちよく迎えるためにも、無理のない時間帯で豆まきを楽しみましょう。

    おうちでできる節分の豆まきのやり方

    ここからは、家庭でできる節分の豆まきのやり方をご紹介します。
    いくつかポイントがあるので、無理のない範囲で取り入れてみてください。

    まずは豆を用意しよう

    まず用意するのは、福豆と呼ばれる炒った大豆です。
    スーパーやインターネットで購入できるため、節分に合わせて早めに準備しておきましょう。

    節分の日(立春の前日)の夜までは桝に入れて神棚に供えるのが一般的ですが、神棚がない場合は、白い紙の上にのせて高い場所に置いておくのがおすすめです。
    豆を供える日数については、「何日間」という明確な決まりはありません。目安として、節分の数日前~前日までに用意しておくとよいでしょう。

    「鬼は外」豆を外に向かってまく

    豆まきは、家の奥の部屋から玄関に向かって、「鬼は外!」と言いながら室内に豆をまいて進むのが一般的とされています。

    そして最後に玄関を開け、外に向かって豆をまくことで、鬼を家の外へ追い出すというイメージです。

    ※本画像は、生成AI(ChatGPT)を用いて作成したイラストです。特定の人物・作家・作品を意図的に模したものではありません。

    豆をまき終えたら、玄関や窓をしっかり閉めて、鬼を外に締め出しましょう。
    大きな声や音には魔除けの意味があるため、元気よく行うのがポイントです。

    なお、現代の家庭では掃除のしやすさなどを考え、玄関周辺だけで行っても問題ありません。

    「福は内」家の中に福を呼びこもう

    鬼を追い出したあとは、戸や窓を閉めて「福は内!」と声をかけながら、家の中に豆をまきます。

    戸や窓をしっかり閉めることで、鬼が家の中に戻らないようにしましょう。
    最後に玄関にも豆をまき、家の中に福を呼び込んだら豆まきは完了です。

    年齢の数よりひとつ多く豆を食べる習わしもある

    豆まきが終わったら、今の自分の年齢よりひとつ多い数の豆を食べる習わしもあります。
    年齢に1を足した数を食べるのは、「今年の分」と「来年の分」を意味しており、無病息災を願うためです。

    この豆は「年取り豆」と呼ばれ、家族で数を数えながら楽しむのも節分ならではの風習と言えるでしょう。

    子どもと節分の豆まきをするときの注意点

    お子さまと節分を楽しむためにも、注意しなければいけないポイントをしっかりおさえておきましょう。

    小さな子ども(5歳以下)は誤飲に注意

    小さな子どもが豆まきをする際は、豆の誤飲に十分注意しましょう。

    消費者庁も注意喚起しているように、硬い豆やナッツ類は、のどや気管に詰まって窒息したり、細かいかけらが気管に入り肺炎や気管支炎を引き起こしたりするおそれがあります。

    こうした事故が起こりやすい理由のひとつが、子どもの気道が非常に細いことです。
    気管の細さはその人の小指くらいと言われており、お子さまの場合、気管の内径は6~8mm程度。
    硬くて丸い豆類は、わずかな拍子で詰まりやすいと言われています。

    また、豆を口に入れたまま走ったり声を出したりすると、誤って吸い込んでしまう危険性も。

    豆を食べたがる場合は、ボーロや甘納豆など柔らかいお菓子を用意すると安心です。

    なお、6歳以上の子どもでも油断せず、必ず保護者の見守りのもとで落ち着いて食べるようにしましょう。

    参照元:消費者庁MedCraveオンライン

    投げ方への配慮

    豆を投げる際は、強さや距離にも気を配りましょう。

    近い距離から勢いよく投げると、思わぬケガにつながるおそれがあります。
    まずは保護者がやさしく投げる様子を見せ、「少し離れたところから、そっと投げようね」と伝えると安心です。

    また、鬼役の人がいる場合、顔や頭、特に目に向けて投げるのは危険なため、必ず避けましょう。
    「お腹や足のあたりをねらって、やさしく投げてね」など具体的に声をかけることで、お子さまも理解しやすくなります。

