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SDGs3「すべての人に健康と福祉を」の現状と私たちにできること

SDGs・ESD
SDGs3「すべての人に健康と福祉を」の現状と私たちにできること

日本に住んでいると当たり前に守られる健康な生活ですが、世界に目を向ければ恵まれない環境の子どもたちの多さに驚くでしょう。SDGsの「すべての人に健康と福祉を」の実現のためにわたしたちにできることはたくさんあります。また、この目標のためにさまざまな企業が世界中で繰り広げている取り組みも紹介します。動画でも3分で解説していますのでぜひご覧ください!

みらいいチャンネル【SDGs3】「すべての人に健康と福祉を」を3分で解説!


SDGs3「すべての人に健康と福祉を」とは?

SDGs3「すべての人に健康と福祉を」のテーマは、「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」です。つまり、世界中の誰もが差別されることなく、最高水準の健康と適切な保険医療サービスを確保できるようにすることが目的なのです。このテーマに対して死亡率の改善や感染症対策などに関する13項目がターゲットとして示されています。

「すべての人に健康と福祉を」のターゲットをわかりやすく解説!

13のターゲットには主に以下のような項目があります。

妊産婦や新生児、5歳以下の子どもの死亡率を下げること
→UNDP(国連開発計画)によれば世界には5歳の誕生日を迎える前に亡くなる子どもが年間600万人もいます。
参照:国連開発計画UN

エイズ、マラリアなどの伝染病の根絶や肝炎などの感染症への対処、非感染性疾患による若年死亡率を減少させること
→世界的な問題とされるこれらの伝染病ですが、予防法を知っていれば防ぐことができます。効果的な予防教育の重要性が問われています。

薬物やアルコールの乱用防止
→薬物やアルコールの正しい知識を広めるとともに、治療の強化が求められています。

交通事故による死者を半減させる
→日本ではシートベルト着用義務などにより交通事故による死者が減少していますが、世界中には死者が出る交通事故が多発している国があります。

性と生殖に関する保健サービスの普及
→妊娠中や出産時に命を落とす女性を減らすために、自分の体を守るための性の知識は大切です。

・医療をすべての地域に普及させ、すべての人が安全で効果的な医薬品やワクチンを利用できるようにすること
→環境に恵まれず、体調が悪い時に近くの病院に行くことができない人が世界中にはたくさんいます。結核やポリオはワクチンで防げる感染症です。

有機化学物質、大気・水質・土壌汚染による死亡や疾病を減らすこと
→世界中にはきれいな水が確保できず、命を脅かされている場所があります。

たばこの規制
→人々の健康を害するたばこの規制を世界中で広めていくことは大切なことです。

SDGs3「すべての人に健康と福祉を」の現状と課題

先進国や開発途上国に関係なく、世界中のすべての人にとって、健康と福祉は重要です。予防をすれば防げる病気にもかかわらず、多くの人が亡くなっている現状があります。世界の健康や福祉の現状と課題についてみていきましょう。

「すべての人に健康と福祉を」が目標に設定される背景

ミレニアム開発目標(MDGs)の策定後、世界では5歳未満児の死亡率、妊産婦の死亡率、エイズ、マラリア等の発生率ではかなりの成果を得られました。

それでもまだ、はしかや結核など予防が可能な病気で命を落とす子どもが、毎日1万6000人もいたり、妊娠や出産による合併症で亡くなる女性の数も1日に数百万人といわれています。依然としてHIVが猛威を振るうサハラより南のアフリカ諸国では、エイズが思春期世代の最大の死因になっています
参照:国連開発計画駐日代表事務所

この状況は、予防接種キャンペーン、教育による予防知識や治療、性と生殖に関する教育や医療を性差に関係なく普及することによって回避できます。

深刻な医療の不平等

日本では国民全員が健康保険に入ります。健康保険は医療費のうち一部を自分が払い、残りは国民全員が払う保険料でまかなう制度です。そのため、病院にかかるときには自分が支払う医療費が比較的安くなり、誰もが治療を受けやすくなっています。

しかし、世界人口の約半分の人々が病気になっても適切な治療が受けられない現状があります。途上国では社会福祉サービスがまだ十分でなく、貧しい人たちは、病院にお金が払えないため病気や怪我の治療を受けられずにいます。

