小学生×SDGs×プログラミング!「コロナに対応したまちづくり」
みらいいでは子どもの視点でSDGsなどの社会課題を捉える「みらいいひらめきラボ」を開催しています。
6月27日に実施した「みらいいひらめきラボオンライン」からみらいいキッズのプログラミング作品「コロナ対策発展記」のプレゼンテーションをご紹介します。
みらいいでは、子どもの視点でSDGsをはじめとする社会課題を捉える「みらいいひらめきラボ」を開催しています。プログラミングを通して、子どもたちならではの想像力を発揮して社会課題の解決法を形にしています。
6月27日にみらいいが実施したオンラインイベント「みらいいひらめきラボオンライン」からみらいいキッズによる、プログラミング作品のプレゼンテーションをご紹介します。自分が楽しめることをテーマにした作品だけでなく難しいテーマに取り組んだ作品もあります。大人と一緒に作ったり、自分だけで作り上げたりと制作過程もさまざまです。
こちらの記事では、小学6年生が作った「コロナ対策発展記」というゲームご紹介しています。
みらいいのイベントについては、こちらもご覧ください。
【みらいの学びフェスティバル2021〜プログラミング教育&金融教育編〜】開催レポート
「まちづくり」って何?
今回、けいじくんがテーマにした「まちづくり」。SDGsでも「SDGs目標11.住み続けられるまちづくりを」として掲げられています。
世界にはさまざまな地域がたくさんあり、人々はそれぞれに異なる文化や環境のもと暮らしています。人口増加や貧富の格差により住む場所が十分にない、お年寄りや障がいがある人、女性や子どもなど弱い立場の人が使いやすい公共施設が少ないといった問題を抱えている地域もあります。
また、自然災害により避難や移住を余儀なくされる人もここ数十年で大きく増加しています。
こうした問題を解決して、暮らしやすく住み続けられるまちづくりが求められています。
具体的には、バリアフリー化を進め、誰もが住みやすい環境を整えたり、電柱を地下に埋めて災害時の被害を最小限に抑えるための備えをしたり、といったことが考えられます。また、都市部と農村部の社会的・経済的なつながりを強めるといったこともまちづくりには大切です。
あらゆる問題を解決し、すべての人が暮らしやすいまちづくりが世界中で進められているのです。日本でも各自治体などが持続可能なまちづくりに取り組んでいます。
開発者の紹介
名前:けいじくん
学年:小学6年生
好きなこと:ゲーム特に自由に作れるようなゲームが好きです
作品の紹介
作品名 :コロナ対策発展記
テーマ:コロナに対応したまちづくり
テーマの現状:コロナ禍の影響を受けて、飲食店にお客さんが集まらず商売ができない、病床が足りない、患者さんがたらい回しになってて医療崩壊しているという現状があります。
制作期間:1か月半
お金を使ってコロナ対策を行い、コロナ対策をせずにさびれてしまったまちを復興させていくゲームです。コロナ対策を行い感染者を減らしたり、評判を上げたりすることで人口を増やします。
プレイヤーは町役場の「コロナ対策街づくりリーダー」です。まず行うのは、建物などを配置してコロナ対策をすることです。
住民のアイコンが設置した建物などに重なるとお金が増え、そのお金はまちづくりなどに使えます。
まちづくりのアイテムは、公園やコロナ対策ができる診療所、コロナ対策が取られた遊具やコロナ禍で売り上げが減少してしまった飲食店が利用できる出店スペースなどの施設や設備だけでなく、マスクやワクチンなどコロナ対策グッズなども用意されています。
けいじくんが考えたオリジナルのアイテムもあり、コロナ対策をして住みやすいまちづくりをするための工夫が随所に感じられます。
コロナ対策をしたり、住民の声を聞いたりすると評判が上がります。住民を増やすには、お金が1000、評判が300必要です。
「他の町との勝負」では人口、評判、感染者の3つの指標で勝負します。勝つことができれば、クリアです!
開発者・けいじくんへのインタビュー
Hiro―なぜこのテーマにしたの?
