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「SDGs 5.ジェンダー平等を実現しよう」とは?私たちができること

SDGs・ESD
「SDGs 5.ジェンダー平等を実現しよう」とは?私たちができること

最近耳にするようになったSDGs。SDGsが掲げる世界が抱える問題を解決するための5つ目の目標である「5.ジェンダー平等を実現しよう」は、子どもたちの将来にも大きく関係してきます。
この目標の重要性や、目標達成のための取り組みをご紹介します。動画でも3分で解説しておりますので、ぜひご覧ください!

私たちの住んでいる地球には、性差別や貧困、紛争、災害などで悩みながら生活している人が一定数います。このような人たちが安心して生活が送れるよう、2015年に国連総会で2030年までに達成すべき目標として「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」が採択されました。このアジェンダには、具体的な17のゴールと169のターゲットを掲げています。

本記事では17のゴールを設けたSDGsのうち、5番目の「ジェンダー平等を実現しよう」をベースとして国内外の現状と、心構えを解説していきます。

動画でも3分で解説しておりますので、ぜひご覧ください!


「ジェンダー」とはどういう意味か?

ジェンダー(Gender)とは、文化的もしくは社会的背景によって築かれた性別のことです。たとえば、日常生活において「子育ては女性がすること」「重たい荷物を運ぶ仕事は男性」などといった性別による役割分担をしますが、この「区分」がまさにジェンダーを意味します。

近年、多様化社会を考える風潮もあり、ジェンダーは新聞やWebでもよく聞かれるワードです。とはいえ、男女の役割分担と性別などによる不平等の名残があるのが現状。SDGsの目標5の項目では「ジェンダー平等を実現しよう」として掲げています。

SDGs 5で親世代が知っておくべきポイント

SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」において、親世代が知っておくべきポイントは次の3つです。

・性別を問わない平等な扱い
・連鎖が続く貧困問題
・女性(女子)の人身売買

まず、「性別を問わない平等な扱い」においては、「女性だからハイレベルな教育を受ける必要がない」などという「性別」を理由にやりたいことができないというケースがあります。いまの日本は、基本的に男女関係なく、本人のやる気と能力があればハイレベルな教育を受けられる環境ですが、宗教上などの事情により、一部の国においては女性の教育を制限している現状です。

次に、貧困問題もジェンダー平等と関係しています。女性が家事育児をやるべきという文化で育てられた人たちは、学びの機会にも恵まれていません。そのため、手に職をつけることが困難であり、まとまった収入も得にくいので、それが「負の連鎖」となり、我が子も同じ運命に遭うケースもあります。

女性(女子)の人身売買については、みなさんのなかには新聞や電車の広告でも見かけたことがあるかもしれません。家の貧困やしきたりなどの「やむを得ない理由」で、女性(女子)が売買されていることが大きな社会問題として挙げられています。

「ジェンダー平等」が今、フォーカスされている理由


新聞やWeb、SNSでもジェンダー平等に関する多くの情報が公開されていますが、今、フォーカスされている主な理由として挙げられるのが、次の3点です。

女性や少女に対する差別が生じている

いまの日本は、基本的に自由に恋愛し結婚できます。しかしながら、世界のなかには本人の同意なしで、大人の都合などで結婚や子宮といった女性器の切除が強制的に行われている地域があります。結婚に関しては、10代前半の少女の段階でさせられることが多く、早い時期から出産し、育児に追われるため、読み書きなどの十分な教育を受けられません。10代はまだ子宮などの身体の発達中であるため、ホルモンが不安定になるなどの悪影響が発生しやすくなります。

そして、女性器の切除においては、出産できない身体となってしまうだけでなく、その後の心身の後遺症に悩む女性もいるので、この現状も知っておきましょう。

また、今の日本では子育てをしながら働く選択肢がありますが、18か国では、妻が働くことを夫が合法的に禁止できます。加えて、39 か国では、相続面においても娘と息子が平等な分配となっていません。

女性の地位が高くならない国がある

いまの日本では、働く女性が増え、なかには世間に良いインパクトを与える女性もいます。しかしながら、内閣府男女共同参画局が2021年に公表した「ジェンダーギャップ指数」によると、日本のジェンダー指数は156か国中120位でした。この順位は先進国のなかでも低いランクであるため、女性の地位が高くなったとはいえないでしょう。