また、検査や手術の設備がない、薬がない、医者がいない、救急車がないなど、治療を受けるための環境が整っていないことも、早急に解決していかなくてはいけません。

予防接種が世界の子どもの命を救う

重度の胃腸炎を引き起こすロタウイルスに対する安全で効果的な新しいワクチンは既に開発されていますが、予防接種を受けられずに苦しんでいる子どもが世界中にたくさんいます。アジアとアフリカの国々だけで毎年およそ34万5000人もの5歳未満の子供が亡くなっています。
参照:「ワクチンによるロタウイルスの感染制御」長崎大学

3種混合ワクチン(ジフテリア・破傷風・百日咳)の予防接種は、2016年に世界の約86%の幼児が3回の予防接種を受けたことで、感染症から保護されています
参照:厚生労働省検疫所FORTH

しかし、まだ予防接種を受けられていない子どもたちもいて、命が奪われ続けているのも事実です。

SDGs3「すべての人に健康と福祉を」の取り組み事例

手洗いの習慣化で感染症防止(ユニリーバ)

ユニリーバは公衆衛生の啓蒙活動や改善を行っており、2018年末までに10億人以上に正しい手洗いを啓発してきました。
参照:ユニリーバ広報

2021年には、手洗いの習慣のないインドで手洗いを推奨するべく、1億5000万人もの人々が集まるヒンズー教の宗教行事の場で特殊なスタンプを使った手洗いキャンペーンを行いました。石鹸でしっかり洗わないと落ちないインクを使ったスタンプを人々の手のひらに押し、スタンプが消えるまで洗うことを伝えました。その結果、それまで手洗いの習慣がなかった人も行動に移すことができ、感染症の罹患数が減り、感染症防止に大きな役割を果たしました。

新生児の病気を予防する(島津製作所)

島津製作所では新生児の先天性異常と疾患の早期診断への取り組みを行っています。新生児マススクリーニングは、微量の血液を採取して、生まれつきの代謝異常が隠れていないかを検査することで、障害の発生を未然に防ぐことができます。島根大学との共同研究により、たった1、2分で20種類以上の病気を一度に検査できる方法を開発し、その普及に取り組んでいます。日本などの先進国だけでなく、先天性の病気の診断を受ける新生児が全体の1割未満にとどまる国にも広げる取り組みを進めています。

そのほかの事例についてはこちらをご覧ください!
「SDGs3.すべての人に健康と福祉を」の取り組み事例6選!

SDGs3「すべての人に健康と福祉を」のために子どもと一緒に私たちができること

ワクチンを届けるための寄付

開発途上国に住む人々のワクチン接種が進むように、ワクチンを届けるための寄付金や募金活動に参加してみるのはどうでしょう。寄付は少額から可能です。また、ワクチンを届けるためにペットボトルのキャップや、書き損じハガキなど不要になったものを送る方法もあります。これならお金を持たない子どもでも手軽に協力ができますね。

日常生活での努力

子ども自身が健康に過ごしたり、他の人への病気の感染を防ぐためにも、手洗いやうがいを続けることも子どもたちにできることです。ゴミの分別を守り、環境を汚さないことを心がけることも大切です。また、交通事故を減らすために交通ルールを学び直し、しっかりと守って過ごすこともSDGs3の目標達成につながります。

持続可能な見守り活動

超高齢化社会となった日本では、お年寄りが住み慣れた家で健康に毎日を過ごせるように地域のみんなで支えていく必要があります。近所のお年寄りに声かけをして健康状態を尋ねたり、お手伝いをしたりすることを親子で心がけてみましょう。さりげないあいさつなどによる見守りは、一人暮らしのお年寄りの安心安全な生活につながります。

みらいいキッズが考えたSDGs 達成のためのプログラミングはこちらの記事でご紹介しています。
【子どもと取り組むSDGs】すべての人に健康と福祉を〜交通安全編〜

世界中のみんなが健康に生きていくには

SDGs3「すべての人に健康と福祉を」について紹介しました。目標やターゲットを見ると、本当に実現できるの?と思うくらいスケールが大きなものですが、私たちの普段の生活の中でもできることがたくさんあります。

まずは現状を知り、私たちが普段の生活でできることを考えて、積み重ねていくことが、結果として世界規模でのSDGsの達成になります。よりよい未来の生活環境のためにも、家庭でもお子さんと一緒に生活の中にSDGsを取り込んでいけるといいですね。

その他、SDGsに関連する記事はこちら!
SDGs(エスディージーズ)とは?家庭でできることを紹介!
【小学生のためのSDGs解説】それぞれの目標を親子で学ぼう

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