小学生のSTEM教育を学年別にご紹介!【3・4年生】

未来に役立つスキルが身につくSTEM教育。小学校3、4年生になると、STEMの4つの領域をさらに幅広く学んでいきます。パソコンやタブレットを使い、プログラムの基礎を学ぶ機会も増えます。そのような新しい教育法に親は戸惑い、難しく感じてしまうかもしれません。しかし、親も一緒に取り組める学習法もたくさんあります。
そこでこの記事では、3、4年生の教育現場での実践例や、家でのおすすめ実践法などをご紹介します。
未来に役立つスキルが身につくSTEM教育。小学校3、4年生になると、STEMの4つの領域をさらに幅広く学んでいきます。
パソコンやタブレットを使い、プログラムの基礎を学ぶ機会も増えます。そのような新しい教育法に親は戸惑い、難しく感じてしまうかもしれません。しかし、親も一緒に取り組める学習法もたくさんあります。
そこでこの記事では、3、4年生の教育現場での実践例や、家でのおすすめ実践法などをご紹介します。
まずはSTEM教育を理解しよう
STEM教育とは?
STEMとは「science・technology・engineering・mathematics」のそれぞれの単語の頭文字をとったもので、科学・技術・工学・数学の教育分野を総称しています。
STEM教育は理数系に強い子どもを育てるだけではなく、この4つの分野を総合的に教育し「自分で学び・理解し・解決する力を養う」ことを目的が根底にあります。
また、これからの時代に必要となるであろう「グローバル社会やAI時代に適応できる、世界に通用する人材の育成」のための教育法です。
STEM教育は1990年代に米国で提唱され、2009年のオバマ前大統領就任後に始まった「Education to Inovation(革新的教育)」キャンペーンでは、STEM教育の向上が重要課題の一つとされました。
その後、2011年にオバマ前大統領が一般教書演説でSTEM教育の重要性を説いたことが、世界中から注目を集めるきっかけとなりました。
STEM教育を重要視する背景
多くの国がSTEM教育を重要視する背景には、テクノロジーやAIの発展に伴いSTEM分野の人材の確保が国力維持に必要不可欠なことが挙げられます。
例えば、先進国が優位性を保つためには、STEM分野をさらに強化し科学技術による国際競争力を高める必要があります。
今後さらにSTEM関連の職業における需要が高まり、その分野の人材不足が予測されています。小学校などの早い段階でのSTEM教育は、子どものSTEMへの興味を引き出し、将来男女の性別に関係なくSTEM関連の仕事に就く可能性を広げることが期待できます。
Artが加わったSTEAM教育にも注目
STEAM教育は、science(科学)・technology(技術)・engineering(工学)・mathematics(数学)にart(芸術・教養)を加えた教育法です。
科学や技術の知識があってもデザイン性がないと、うまく形になりません。芸術を学ぶことで豊かな表現力や自由な発想を養うことができます。
暖色や寒色の色の違いや有名な画家の歴史を教え、有名な絵からインスパイアを受けた子ども達に絵の描き方を教える場合もあります。その他、ダンスやヨガなども積極的に取り入れています。
また、artにはリベラルアーツの意味も含まれており、人間が生きていくうえでの根本的な考え方や知識を指しています。グローバル社会やどのような環境の中でも成功するために欠かせないものと考えられています。
小学校で行われているSTEM教育【3、4年】
3年生のSTEM教育
2年生で実践されているSTEM教育は「学習指導要領に例示されてはいないが、学習指導要領に示される各教科等の内容を指導する中で実施するもの」でしたが、3年生になると、「学習指導要領に例示されている単元等で実施するもの」も入ってきます。
【学習指導要領に例示されているもの】
●プログラミング教材Scratchを利用した総合的な学習の時間の活動
実践例:「まちの魅力 PR大作戦」
3~6年生を対象としています。子ども達が生活する「まち」に焦点をあて課題を設定し、まちの魅力を考え、お勧めのスポットを整理する。Scrachを使いながら、プログラミングを活用した情報発信の方法を用いて、案内表示を作成する。
【学習指導要領に例示されてはいないが、学習指導要領に示される各教科等の内容を指導する中で実施するもの】
●LOOPIMAL(ルーピマル)アプリケーションを活用した音楽の授業
実践例:動物が楽しく踊るリズムループをつくろう
リズムに合わせて動物たちが踊りだす、「LOOPIMAL」というアプリケーションを活用する。5種類のリズムパターンのパネルを画面上に8個配置し、並び方を考えて8小節のリズムループをつくり出す。プロセスを意識しながら、音楽的な試行錯誤を行えるように学習活動を展開していく。