また、日本は企業の対応によっては産後の職場復帰が難しかったり、医学部志願の女子受験生が性別を理由に点数配分で不利な扱いを受けたりなどの事例がありました。

「女性は●●あるべき」「女性は下の扱い」に意義を唱えたくなる出来事があった

情報化社会の今、ジェンダー平等に関する問題はあらゆるシーンで取り上げられています。スマートフォンがあれば、情報のやりとりができるようになり、密談だったはずの音声や言動がSNSなどで拡散されてしまうことがあるかもしれません。なかには女性を見下す言動もあり、その加害者が著名人といった世間に何らかのインパクトを与える層であれば、大きな問題として発展します。

LGBTQ当事者が不利な立場に置かれる場合がある

ジェンダー平等は、LGBTQ当事者にも配慮しつつあります。日本でも渋谷区といった一部の自治体では同性婚などを認めてたり、履歴書の性別欄に男女の二択がなくなったりする動きがありますが、LGBTQ当事者を色眼鏡で見るという層も少なからずいるのが現実です。たとえば、就職活動や賃貸住まいの契約などで「LGBTQ」が原因で不利になるケースがあります。

また、SNS投稿では、「LGBTQ」とオープンにする人もいれば、世間体や家族のことを考えてきちんと公表できず、もどかしい思いをする人も少なからずいるようです。

「ジェンダー平等」「ジェンダーレス」を考えた事例


SDGsの目標5番「ジェンダー平等を実現しよう」が掲げられ、認知度が高くなるとともにジェンダー平等やジェンダーレスを考えた対策が行われるようになりました。その事例について触れていきましょう。

企業におけるダイバーシティの推進

日本では女性労働者が増えている流れから、女性が働きやすい労働環境の改善をしている企業もあります。実際に女性管理職の割合を増やしたり、女性が継続して働き続けたいと思える人事制度をスタートしたりなどの対策が取られているようです。

制服の選択肢を多くした

学校や企業の女性(女子)の制服の場合、警察官や運転手、看護師を除く多くの制服はスカートがスタンダードでしたが、近年ではスラックスも選択できる流れになっています。普段からスカートよりもスラックスを好む人だけでなく、防寒や自転車通学することを考えてスラックスを履きたい人にも支持を得られるようになりました。

また、日本航空(JAL)は、2020年春の制服リニューアル時にキャビンアテンダントや地上職などの制服にスラックスが加わり、話題となりました。

☆より詳しく事例を知りたい方は以下の記事をご覧ください!
「SDGs 5.ジェンダー平等を実現しよう」の日本や海外の取り組み事例

「ジェンダー平等」の理解を深めるため私たちができること

ジェンダー平等に関する国内外でも解決すべき問題がまだあります。これからのためにもジェンダー平等の世の中であってほしいなら、各々が理解を深めていきましょう。主なアクションは次のとおりです。

ジェンダー平等に関する記事を日ごろからチェックする

ジェンダー平等に関連した記事は、紙媒体でもWebでも頻出しています。ほかにもWebで検索すると「女性活躍」「女性 子育て」などのワードでもジェンダー平等の記事が出てくるので、日頃から国内外で起きているジェンダー平等をチェックしましょう。

コミュニケーションとして「ジェンダー平等」を話し合う機会を設ける

ジェンダー平等を親子で話し合う機会を設けることは、子ども目線の考えや意見を聞くことができるので、新たな気づきがあるかもしれません。たとえば、学校の授業でジェンダー平等がどのような流れで行われているかなどが把握できるでしょう。このようなコミュニケーションによって、思いやりの心が育まれることでしょう。

「ジェンダー平等」に関するコンテンツを読んだり、観たりする

ジェンダー平等は記事だけでなく、書籍や映画といったコンテンツでも多数取り扱っており、韓国はジェンダー平等に関するコンテンツをコンスタントにリリースしています。韓国で社会現象となった「82年生まれ、キム・ジヨン」は、子どものころから「女性●●であるべき」で悩む現代女性の葛藤を描いたストーリーであり、日本でも翻訳された書籍が販売され、映画も公開されました。内容的に日本のジェンダー問題と被る部分があるので、日本でも女性を中心に多くの共感を得ています。

私たちの明るい未来のためにも「ジェンダー平等」を理解する心構えを

SDGsの目標5「ジェンダー平等を実現しよう」ということは、自分だけでなく全世界の人たちに関わることです。実際に、先進国や発展途上国といった住む国や地域に関係なくジェンダーのことで悩む人たちがいます。

次世代を担う若者が明るい未来で生きてほしいという願いがあるなら、まずは親世代がジェンダー平等に関する現状や情報を正しく理解していきましょう。

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