キャリア教育とは?意味から実践例まで徹底解説
「キャリア教育」って知っていますか?キャリア教育は、目まぐるしく変化する現代社会で、子どもや若者が将来職業人・社会人として自立するために必要な教育であると考えられています。
この記事では「キャリア教育って何?」「キャリア教育についてより知識を深めたい!」とお考えの方まで、ぜひ読んでみてください!
「キャリア教育」って知っていますか?キャリア教育は、目まぐるしく変化する現代社会で、子どもや若者が将来職業人・社会人として自立するために必要な教育であると考えられています。この記事では「キャリア教育って何?」「キャリア教育についてより知識を深めたい!」とお考えの方まで、ぜひ読んでみてください!
キャリア教育とは?意味や効果
まずは、キャリア教育の意味から説明していきます。
キャリア教育とは、
「一人ひとりの社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育」(文部科学省 平成22年度第二次審議経過報告)
と定義されています。
つまり、キャリア教育は、
- 子ども一人ひとりの本来の基礎的能力やあらゆる物事に対応できる応用力の発達・育成
- 子どもの職業人としての自立を促す
ということを目的にしているのです。
同じだと思われがちな職業教育との違い
キャリア教育と同じ意味だと思われがちな職業教育ですが、キャリア教育と職業教育はそれぞれ異なる教育です。
それぞれの教育の育成目的能力を見てみると、
- キャリア教育 ⇒ 一人ひとりの職業的・社会的自立に必要なベースとなる態度や能力の育成を目的にしている
- 職業教育 ⇒ ある一定の職業または特定の職業にたずさわるために必要な技能、知識、態度や能力の育成を目的にしている
といった違いがあります。
また、教育活動にも
- キャリア教育 ⇒ 一般的・専門的に関わらず、さまざまな教育活動の中で行われる。その中には職業教育も含まれる。
- 職業教育 ⇒ 具体的な職業に関連する教育を通して行われる。
といった違いがあります。
細かく見ていくとキャリア教育と職業教育は別物だとはっきりわかりますね。
キャリア教育は「子どもの職業教育を含んだ広い範囲での意識や知識、能力、技能」、職業教育は「子どもの具体的な職業人になるための能力」というように、それぞれ異なる面を引き出し、伸ばそうとしているのです。
子どもの学習意欲向上に効果的
キャリア教育は、子どもの学習意欲の向上に効果的なんです!
実際、国立教育政策研究所の調査でも、「キャリア教育に積極的な学校の生徒ほど、学習意欲が上がった」という調査結果が出ています。
キャリア教育計画の充実度によって、「児童の学習意欲が向上してきている」と答える学校の割合に、下記のような大きな差が表れました。
- 低:9.7%
- 中:20.2%
- 高:45.1%
参考元:国立教育政策研究所「データが示すキャリア教育が促す「学習意欲」」P2
充実度が低い学校と、高い学校の差がはっきりしていますね!
