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小学生向けの学校以外の居場所とは?学校に行かないことを選んだ子どもは増加傾向にある!

親の学び
公開日:2024年5月2日 更新日:2024年5月2日
小学生向けの学校以外の居場所とは?学校に行かないことを選んだ子どもは増加傾向にある!

小学生の子どもが学校に行きたがらない。
どうして学校に行かないのだろう?学校に行かないと将来はどうなるのだろう?
子どもが学校に行き渋っている場合、どのように対応すればよいのか分からない親も多いでしょう。

もし学校に行かなくなったとしても、学校以外の選択肢は多くあります。

今は、学校以外にも、子どもの居場所を作ることが可能な時代。

ここでは、学校以外の選択肢のほか、学校に行き渋る子どもの適切な対応などについても詳しく解説しています。

過度に悲観的にならず、まずはどのような選択肢があるのか知ることから始めてみましょう。

もくじ

    学校に行き渋っている子どもは増加傾向にある

    なぜうちの子どもは学校に行き渋っているのか?
    子どもがこういった事態に陥ってしまうと、「なぜうちの子が?」と不安になってしまうだけでなく、「自分に至らない点があったのか??」と自分を責めてしまいがちです。
    しかし、「学校に行きたがらない子ども」は、今の時代、決して珍しいことではありません。自分の子ども「だけ」が学校に行き渋っているわけではないのです。
    文部科学省が発表した「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」のデータを見てみましょう。

     

    引用元:文部科学省公式「令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」)


    データによると、

    • 小・中学校における不登校児童生徒数は299,048人(前年度244,940人)。前年度から54,108人(22.1%)増加している。
    • 在籍児童生徒のうち、不登校児童生徒の割合は3.2%(前年度2.6%)。

    不登校の児童生徒数は10年連続で増加し、過去最多人数となっていることが分かるでしょう。割合としては3.2%と少ない印象を受けるかもしれませんが、実際の人数で見ると決して少ないわけではありません。
    つまり、「子どもが学校に行きたがらない」ことは、どの家庭でも起こりうる可能性があるというわけです。
    しかし、再び登校したり、志望校へ進学したり、資格を取得し就職したり。自分の道をしっかり進んでいる子どもも多くいることも事実です。
    「なぜ自分の子どもが」と思う必要はありません。
    過度に悲観的にならず、子どもへの適切なサポートを行っていきましょう。
    参照元:文部科学省公式「令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」)

    このような行動はNG!親はどのように接するべき?

    では、適切なサポートとは具体的にどのような行動を指すのでしょうか?
    子どもの心を大切にしたいなら、ついやってしまいがちなNG行動も知っておくとよいでしょう。詳しく解説していきます。

    感情的に叱らず正直に話してくれたことに感謝を伝える

    子どもが学校に行き渋っていると、親としてはつい「何をわがまま言ってるの!」「甘えたこと言ってるんじゃない!」「いいから早く行きなさい!」など、感情的に叱りたくなってしまうかもしれません。
    しかし、頭ごなしに叱ってしまうのは逆効果です。
    「そのうち行きたくない気持ちもなくなるだろう」と軽く考える親もいますが、登校を強制することでさらに子どもの心を傷つけてしまう可能性も。また、「親は自分のことをわかってくれない」と不信感を抱いてしまうでしょう。
    子どもに「学校に行きたくない」と言われた時は、「学校に行きたくないんだね」「辛い気持ちを話してくれてありがとう」と、まずは感謝を伝えてみてください。
    子どもが学校に行きたくない旨を打ち明ける際の心情は、「怒られるかもしれない」という不安や恐怖。正直に伝えるには、そうとうの勇気を要したはずです。感謝を伝えることで、子どもの不安や恐怖を取り除いてあげてください。
    子どもが勇気を出して伝えてくれたことを、まずは感謝して受けとめてあげましょう。
     
    感情的に叱ってしまいそうになった時の対処法は?以下の記事を参考にしてください。
    お母さん、息子さんを叱ろうと思ったその時に・・・ (miraii.jp)

    学校に行き渋っている原因や理由にこだわりすぎないようにする

    子どもが学校に行き渋っていると、つい「なぜ行きたくないの?」「学校で何かあったの?」とつい理由を問い詰めたくなってしまうかもしれません。しかし、その原因や理由にはこだわりすぎないようにしましょう。
    親に原因を追及されたとしても、子どもがうまく説明できるケースは多くありません。
    友だちもいるけど何となく学校の雰囲気が自分に合わない、がんばって登校していたけど心の中でプツンと切れた…。「何が嫌なのか分からない」と、子ども自身が明確な原因を分かっていない可能性もあります。
    しつこく原因を追及したところで、意味はありません。そのうち、子どもは責められている気持ちになってしまい、ますます落ち込んでしまうことも。
    しかし、場合によってはしっかりと対応した方がよい原因もあります。
    たとえば、いじめや子どもの発達障害、うつ病などが関係している場合です。
    いじめがあった場合は学校に追及する必要がありますし、精神疾患がある場合は医療機関へ相談をする必要があります。
    では、次の項目から、学校以外の選択肢にはどのようなものがあるのかを見ていきましょう。