4年生のSTEM教育
【学習指導要領に例示されてはいないが、学習指導要領に示される各教科等の内容を指導する中で実施するもの】
●ビジュアルプログラミングScratch2を利用した社会の授業
実践例:ブロックを組み合わせて47都道府県を見つけよう
47都道府県の特徴が記されたブロックを組み合わせることにより、組み合わせたブロックに記された特徴に合致した都道府県の名称と位置を示すプログラムを使用。都道府県の地理的環境や自然条件・面積・人口・特産物などの特色を組み合わせて都道府県を特定する活動を通して、47都道府県の名称と位置を理解する。
Scratchブロックを組み合わせて47都道府県を見つけよう
●コンピューターを用いたクラブ活動
実践例:パソコンクラブでのプログラミング体験
小学4~6年生を対象に、コンピューターを用いた活動やプログラミング体験を行なうクラブ活動。クラブ発表のための活動内容紹介動画や体験ゲームなどを、プログラミングツールを活用しながら作成する。
小学校を中心としたプログラミング教育ポータル
教育課程外や特別支援教育でのSTEM教育
授業内でのSTEM教育だけではなく、学校を会場に行なう教育課程外のプログラムや学校外でのプログラミングクラスもあります。また、特別支援教育でも積極的にSTEM教育を実践しています。
大学生が指導者となり車タイプのロボットのプログラミングを教える取り組みや、世界で大人気のマインクラフトの教育版を使いながら行なうプログラミング的思考学習など、3、4年生になると参加できるSTEM教育のプログラムも多くなります。
特別支援教育では発達段階および行動特性・障害有無に関わらず、児童ひとりひとりがプログラミングを通した学びに主体的に取り組める教育を行なっています。
例えば、視覚障害児には触知ブロックを用いてプログラムを作成し、ロボットを動かすツールや、ブラウザ上でキーボード操作とテキスト入力のみで作曲が可能な音楽サーバーシステムなどが使われています。
発達障碍児には、英国自閉症協会提唱の法則に基づいたクラウド型プログラミング教材開発と、カリキュラムを作成しています。スタートからゴールに至る道筋を計画するといったような明確な目標を与えらえる教材を使いながらstem教育を進めています。
家庭でのSTEM教育実践法【3、4年】
ロジカルシンキングを鍛える「ストーリー作り」
ロジカルシンキングは道筋を立てた考え方や説明の仕方を意味し、適切かつ効率的な問題解決に役立ちます。
家でも思考力を養うために、ストーリー作りに挑戦しましょう。最初は子どもが思いつくまま話をさせます。なかなか思いつかない場合は、その日に見たテレビアニメなどの続きを考えてもよいですよ。
話がうまく進まないようであれば「なんでそうなったのかな?」「次はどこにいく?」と、話に合わせてヘルプしましょう。
ストーリーを展開させながら「筋道を立てて理論を展開する」「相手が理解し納得できるように論理を展開する」トレーニングができます。
レゴ社もSTEMに注目「Lego Education」
レゴ社のレゴエデュケーションは、Connect(結びつける)、Construct(組み立てる)、Contemplate(よく考える)、Continue(さらに続ける)の4つのステージ「4Ⅽ」を大切に作られました。
レゴ社から教育現場で使うSTEM教材「Spike プライム」も発表されましたが、残念ながら一般販売はされていません。一般販売されておりSTEM教育のためにおすすめのレゴが、プログラミングブロックセット「Lego Boost(ブースト)」です。
ブロックでロボットや子猫、ギターなどを組み立て、レゴブーストアプリを使ってプログラミングできます。少し高価ですが、親も一緒に楽しみながらプログラミングを学ぶことができますよ。
参考サイト: Lego Boost
美味しく楽しく学べる「知育菓子でサイエンス」
楽しみながら学べると人気の知育菓子。真っ先に頭に浮かぶのは「ねるねるねるね」ではないでしょうか。粉と水を混ぜるだけ、ねると色が変わっていく様子は理科の実験のようです。
知育菓子は進化しており、のびるスライムや様々な食べ物を本物そっくりに作れるキットなど沢山の種類があります。
自らの手で練ったり、こねたりしながら、色・形・香りなどの変化を目の辺りにできます。子どもの知的好奇心や創造力を養い、試行錯誤しながら作りることで達成感を味わえるお菓子です。
参考サイト:クラシエ・知育菓子
まとめ
いかがでしたか。3、4年生になると自分で考え、自分が意図するもの試行錯誤しながら作る機会が増えていきます。
STEMを教育は読み書き中心のアカデミック教育とは違います。家庭でも自らの手を使って作る知育菓子や、思考力を養うストーリー作りなどを楽しみながら行なってくださいね。
子どもが興味を持ったものを積極的に取り入れ、STEM教育に親しんでいきましょう。