ひとりひとり生き方は違っていい。自分らしい生き方を探す本「おおきな道とちいさな道」の紹介

働き方が多様化した現代、今の子どもにとって働き方の選択肢は多く与えられるようになりました。自分でやりたい仕事を見つけ、自分らしい人生を送ってくれれば、親としても嬉しいもの。
しかし、小学生の頃は、まだ「働くこと」や「自分らしい生き方」に対し具体的にイメージすることは難しいでしょう。そこで、働き方や生き方について考えるきっかけを与えてくれる絵本「おおきな道とちいさな道」を紹介します。
自分らしく働くこと、生きることをわかりやすく伝えてくれる絵本。
ここでは、絵本の魅力についてまとめました!ぜひ子どもと一緒に読んでみてください。
作品紹介
- タイトル:おおきな道とちいさな道
- 著者名:萩原京二 (著)、星野友絵(ストーリー)、遠藤庸子(イラスト)
- 出版社:星野書房
- サイズ・P数:21.6×15.5×1.1cm、48ページ
「おおきな道とちいさな道」の内容は?
「おおきな道とちいさな道」は、今を生きる子どもたちが社会に進出した際に必要となる「働くことに関する基礎知識」を育むため、車と道をそれぞれ「働くこと」と「生き方」にたとえ、かわいらしいイラストとともにわかりやすく伝えています。
仕事は自分で自由に選んでいい。自分らしく人生を切り拓いていい。
みんな違って、みんないい。ひとりひとりが違っていい。
働き方のプロが教えてくれる、自分らしい生き方を探す絵本です。
大人でも惹きこまれる!「おおきな道とちいさな道」の魅力について
引用元:Amazon公式
子ども向けの絵本と思って、侮るなかれ。この絵本は、大人が読んでも楽しめますし、励まされる本です。
ここでは、「おおきな道とちいさな道」の魅力について紹介しています!
癒されるかわいいイラスト
まず目に飛び込んでくるのは、かわいく色鮮やかなイラスト。
絵本らしいシンプルなイラストではありますが、それぞれの車が擬人化されており、眉と瞳が描かれています。いきいきとした表情が魅力的かつ個性的。
車の気持ちが伝わってくるようです。
かわいらしいイラストを見ているだけでも、ほのぼのした気持ちになってとても癒されますよ。
子どもにとって「働き方」の大切さをわかりやすく教えてくれる
「働き方」の大切さをわかりやすく教えてくれる点も、この絵本の魅力と言えるでしょう。
前述しましたが、車を「働くこと」、車が進む道を「生き方」にたとえて、楽しく自分らしく働くことの大切さを教えてくれています。
最初に、普通車やスポーツカー、ファミリーカーなど、さまざまな車の種類と特性を紹介し、「どの車が好き?」と子どもに語りかけています。
たとえば、スポーツカーは「はやく走れる」、ファミリーカーは「みんなでのれる」といったように、車の特性は多種多様。同様に、仕事もさまざまな種類があることがわかりますね。
「どんな車に乗るのかは、どんな仕事をえらぶのかとおなじ」
「車は自分でえらべるものなんだよ」
自分が乗る車は自分で自由に選べるように、仕事も自分が好きな仕事を選んでよいことを教えてくれます。さらに、自分が選んだ車で、自由に道を選んで進んだってOKなのです。
「おおきくて広い道 せまくてきゅうくつな道」
「でこぼこで 山あり谷ありの道 いろいろあるよ」
「どんな車、どんな道をえらぶかによって、歩み方は変わるんだ」
高速道路を走った後で休んでもいいし、ゆっくり進みながら周りの景色を楽しんだっていい。途中で道を変えてもいい。
「道は生き方とおなじ」
どんな働き方を選んでもいいし、生き方はひとつだけではないんだ、と子どもはまっすぐに感じてくれるでしょう。
自分で選択し、自分らしい生き方を切り拓いていくことの大切さを、やさしく、語りかけるような文調で教えてくれる本です。
大人にとっては自分が選んできた人生を肯定してくれる
「おおきな道とちいさな道」は、大人が読んでも、心がじんわりと温かくなれる絵本です。
何度も悩んで、自分なりに選んできた人生。
つまずきながらも歩んできた人生を、「それでいいんだよ」とやさしく肯定してくれるように感じられます。
この絵本を読んだ大人の中には、胸を打たれて思わず涙ぐんでしまった人も。
ひとつの会社でずっとがんばってきた人、転職を何度か繰り返した人、車を降りて今は休んでいる人、さまざまな人がいるでしょう。
しかし、自分の人生は自分がたくさん悩んで、自分で選んで進んできた道です。
この仕事でよかったのかな、あのときの自分の選択は正しかったのかな、とふと思う日もあるかもしれません。
この絵本には、
「どの車をえらんでも きっと正解!」
「自分にしか歩めない、いとおしい道」
とあります。
子どもにとっては「働くこと」「自分らしく生きること」について学べる本ですが、大人にとっては自分の選んできた道を肯定してくれるように感じる、とてもやさしいメッセージが伝わってきます。
きっと自分が選んできた人生を愛しく感じられるようになりますよ。
読者のレビュー
この絵本を実際に読者のレビューを紹介します。
絵本の魅力が伝わるレビューばかりなので、ぜひ参考にしてください。
いろいろな生き方があっていいんだなと気づかせてもらえる本
絵が可愛くて、何度も読み返したくなります。
働くこと、自分の力でお金を稼ぐということを車にたとえると、日々がむしゃらに頑張るだけでなくても、いろいろな選択肢があっていいのだなと子どもだけでなく、大人も気づきをもらえる本でした。家族にもプレゼントしたいと思います。
引用元:Amazon公式
奥が深い絵本
学校では教えてくれないけど絶対に大切なことのひとつが、社会に出て働くということについてや、自分の力でお金を稼ぐということはどういうことなのか、ということだと思います。
親子でこういった働くということのマインドを話し合う機会をつくってくれる大切な内容が、かわいらしい車でたとえて描かれています。子どものしあわせを願う親は、子どもと一緒に読んでほしい一冊です。プレゼントにもいいと思います!
