「SDGs1.貧困をなくそう」の取り組み事例を解説!
「SDGs1.貧困をなくそう」達成に向けての、取り組み事例が知りたい!」
持続可能な開発目標SDGs(エスディージーズ)に、積極的に取り組もうとしている方なら、上記のような考えをお持ちでしょう。
詳しい情報を1つでも多くキャッチできれば、SDGs達成に私たちも貢献できることが、はっきり見えてきますよね。
今回の記事では、「SDGs1.貧困をなくそう」の現状とともに、世界や日本企業で行われている取り組み事例を紹介します。
取り組み事例を見る前におさらい!「SDGs1.貧困をなくそう」とは?
「SDGs1.貧困をなくそう」は、貧困状態にある人をひとりでも減らすために掲げられた目標です。地球上には、経済的に困窮し、貧しい生活を送っている人がたくさん存在しています。そのような人々を救うべく、国連はSDGs1の実現に乗り出しました。
具体的には、以下の2点を目指しています。
- 世界中で極度の貧困にある人をなくすこと
- さまざまな次元で貧困ラインを下回っている人の割合を半減させること
世の中から貧困をなくすためには、まずは国の制度やインフラを整える必要があります。さらに、適切な教育が受けられるよう、労働できる場所を設けて給料を得られるよう、社会の仕組みを整えなければいけません。
また、社会的な差別もなくさないといけないでしょう。差別を受けているがゆえに、苦しい生活を送らざるを得ない人も大勢いるからです。
貧困をなくすためには、金銭的な問題も含め、国際レベルで尽力していかなくてはいけません。貧しい人をひとりでも多く救うことが、「SDGs.1貧困をなくそう」の目指すべき未来だと言えます。
以下の記事でも、SDGs1について詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
【SDGs1.貧困をなくそう】の現状と私たちができることを解説 (miraii.jp)
「SDGs1.貧困をなくそう」世界や日本企業の取り組み事例
では、海外や日本企業は、SDGs1実現のためにどのような取り組みを行っているのでしょうか。ここでは、企業の取り組み事例をまとめました。貧しい人を救うため、世界レベルで取り組んでいることが分かりますよ。
ランドセルでの支援活動と協和ふわりぃ基金設立
株式会社協和のランドセルブランド「ふわりぃランドセル」は、協和ふわりぃ基金設立とランドセル支援活動を行っています。
2011年、東日本大震災が発生した際、小学校に通っていた子どものランドセル、入学を控えた子どものランドセルも被災しました。子どもを救うため、「私たちのできることをしよう」と、ランドセルの寄贈活動が始まったそう。
また、障がいを持つ子どものための支援団体への協力や支援にも注力。
基金に寄せられた寄付は、災害が発生した地域にランドセルを届けるための発送費に活用しています。
今でも、被災された家庭や、経済的な問題でランドセルの購入が困難な家庭の子どもを対象に活動を続けています。
参照元:ふわりぃランドセル公式
ひとり親世帯を中心に食でサポートを行う「WeSupport Family」
食品宅配のオイシックス・ラ・大地株式会社は、「WeSupport Family」によって、ひとり親世帯を中心に「食」でサポートする取り組みを行っています。WeSupport Familyとは、食品を寄付している企業と子どもの食生活をサポートする団体を繋いでいる仕組み。
栄養バランスのよい食事を取ることで、家族がよりよい未来へと繋がるよう尽力しています。
食品をただ届けるだけでなく、子どもの体験格差にも着目。食の楽しさを感じてもらえるような食の体験も提供していきたいと考えているそうです。
今後も支援の輪を広げて、ひとつでも多くの家庭を支援することを目指しています。
参照元:WeSupport公式
流通が困難な食品を格安で販売するECサイト「CLOSED Mart」導入
石川徳建設株式会社は、食品・商品廃棄ロスの削減に貢献するため、「CLOSED Mart」を導入。CLOSED Martは、形や色が出荷規格を満たしていないなどの理由で市場への流通が困難な食品・商品を格安で販売しているECサイトです。
