小学生のSTEM教育を学年別にご紹介!【1・2年生】

欧米をはじめ、アジアや南米諸国でも導入が進んでいるSTEM教育。日本もプログラミング教育の小学校必修化にともないSTEM教育が注目されています。小学校1、2年生のSTEM教育はどのようなことをするのか、親としては気になりますよね。また、子どものSTEM教育に積極的に関わっていきたい保護者も増えています。
そこで今回は、1、2年生向けのSTEM教育をまとまてみました。小学校での実践例や、家で簡単にできるSTEM教育などをご紹介しますので、参考にしてください。
欧米をはじめ、アジアや南米諸国でも導入が進んでいるSTEM教育。日本もプログラミング教育の小学校必修化にともないSTEM教育が注目されています。
小学校1、2年生のSTEM教育はどのようなことをするのか、親としては気になりますよね。また、子どものSTEM教育に積極的に関わっていきたい保護者も増えています。
そこで今回は、1、2年生向けのSTEM教育をまとまてみました。小学校での実践例や、家で簡単にできるSTEM教育などをご紹介しますので、参考にしてください。
まずはSTEM教育を理解しよう
STEM教育とは?
STEMとは「science・technology・engineering・mathematics」のそれぞれの単語の頭文字をとったもので、科学・技術・工学・数学の教育分野を総称しています。
STEM教育は理数系に強い子どもを育てるだけではなく、この4つの分野を総合的に教育し「自分で学び・理解し・解決する力を養う」ことを目的が根底にあります。
また、これからの時代に必要となるであろう「グローバル社会やAI時代に適応できる、世界に通用する人材の育成」のための教育法です。
STEM教育は1990年代に米国で提唱され、2009年のオバマ大統領就任後に始まった「Education to Inovation(革新的教育)」キャンペーンでは、STEM教育の向上が重要課題の一つとされました。
その後、2011年にオバマ大統領が一般教書演説でSTEM教育の重要性を説いたことが、世界中から注目を集めるきっかけとなりました。
なぜ小学校でSTEM教育が必要なの?
小学校で算数や理科に苦手意識を持ってしまうと、その意識は中学まで続いてしまうといわれています。STEM教育で行われる体験型学習は、物事への興味や取り組みから得られる喜びのきっかけになるよう工夫されています。
小学校でのSTEM教育は、様々なことに積極的、持続的に取り組める子どもの育成にも繋がると考えられています。
また、現在のSTEM分野の就労は圧倒的に男性が多く、女性に向けても開いていく必要があります。男の子はこれ、女の子はこれというジェンダー意識が低い子どものうちにSTEM分野に触れる機会を増やすことで、将来ジェンダーフリーなSTEM分野の就労が期待できます。
STEM教育は何歳から始めるべき?
STEM教育は普段の生活の中でもできるので、早すぎるという年齢はありません。しかし、小さいうちは無理に数を教えたり難しいパズルをさせたりするより、楽しみながらSTEM教育に触れられる方法がよいでしょう。
例えば、丸や三角、四角のブロックを同じ形の穴に入れていく赤ちゃん定番のおもちゃも、STEM教育に通じるヒントがあります。また、ブロックを積み上げていくだけでもバランスの必要性に気付きますよ。
早期STEM教育を受けさせたい場合は、STEM教室に参加する方法もあります。最近では1歳半頃から未就学児を対象とするクラスも増えています。
1、2年生のためのSTEM教育
1、2年生が楽しみながら学べるSTEM教育
1、2年生では、ロボットプログラミングを通してSTEM教育に親しんでいくのがおすすめです。
ロボットプラグラミングは、ロボットを活用してプログラミングを行うことです。プログラムを組んで実際にロボットを動かすため、結果が目に見え小学生低学年でも理解しやくなっています。
学習アプリを利用して、すでに出来上がったロボット、もしくは自分でロボットを組み立てプログラミングを組んで動かします。ブロックを使って車や動物を作ることもでき、男児、女児を問わず楽しめますよ。
また、StemEduトイのstem教育用ロボットもあります。ロボットは簡単に組み立てられ、組み立てたあとはタブレットを使ったプログラミングができます。
小学校での1、2年生のSTEM教育実践例
STEM教育やプログラミング教育を、すでに取り入れている小学校があります。実際に小学校で行われている実践例をいくつかご紹介します。
【1年生】
●「OSOMO Coding」を使った算数の授業
iPad専用のアプリOSOMO Codingを使い、プログラミングの基本とされる順次処理や組合せの理解ができるようにする。
参考サイト:Osmo
●スフィロ社の「ロボットollie」を使った体育の授業
