【SDGs14.海の豊かさを守るために…】海洋プラスチックについて考えてみよう!
SDGsの目標14は、「海の豊かさを守ろう」。
海を持続可能な状態で利用していくため、解決していかなければならない課題の一つに、海に流出するプラスチックごみの問題があります。
この記事では、海洋プラスチックのごみ問題について、解説しています。
SDGsの目標14は、「海の豊かさを守ろう」。海を持続可能な状態で利用していくため、解決していかなければならない課題の一つに、海に流出するプラスチックごみの問題があります。今回は海洋プラスチックのごみ問題について、詳しく見ていきましょう。
そもそも海洋プラスチックってなんのこと?
海のプラスチックごみについて詳しく解説!
プラスチックは海に漂うごみの中でも大きな数を占めています。
引用:海洋ごみをめぐる最近の動向
プラスチックごみの内訳としては、飲料用のボトルが4割近くを占め、容器やカップ、ポリ袋を合わせると、半数以上になります。私たちが普段の生活のために使用しているプラスチック製品の多くが海に流れ込んでいるのです。
引用:海洋ごみをめぐる最近の動向
海のプラスチックごみはどこからくるの?
では、海のプラスチックごみは、どのように陸から流れてくるのでしょうか? 実は、外に捨てられたり、放置されたりしたプラスチックごみや、屋外に置かれたプラスチック製品が、雨や風により川に流れ着き、そのまま海に流れ込んでいくのです。
引用:海のプラスチックごみを減らしきれいな海と生き物を守る!
海に漂うプラスチックごみが引き起こす問題
海を漂うプラスチックごみ。海の生き物がエサと間違えて食べてしまうことがあります。2018年、鎌倉市で打ち上げられたクジラの赤ちゃんの胃から、プラスチックのごみが出てきました。また、2019年、フィリピンで打ち上げられたクジラの胃袋からは、40kgにおよぶ大量のビニール袋が出てきたという報告もありました。同様の問題は世界各地から報告されています。他にも、プラスチック製品の誤飲や漁業用の網が生き物の体に絡みついてしまうことで、クジラの他にも海鳥やウミガメ、イルカなど、多くの生き物が傷つき、命を落としているのです。
マイクロプラスチックって知ってる?
5ミリ以下の小さいプラスチックの粒は「マイクロプラスチック」と呼ばれています。マイクロプラスチックは一度海に流出すると、自然には分解されず、海を漂うこととなってしまいます。マイクロプラスチックには発生源が2種類あります。
マイクロプラスチックには種類がある
画像引用:海洋プラスチック問題について(環境省)
一次的マイクロプラスチック
プラスチック製品の原料となる極小のプラスチックの粒。歯磨き粉や洗顔料のスクラブ剤にも使用されているため、人間の毎日の生活の中で使用されるたびに排水溝から生活排水として流れ出て、ゆくゆくは海に流れ込んでしまいます。
二次的マイクロプラスチック
二次的に発生したプラスチックのことを指します。海に流れ出たボトルやビニール袋などの大きなプラスチックごみは、波や紫外線の影響により、劣化して割れて、徐々に細分化されていきます。小さくなったからといって消滅する訳ではなく、マイクロプラスチックとなってしまうのです。
海のマイクロプラスチックが引き起こす問題
分解されることなく海を漂い続けるマイクロプラスチック。貝や魚などの海の生き物が、マイクロプラスチックをエサと間違えて食べてしまうと、マイクロプラスチックに付着した有害な物質が、海の生き物の体に蓄積してしまいます。有害物質により汚染された小さい生き物が、大きな生き物に捕食されて…といった食物連鎖の過程で有害物質への影響が多くの生き物に広がってしまう恐れもあります。また、その有害物質を含んだ魚を人間が食べれば、人体へ影響を及ぼす可能性も出てきてしまうのです。
世界の取り組み
海を持続可能なものとするため、問題解決に向けて各国が一丸となって協力し合わなければなりません。
海洋プラスチックをめぐる世界の動き
海洋プラスチック問題についての世界動向を紹介します。
2015年9月
国際連合サミット…SDGs(持続可能な開発目標)内で、「2025年までに、海洋ごみや富栄養化を 含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる 種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する」ことが掲げられた。
