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子どもに「生きる力」を育むためには?

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子どもに「生きる力」を育むためには?

2020年度施行の学習指導要領では、知・徳・体にわたる「生きる力」を子どもたちに育むことを目指しています。全ての教科の目標・内容が「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」へと再整理されました。
受け身だと決して身につかない、子どもたちが自分で考え、自分で決められる「生きる力」を育むために必要なことをまとめました。

 2020年度施行の学習指導要領では、知・徳・体にわたる「生きる力」を子どもたちに育むことを目指しています。

「何のために学ぶのか」について全ての教科の目標及び内容が「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」の3つの柱で再整理されました。

受け身だと決して身につかない、子どもたちが自分で考え、自分で決められる「生きる力」はどのようにして育んでいくのでしょうか。

「生きる力」がなぜ必要なの?

現代は、社会の変化のスピードが速く、人々の価値観も多様化しています。そんな時代に、幸せに生きるために必要なものは与えられる知識や技術だけではありません。

自分たちが幸せに生きるために必要なことを、自ら考え、自ら行動する力が必要なのです。これが「生きる力」です。

そのため、これからの学校教育は知識を教え込むだけではなく、対話型の授業となり、考える力や表現力を引き出す授業になっていきます。子どもたちは、目的を持ち、必要な知識を選び取り、改善しながら協働的に目的達成を行っていくのです。

表現力、考える力、コミュニケーション能力が「生きる力」として評価されていくので子どもたちのそれらを鍛えていかなければなりません。

これにより学校の先生はもとより、家庭での教育が、今よりもっと工夫を必要とされる可能性があります。家庭環境による格差ももっと広がっていくのではないでしょうか。

生きる力を育むための学校教育

全ての教科の目標及び内容を「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」の3つの柱で再整理した学校教育ですが、特に「思考力、判断力、表現力」にしぼって学校での取り組みを紹介していきます。

アクティブラーニングで身につく「生きる力」


新学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学び」であるアクティブラーニングが「生きる力」を育むために重要であるとしています。そのためにアクティブラーニングは積極的に授業に取り入れられていきます。

アクティブラーニングは従来のような先生の話をただ聞くだけの受動的な授業ではなくて、積極的で能動的な授業です。自分で課題を見つけ自ら疑問に対する答えを調べることで思考力を伸ばすことができます。

子どもたちが主役となる授業を受け、自分のやりたいことが見つかり、もっと知りたい、そして将来はこれを仕事にしたいと夢を描けるかどうか。子どもたちが自分の好きなことを形にしていきたいと早いうちに気づければそれが「生きる力」となります。

アクティブラーニングについて詳しくはこちら。
アクティブラーニングとは?小学校の事例を詳しく解説!文部科学省の推進理由も

プログラミング的思考で身につく「生きる力」


2020年から小学校で必修化されたプログラミング教育は、高度なプログラミング言語を操るような専門的な知識をつけるわけではありません。IT技術を学ぶのではなく、プログラミング的思考を育むことが目的であるとされています。

小学校の教室では簡単な子ども向け学習ソフトを使ってプログラミングを行い、子どもたちは友達よりも速くパソコン上のキャラクターを動かすためにどうしたらいいかなどの作戦を考えます。自分のプログラミングのどこを修正すべきかをよく考えることで、順序立てて考える力がつくのです。プログラミング教育の目的は論理的思考の習得にあります。

将来、人間の仕事をAIやロボットが代替できるようになるといわれています。その時、わたしたちの研ぎ澄まされた発想力や思考力がAIやロボットに負けない「生きる力」となりうるのです。

外国語教育で身につく「生きる力」


小学校高学年で必修化される外国語教育は、単に英語を知識として教えたり、中学校で習う文法を前倒しして教えるというものではありません。

新学習指導要領の外国語活動の目標は、「外国語を通じて、言語や文化について体験的に理解を深め、積極的にコミュニケーションを測ろうとする態度の育成を図り、外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しませながら、コミュニケーション能力の素地を養う」というものです。

英語の表現を学び、自分の思いをどうしたら正確に伝えることができるのかを考えることで表現力が磨かれていくでしょう。

実際の授業では、子どもたちが興味を持ちやすい内容を扱って、自ら学びたい、自らコミュニケーションをしたいと思える指導をしていきます。このことが自ら学び考え行動し、異なる文化的背景を持つ他人を思いやる心や感動する心を育んでいきます。

子どもたちの「生きる力」を育むために心がけたいこと


①基礎をしっかり
アクティブラーニングやプログラミング的思考、外国語などの新しい取り組みも大事ですが、学力の基礎や生活の基本をしっかりと学ぶことはこれまで同様に大切なことです。学力の基礎を身につけることで子どもたちは自分自身の力で学び、考える力を養います。 

また、基本的な生活習慣を身につけさせるべく、学校では道徳教育にも力を注いでいきます。

②豊かな心、健やかな体
当然ながら豊かな心や健やかな体の育成も目指していきたいものです。運動を通じて体力を養い、健康的な生活習慣を形成することは子どもたちの「生きる力」につながるとても大切なことです。

③体験活動
さらに、体験活動の充実があれば、他者、社会、自然、環境と関わる中で自ら考え、行動し、仲間と協調することを学んでいきます。そのことで自分への自信や社会性、コミュニケーション能力の向上などを身につけ、それが「生きる力」につながります。

モンテッソーリ教育は「生きる力」を育む

モンテッソーリ教育では、子どもの主体性を何より大切にし、大人は基本的に環境整備をする見守り役です。大人が手出し口出しをひかえて、子どもの中にある自分でやりたい、自分で知りたいという気持ちを伸ばすことは子どもたちが「生きる力」を育むのに最適だと言えるでしょう。

モンテッソーリ教育とは?おすすめする理由

家庭では「生きる力」を育むためにどんなことができる?

①好きなことはどんどん
家庭ではぜひ子どもが好きなことはとことんやらせて、子どもが満足するまで打ち込ませ、自分で考えさせ、家族との話し合いの経験をたくさんつませましょう。そうすることで問題解決能力を伸ばすことができます。

②素朴な疑問を大切に
子どもの素朴な疑問に対して、お父さんお母さんが答えを知っていればすぐに答えてあげましょう。また、その後「それはどうして?」と子どもが興味を示したら「なぜだと思う?」と子どもに考えさせると思考力が高まります。

③何ごとも経験
おつかいを頼み、交通手段の計画を子どもに決めさせるなどすると失敗することもあるかもしれませんが、判断力を磨く良い機会です。なるべく口出しをせずに見守りたいものです。また、ボランティア活動は、生命の大切さ、他人を思いやる心の成長に役立ちます。

④会話や絵本で親子のコミュニケーション
親子の普段の会話や絵本の読み聞かせを通して、生きる力に大切な表現力を伸ばすことができます。絵本の読み聞かせは特に語彙を増やすことができますし、親子の盛り上がる会話によっても言葉の表現力がますます磨かれます。

そして、自己肯定感を育めるよう、自分に自信が持てるようにたくさんの愛情を注いでいくことは子どもたちの「生きる力」を育むことになるでしょう。

これまでは想像もできなかった予測困難な未来を担う子どもたちの「生きる力」のために、お父さんお母さんができることはたくさんあります。子どものやる気や自信をどんどん引き出して見守り、支えていきましょう。学校の「生きる力」を育てる教育に合わせて、家庭でもさまざまな工夫をして子どもたちの「生きる力」を育んでいきたいものです。

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