廃棄ロスの削減に繋がるだけでなく、売上の一部が寄付され、SDGsの促進にも繋がっています。
石川徳建設は、日本赤十字社を通して、CLOSED Martの売上の一部をトルコ・シリア大地震によって被害に遭った被災地に寄付を行いました。
被災地支援も、SDGs1の実現に繋がりますね。
参照元:石川徳建設株式会社公式
TABLE FOR TWOプログラムによる寄付とユニセフへの協力
日本航空株式会社は、社会貢献プログラム「TABLE FOR TWOプログラム」に参画しています。開発途上国の飢餓と先進国の生活習慣病などの解消を図り、SDGs1の実現に注力。
TABLE FOR TWO(TFT)プログラムとは、対象メニュー1品を摂取するごとに20円がTFT事務局に寄付されるシステムです。寄付金は、食べ物を満足に得られない開発途上国の子どものための学校給食事業に使われます。20円は、開発途上国での学校給食1食分に相当する金額です。
なお、対象メニューは栄養バランスが計算されているヘルシーなものなので、対象メニュー購入者の健康促進に繋がっている点も大切なポイント。
また、JAPAN AIRLINEは、ユニセフ外国コイン募金実行委員会のメンバーでもあります。ユニセフの理念に賛同し、子どもの命を守る活動を続けています。
参照元:日本航空株式会社公式
小売業向けのプログラムを提供し開発途上国の生活改善に注力
イギリスのロンドンに本社を置く、食品やヘアケアなど家庭用品メーカーであるユニリーバ・ジャパン。インドやスリランカ、パキスタン、ナイジェリア、コロンビア、フィリピンなどで小売流通業・小売店業向けのプログラムを提供し、開発途上国の生活改善や自立に貢献しています。
現地の人々、とくに女性に対し、小規模事業主として商品を販売してもらうため、職業訓練を実施。世帯収入を増やすとともに、ユニリーバの販売ネットワークの拡大や売上向上も実現しています。
労働の場を設けることで、女性の経済的支援と社会的自立をサポートしているのです。
参照元:ユニリーバ・ジャパン公式
バングラデシュに労働の機会を提供し経済的支援を実施
フランスに本社を置くダノンジャパン株式会社。日本ではヨーグルトや乳製品が有名ですが、乳幼児向け食品や医療用栄養食、水などの製造・販売事業を展開している会社でもあります。
SDGsを実現するため、ダノンは独自に目標を掲げて取り組んでいます。
SDGs1については「低所得者のための製品とサービスの提供の確保」を挙げており、2006年にグラミン銀行と共同で、バングラデシュにグラミンダノンを設立。工場を建て、ヨーグルトの生産事業をスタートしました。
現地の人々にヨーグルト生産という労働の場を設けることで、経済的支援を。また、ヨーグルトを浸透させることで、栄養不足の解消にも役立っています。
また、2007年には「ダノン・コミュニティーズ基金」を設立しました。世界の貧困問題に取り組んでいる社会的ビジネスをサポートしています。
参照元:現地・海外企業の展開状況及び日本企 業に与える示唆
「SDGs1.貧困をなくそう」の小学校の取り組み事例
ここでは、日本の小学校がSDGs1の実現に向けてどのような取り組みを行っているのか紹介します。
SDGsについて生徒同士で話し合う取り組み
福島県にある御代田小学校では、全校集会にて「地球には78億7千万人の人が暮らしています。人々はみんな仲良く幸せに暮らしているでしょうか?心配なことはないでしょうか?」と問いかけ、地球上のさまざまな問題についてクイズを出す取り組みを行いました。
- 一日200円以下で暮らしている人々
- トイレのない生活をしている人々
- 学校に通えない子ども
- 5歳前に亡くなる子どもの数
などを生徒同士で話し合うことで、世界には貧困層の人々が多く存在していることを知ることから始めました。
3年生のSDGs授業では、貧困や飢餓などの課題を具体的に捉えるため、東日本大震災とSDGsを関連させた授業を行っています。また、生徒同士で話し合い、
- 男女関係なく自由な社会を作ろう
- すべての人がやる気が出るような仕事をし、 十分なお金をもらえるようにしよう
- みんなで仲良く協力しよう
と、小学生でも理解しやすい言葉で目標を考える取り組みも実施。