体育館で自走2輪ロボットollieと生徒が一緒にシャトルランをする。速く走らせるだけではなく、うまくターンをするために減速するタイミングなどを考えながらollieを走らせ、児童と競争する。
参考サイト:スフィロ社 ollie
【2年生】
2年生は文部科学省の「学習指導要領に例示されてはいないが、学習指導要領に示される各教科等の内容を指導する中で実施するもの」を参考に、国語や音楽の授業にビジュアルプログラミング教材「Scratch」を利用します。
●Scratchを利用した国語の授業「主語と述語に気を付けながら場面に合った言葉を使おう」
文の中での主語・述語の使い方を学ぶことを通して、助詞の役割に気付く。画面に出てくるイラストを見ながら、正しい助詞を選ぶ。選んだ助詞によって意味が変わり、意味に合わせてイラストも変わる。
●Scratchを利用した音楽の授業「くりかえしをつかってリズムをつくろう」
リズムカードを使いながらScratchを活用し、タブレットで音を出しリズムを確認しながら音楽を作る。画面上のリズムカードを並べたり、繰り返しを指定したりしながら好きなリズムを作る。作ったリズムをタブレット再生するために必要な命令の選択作業を行なう。
参考URL:文部科学省・総務省・経済産業省の共同作成「小学校を中心としたプログラミング教育ポータル」
小学校を中心としたプログラミング教育ポータル
海外のSTEM教育事情
STEM教育発祥国・アメリカの多くの学校の1年生は、週に数回担任と一緒にコンピューターラボに移動し、タイピングレッスンや簡単な学習ゲームなどをします。
2年生になるとノートパソコンやタブレットを様々なクラスで使うようになります。自分の自己紹介や簡単なストーリーをタイプし、プリントアウトしたものを教室に貼ったり、発表したりする場合もあります。
アジアの中のSTEM教育の先進国・シンガポール教育省は、80以上の小学校に応用学習プログラムを提供しており、2023年までに全ての小中学校にロボット工学、プログラミング、3Dプリンティングなどの最先端のSTEM教育プログラムを拡大するとしています。
数学の授業は小学校1年生から、理科の授業は小学校3年生から始まりますが、高校生からは2科目とも専門教員が教えていきます。
家庭でできる1、2年生向けのSTEM教育
数字に親しむ「たし算・ひき算ゲーム」
ジャック、クィーン、キングの絵札と10を抜いたトランプを使い、足して10になる組み合わせを考えます。また、お友だちや家族で、ばばぬきの要領でトランプ遊びができます。ばばぬきは同じ数字のカードがペアなり捨てていきますが、このゲームでは10になるカードをペアにして捨てていき最後までカードが残った人が負けになります。
慣れてきたらすべてのカードで、「12」「15」というように10以上の数、引いて「5」「8」というように数を設定します。
2年生になり掛け算が始まったら、10未満のカードを使い「掛けて10以上」というようなルールで遊ぶこともできます。
STEM教育は数学的思考も重要視しています。このようなゲームを通して、遊びながら数のセンスを身につける効果が期待できます。
子どもの発想力を伸ばす「ことばで表現ゲーム」
物や動物などを色々なものを、相手に伝わるように言葉で表現していきます。オレンジジュースなら「冷たい」「甘い」「果物でできている」など、相手が当てるまで言葉でヒントを出していきます。
また、お皿の上のクッキーを、「茶色と白」「丸い形」「平らなものにのっている」など、お皿とクッキーという言葉を使わずに表現していきます。数人で順番に表現し合うことで、自分では考えつかなかった表現に刺激されたり、語彙が増えたりする効果も期待できます。
体験しながら発見!「親子でクッキング」
料理やお菓子作りは、様々な工程を経て完成します。材料を揃える、分量を量る、混ぜる、煮る、焼く、お湯を沸かすといった作業は、まるで科学の実験のようですね。
もし機会があれば、お菓子作りもおすすめです。クッキーを作る場合は、分量を量る、材料を混ぜてこねながらひとつの塊にする、生地を伸ばして型をとる、オーブンに入れるまでの工程を子どもと一緒に行いましょう。
熱いオーブンの中で色が変わり焼きあがる過程を見ることは、科学のコンセプトに触れています。さらに、焼きあがったクッキーはやわらかいけど冷めると硬くなる、クッキーを家族3人に平等に分けるなど、楽しみながら科学的・数学的なコンセプトに親しむことができます。
まとめ
「科学・技術・工学・数学」と聞くと、小学校1、2年生には難しく感じるかもしれませんが、楽しみながらSTEM教育に親しむ方法はたくさんあります。
すでに1、2年生の授業の中にSTEM教育を取り入れてる学校もありますが、まだまだ始まったばかりです。これから多くの学校に広がっていくことが期待できますが、家でもできることを子どもと一緒に実践しましょう。