キャリア教育は、各教科や学級活動、総合的な学習時間などにプラスされて行われています。
その効果として、子どもの「もっと詳しく知りたい!」「もっと学びたい!」といった向上心をもって学習に取り組もうとする態度が養われるようです。
キャリア教育とは?導入される背景
キャリア教育が導入される理由は、現代社会が抱えるさまざまな問題が関係しています。
ここで、キャリア教育が導入される背景を説明していきます。
仕事の質の変化
キャリア教育の導入される背景には、社会における仕事の質の変化が大きく関わっています。
AIやIT化の発展などによって、多くの単純作業が機械化されました。
そのため、より高度な仕事の質が求められています。
若者の離職率の高さから
若者の離職率の高さも、キャリア教育の導入される背景のひとつです。
就職率が高まっている一方、離職率も高いのが現状です。
離職率は若い世代ほど高く、「就職して1年以内に退職する早期退職の多さ」「定職につかず、フリーターを選ぶ若者の増加」なども問題視されています。
若年無職者が多い
若年無職者が増加傾向にある現実も、キャリア教育が導入される背景です。
「人間関係を上手く築けない」「自己肯定感が低く自信がもてない」などといった不安を常に抱えて、仕事に就けずにいる若者が年々増えています。
産業構造の変化、労働人口が減っている
「産業構造の変化」「労働人口が減っている」という現代社会も、キャリア教育の導入に大きく関わっています。
現代では、人工知能や情報通信の技術が大きく進化しました。
そのため、「製造業よりも非製造業が増える」などの産業構造に大きな変化が表れたのです。
また、少子高齢化が進む中で、労働人口が減っていることも産業構造に大きな影響を与えています。
キャリア教育とは?実践例
キャリア教育の導入が日本で着実に進められています。
これから、実際の教育現場でさまざまな機関や企業、学校が協力してキャリア教育を行っている例を紹介します。
石川県人材確保・定住推進機構(ジョブカフェ石川)
石川県人材確保・定住推進機構(ジョブカフェ石川)は、石川県内の中学生、高校生のキャリア教育と職業意識の発達支援を行っている団体です。
活動例には、
- 石川県内の高校生を対象に、県内の約190社の企業ブースを設置し、高校生やその保護者が企業の会社説明を受けられる合同企業説明会の企画
- キャリア教育の出張講座の実施
- 就職対策講座を行う
などがあります。
興味がある人は、HPジョブカフェ石川を覗いてみてください。
科学わくわくプロジェクト
科学わくわくプロジェクトは、2003年から公益財団法人マツダ財団と広島大学が連携・共同開催しているプロジェクトです。
公益財団法人マツダ財団は、小中高生を対象に科学技術の発展活動に取り組んでいます。
プロジェクトの目的は、「科学の楽しさを学んで技術者・科学者になる夢をもつこと」「科学・技術を大切にする地域づくりに貢献すること」です。
その目的を達成するため、
- 「サイエンスレクチャー」:科学関連の体験授業
- 「広島大学科学術」:広島大学内の施設を使った科学実験の体験授業
などを開催しています。
詳しい活動内容は公式HPわくプロに載っていますよ。
関西キャリア教育支援協議会
関西キャリア教育支援協議会は、子どもたちのリアルな職業観、主体性・自立性、やる気や意欲の育成のため、教育界はもちろん労働界、産業界も共に支援するという目的で設立された団体です。
大阪商工会議所や日本労働組合総連合会大阪府連合会(連合大阪)などの機関が、大阪府教育委員会と大阪市教育委員会と連携してしています。
「情熱教室」というキャリア教育支援活動が主で、
- 職場見学や職場体験の受け入れ施設の紹介
- 教員研修会への企業人講師の派遣
などを行っています。
情報支援サイト「情熱教室」を運営し、社会全体のキャリア教育を促しています。
企業による支援活動も
学校と連携して、キャリア教育の支援を進んで行っている企業があります。
取り組み例には、
- さまざまなイベントの実施
- 工場見学や職場見学の場を提供
- 職業体験・仕事体験の受け入れ
- 学校へ企業から講師を派遣し、仕事内容を紹介
などがあります。
キャリア教育を積極的に支援することによって、企業側にも「企業のイメージや知名度アップにつながる」「社員の意識向上」などの、大きなメリットがあります。
そのため、キャリア教育の支援活動に力を入れている企業は少なくありません。
おわりに
現代社会が抱えるさまざまな問題を背景に、キャリア教育は教育機関からも一般企業からも重要視されています。
親としても、子どもが無職になったり、社会に希望を見出せずに就職できなかったりする未来は避けたいですよね。
キャリア教育は、現代の子どもには欠かせない教育であることがわかりました。
ぜひ学校には、キャリア教育計画を充実させていただきたいものですね。
そのために、ママ自身もキャリア教育に対する理解を深めて、「社会全体でキャリア教育に取り組もう!」という姿勢をもつことが大切です。