けいじくん―SDGsの「まちづくり」に興味がありました。世界では人口増加の問題などから、大勢の人が快適に暮らすためのまちづくりが重要なテーマとなっています。そして、コロナウイルスの変異型が増えてきていて、困ったり苦しんだりしている医療現場やお店が多くなっているのが現状です。
コロナで困っている人のために、住みやすいまちを作りたいと思い、今回のテーマを選びました。
Hiro―どんな場所でアイデアを思いつくの?
けいじくん―学校でも連絡帳を書いている時や、テスト中とかに突然思いつきます。テストの時はテストの紙に書いて、回収する時に消しました。例えば、勝負の演出とクリアの演出とか、クラウド変数を使って記録することも思いつきました。
宿題をやっていた時に、テレビの音が聞こえてきて、それがアイデアになったこともあります。
Hiro―今回の作品づくりでは何からはじめたの?
けいじくん―スペースキーを押して進むナレーションを作るところからです。
Hiro―こういうゲームにしようっていうのはどうやって発想したの?
けいじくん―予算を考えて開発する「冒険キングダム島」というゲームやってみたかったんです。なので、自分作っちゃおうと思いました。コロナ対策については、周りの様子やコロナに関するニュースを見て発想しました。あと、自動運転の車はお母さんのアドバイスです。
Hiro―大変だったところはどんなところ?
けいじくん―お金や評判が増えるところのプログラムです。あとは、音楽が途中で切り替わるところで、BGMを変えたり、音楽を止めて新しい音を鳴らしたりするのに時間がかかりました。
Hiro―工夫したというところを教えてください。
けいじくん―プレイのしやすさです。キーボードの操作が多すぎると、どのボタンを押したら良いのかわからなくなってしまうと思ったので、画面に表示されたボタンで動作ができるようにしました。あと、建物をカーソルで動かして配置できるようにもしました。
変数のプログラミングでは人口や感染者がマイナスにならないようにも気をつけました。オリジナルのアイデアで、コロナ対策をする「ソーシャルディスタンスアラーム」やソーシャルディスタンスを確保して遊べる「じゃんけん遊具」なども考えました。
Hiro―失敗して、繰り返しやったところはどこですか。
けいじくん―プログラミングでクローンを使うところです。
Hiro―作品を制作した感想を教えてください。
けいじくん―いつもより時間をかけて考えられたので満足できる作品が作れました。自分たちの街も隅々までコロナ対策がされてほしいと思います。
Hiro―この作品を通してどのようなメッセージを伝えたいですか。
けいじくん―まちづくりをゼロから考えることはとても難しかったので皆さんが住んでいる街のまちづくりをしている人に少しでも感謝してほしいと思いました。そして、一人ひとりができるコロナ対策や、プログラミングを通してできることもしてほしいです。
Hiro―これからやってみたいことはどんなことですか?
けいじくん―SDGsのゲームを作りたいです。
Hiro―なぜSDGsなの?
けいじくん―テレビで見て興味を持ったからです。
Hiro―どんなところに興味を持ったのかな?
けいじくん―みらいの取り組みということに興味を持ちました。再生可能エネルギーや、食料問題、気候変動など、自分たちに関係しそうなこともありました。今の問題点を解決してくれそうだと思います。
Hiro―プログラミングを始めて3年目だけど、プログラミングは好きですか?
けいじくん―好きなものを作れるから楽しいです。プログラミングはアイデア次第で完全に自由なものを作れるのが面白いです。
Hiro―プログラミングを始めて変わったところはあったかな?
けいじくん―発想力がついたと思います。3年前と比べてすぐアイデアが思いつくようになりました。
Hiro―プログラミングをこれからやってみたい人に対してどんなことを伝えたいですか。
けいじくん―アイデアさえあれば、どんなものも作れるからやってみてほしいです。
保護者の方にコメントを頂きました!
“プログラミング技術が向上したことにも驚きましたが、先生方だけでなく家族にもアドバイスを聞き、よりよい作品にしようと努力を惜しまなかったことがとても素晴らしかったと思います。”
“難しい題材を自分で考え、何度も試行錯誤しながら作品を完成させてたこと、先生方とのオンラインでのやり取り、すべて貴重な経験になったと思います。”
サポートをしたあすま先生にもお話を聞きました!