    大豆・落花生アレルギーへの対応

    豆まきを行う前に、お子さまに大豆や落花生のアレルギーがないかを必ず確認しておきましょう。

    大豆・落花生アレルギーは、食べるだけでなく、殻の粉を吸い込んだり皮膚に触れたりするだけでも、喘息やじんましんなどの症状が出ることがあります。

    アレルギーのあるお子さまがいる場合は、新聞紙を丸めたボールや紙吹雪、個包装のお菓子などで代用し、無理のない方法で節分を楽しみましょう。

    後片付けしやすくする工夫

    豆まき後の掃除を楽にするには、あらかじめ豆をまく場所を決めておくのがおすすめです。
    家中にまくと片付けが大変になるため、狭い部屋や物の少ない部屋に限定すると負担を減らせるでしょう。
    床にはビニールシートや新聞紙を敷いておくと、豆をまとめて片付けられて便利です。

    また、個包装の豆を使えば、家具などのすき間に入ることがないので、掃除の手間がほとんどかかりません。
    手に入りにくい場合は、大袋の豆をラップやチャック付き袋で小分けにするのもよいでしょう。

    地域によって違う節分の豆まきと食べ物

    節分では、地域によって豆まきに使うものや、食べるものが異なります。
    日本では、その土地ならではの節分の風習が受け継がれてきました。

    地域ごとに異なる節分の豆まきや食べ物について見ていきましょう。

    北海道・東北|落花生を使う豆まきが多い地域

    北海道や東北地方では、大豆の代わりに殻付きの落花生を使って豆まきをする家庭が多く見られます。

    落花生は殻に包まれているため、まいた後でも拾って食べられる点が特徴。
    また、大豆に比べて粒が大きく、後片付けがしやすい点も理由のひとつとされています。

    地域や家庭によっては、チョコレートをまくケースもあるようです。

    関東|大豆を使う豆まきが一般的な地域

    関東地方では、炒った大豆を使って豆まきを行うのが一般的です。

    また、節分の日にけんちん汁を食べる風習がある地域も。
    根菜や豆腐など、具だくさんの汁物で体を芯から温め、無病息災を願う意味が込められています。

    このほか、いわしを食べて厄を払う習慣が残る地域や家庭も、関東の一部で見られます。

    関西|大豆の豆まきと恵方巻の文化

    関西地方では大豆を使った豆まきが行われており、代表的な食べ物として恵方巻といわしがあります。

    恵方巻は、その年の恵方(その年でもっとも縁起がよい方角)を向き、願い事をしながら黙って一本丸ごと食べる点が特徴です。
    近年は定番の太巻きだけでなく、ロールケーキや洋風の具材を使った恵方巻も登場しています。
    お子さまには、食べやすい中細巻きや一口大に切ってあげるのがおすすめですよ。

    また、邪気払いや無病息災を願って節分当日にいわしを食べるほか、焼いたいわしの頭を柊に刺して玄関に飾る「節分いわし」の風習もあります。

    九州|落花生を使う地域もある

    九州地方の節分では、おもに宮崎県や鹿児島県で落花生が使われています。

    九州が落花生の生産地であることから、この風習が広まったと考えられています。
    殻付きなので、豆をまいた後も安心して食べられるのが嬉しいポイントと言えるでしょう。

    節分になぜ豆を食べるのか、何を食べるかを学ぶことは、食育のきっかけにもなるでしょう。
    食育については、以下の記事を参考にしてください。
    食育ってなに?子どもへのメリットや家庭で簡単にできる方法を紹介

    食への興味が高まれば、お子さまの将来にもつながるかもしれません。
    以下のような道が考えられます。
    栄養士ってどんな仕事?向いている人や小学生の今からできることも紹介!
    農家になるには何が必要?仕事内容とやりがい・必要な力まとめ

    節分のルールを決めて家族で楽しく豆まきをしよう

    お子さまが日本の季節の行事を体感するためにも、家族で豆まきを行うことは良い機会となります。

    豆まきをする際は、事前に、お子さまに大豆や落花生のアレルギーがないかを確認しておきましょう。
    節分当日は、豆の誤飲に注意しながらルールを決めて行うことで、安心して楽しめます。

    家族で節分を楽しんだ思い出は、お子さまにとってきっと心に残るものになるでしょう。

    家族の思い出を作るなら、外での冬遊びもおすすめ。
    以下の記事で詳しく解説しています。
    冬の外遊びにはメリットがたくさん!子どもと一緒に楽しめる冬遊びを紹介

    related関連記事

    上に戻る