    学校以外の選択肢は多くある!子どもに合った居場所を用意してあげよう

    今の時代、学校以外の選択肢は、格段に多くなっています。
    ここでは、それぞれの特徴をまとめました。

    フリースクール

    まず選択肢として思いつくのがフリースクールではないでしょうか。
    NPOや企業など民間で運営されている団体で、規模や活動内容はさまざま。なかには、ペットと触れ合える施設や課外活動を主にしている団体など、個性的なフリースクールもあります。
    スクールによって、運営方針はかなり異なると言えるでしょう。
    今はニュースなどでフリースクールの特集が組まれることもあるので知っている人も多いでしょうが、幅広い年齢の子どもが在籍しています。また、カウンセラーなどの資格を有している先生がいる点も特徴。子どもの自主性に任されることも多いため、自由にのびのびと過ごせるでしょう。
    学校の校長先生の承認があれば、フリースクールに通った日数を学校の出席分としてカウントされるところもあります。
    たとえば、以下のようなフリースクールがあります。

    ネットで調べてみるだけでもたくさん見つかります。見学を受け付けているスクールが多いので、ぜひ一度足を運んでみることをおすすめします。

    校内フリースクール

    小学校または中学校の空き教室を利用して、担当の職員が子どもの学習をサポートするフリースクールです。担当の職員は、学校の教員だけとは限らず、専門の職員が設置されている場合もあります。
    登校・下校時間は自由。
    学習内容も子ども自身が好きなように設定することが可能で、自分の学びたい教科を学べます。また、通常の授業に1時間だけ参加するという形でもOKです。校内フリースクールに出席すれば、出席日数としてカウントされる点も魅力と言えるでしょう。
    校内フリースクールは、子どもが通う学校や近隣のエリアに設置されていることが多いので、通いやすさについての心配はいりません。
    しかし、校内フリースクールを設けている学校がまだ少ない点がデメリットです。住んでいる地域に、校内フリースクール制度が導入されているか確認してみてください。

    教育支援センター(適応指導教室)

    教育支援センターとは、市町村や都道府県の教育委員会などが主催している学校への復帰や自立をサポートするための施設です。学校に行かない子どもが、勉強や集団生活を行います。
    学習支援や集団生活におけるコミュニケーションの練習、子ども向けのカウンセリング、親同士の交流、子どもと学校の連携などが一般的な内容と言えるでしょう。
    大きな特徴としては、子どものサポートだけでなく、親のサポートにも注力している点。親向けのカウンセリングも行っているので、育児での悩みや困りごとがあったらすぐに相談できますね。
    センターによって活動内容は異なっているため、教育支援センターを検討している人は、実際に教室を見学して、特徴をしっかり理解しておくことをおすすめします。

    オンラインフリースクール

    今は、パソコンなどで受けられるオンラインフリースクールも選択肢の一つとして考えられます。
    オンラインフリースクールは自宅から参加できるので、通学する必要がありません。とくに小学校低学年の子どもは、離れてしまうと心配な親も多いでしょう。オンラインフリースクールであれば、親のそばで安心して参加できます。
    「近くにフリースクールがなくても勉強したい」「社会とのつながりを持ちたい」「勉強以外にも学びたい」と思っている子どもにおすすめの選択肢。
    通学するフリースクールより費用が安い、自分のペースで勉強できるなどメリットも多く、今後参加する子どもも増えていくと予想されます。
    オンラインで参加できるフリースクールは、子どもにとってもうひとつの大切な居場所になるかもしれませんね。
    たとえば、以下のようなスクールがあります。ぜひ参考にしてください。


    オンライン学習については、以下の記事も参考にしてください。
    意外と知らない?家庭でのオンライン学習で知っておくべきこと! (miraii.jp)
    小学生におすすめ!授業も運動も課外活動もみんな家でできるオンライン学習を紹介!(miraii.jp)

    塾・家庭教師

    塾や家庭教師の会社には、学校に行かない子ども向けのコースを設けている会社もあります。
    塾には、専門家と連携してメンタルサポートを行っているところもあります。塾によってもサポート内容は異なるので、いくつかの塾を比較検討してみるのもよいでしょう。
    また、子どもの勉強面・精神面のケアだけでなく、悩みや課題に合わせた指導ができるよう教育を受けている家庭教師もいます。ネットで検索すると、さまざまな家庭教師の会社が見つかりますよ。
     おもに以下のような塾・家庭教師の会社があります。

