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SDGsとは?教育施設での活動事例と家庭できる取り組みを紹介

社会・SDGs
公開日:2021年6月17日 更新日:2024年10月15日
SDGsとは?教育施設での活動事例と家庭できる取り組みを紹介

最近ニュースでよく聞く「SDGs(エスディージーズ)」という言葉をみなさんご存知でしょうか?
今回は「SDGs」の意味や日本の教育施設での取り組み事例に触れながら、家庭でできる取り組み例を紹介します!
動画でも解説しておりますので、ぜひご覧ください!

最近ニュースでよく聞く「SDGs(エスディージーズ)」という言葉をみなさんご存知でしょうか?

SDGs(エスディージーズ)とは、「持続可能な開発のための、2030年までの国際目標」です一見、馴染みがあまりない言葉に見えますが、実は、「地方再生」「働き方改革」「女性の活躍推進」「子どもの貧困対策」などもSDGsの取り組みになっていますし、教育現場でもSDGsを取り入れた教育がトレンドになりつつあります。

そこで今回は「SDGs」の意味や日本の教育施設での取り組み事例に触れながら、家庭でできる取り組み例を紹介します!
動画でも解説しておりますので、ぜひご覧ください!


SDGs(エスディージーズ)の意味や背景、17の目標とは

SDGs(エスディージーズ)とは?

さきほど冒頭でお伝えしたとおり、SDGs(エスディージーズ)とは、「持続可能な開発のための、2030年までの国際目標です。
簡単にいうと、「地球環境に配慮をしながら、世界の全ての人が平等に扱われ、平和な環境で経済的に自立している世の中を実現するための目標」のことで、2015年9月の国連サミットで採択されました。

SDGsの特徴は「誰ひとりとして置き去りにしない」

SDGsの特徴をひとことで言うと、「地球上の誰ひとりとして取り残さない」ことを誓っています。
これは「先進国だけでなく発展途上国も同じ目標を持とう」という意味です。
全ての国が役割を持ち、社会・経済・環境に統合的に取り組むべきで、また定期的にお互いが目標達成のために助け合う必要があるとしています。

達成すべき17の目標とは

では、具体的にどのような目標があるのでしょうか? 2030年までを期限として、次のような17の「持続可能な開発目標」を設定しています。
1)貧困をなくそう
2)飢餓をゼロに
3)すべての人に健康と福祉を
4)質の高い教育をみんなに
5)ジェンダー平等を実現しよう
6)安全な水とトイレを世界中に
7)エネルギーをみんなにそしてクリーンに
8)働きがいも経済成長も
9)産業と技術革新の基盤をつくろう
10)人や国の不平等をなくそう
11)住み続けられるまちづくりを
12)つくる責任つかう責任
13)気候変動に具体的な対策を
14)海の豊かさを守ろう
15)陸の豊かさも守ろう
16)平和と公正をすべての人に
17)パートナーシップで目標を達成しよう
貧困や飢餓、健康や教育、安全な水、エネルギー、働きがいや経済成長の話、まちづくりの話、気候変動、海や陸の話などとても幅広い話になっています。
SDGsは「世界のみんなが、平和な環境で、貧乏ではなく、ちゃんとご飯も食べられて、仕事もできて、地球にも優しい状態」を目指しているということと考えられます。 

SDGsの日本の達成状況は?子ども達に求められるマインドとは

日本の達成状況は世界15位で「教育」「イノベーション」が評価された

では、日本の達成状況はどうなっているのでしょうか?
SDGsの達成度ランキングによると、日本は世界15位。トップ5は、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、フランス、オーストリアでした。(国連持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)などによる発表)
日本が「達成している」と評価されたのは、4)の「質の高い教育をみんなに」と、9)の「産業と技術革新の基盤をつくろう」のみという結果でした。また、日本だけでなく、全世界通じて、「言葉だけでなく、具体的な行動に移す」努力が必要という結果になりました。

目標を達成しないとどうなるの?

では目標達成をしなかったら、子ども達はどうなってしまうのでしょうか?
例えば日本が評価の低かった「ジェンダー平等」が推進されないままだと、女の子のお子さんであれば将来希望の仕事に就けなかったり、やりがいを感じながら働くのが困難になるかもしれません。
 
また、日本の外に目を向けると、グローバル化によって多様性が増し、人口も経済規模も急上昇したため、地球への負担がキャパシティーオーバー気味になっているのが現状です。不足している資源の取り合いは、やがて政治的に不安定な世界になるのではと言われています。SDGSは、その危機的状況を回避するための目標と考えられます。

未来を担う子ども達に求められるマインドは?

