子どもたちがコンタクトレンズケースを作る!株式会社シードの「おしごと参観日」に行ってきた!

キャリア教育が小学校でも取り入れられるようになり、子どもたちが「働くこと」を考える機会は増えてきました。
でも実際には、子どもにとって身近な職業以外を想像するのはなかなか難しいもの。
もし自分の子どもが、親の職場をのぞけたらどうでしょう?
「お母さん、お父さんはこんなお仕事をしてるんだ!」と発見があったり、「働くってちょっと楽しそう」と感じられたり、きっとたくさんの学びがあるはずです。
そんな特別な体験を届けているのが、株式会社シード様主催の「おしごと参観日」。
今回はその様子を取材させていただきました!
会社イベントにとどまらず、企業がキャリア教育に一歩踏み込み、子どもたちの未来の選択肢を広げる取り組みになっています。
株式会社シードとは
株式会社シードは、国内大手のコンタクトレンズメーカー。
1951年に日本で初めてコンタクトレンズの研究を始め、今年で創立68周年を迎えました。
埼玉県鴻巣市にある工場では、なんと月に6,500万枚ものコンタクトレンズを製造しています。(株式会社シード2025年3月第2四半期期連結決算説明会資料より)
2025年6月に代表取締役社長に就任された佐藤社長は研究開発部門のご出身。
「大人になっても『なぜ?』『こんなのあったら面白い!』を大切にしてほしい」と語ります。
どんな道に進むにしても、そうした視点があることで人生がより豊かになる。
親としても「子どもにそんな姿勢を持ってほしいな」と共感できるメッセージでした。
「おしごと参観日」とは?
「おしごと参観日」は2年前から始めた取り組みです。
社員同士のコミュニケーションを大切にしているため、「何か社員に還元できないか」と考えて始められました」
と話してくれたのは、広報担当の及川さん。
「子どもたちは、普段親が働いている姿を目にする機会はなく、想像することも難しいと思います。
しかし、職場を見学することによって、「働く」ことをリアルに感じ、「工場っておもしろそう」「理科って楽しい!」と感じ、キャリアを考えるきっかけになってくれたらという想いがあります」
とのことです。
毎年多くの親子が参加し、リピーターも多いそう。1年ぶりに会って子どもたちの成長を感じることも。
そんな「おしごと参観日」の内容は、下記の通りです。
- オリジナル名刺作り・コンタクトレンズケース作り体験
- 名刺交換体験(社長・本部長と)
- ランチタイム(社長も交えて)
- 工場見学
- 謎解きイベント
一つずつレポートしていきます!
オリジナル名刺作り・コンタクトレンズケース作り体験
オリジナル名刺作りでは、お子さま一人ひとりの名前が印刷された名刺が配られます。
名刺の余白に用意されたシールやペンなどを使って、自由にデコレーション!
キラキラシールを貼ったり、好きなキャラクターの絵を描いたりと力作揃い!
コンタクトレンズケースは、使い捨てコンタクトレンズが32個入る紙のケースが組み立てられる前の状態で配られます。
こちらも、自由にパッケージデザイン!自分でシールやスパンコール、ボンドなどを持参して気合十分なリピーターのお子さまも!
キャラクターの「やさシードちゃん」を描くお子さまもいました!
こちらがやさシードちゃん。子どもたちにも人気です。
名刺交換体験(社長・本部長と)
名刺を作成したら、佐藤社長と福田本部長と名刺交換です。
「きれいにできた方を持ってく!」と、作った名刺を持って列に並ぶ子どもたち。
初めての名刺交換にドキドキしながらも、
「〇〇です。よろしくお願いします!」
「〇〇です。お父さんがお世話になってます!」
と、一生懸命自己紹介をします。
佐藤社長は終始笑顔で子どもたちと一人ひとり目線を合わせ、「お父さんにお世話になってます」「大きくなったね」と声を掛けていました。
笑顔で名刺交換をする福田本部長。
毎年「おしごと参観日」を開催することでリピーターのお子さまも増え、1年振りに会って成長を感じることも多いそう。
家族ぐるみでの温かい人間関係が垣間見えます。
ランチタイム(社長も交えて)
ランチはバイキング形式!
それぞれ好きなものをお皿にとって、社長も交えて話しながらの時間です。
ランチタイムを利用して、希望者はコンタクトレンズケースのプレゼンテーションも!
佐藤社長の前に行って、どんな思いでデザインしたのかを説明します。
子どもたちも一生懸命説明してくれました!
子どもたちのランチタイムを見ながら「子どもたちと一緒に何かをしようって考えるのもおもしろい。ケースのデザインの一等賞を決めて、それを商品化も考えたけど、子どもたちのデザインがそれぞれ個性的で一等賞なんて決められないねえ」と、楽しそうに話される佐藤社長が印象的でした。
工場見学
ランチタイムの後は工場見学です。
髪の毛が落ちないようにカバーをし、専用の服を着て、しっかり手洗い。服に小さなほこりも残さないように、風で飛ばした後に、粘着シートのコロコロで入念にきれいにします。
コンタクトレンズは目の中に入れる物。ゴミなどが入らないように徹底的に管理されています。また、工程の多くが機械化されているのも株式会社シードの工場の特徴。どこまでも続く高い棚に並べられたコンタクトレンズの入った箱を、機械が自動で運んでいくのは圧巻です。
子どもたちも「工場見学がおもしろかった!」「コンタクトレンズは目の中に入れるものだから、ゴミとか入らないように慎重に作っていると知った。お母さん、難しいお仕事しているんだなあと思った!」などの感想が聞けました。
謎解きイベント
子どもたちに大人気の謎解きイベント。
リピーターの女の子は「謎解きイベントがおもしろい!去年も最初に終わったけど、今年も最初に終わってうれしかった!」と大興奮。
詳細は、実際に参加するときのお楽しみ!
