ノーコードって何?プログラミングせずにアプリが開発できる!
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これからの時代の開発方法として最近注目を集めている「ノーコード」。プログラミングしなくても簡単にアプリ開発できると話題です。
今回は、この「ノーコード」について、これまでのプログラミングと比較しながら、その特徴や実例などを解説しています。また、小学生の教育目的としても使えるのか、2021年現在の状況についてもご紹介します。
これからの時代の開発方法として、最近注目を集めている「ノーコード」。プログラミングしなくても、簡単にアプリが開発できると話題です。そんな夢のような技術が使えるようになったら素敵ですよね。
今回は、この「ノーコード」について、これまでのプログラミングと比較しながら、その特徴や実例などをまとめました。また、小学生の教育目的としても使えるのか、2021年現在の状況についてもご紹介します。
まずは、ノーコードの前に、プログラミングについて見てみましょう。
小学校で必修になったプログラミングってなぜ必要なの?
2020年度より、すべての小学校でプログラミング教育が必修になりました。小学校の教育では、論理的思考力の養成や情報技術の活用などを目的としています。では、そもそもプログラミングとは、何のために必要なのでしょうか?
プログラミングとは?
プログラミングとは、コンピュータへの命令を書き出す作業のことです。コンピュータにやってもらいたい処理を「プログラミング言語」というコンピュータが理解できる言葉にして書いていきます。このような命令がまとまったものを「プログラム」といいます。
プログラミングでは、プログラミング言語の決まった文法にしたがって、英数字と記号で、コンピュータへの命令文を書いています。
では、プログラミングは、実際にどのようなところで使われているのでしょうか?
プログラミングはWebサービスやアプリの開発に必要
プログラミングは、Webサービス(Webサイトが持つ機能)やアプリを開発するために使われています。
身近なところでは、たとえば、ショッピングサイトのログイン機能はプログラミングされており、IDやパスワードを入力すると、認証が行われるように作られています。
また、子どもたちにおなじみのゲームアプリでは、キャラクターの位置がプログラミングされており、そのときの状況に応じて、適切な場所に配置されるように作られています。
このように、Webサイトやアプリを動かすためには、通常はプログラミングが必要です。では、プログラミングの不要なノーコードとは、どのようなものなのでしょうか?
プログラミングのいらないノーコードって何?
ノーコードとは?
ノーコードとは、プログラミングせずに、ドラッグ&ドロップだけで、Webサービスやアプリを開発できる技術のことです。
プログラミングでは、プログラミング言語を使って、文字でコンピュータへの命令を書いていました。ノーコードでは、命令を書くのではなく、あらかじめプログラミングされたパーツをドラッグ&ドロップして、画面に並べて開発します。
たとえば、以下は、ノーコードのWebアプリ作成ツール「Forguncy」を使って、ログイン画面を開発している一例です。あらかじめ用意されたログイン機能付きのパーツを使うだけなので、ゼロからプログラミングして作る必要がありません。
引用元:ノーコードツールForguncyでウェブアプリのログイン画面を作ってみよう
また、以下は、ノーコードのショッピングサイト作成ツール「Shopify」で用意されているテンプレートの一例です。商品を並べて見せる機能が最初から用意されており、ドラッグ&ドロップで簡単にショッピングサイトが作れます。
引用元:無料なのにプロ並みの品質!Shopifyで今すぐ使える無料テーマを大紹介
ノーコードを料理にたとえると・・・
ノーコードの特徴は、料理にたとえると分かりやすいでしょう。
料理にたとえると、自分で調理をするのがプログラミング、自分では調理せずスーパーで惣菜を買ってきて食卓に並べるのがノーコードです。また、スーパーの惣菜は、買って並べるだけですが、実際にはスーパーの惣菜部門の人があらかじめ調理しています。それと同様に、ノーコードのパーツも、提供元の開発者があらかじめプログラミングしたものが用意されています。
プログラミングできなくてもアプリが作れる?
では、ノーコードを使って、プログラミングせずに開発できるようになると、どのようなメリットがあるのでしょうか?主なメリットは次のとおりです。
ノーコードの主なメリット
- プログラミングができない人でもアプリを開発できる
- 開発にかかるお金や時間を節約できる
- デザインや機能の改良に時間をかけられる
まず、Webサービスやアプリを開発できる人が増えます。これまでは、プログラミングできるエンジニアやプログラマーと呼ばれる専門の人しか開発できませんでしたが、ノーコードを使えば、プログラミングができない人でもアプリが開発できるようになります。
また、お金や時間を節約できます。お金の面では、専門のエンジニアを雇う必要がなく、短い期間で開発できるので、開発費用を節約できます。時間の面では、ゼロから作る必要がなく、あらかじめ用意されたパーツを使うだけなので、開発を大幅にスピードアップできます。簡単なWebサービスやアプリなら、1時間程度で作れるほどです!