以上のような取り組みを行った結果、 SDGsを自分事として捉えられるようになり、SDGsをより具体的かつ身近に感じられるようになったそうです。
毎日の授業においても、学習内容をSDGsに関連付けて考える習慣もつきました。
校内の日常生活をSDGsの視点で捉え直す取り組み
福島県の富田東小学校では、SDGsの視点で、校内の日常生活を捉え直す取り組みを行いました。
たとえば、給食の残りに着目し、世界の貧困や食品ロスについて考えたそうです。
その結果、抽象的なイメージしかなかったSDGsという概念が、具体的な形となって児童へ少しずつ浸透していきました。
児童会活動では、今まで行ってきた活動をSDGsの視点から見直す取り組みも実施。
「給食を残さず食べる」「友だちと仲良くする」などの行動を通して、「SDGsは決して新しいものでも難しいものでもない」「今までの取り組みや考えがSDGsに繋がっていた」と、子どもたちは実感できたようです。
参照元:郡山市立学校 SDGs教育実践事例集
「SDGs1.貧困をなくそう」の課題とは?取り組み事例を知ってできること
SDGs1を実現するために海外や日本の企業はさまざまな取り組みを行っていますが、やはり課題があることも事実です。
課題の解決に向けて、私たちにできることは何でしょうか?取り組み事例を知ったうえで、子どもも含め、私たちができることを考えていきましょう。
SDGs1実現の前に立ちはだかる課題とは?
貧困状態にある人はまだまだ多い
ユニセフのデータによると、2024年現在、貧困状態にある人は世界中で7億6700万人と、10人に1人が貧困状態であることが分かります。
さらに、そのうちの約半数、3億8500万人が子どもという結果です。数字に注目すると、貧困層にある人はまだまだ多いと言えるでしょう。
引用元:日本ユニセフ協会公式
SDGsには、「誰一人取り残さない」という原則が採用されています。
7憶人以上の人を貧困から救うためには、途方もない資金と時間、そして労力が必要です。実現に向けて、国際レベルで取り組むことを改めて認識しなくてはいけません。
教育の大切さを理解してもらう必要がある
貧困状態にある人を救うためにはまず資金や労力での支援を考えがちですが、教育面での充実も欠かせない要素です。
教育を受ける場所がないと、簡単な読み書きや計算もできない子どもが増えてしまいます。社会に必要な知識を知らないままでいると、将来安定した収入を得ることも難しくなり、いつまでも貧困から抜け出せない状況に陥ってしまうでしょう。
悪循環を断ち切るためにも、世界中の子どもへの教育は大切です。貧困状態にある国でも、教育の大切さを強く理解してもらう必要があります。
SDGs1の実現のため子どもと一緒にできることとは?
子どもと一緒にできることとして真っ先に思いつくのが、社会的支援を行っている団体への寄付や募金をすることでしょう。私たちがもっとも取り組みやすい方法といえるのではないでしょうか。
少ない金額でも構いません。一人ひとりは小さな力でも、多くの人が共感して募金を行えば、それは大きな支援となります。
代表的な支援団体としては、以下のような団体があります。
また、親子でできる支援のひとつとして、使わなくなったおもちゃや服を寄付する取り組みもよいですね。文具の寄付を受け付けている団体もあります。
たとえば、
などが代表的な団体です。
家庭の不要品を海外に寄付することで、貧困地域の物資不足の解消に繋がります。家に使っていないものが眠っていないか探してみてもよいでしょう。
SDGs1の実現に向けてできることから取り組んでいこう
世界には、満足に食べられない貧困層の人が多く存在しています。
貧しい人をひとりでも多く救うため、国際レベルで取り組んでいくことが重要です。
SDGs1の実現に向けて、日本や海外の企業はさまざまな取り組みに尽力していますが、私たちがまずできることは、社会的支援を行っている団体へ寄付や募金をすること。家庭にある不要品を支援団体に寄付することもおすすめの方法です。
一人ひとりの小さな支援が、貧困状態にある人々を救う大きな手段へと繋がっていきます。できることから少しずつ取り組んでみましょう。
SDGs1についてよく知るには本を読むのもおすすめです!
【SDGs本】子どもと一緒に読むならこれ!おすすめ9選 (miraii.jp)