Hiro―けいじくんの取り組みの様子はどうでしたか。
あすま先生―ひたすら発想が出てくるのがうらやましいです。
社会課題であるコロナ対策とまちづくりというテーマについて、最初はアイデアを発表する予定でしたが、ゲームにするという発想が生まれたことに驚きました。
Hiro―けいじくんの発想力がすごいよね。
あすま先生―ミーティング中にもアイデアを思いつくことがよくありました!そして、そのアイデアをプログラミングできることがすごいと思います。りく先生にも聞いたりしながらですが、二人で相談して作って実現に至ったことに感動しました。
Hiro―できあがった作品をみてどう思いましたか。
あすま先生―小学生の作品というよりは、ゲームとしてのクオリティも高いと思いました。考えるべきことが多くて、大人がプレイしても大変なので、全年齢対象のゲームだと思います。
Hiro―小学生が作ったゲームとしてはどうですか。
あすま先生―100%以上のクオリティだと思います。他の小学生でも発想自体は出るけど、どうしたらいいか分からず、そこで止まってしまう子も多くいます。そんな中、自分のやりたいことをしっかりと形にできたのはけいじくんの力だと思います。
プログラミングについては、僕もあまり口を出していなくて、ほとんどけいじくんが作っていました。完成した作品を見てもしっかり形にできていて、小学生離れしているなとも感じました。
Hiro―SDGsを小学生が考えることについてはどう感じましたか。
あすま先生―SDGsだけだと抽象的なので、小学生にとって難しいテーマだと思います。今回は自分が直面している「コロナ対策」という身近なテーマとつながり、発想が広がりました。
けいじくんは、地域ごとにコロナ対策をしているけど、十分にできていないのはなんでだろう?と感じたところから始まりました。
「対策をするにはお金が必要!」
「お金は直接的な感染対策だけじゃなくて、飲食店への支援にも、建物を建てるにも必要だな」
「お金を考えながら、住民の暮らしや評判もよくしなきゃ」
という風に連想していって全体としてまちづくりに繋がったように感じました。このように、身近な課題とSDGsがつながれば、子どもたちも考えやすいと思います。
Hiro―けいじくんはプログラミングを始めて3年目ですが、論理的思考などが身に付いたなと感じることはありましたか?
あすま先生―変数を用いたプログラミングで、人口がマイナスになったり、感染者数が人口を上回ったりするのはおかしいということを自分で気づいて直していました。単純にプログラミングするだけじゃなくて、論理立てて考えられていると思います。
Hiro―現実世界とプログラミングを紐づけて考えられているんだね。素晴らしいですね!
あすま先生―あと、自分のアイデアは実現できるんだという自信を感じました。僕が無理そうだなと思うアイデアでも、けいじくんは実現に向かって行動してなんとかしちゃうのがすごいなと思いました。それは、プログラミングを学んだことやスクールでの経験があるからかなと思います。
Hiro―けいじくんの自己肯定感がとても高まっている感じですね。今後けいじくんに期待することはありますか。
あすま先生―期待しかありません(笑)今後も興味を持ったものに対してどんどん作品を作っていってほしいと思います。
Hiro―けいじくんとプログラミングに取り組んで、あすま先生が刺激を受けたことはありますか?
あすま先生―最後までこだわる妥協しない姿勢ですね。けいじくんは、発表の前日にクラウド変数を使うという偉業を成し遂げていて。最終発表日が延長になったときも、さらに改良を加えていました。
期限を守ることも大切ですが、自分のやりたいことをやりきるというのは本当に大事だなと思いました。
小学生の自由な発想力でSDGsのゴールへ導く!
今、私たちが直面しているコロナ対策と「SDGs目標11.住み続けられるまちづくりを」を組み合わせて素晴らしい作品を作ってくれました。まちづくりには予算や住みやすさなどさまざまな課題の解決が必要なことも見事に表現していました。ゲームとしても、とても面白く思わず熱中してしまうクオリティです。
みらいいでは子どもたちの可能性や自由な発想を伸ばすさまざまなイベントを開催しています。
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