参加者の声
今年で4年目となる「おしごと参観日」。リピーターの親子も多い人気イベントです。
参加された親子の声を紹介します。
お子さまの声
・初めて工場に入って、箱がしまわれるところまで機械で運ばれているのが面白かった
・工場見学出来て良かった。なかなか見ることができないので勉強になった
・工場見学が面白かった
・お母さんの仕事のイメージが変わった
・今日は楽しかったです、ありがとうございました
保護者の声
・職場を子どもに見せることがないのでいい機会だった
・本社勤務のため、工場には来たことがなかった。いい機会だった
・今回は見学だったが、座学的なことがあってもいいのかなと思った。小学生以上に対してもやってみてほしい
・工場を見る時間がもっと長くても良かった
・6年生なので、会社のイベントとしては最後かなと思うが、いい思い出を作れてよかった
・自分の職場に子どもが来るのは良い機会だと思う。何回もイベントで来ているが、毎回楽しく参加している。会社のイベント大好き!
体験格差をなくしてキャリア教育課題の解消の糸口へ
「おしごと参観日」は企業として「夏休みの体験を一つでも増やし、キャリア教育の課題である体験格差の解消の一つになればという思いもあります」と話してくれたのは、広報の及川さん。
「今回は親子イベントでしたが、中高生や、社員のご両親など、つながりはたくさんあるので、工場見学や仕事場見学を他の家族に広げて大人も参加できる形にしていきたい」とのこと。
魅力的な株式会社シードの工場見学。現在は地域の子どもたちにしか工場見学を開催されていませんが、「今後は東京など他の地域でも会社見学の形で開催していきたいと思います」とのことなので、社員の家族以外でも会社見学ができる日も近いかもしれませんね!
「子どもたちに楽しんでもらえたらそれでいい」
子どもたちへのあいさつで、
「目が見えにくい人が見えるようにするために製品を作っています。
皆さんのお父さんお母さんは、他の人のために一生懸命頑張っています。
帰りが遅くなって寂しく思うかもしれないけれど、目が見えにくい人のために頑張っていると思っていてください。
休みの日は思いっきり遊んでもらってください。
工場見学で理科っておもしろいなって思ってもらえたらうれしいです。
また来年も参加してください」
と伝えた佐藤社長。
どんな思いで「おしごと参観日」をされているのでしょうか。
「親が働いているところを見られるのが一番いいことです。
研究者って、遠い存在に感じる人が多いけれど、普通の人なんだな、僕らもなれるかなって思ってほしいんです」
工場近隣の幼稚園に、なんとラボを作っているそう。そこでは、実際に研究開発をしている博士や研究者が時々行って、学童や保育園の子どもたちに実験をしてもらっているのだとか。
「僕自身が理系出身なので、理系離れを食い止めたくて。理科が好きな子、分野を問わずやってみよう!と思える子が増えたらいいなと思っています」
「当たり前のものに対して「なんで?」と疑問を持つのが理系の人の習慣です。
「なんで?」と疑問に思う気持ちは、子どもの頃は誰でも持っていたはず。
でも、大人になったら「こういうものだよね」と疑問に思うことを忘れてしまっています。
だから、疑問を持つことは悪くないんだよって伝えたいんです。
文系でも理系でもいい。その方が楽しくなります。
「なんで?」って普通に言える大人になってほしいです」
「どんどんいろいろな職種の人にインタビューに来てください!」と佐藤社長。
「ただの人、でも面白い人がいっぱいいますから。
研究職は普段は関わりがなく、想像がつかないと思います。でも普通にいるし、子どもの頃の「なんで?」が仕事になっているだけなんです。
「なんで?」に「こんなのあったらおもしろいよね」をプラスして仕事になっている。
「それって楽しそう!」と分かってくれる子どもになってくれたらうれしいですね」
佐藤社長自身も、子どものころに近くの会社が大規模に夏のイベントをしていたことが心に残っているそうです。
「細かいことは覚えてないんですよ。でも、楽しかったなあっていう記憶はずっと残っています。
子どもが楽しかったらそれでいいんです。そんな思い出が大人になっても残っていて、おもしろそうって思ってくれたらうれしいです」
会社としての未来だけではなく、子どもたちが「おもしろい」「楽しそう」と生きていける世界を目指している佐藤社長がいる株式会社シード。
これからの活動にも注目です!
株式会社シードは、コンタクトレンズの空ケースのリサイクルにも取り組んでいます。
詳しくはこちらから
コンタクトレンズの空ケースをリサイクル!シードのSDGsとは!