検索

「今やろうと思ってたのに・・・」それ何回目?動かない子ども、本当はどう思ってるの?(教えて!マスターRiku Vol.4)

親の学び
公開日:2025年8月21日 更新日:2025年8月21日
「今やろうと思ってたのに・・・」それ何回目?動かない子ども、本当はどう思ってるの?(教えて!マスターRiku Vol.4)

「宿題しなさい!」「今やろうと思ってたのに・・・」

こんな会話に心当たりがある保護者の方は必読!

何回言っても動かない子ども、本当はどう思っているのでしょうか?

みらいいアカデミア代表でコーチングマスターのRikuが具体的な方法を分かりやすく伝授します。

今日から使えるヒントが満載!

是非活用してみてくださいね。

(この記事は2025年6月28日に行われたセミナーと同じ内容となっております)

もくじ

    マスターRikuの紹介!

    株式会社miraii取締役兼オンラインスクール「みらいいアカデミア」代表。レッスンは5名ほど担当しています。
    小学校での授業や、将来先生になる大学生に向けての授業、全国でお金とプログラミングのイベントなどをしています。
    みらいいアカデミアのカリキュラムを作っているのもマスターRiku。これまでの教育に課題を感じ、「子どもの個性を伸ばすにはどうしたらいいか」を模索しているうちにコーチングに出会い、それを取り入れたのがみらいいアカデミアです。
    親の心理状態や子どもの発達段階を発達心理学や認知科学等のエビデンスを元に解説し、コーチングの手法から、どう解決していくかをお話します!

    「やろうと思ってたのに」のウラにある3つの本音

    まずは「子どもの本音」と「親の見立て」にはズレがある、ということを知りましょう。
    3つのパターンに分けて解説します。

    やりたいけど行動できない(実行機能が弱い)パターン

    「やりたい」「やらなきゃ」と思っていても、行動に移すための脳の司令塔の働きが未熟なことがあります。これは脳の発達段階によって変わります。

    脳の実行機能とはワーキングメモリ、認知的抑制、認知的柔軟性の三つ。

    ワーキングメモリ:一時的に情報を保持し活用します。
    この部分が未熟だと、「歯を磨こう」と思っていたのに途中で忘れてテレビを見始める、ということがあります。

    認知的抑制:衝動を抑え、目の前の誘惑に負けない力のこと。
    この部分が未熟だと歯磨きよりもおもちゃに手が伸びてしまう、ということになります。

    認知的系柔軟性:状況に応じて行動を切り替える能力
    この部分が未熟「今は歯を磨く時間だ!」と切り替える力が弱いことがあります。

    やるつもりだったけど、気が散った(注意の分散)のパターン

    宿題をやるつもりだったけどテレビに集中してしまうお子さまの場合、注意のコントロールが未熟なのかもしれません。

    選択的注意:必要な情報に集中して他を無視する力。5~6歳ごろから徐々に伸びますが誘惑に弱い傾向があります。
    持続的注意:一つのことを継続して取り組む力。低学年ではまだ5~10分程度が限界です。
    注意の転換:一つの作業から別の作業にスムーズに移る力。指示があると切り替えやすくなりますが、自己主導では困難です。

    やる気が湧かない・やるべきことに対する拒否的な感情がある

    「宿題はやるけどお風呂掃除はやらない」もしくはクオリティが低い、というタイプです。
    これは一見さぼっているように見えますが、モチベーションの種類を理解すると、子どもの気持ちが見えてきます。

    自己決定理論とは、人間のモチベーションに関する理論で、動機づけがどこから来たかによって行動などに影響が出るという考え方です。

    内発的動機づけ:興味・好奇心・達成感など、内からくるやる気。自分から宿題をする、ゲームをやりたがるなど。
    外発的動機づけ:ご褒美・罰・叱責によるやる気。「速く歯磨きしなさい!」と言われてイヤイヤ動く、など。

    持続するのは、内発的動機付けによるものの時と言われています。

    動機づけの鍵

    子どもがやる気を出すには三つの基本的心理欲求が満たされていることが大切です。
    ①自立性(自分で決めたい)
    ②有能感(できたと思いたい)
    ③関係性(信頼されたい)

    子どもの本音はどこにある?

    「できてない」の裏側の理由や気持ちを考えたことはありますか?
    「結果」=「意図」ではありません。
    歯を磨いてない=やる気がない、という訳ではないのです。

    子どもの本音は感情や脳の発達段階に大きく左右されます。

    ①実行機能が未発達→やるための手順を頭で整えられない
    ②注意がそれる→気が付いたら別のことをしていた
    ③内発的動機がわかない→やる意味・目的が分からず「めんどくさい」気分になってしまう

