検索

【SDGs.14 海の豊かさを守ろう】「長良川システム」について知ろう!

SDGs・ESD
【SDGs.14 海の豊かさを守ろう】「長良川システム」について知ろう!

【SDGs.14 海の豊かさを守ろう】についての取り組みとして、レジ袋の削減のような身近な取り組みも多くあります。
ですが一方で先進的な取り組みもあることはご存知ですか?
今回は世界農業遺産である岐阜県の『長良川』で行われる取り組みについてご紹介します。

【目標14.海の豊かさを守ろう】の課題と現状

SDGsの目標14では、海の環境や生態系、資源の保護と持続的な利用の促進を目指しています。
私たちの生活は漁業や観光業など多くの海の資源に助けられています。
しかし、排水や海洋ゴミなどによる水質汚染、気候変動や魚の乱獲などによる生態系への影響など、海の環境は悪化しています。
このような状況が続けば、海の環境はますます悪化し、将来、海の資源は枯渇してしまうでしょう。これからも、海の資源を利用するには、海の生態系の適切な管理や人間の活動によって生じる海の汚染を防ぐことが不可欠です。
【目標14.海の豊かさを守ろう】ついてはこちらの記事で紹介しています。
SDGs目標14「海の豊かさを守ろう」の現状と私たちにできること

世界農業遺産「長良川システム」とは?

岐阜県の「長良川システム」は、SDGsができる前からある環境との共存を目的とした持続可能な取り組みです。
長良川システムは「清流長良川の鮎」として、2015年には「世界農業遺産(※1)」にも認定されています。
では【目標14.海の豊かさを守ろう】の先進事例である長良川システムとはどのようなものなのでしょう。
※1 世界的に重要で伝統的な農林水産業を行う地域やシステムを国際連動食糧農業機関(FAO)が認定する制度

長良川とは

白山連峰の山々を源流とする「長良川」は、岐阜県を横断し、三重県で揖斐川と合流し、伊勢湾へ流れ込む全長160㎞以上の一級河川です。
都市部も流れる川でありながら日本の三大清流のひとつでもあり、名水100選にも選ばれています。
長良川は、そこで暮らす人々の暮らしを豊かにしてくれる「里川」として昔から流域の人々に親しまれてきました。そのため、川をきれいにしたり、川岸を補強したりと、人々は川と共に暮らしてきました。

長良川システムが生まれた理由

長良川で行われる「鵜」という鳥で鮎を獲る鵜飼は、千年以上の歴史がある漁です。また、長良川の水を利用した美濃和紙や郡上本染めなどの工芸も発展しました。
長良川の清流は鮎を育み、和紙を美しい白に、郡上本染を色鮮やかにします。
このように現代においても、長良川流域の人々の暮らし、経済、文化は川と深く結びついているのです。
流域の人々にとっては美しい清流である長良川を保っていくことは、生活や文化を維持するため必要です。
大正時代の鮎の放流をはじめとする長良川の環境を守るさまざまな取り組みが、世界的にも評価される長良川システムとなっていったのです。

森・川・海・人が連携した「長良川システム」

長良川流域の人々は、川を守るために河川の掃除や希少生物の保護、さらには長良川の源流となる森の手入れなど自然環境を保つための活動をしています。
源流である森から、川が流れつく海までのつながりを大切にし守ることで、現代においても長良川が清流として存在できています。
そして、その清流を活かした文化や観光が発展していて、持続的に価値を創造する仕組みができています。
長良川システムは、まさにSDGsの理念に合致したシステムです。

長良川システムで行われていること

人々の生活、環境、漁業資源などがうまく連携して持続的な取り組みとして成功している長良川システム。実際に行われている活動について具体的にご紹介します。

水源林を守り育てる

長良川は、山々に降った雨が集まって流れています。山の森林が健康であることが、美しい清流を作るのです
手入れされていない山は、緑豊かに見えてもがけ崩れや土砂崩れを起こす可能性があります。川へ流れ込んだ土砂は川や海を汚してしまうのです。
そのため、適度に山の樹木を伐採したり、必要に応じで植えたりといった森林の管理と育成がとても大切です。
手入れされている森林には、光や風が適度に通り、健康な状態になるのです。
さらに長良川流域では、植物が育ちやすい保水力が高い土を作るため、落ち葉が多い木を植えるなど水源林の環境改善に向けた積極的な取り組みを行っています。
水源林を守り育てることが、川の環境を保つことへと繋がっているのです

