みらいいおすすめ!『 13歳からの経営の教科書「ビジネス」と「生き抜く力」を学べる青春物語』をご紹介!
今回みらいいがおすすめする本は「13歳からの経営の教科書」。
経営の事だけにとどまらず、経営やビジネスとともに、未来を生き抜く力も一緒に学んでいくことができる本なのです。
大人にもおすすめしたい本書。内容を詳しく見ていきましょう。
「13歳からの経営の教科書」ってどんな本?
本書のタイトルは「13歳からの経営の教科書 「ビジネス」と「生き抜く力」を学べる青春物語」。2022年に初版発行。著者は、経営学者であり、慶應義塾大学商学部准教授の岩尾俊兵(いわおしゅんぺい)氏です。
「13歳からの経営の教科書」は、どのような方におすすめ?
「13歳からの経営の教科書」は、どのようなお子さまにもおすすめしたい、優れた本です。さらに、以下のようなご希望をお持ちの保護者の方には特におすすめです!
◆経営のことについて学べる入門書を探している
タイトルに「13歳からの経営の教科書」とありますが、本書は全く経営について分からない人にも読めるように書かれています。内容がとても分かりやすく、入門書としておすすめです。
◆将来に向けて大切なことを学ばせたい
後半の「みんなの経営の教科書」の冒頭で語られる以下の言葉。
『人は誰だって自分の人生を経営している。やりたいことがあったら、経営していかなければ実現できない。だから、すべての人にとって経営は必要不可欠だ』(291ページより引用)。著者は経営を通して、自分の人生を自分で切り開いていくことを提案しています。
◆新しいことを始める楽しさを知ってもらいたい
物語の中で、主人公ヒロトがたった一人で始めるビジネスは、徐々にクラスの友だちを巻き込んでいくことになります。友だちの意見を聞いたり、意見を尊重し合ったり、時に困難にぶつかりながらも、ビジネスを成長させていく様子は、大人が読んでもわくわくした気持ちになります。中学生や小学生のお子さまにとっては、色々と勉強し考えて実行することで、少しずつでも物事をよりよい方向へ変えていくことができるかもしれない、という実感がもてるのではないでしょうか。
◆学びにつながる本を読ませたい
本書は一見難しそうな経営について書かれています。物語という形式がとられていることで、読者は自分の身の回りに置き換えて考えることができます。「みんなの経営の教科書」として載っている経営についての解説はかなりわかりやすく、かみ砕いて解説されています。そのためすぐに全てを理解することが難しくても「経営とはどういったものか」という概要をつかむことができるでしょう。
対象年齢は?
本書のタイトルに「13歳からの」とあるように、本書は中学校が舞台で、中学生の友人同士のやり取りで物語が展開されます。そのため、もちろん中学生が一番身近な自分事として感じながら読むことができるでしょう。
ただ、本書の優れた所は、とにかくわかりやすいところ。物語の本を読みなれていたり、経営やビジネスに少しでも興味を持っていたりする小学校高学年以降のお子さまでしたら、難なく読めるのではないでしょうか。
ただし漢字に振り仮名はついていないため、本の前半の物語の部分に比べ、後半の「みんなの経営の教科書」の部分の経営関連の用語になじみがない場合は少し難しく感じられるでしょう。
「13歳からの経営の教科書」ポイントを詳しく紹介!
それでは、「13歳からの経営の教科書」の特徴的な点をご紹介します。
「青春物語」と「経営の教科書」の2部構成
表紙をめくり、読み始めると中学生の登場人物たちが経営を通して成長していく「青春物語」が始まります。
物語の中で重要な役割を果たす「みんなの経営の教科書」。主人公がこの教科書を手に入れるところから物語が展開していくのですが、本書の裏表紙からページをめくると、この「教科書」を読むことができます。物語の中で、経営に進展があると、教科書から重要な文章が引用されており、主人公と一緒に読者も学べる仕組みになっています。
後半に教科書が載っていることで、物語中で引用された内容について、さらに深く知りたくなったらすぐに確認することができるのです。
「青春物語」のパート
冒頭から始まる「青春物語」。主人公がビジネスを経営していくという内容ですが、わかりやすく書かれているため、手軽な小説を読むように、どんどん読み進めることができます。
◆「青春物語」主人公の行動力と友情がすがすがしい
主人公は中学1年生のヒロト。自分のことを「特別でも天才でもない。普通だ」と感じています。
「みんなの経営の教科書」という本を手に入れたところから話はスタート。普通の中学生であるヒロトが経営・ビジネスを体験していくことに。徐々にクラスの友だちや、友だちの親、担任の先生、写真部の顧問など大人も巻き込んでいきます。
他人の意見に耳を傾け、柔軟に提案を取り入れていくことで、関わる友だちや周囲の大人たちが協力的になり、ヒロト一人で始めた会社経営は成長し、さらに展開していきます。熱意を持って物事に取り組む姿は、青春物語としても充分に楽しむことができます。
◆主人公がおこなうビジネスを一緒に経験できる
主人公のヒロトは、たまたま経営の教科書を手にしたことをきっかけに、経営に取り組むようになりますが、全くの経営初心者。
もともと経営に興味を持っていた訳でもありません。そのため、少しずつ知識をつけながら意欲的に経営に取り組み、時には失敗もする様子は、読者にとっても気負わずに物事を始めてみようかな、という気持ちを誘いやすいでしょう。
始めはペットボトルの飲物や学校で栽培した野菜をどう売ろうか考えていきます。
読者にとっても身近な物を扱っているため、「経営を始める」というイメージを持ちやすいです。
◆「今ビジネスを始めたら…」がイメージしやすい!
