小学生のゲームのプレイ時間は?やりすぎないためのルールの決め方も紹介!
ゲームは子どもたちに楽しい時間を与えてくれます。しかし、時間を忘れてついやりすぎてしまう子どもたちも多いのではないでしょうか。今回は小学生の平均的なゲームのプレイ時間や、成績にどのような影響があるのかを解説していきます。また、ゲームをやりすぎないためのルールの決め方や保護者ができることも紹介します。
小学生のゲームのプレイ時間は?
小学生は1日にどれくらいの時間ゲームをプレイしているのでしょうか。ガンホーが、2023年1月〜3月に行った「ゲーム・スマホ啓発講座」に参加した小学生1500人にアンケートを実施しました。
引用元:ガンホー|小学生のスマホ・ゲーム利用最新実態調査2023
そのアンケートによると、低学年では「1時間〜2時間以下」と回答したのが50〜60%、5年生や6年生は「2時間〜3時間以下」と回答したのが50%でした。
ゲームのプレイ時間は学年が上がるごとに少しずつ増えていくようですね。ゲームの楽しさがわかるだけでなく、集中力が上がったり、より複雑なゲームも楽しむことができるようになったりするために、時間が増えていくのかもしれません。
プレイ時間と正答率の関係
ゲームをプレイさせる上で気になるのは、勉強への影響が出ないかどうかではないでしょうか。国立教育政策研究所は2021年に全国学力・学習状況調査を行いました。その中で「月曜日から金曜日の平日に、1日にどのくらいゲームをするか」という質問があり、そのプレイ時間ごとの各教科の平均正答率も公表されました。
表を見るとどの教科もゲームを全くしない子や1時間より少ない子と、4時間以上ゲームをする子を比べると平均正答率に約20%の差があることがわかります。
ゲームを全くしない子と、5年生や6年生で多かった2〜3時間の子を比べてみても約10%の差があります。
学校から帰宅したら宿題をしたり、習い事に行ったりご飯やお風呂などするべきことが多くあります。その中でゲームの時間が多くなると、勉強をする時間が減るだけでなく睡眠時間も減ってしまいます。そういったことが原因で正答率の低下がみられるのかもしれません。ゲームを全くしない子と1時間より少ない子は正答率に大きな差はなかったため、ゲームを全くさせない方針でなければならないということはなさそうですね。
ゲーム障害とは?
ゲームは楽しいものであるために、夢中になりすぎてしまう可能性もあります。その場合、健康にどのような影響を及ぼすのかも気になりますよね。WHO(世界保健機関)は2018年に世界共通の病気の名前や症状を示す「国際疾病分類(ICD)」の最新版にゲーム障害を追加しました。
ゲーム障害の定義(ICD-11)は、
- ゲーム(のプレイ時間など)をコントロールすることができない
- 他の生活上の関心事や日常の活動よりゲームを選ぶほどゲームを優先する
- 問題が起きているがゲームを続ける、または、より多くゲームをする
に当てはまり、かつ以下の重症度にどの程度当てはまるかで診断されます。
- ゲーム行動パターンは重症で、個人、家族、社会、教育、職業やほかの重要な機能分野において著しい障害を引き起こしている。
上記の4項目が、12か月以上続く場合にゲーム障害と診断されます。4症状が存在し、重症である場合には、それより短い期間でも診断がされる場合もあるようです。他の疾患と同様、ゲームを最優先にしてしまい、生活に影響が出るようになると障害の一つと認定されるのですね。
ゲーム障害についてより詳しく解説した記事があります。ゲーム依存症のチェック表もあるので気になった場合はチェックしてみてください。
小学生のゲームとの上手なつき合い方!ゲーム依存症とは?
ルールを守ってもらうために協力する
勉強や健康に影響が出ないようにするためには、ルールを決めてその中でゲームをプレイすることが大切です。保護者にはそれがわかっていても、子どもがなかなかルールを守ってくれないこともありますよね。
そんな時には子供がルールを守れるように協力するという態度でいるようにしてみてはいかがでしょうか。ルールを守って、他のものに影響が出ない範囲で楽しんでほしいという思いから、保護者の方は積極的に声をかけたりルールを厳しくしたりするかもしれません。しかし、それではお子さまが自分で決めて行動する機会が減ってしまいます。行動するのはあくまでも子ども自身です。お子さま自身で動けるような工夫ができるといいですね。例えば、もう終わりなさいと急に声をかけるのではなく、あらかじめ時間を決めさせてからゲームをさせてみましょう。そうすると自分自身で残り時間を把握し、ゲームを終わらせるための行動もしやすくなります。
他にも、
- ゲーム終了時間に「終わりなさい」と声をかけるのではなく、15分前や10分前などに何度か声をかける
- 残りのプレイ時間が何分か必ず時計を見て意識させる
- 子どもと話し合った上でゲームの利用時間の設定をする
- ゲーム以外にやることを事前に挙げておき、ゲームをやる前や後に予定を詰めておく
などといった方法もあります。
声をかける回数はお子さまがやめられているかどうかで回数を減らすなどしてみてください。回数を減らせたら、そのことを伝えて認めてあげることも大切です。
ルール決めのコツ
ゲームをプレイする時にはルールがあると良いですが、ルールの決め方にもコツがあります。今回は3つのコツを紹介します。
- 子どもと一緒にルールを決める
- 終わりの時間をしっかり意識する
- 保護者の想いを伝える
ルールの決め方のコツは、子どもと一緒にルールを決めることです。人は基本的に自分以外の人に強制されて動くよりも、自発的に動きたいと考えています。保護者の方も子どもの頃に、勉強をしようと思っていたタイミングで「勉強しなさい」などと声をかけられたことはありませんでしたか?せっかくやろうと思ってたのに勉強することを強制された気分になり、勉強をする気が半減したのではないでしょうか。自分以外の人に強制されるのではなく、自分で行動すると決めると動きやすくなります。それをルール決めにも活かしてみましょう。
また、終わりの時間をしっかり意識することも大切です。「今日は1時間後が何時何分になるからそこまでにしよう」などと、大体の時間ではなく具体的な数字を出してみましょう。それも子ども自身に確認してもらうことがポイントです。その上でタイマーを使用したり、こちらから声をかけたりして守りやすいようにサポートしてあげましょう。
ルール決めの際には、保護者の想いを伝えることも大事です。ゲームの時間を考えて欲しいのはなぜなのか保護者の考えや思いを伝えると、ただ禁止をしたいわけではないことが子どもにも伝わります。そうすることでゲームに対する考え方を改めるきっかけになってくれるかもしれません。
ゲームは子どもの力を伸ばすきっかけになる
自分で決めたことを守れていると認識できると、子どもは自分自身を認めてあげることができます。自己受容ができていると新しいものに挑戦しやすくなったり、物事を継続し達成する力につながったりします。ゲームをプレイする時間を守れない現状はそういった力を伸ばすチャンスだと捉えてみてはいかがでしょうか。
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