そして、節約して空いた時間を、デザインや機能の改良に使えます。Webサービスやアプリを使うユーザーから見て一番大事な、使いやすいデザインと便利な機能を作ることに注力できます。
実際にノーコードを使った例
実際にノーコードを使って開発されたWebサービスやアプリをご紹介します。
以下は、人気カレーチェーン「ゴーゴーカレー」の公式通販サイトです。ノーコードツールの「Shopify」を使って開発されました。
引用元:「ゴーゴーカレー」公式通販サイト
また、以下は、お気に入りの飲食店の記録やシェアができる「Sabinuky」というアプリです。ノーコードツールの「Adalo」を使って開発されました。
引用元:Adalo Showcase「Sabinuky」紹介ページ
プログラミングせずにここまでのものが作れるとは、驚かれる方も多いでしょう。このように、一見いいことずくめのノーコードですが、次は課題についてもご紹介します。
ノーコードの課題
発展途中のノーコードには、まだまだ多くの課題があります。なかでも一番深刻なのはできることが限られていることです。
ノーコードの各パーツは、あらかじめ機能が作り込まれていて、基本的に変更はできません。もし、ユーザーからの要望で、デザインや機能を変えたいと言われても、対応できないことが多いでしょう。
こうした課題を解決するため、じつは、大部分をノーコードで作って、一部だけをプログラミングする「ローコード」という手法が盛んに進められています。これなら、ノーコードの良さを生かしつつ、ユーザーの要望にも応えられる柔軟な対応ができます。これからは、ノーコードとローコードの両方が普及していくことでしょう。
ノーコードのこれから
ノーコードの将来性については、様々な調査会社が予測を発表しています。
米国P&S Intelligence社の調査では、ノーコード、ローコードによる開発の市場は、2019年にすでに約100億ドルの売上を記録し、2020年から2030年の間には、31.1%の年平均成長率を見込むと予測しています。
また、米国Gartner社の調査では、2024年までに、65%以上のアプリがノーコード、ローコードで開発されると予測しています。
ノーコードは近い将来、Webサービス、アプリ開発において主流の技術になりそうです。
参照:P&S Intelligence「ローコード開発プラットフォーム市場調査」(最終閲覧日:2021年10月8日)
ビジネス+IT「ローコード開発(LCAP)とは? ベンダー比較のポイント、スバルなどの導入事例に学ぶべきこと」(最終閲覧日:2021年10月8日)
ノーコードって小学生でも使えるの?
このように魅力たっぷりで将来性のあるノーコードですが、実際の開発だけでなく、小学生でも使えるのでしょうか?
本格的に使えるようになるのはこれから
プログラミングが不要なノーコードを、子どもたちの教育目的で使えるようになれば、様々なメリットが期待できます。たとえば、プログラミングが苦手な子どもでも、Webサービスやアプリが楽しく作れます。一度ものづくりの楽しさや達成感を味わうと、子どもたちの自信や情報技術への興味にもつながり、よい教育効果が期待できます。
ただ、2021年10月現在、小学生向けに作られたノーコードや教育サービスはまだないようです。現在、様々な普及活動が行われているので、小学生が手軽に使えるようになる日もそう遠くはないでしょう。
ますます大切になる「考える力」
今後、ノーコードが主流になると、プログラミング言語を覚える以上に大切になるのが「考える力」です。
プログラミングが不要になると、アプリのデザインや機能に集中できるようになります。使いやすいデザインと便利な機能を作るために、ユーザーにとっての真の問題は何か(問題発見力)、それをどう解決するか(問題解決力)、そのために、アプリの機能をどうデザインするか(論理的思考力)などの「考える力」がますます大切になります。
*文部科学省も、新学習指導要領のなかで、論理的思考力や問題発見・解決能力の育成をポイントに掲げています。
プログラミング教育についてはこちらで詳しくご紹介しています!
小学校のプログラミング教育がいよいよ開始!文部科学省のねらいは?
プログラミングなしで開発できるということは、開発が楽になるというよりは、もっと大切なことに時間をかけられる、と発展的に考えたほうがよいでしょう。
いまからできること
いま注目のノーコードについて、その特徴や実例などについてご紹介しました。
まだ小学生がすぐに始められるノーコードはありませんが類似したもので、ビジュアルプログラミング言語のScratchがあります。Scratchは、パーツを組み合わせて簡単にアプリが作れるという点で、ノーコードと共通しています。ノーコードの普及に備えて、まずは気軽にScratchで慣れておくのもよいでしょう。
Scratch(スクラッチ)については、こちらで詳しくご紹介しています!
【子どもの作品も紹介!】プログラミング言語Scratch(スクラッチ)とは?始める手順も!
**さらに進んだ取り組みでは、Scratchで小学生に自動テストプログラムを作ってもらう実証実験が行われています。なんと、小学生に報酬が支払われているそうです!
そして、ノーコードでもっとも大切になる「考える力」は、文部科学省でも重視しており、学校や塾で様々な取り組みが見られます。
みらいいでも、「みらいいアカデミア」というオンラインプログラム教室を開講しています。Scratchなどを使ったアプリ作りを通して、楽しみながら論理的思考力や問題解決力を身につけることができます。無料体験もありますので、お気軽にお試しください!
みらいいアカデミア〜自宅で気軽に始めることができるオンラインプログラム教室〜
引用元:みらいいアカデミア
参考文献:
*文部科学省「新学習指導要領のポイント〜情報活用能力の育成・ICT活用〜」(最終閲覧日:2021年10月8日)
**ASCII.jp「Scratchを世界標準のプログラミング言語にします!ノーコードでVRやビジネスアプリ on VTeacher」(最終閲覧日:2021年10月8日)