では、子ども達が将来大人になったときに安心して働いたり暮らしたりできるためには、どうしたらよいのでしょうか?そのためには、子ども達自身が、「自分が社会や地球とつながっている」ととらえる意識が大事といえるでしょう。
例えば、ごく当たり前にある、次のような話も「社会とのつながり」を感じられているかどうかで行動が変わってきます。
 
自分の家の前(敷地外)にゴミが落ちているとして、
1)「ごみを落としちゃだめだよね」と言いながらそのまま通り過ぎる
2)「ごみを落としちゃだめだよね」と言いながら拾って自宅のゴミ箱に捨てる
 
SDGsはとても身近な話題なのです。

教育施設でのSDGsの取り組み事例を紹介

事例(1)「海ゴミのない地球」を目指す山陽女子中高地歴部の活動

ここで、日本の教育施設での取り組み事例を2つ紹介しましょう。一つは、岡山県にある山陽女子中学高等学校地歴部の海ゴミ回収と啓発活動の取り組みです。(「SDGsパートナーシップ賞」を受賞)
 
学生たちが、瀬戸内海のプラスチックによる海洋汚染に着目して、地元漁師と協業して、海ゴミの回収と分析を行いました。具体的には、海ゴミの起源である内陸地や沿岸部で啓発活動を実施。自分達だけでは回収が追いつかないので、海底ゴミ問題についてより多くの人にしてもらう必要があると考えたそうです。
「海から離れるほど海ゴミに関心を持たなくなる傾向がある。みんなの意識と行動を変えることで、海ゴミのない地球を目指す」という学生のコメントもありました。
 

事例(2)「地球や自分を見つめる教育」に力を入れるスクール

2つ目の事例は、未就学児から小学生までが通う福岡県の「ブライトキッズガーデン」というスクールでの取り組み内容です。
普段の保育の中で国際交流や自然キャンプなど、様々な取り組みをとりいれた教育をしています。具体的には、世界海洋デーに絶滅危惧種について学んだり、海外の子ども達と交流することで海外の遊びを知ったり、市の清掃キャンペーンに参加したりなどの活動をしています。

家庭でできるSDGs

取り組み例を見ると、「立派な学生だなあ」とか「特徴のあるスクールだなあ」という感想を持った方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、2つの事例の共通点は、部活動などの学校生活や保育の時間などの普段の生活に活動が含まれているということ。
大切なのは生活の中で社会や地球と自分との関係を想像する力で、それは普段の生活の中から生まれてくるものと言えそうです。
では、子ども達の生活の基盤である家庭でもできる取り組みはあるのでしょうか?そこで簡単にできる取り組み例を紹介します。 
普段の生活の中では、保育園や幼稚園の送迎をしながら、SDGsを探してみるとよいと思います。

例えば、リサイクルのゴミ箱を探してマークについて話してみてもよいですね。
絵本を通した取り組みもSDGsのマインドを育むのに有効だと思います。
小さい子向けでしたら、絵本「もったいないばあさん」(講談社)は食べ物を大切にするお話ですし、小学校中学年くらいだと「たべることはつながること」(福音館書店)が世界と自分とのつながりをビジュアルで理解できるのでよいでしょう。
 
ほかには、買い物のときに、「魚はどこからどうやってきたのか」、「レジ袋はどうやって作られているか」、「建築中の家の木材はどこからきたのか」、「木を切りすぎるとどうなるか」など話してあげると、現実味を持って目の前の出来事と世界とのつながりを理解できるでしょう。地域の清掃活動は11)の「住み続けられるまちづくりを」に貢献する活動といえるでしょう。
 
さらに、夏休みなどの長期休暇のときに、キャンプに行く機会があると、自然との関わりをダイレクトに体験できます。自分は地球の一部であることを感じやすいでしょう。

実は身近なSDGs

SDGsは遠い話のようで、実はとても身近な目標です。
地球規模で考え、地域レベルで行動していくマインドを育てるためにも、手に取るものの背景やつながりを子どもが知ることがまずは大事だと考えられます。
そのためにも、学校や家庭でのやり取りを通して「社会や地球と自分との関係」を育んでいけるといいですね!

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