将来芸能人を目指し、動画投稿サイトに自分の動画を投稿するなど、インターネットに詳しい登場人物アオイ。
主人公ヒロトがビジネスを行うにあたり、アオイは取締役広告部長に就任。得意なインターネットを活用して話題を集めようと、広告動画を作成、投稿サイトにアップロードするなど活躍します。
現在ビジネスを行う際に、大半はインターネットを活用するでしょう。
物語の中でも、皆で再生数をチェックしたり、文字の投稿サイトで話題にのぼっていく描写があったりと、インターネットを活用してビジネスを展開する様子がイメージできます。
「みんなの経営の教科書」のパート
本書の裏表紙からページをめくると始まる「みんなの経営の教科書」。物語に出てくる「教科書」が載っているという設定となっています。
◆「みんなの経営の教科書」この教科書部分だけでも経営の入門書としておすすめ!
内容は本格的な経営についての入門書。基礎編、中級編、上級編の3つの章で成り立っています。1つの章の中に11の項目があり、それぞれ経営やビジネスにまつわるキーワードがタイトルになっています。内容は子どもにも身近な食べ物の話題などから始まり、徐々にビジネスの話に繋がっていくため、一見難しそうなキーワードでも、理解しやすくなっています。
◆「みんなの経営の教科書」わかりやすさの秘密!
実際のページを見ながらわかりやすさの秘密を探っていきましょう!
親子で一緒に学びを深めよう!
各項目の最後には、問題が2問出されています。例えば、「基礎編 五、需要と供給」の項目内に出てくる問いは、
【問題1】「自分にとって一円でも欲しくないもの、逆に一億円でも欲しいものは何か考えてみよう」
【問題2】「自分が会社の社長だとして、どんな状況になったら製品・サービスの値段を上げたり下げたりするだろうか。具体的な場面を想像してみよう」
いかがでしょうか? 大人でも頭を使うような、良質な問いが全66問出されています。
この66問の問題に対して、教科書の冒頭には『出てくる問題にたいして自分なりの答えを考えてみてほしい。ただ、この問題は学校で習う問題とはちょっとちがう。正しい答えなんかないからだ』(291ページより引用)という一文が載っています。経営に必要な自分で考える力は、自分で人生を切り開いていくための考える力にもつながっていくのです。
学校教育においては「生きる力」や「考える力」の育成が重要視されてきています。
小さな事柄でも自分で問題を解決していく力や、人によってさまざまな考え方があるという事、自分だけでできない時に人を頼る力。こうした力は、学校だけではなく、家庭や社会の中でも育まれていくものです。
例えば、本書を親子で読みながら、ご紹介した問題2問を一緒に解いてみることも、大変効果的です。難しい部分があれば教えてあげることもできますし、親子で考え方が違うということも学べるでしょう。
自分と違う答えだった場合も、なぜ相手がそう思ったかを考えて、時に受け入れることはとても大切なことですね。
未来のために。「13歳からの経営の教科書」で生き抜く力を学ぼう!
「経営」「ビジネス」「株式会社」など、小中学生にはなじみの少ない言葉かもしれません。
しかし、これらの言葉のハードルをぐっと下げてくれる読みやすい本であることがわかりましたね。本書を手始めに経営を学んでいくことは「他人の考えや世の中の流れを知って自分に何ができるかを考える」「自分の描く未来のために今何ができるかを考える」など、自分で考えて未来を切り開いていく力につながっていきます。
ぜひ、親子で気負わずに「13歳からの経営の教科書」を読んでみてはいかがでしょうか?
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