    ほかにもたくさんありますので、検索してみてください。

    ホームスクーリング

    ホームスクーリングは、学校に通学せず、家庭を拠点として学習を行うスタイルを指しています。
    子どものペースに合わせた学習ができ、興味や関心に応じたカリキュラムが組める、学校のストレスから解放される、家族の絆が強くなる可能性があるなど、多くのメリットがある学習スタイル。
    通っている学校やフリースクールとうまく組み合わせることも可能なため、柔軟な学習スタイルを構築できます。
    たとえば、フリースクールに週2回ほど通い、あとは家で学習をするという方法、学校で給食だけ食べる、好きな授業だけ受ける、あとは家で読書をしたりパソコンの勉強をしたりという方法を取っている子どももいます。
    学校やフリースクールの部分利用という形も採用できるので、子どもにぴったりな学習スタイルを家族で一緒に作っていくことが可能です。
     家庭で話し合い、自宅でホームスクーリングを行うことに決めた。
    始める場合は、まずホームスクールをすでに実践している人と繋がることからスタートしましょう。
    経験者から話を聞くことで、ホームスクーリングのメリットやデメリット、注意点のほか、子どもがどのような学習法で学んでいるのか、学校とはどのような関係を築いていけばいいのかなど、有意義なアドバイスや情報が得られます。
    ホームスクーリングを行っている者同士の繋がりはとても心強いもの。
    精神的な支えになるだけでなく、悩みを相談したり、情報を交換したりすることもできますね。
     
    インターネットがあれば、全国のホームスクーリング実践者と繋がることも可能です。SNSなどで探して、ぜひコンタクトを取ってみてください。
    以下のように、経験談を交えながら積極的にホームスクーリングの情報を発信している人もいますよ。
    鈴村 結@ホームスクーリング実践中

    常に子どもの気持ちを最優先にして居場所を探そう

    学校以外の居場所を探すには、常に子どもの気持ちを最優先にするよう心がけてください。
    子どもに合った居場所を見つけるには、時間も手間もかかります。探しているうちに、「できるだけ早く決めたい」「もうここでいいんじゃないか」と焦ってしまうかもしれません。
    しかし、焦りは禁物です。今探しているのは、誰のための居場所でしょうか?
    ほかでもない、自分の子どものための居場所です。いくら親が「ここがいい」と思ったところで、子どもの性格や特性に合わなければ、まったく意味はありません。
    もし子どもに合わない場所だと、ますます親に対する不信感が募ってしまうだけでなく、さらに心が落ち込んでしまう可能性もあります。結局、またほかの選択肢を探すことになるでしょう。
    実際に施設を訪れてみたり、子どもと一緒に探してみたりなど、妥協せず、常に子どもの気持ちを優先して探すようにしましょう。

    国も法律を掲げて子どもの支援に臨んでいる!

    国も法律を制定し、国家レベルで子どもの支援に注力する姿勢を見せています。
    2024年4月1日から、「孤独・孤立対策推進法」が施行されました。
    この法律は、孤独・孤立問題に対する国の姿勢を明確化したもの。地方自治体や民間団体をはじめ、企業、国民一人ひとりが連携して取り組む体制を整備することを目的にしています。
    この法律の対象となっているのは、何らかの理由で学校に行けない子ども、不安や困難を抱えている女性、生活困窮者など幅広く定められており、それぞれの支援も強化されます。
    学校以外の選択肢については、こども家庭庁により、子どもの居場所づくり支援へ予算が拡充されるそう。
    「孤独・孤立対策推進法」が施行されることで、学校以外の子どもの居場所がますます充実していくことが予想されます。
    参照元:孤独・孤立対策推進法 | e-Gov法令検索

    学校以外の選択肢は多くある。妥協せず子どもにぴったりの居場所を

    学校に行かない子どもは、年々増加傾向にあります。
    今は、フリースクールや教育センター、オンラインフリースクールなど、学校以外にも幅広い選択肢があります。それぞれの特徴やメリットなどを確認し、子どもの意見や性格、特性などを尊重しながらじっくりと探す必要があります。
    今は子どもが小学校に行っていないことを心配していると思いますが、最終的な子どもの目標は、社会的に自立できる大人になってもらうこと。
    学校以外の居場所で学力やコミュニケーション能力などを育み、高卒認定試験などを受け、大学や専門学校に進学した後、希望の職に就いた人も多く存在します。
    「学校に行かないと子どもの居場所がない」と、決して悲観的になる必要はありません。 
    学校以外の居場所はたくさんあるのです。
    時間や手間はかかるかもしれませんが、子どもの未来のため、子どもに合った居場所を探してあげてください。

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