里川の環境や資源を守る

長良川では、資源である鮎を含めた里川の生態系や環境を守る活動が積極的に行われています。
産卵場の保護、造成、稚魚の放流などは鮎資源を守る代表的な取り組みです。鮎は他の川で育てられた稚魚を放流することが多い中、できるだけ長良川でとれた鮎を繁殖させています。
また、昔の長良川の姿に近づけるために、河原のゴミ拾いや草むしり、さらには砂が多くなってしまった河原に玉石を敷くなどの活動も行われています。このように長良川の環境や景観、生態系を守るさまざまな活動があります。

伝統的な文化や産業を守り伝える

長良川の清流は地域の伝統を守るために欠かせません。日本三大和紙の「美濃和紙」や、それを利用した和傘、提灯、うちわなどの産業が今でも受け継がれています。こうした伝統産業を広くPRすることで、工芸品が売れたり、観光に繋がるなど新たな価値に繋がります。
また、鵜飼も伝統文化だけでなく観光資源としての側面があります。
そのため、伝統工芸の職人団体や観光業の団体などさまざまな団体が協力して水質保全に努めています。

市民一人ひとりが協力する

長良川へと続く川が流れる郡上市八幡町では、家の前に湧水を使用するための「水舟」という水槽があります。
水舟の1段目は飲み水、2段目では飲み物などを冷やし、3段目では野菜の汚れや食器などを洗います。最後に水は池へと流れるので、残飯などはコイが食べ、泥などの汚れは池に沈んで、きれいな澄んだ水だけが川へ戻る仕組みが受け継がれてきました。
また、環境保全への理解を高めるための親子ツアーや稚魚の放流も開かれていて、水を大切に使う精神を次の世代へ伝える機会が多くあります。森や川の保全活動も漁協など一部の人たちが行うのではなく、市民団体などさまざまな人が協力して成り立っています。
【SDGs 17.パートナーシップシップで目標を達成しよう】はこちらの記事で紹介しています。
「SDGs 17.パートナーシップで目標を達成しよう」の取り組み事例5選!
【SDGs 17.パートナーシップで目標を達成しよう】はどう実践する?

長良川システムの未来

岐阜県では、長良川流域の農林水産物や加工品、伝統工芸品をブランド化するなど、観光客の誘致に積極的に取り組んでいます。国内外に豊かな自然環境や伝統文化を発信することで、インバウンドの増加も目指しています。
また、開発途上地域の発展に貢献するため、長良川システムのノウハウの発信や研修生の受け入れ、研究員の派遣も行っています。
今後も豊かな自然と共生可能な地域づくりのために、長良川システムの持続的な発展に取り組みながら、プラスチックごみや食品廃棄物の対策、想定外の災害への備えなど、を課題としてあげています。
こうして、長良川の清流と共生しながらも誰もが活躍できる地域の実現を目指しています。

私たちが【SDGs.14 海の豊かさを守ろう】のためにできること

国内でも、【SDGs.14 海の豊かさを守ろう】への関心が高まっていて、さまざまな活動が行われています。
プラスチックごみを減らすために、レジ袋が有料になるお店や、プラスチックストローを廃止にするレストランなどがも増えてきました。マイバッグを持ち歩く、プラスチックストローを使わないなどは、私たちがすぐに始められます。
また、海岸の清掃などのボランティア活動では、実際にどんなゴミが海にあるのかを知ることできるでしょう。
海や海の生き物への関心を高めるきっかけとして、魚釣りや水族館で海の生き物に触れることもおすすめです。
子どもの興味や関心に合わせて、普段の生活やレジャーに無理なく【SDGs.14 海の豊かさを守ろう】に繋がる活動を取り入れてみてはいかがでしょうか。
【目標14.海の豊かさを守ろう】の取り組み事例についてはこちらの記事で紹介しています。

海は危機的状況

私たちにたくさんの恩恵をもたらしてくれている海は、海洋ゴミや気候変動などの問題で危機的な状況にあります。未来の海が良い環境であるかどうかは、現在の私たちの行動に掛かっています。身近なところから【目標14.海の豊かさを守ろう】達成のためにできることを見つけていきましょう。
その他のSDGsについては、こちらの記事で紹介してます。

関連記事