2016年5月
G7伊勢志摩サミット…首脳宣言で、資源の効率性や「3R(リデュース、リユース、リサイクル)」の取り組みが、陸から出る海洋プラスチックごみ等の削減に効果があること、海洋ごみ問題に対応することが再度確認される。
2018年6月
G7シャルルボワ・サミット…世界各国に、海洋プラスチック問題への対応を促す「健康な海洋、海、レジリエントな沿岸地域社会のためのシャルルボワ・ブループリント」が採択される。
2019年6月
G20大阪サミット…日本は、プラスチックごみによる、新たな海洋汚染を2050年までにゼロに削減する「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を提案。首脳間で共有される。G20以外の国や国際機関等にも呼びかけ、87の国と地域で共有されている。(2021年5月時点)
参考:海洋プラスチック問題について(環境省)
日本の取り組み
海洋プラスチックごみ対策アクションプラン
日本では2019年5月「海洋プラスチックごみ対策の推進に関する関係閣僚会議」が開催されました。そこでは、「新たな汚染を生み出さない世界」の実現を目指した具体的な取り組みが「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」として取りまとめられました。社会生活の中で、利便性や恩恵をもたらすプラスチックの役割を認識した上で、経済活動を制約することなく、いかにプラスチックごみを海に流出させないかということを目的としています。
参考:海洋プラスチックごみ対策アクションプラン(環境省)
レジ袋の有料化で変わっていくもの
2020年7月にレジ袋が有料化されたことは記憶に新しいですね。「1週間、レジ袋をつかわない人は、3割から7割に増加!」という調査もあります。コンビニやスーパーでも必要な人だけがレジ袋を購入するスタイルに変わってきました。日本で排出されるプラスチックごみの中で、レジ袋が占める割合は2%程度。レジ袋を削減したからといって、プラスチックごみ問題が解決するわけではありません。しかし、「レジ袋は極力使用しない」という意識を持ち、行動することは、今後も使い捨てのプラスチックに頼らないよう意識することにつながっていくのではないでしょうか。人々の意識を変えるきっかけになったと言えるでしょう。
参考:レジ袋チャレンジ
私たちにもできることがある
基本の3Rを実践しよう
「3R(リデュース、リユース、リサイクル)」という言葉を知っていますか?プラスチックを資源として有効活用できれば、海のごみとなるプラスチックを減らすことができますね。身近な生活の中で取り組めることなので、お子さんと一緒に実践するのもいいでしょう。一人ひとりの日々の積み重ねが大切だという事を伝えていきたいですね。
画像引用:政府広報オンライン
海の生き物のことを知ろう
海のプラスチックごみについてお子さんに関心を持ってもらいたい。そのためにまずお子さんに海や海の生き物について知ってもらうことも大切です。テレビの動物番組を見る、絵本を見る、魚のキャラクターが出てくるアニメや映画を見る。その後水族館や海に出かけ、海の生き物を実際に見ることができるとよいですね。お子さんの興味関心や年齢に合わせて好みそうなものから勧めてみましょう。海に住む生き物がリアルにイメージできるようになると、生き物が危険にさらされる海洋プラスチックごみの問題について、より身近に感じられるため、お子さんに問題を伝えやすくなります。
SDGs目標14海の豊かさを守るために…
お子さんにも関心を持ってもらうために、まず親が興味を持って、楽しみながら学ぶ姿をお子さんに見せてあげるとよいですね。SDGsの目標は、深刻なものも多く、理解することが難しい問題もあります。しかし、例えばお子さんが魚好きなら、「どの魚が好き?お父さんはね…」という話題から始め、「人間の出したごみが、魚の住む海にはたくさんあるんだよ…」というように、少しずつ掘り下げていってあげられると、お子さんも理解しやすいでしょう。
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