    その結果、親の「見立て」と子どもの「本音」にズレが生じやすくなります。

    目に見える表面だけではなく、実際の行動のタイプを三つのタイプに分けて考えてみましょう。ポイントは背後にあるサインです。

    ①実行が苦手タイプ

    【行動サイン】

    • 歯ブラシを持ったまま別のことを始める
    • 宿題は開いたのに手が止まる
    • 「えーっと何するんだっけ?」と途中で混乱


    【本音のヒント】

    • やろうとはしている
    • でも、何からすればいいか分からない、段取りが難しい→思考と行動が分断されている感覚がある


    ②気が散りやすいタイプ

    【行動サイン】

    • 宿題を始めたが、途中で絵を描き始める
    • 掃除中に急におもちゃで遊びだす
    • 「後でやる」と言って忘れてしまう


    【本音のヒント】

    • 最初は本当にやる気があった可能性が高い
    • ただし、「集中力の持続」が難しい→意図はあったが環境・刺激によって脱線


    ③やる気が起きないタイプ

    【行動サイン】

    • 行動サイン「はーい」と返事はするが動かない
    • 声をかけても無反応、無表情
    • 興味・関心が薄く、テンションが低い


    【本音のヒント】

    • 心の中で「意味がない」「どうせ怒られるし」と思っている可能性がある
    • 過去に「失敗した経験」や「やらされ感」に寄ってやる気を失っている可能性がある

    見分ける時のポイント

    親のマインドセット(気持ちの持ち方、あり方)として

    • 「やらない=やる気がない」と決めつけない
    • 「子ども目線の背景」を仮説として持って接する
    • サインは小さく曖昧であることも多いと知っておく

    ことが大切です。

    サインは表情の方さ、視線のそらし、返事のトーンなどのため、そのような小さな変化を読み取るのはコーチよりも保護者ができることです。

    タイプ別声かけ・対処法

    ここでタイプ別の声かけや対処法を見てみましょう。

    実行が苦手タイプ(=行動に移す力が弱い)

    背景

    • ワーキングメモリ・段取り力・抑制力などの実行機能が未熟
    • 「やることが多くて頭がパンクしてる」ような状態

    NG声かけ

    • 「なんでやらないの」
    • 「早くしなさい!」
    • 「もう自分でできるでしょ!」

    効果的な声かけ・対処法

    ・スモールステップで指示を出す
    「まずは歯ブラシに歯磨き粉だけつけてみようか」
    小さな行動に分けることで実行しやすくなります。分かる=分けるとも言いますが、これは「分かる」ための最初の段階です。

    ・一緒に段取りを言語化する
    「終わったら何するんだっけ?」と聞いてみましょう。声かけがワーキングメモリの補助になります。

    ・行動を「見える化」する
    予定表やチェックリストを使ってみましょう。視覚支援で流れが整理できるようになります。

    気が散りやすいタイプ

    背景

    • 持続的注意・選択的注意が未成熟
    • 周囲の刺激に反応しやすく、頭が切り替わりすぎる傾向

    NG声かけ

    • 「何回言ったらわかるの?」
    • 「どうしてまた遊んでるの?」


    効果的な声かけ・対処法

    ・時間を区切って集中
    「3分だけ頑張ってみようか」とタイマーセット。短時間の集中で成功体験が生まれやすくなります。

    ・周囲の環境を整える
    「宿題の時はおもちゃは箱に入れておこうか」と声をかけてみましょう。刺激を減らすことで注意が安定します。

    ・途中で声かけフォローをする
    「あとどれくらいかな?順調?」などと様子を見てみましょう。継続をサポートする「関わり型見守り」が有効かもしれません。

    やる気が起きないタイプ

    背景

    • 内発的動機付けが弱い
    • 無気力感・不安・抵抗感が背景にある可能性


    NG声かけ

    • 「やる気ないならやらなくていい!」
    • 「ふざけないで早くやって」

    効果的な声かけ・対処法

    ・選択肢を与える
    「今やる?それとも10分後にやる?」と選択肢を与えることで、自立性を感じられ、やる気が出やすいことがあります。

    ・感情を言語化して共感
    「めんどくさいな~って気持ちあるよね」と対立するのではなく、共感し、感情を受け止めることで安心感が生まれるでしょう。

    ・「やった後」の気持ちを想像させる
    「終わったらすっきりするかな?」と達成感を先取りするイメージ喚起で前向きにさせます。

    ご褒美などの外発的動機付けでするとそのうちやらなくなってしまいます。
    できるだけ内発的動機付けで行うように心がけてみてください。

    「うちの子タイプ別対処法」ワーク

    ちょっとしたワークをしてみましょう。

    ①最近お子さまが「動かなかった」エピソードは?
    ②3タイプのどのタイプに近い?
    ③今までどんな声かけをしていた?
    ④今日からどんな声かけをする?

    言語化するだけで新たな気づきがあることも。ぜひやってみてくださいね!

    なお、タイプは状況に応じて変わることもあり、一つではなく、混合型の場合も多くあります。子どもの状態をよく見ることが大切です。

    親も余白を持って子どもに接しよう

    今回のポイントはこちら!

    • 子どもの本音と親の見立てにはずれがあるかもと思いながら接する
    • 行動の背景を理解できれば声かけも変わる
    • 子どもを観察し、対話する余白を持つ


    親のストレス状態も子どもとのコミュニケーションに関わってきます。
    アカデミアのコーチはストレスなくコミュニケーションができる存在のため、子どもにポジティブな声かけはしやすく、保護者の方にも喜ばれています。
    毎日お忙しいこととは思いますが、保護者の方々もも余白を持って対応していただければと幸いです。

    質疑応答では、個別の質問にマスターRikuが答えます!ぜひリアルで参加してみてくださいね!

    無料のセミナー情報が届く公式LINEはこちらから!

    related関連記事

    上に戻る