引用元:Amazon公式
見ているだけで、気持ちが明るくなるステキな絵本
とても可愛らしい絵と鮮やかな色で、絵を見ているだけでも、気分が明るくなります。
どんな道を選ぶのか、どんな車を選ぶのかで、ずいぶんと変わるけれど、どれを選んでも、自分が「選んだ」のだからこれでよかった!と思える人が増えていったら素敵だな、と思いました。
プレゼントをしたお子さんがとても気に入っていたので、ほかの友人の子どもにもプレゼントしたいと思います。
引用元:Amazon公式
著者が子どもに伝えたいこと
引用元:Amazon公式
「おおきな道とちいさな道」は、子どもが想像しやすいよう、さまざまな車を「働くこと」、さまざまな道筋を「生き方」にたとえ、「働くことについての基礎知識」を育んでくれる絵本です。
終身雇用が崩壊し、会社に正社員として入社しても、安定した人生を送れる世の中ではなくなりました。従来の「働き方の正解」が崩れてきている時代です。
車が目的地に着くまで多彩なルートがあるように、子どもにとっても目指したいゴールへの進み方は、必ずしもひとつではありません。仕事のキャリアにおいても、目標を達成するための方法は数多くあるのです。
働き方が多様化している今、子どもは「働き方の正解」を自分自身で見つけ、人生を切り拓いていかなければいけません。
「おおきな道とちいさな道」の著者は、
「子どもたちがそれぞれの目的地へ、自分の好きな方法で進んでいい」
「自分の好きな仕事で楽しく人生を生きてほしい」
と、絵本を通して伝えてくれているのです。
シンプルでやさしい文章だからこそ、子どもの心にもまっすぐに届くでしょう。
著者について
最後に、筆者の萩原京二さんについて紹介しましょう。
萩原さんは、社会保険労務士、働き方についてのコンサルタントです。
「子どもに自分らしい働き方を見つけてほしい」「働き方の知識や子どもの将来について、親子で向き合う時間を持ってほしい」という想いが、絵本製作に繋がりました。
一般社団法人パーソナル雇用普及協会の代表理事として、「働き方デザインの学校」を運営。学生やビジネスマン向けに、「働くことの基本知識(ワークリテラシー教育)」の普及活動を積極的に行っている働き方のプロフェッショナルです。
著書多数、マスコミ取材の実績も多数あり。情報番組のコメンテーターとしても活躍されています。
人と比べず自分らしい働き方・生き方を選ぶことが大切
引用元:Amazon公式
「おおきな道とちいさな道」は、自分で働き方を選び、自分らしく生きていくことの大切さを、「車」と「車が進む道」にたとえてわかりやすく教えてくれる絵本です。
やりたい仕事や、働き方を選ぶうえで重視する条件は人によって違います。
働くうえで何を重視するかは人それぞれ。
人と比較して仕事を選ぶのではなく、自分は何が好きなのか、どのように働きたいのか、自分の価値観に重きを置いて選ぶことが大切です。
働くことを楽しむことができれば、人生はぐんと豊かになるはず。
「どんな車に乗ってもいい」「どんな道を進んでもいい」。
著者の熱い想いが込められた「おおきな道とちいさな道」。
この絵本を通して、これから社会に出る子どもたちが自分らしい働き方、生き方ができることを願ってやみません。
ぜひ手に取って、親子で一緒に読んでみてはいかがでしょうか?
「おおきな道とちいさな道」
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