中学受験直前の過ごし方について解説!親が子どもにできる勉強以外のサポートって?
中学受験を間近に控えて、子どもはきっと不安や精神的なプレッシャーを感じていることでしょう。本番が近づいてくると、親としても何となく落ち着かないですよね。
直前は今までどおりの生活をしてよいのだろうか?何か特別なことをしなくてはいけないのだろうか?子どものケアはどうやって?など、いろいろと気になっている親もいるかもしれません。
ここでは、日々勉強をがんばっている子どもへの接し方や子どもの心のケアなどを中心に、親だからこそできるサポートについてまとめました。不安を感じている子どもに優しく寄り添ってあげるだけで、子どもは心が安定するはず。
子どもが本番で自分の力を最大限発揮できるよう、支えてあげてくださいね!
受験直前に親が子どもにできること
直前期には、子どもは不安や焦り、緊張などで精神的に不安定になっていることが多いです。親は、子どもの心のケアをしっかり行うことが大切です。
たまには息抜きをすすめる
たまには、子どもに息抜きもすすめてあげるようにしてください。
勉強ばかりしていると、息抜きは悪いことなのではないか、息抜きをするとほかの子と差がついてしまうのではないかと思ってしまう子どももいるようです。そのため、親が息抜きを提案してあげましょう。
食事の時間にいろいろな話をしたり、散歩や買い物に誘ったりなどして、子どもが勉強から離れる時間を意識的に作ってください。
気分転換をすることで、精神的に安定でき、勉強にも集中できるようになります。
子どもの不安な心に寄り添い安心させてあげる
子どもの心に寄り添って、安心できる言葉をかけてあげましょう。
受験直前期は、子どもは緊張や不安、プレッシャーを感じています。そういうとき、親も一緒に不安を抱えていると、子どもはますます不安になってしまいます。
「周りの子たちも同じように不安を抱えているから、あなただけじゃないよ」「いつものあなたでいけば大丈夫だよ」など、子どもが安心できる言葉をたくさん与えてあげてください。
直前期こそ親は明るくどっしりと構えて、子どもの不安に寄り添うことが大切です。
声かけやサポートについては、みらいいでもいくつか記事を紹介しています。参考にしてみてくださいね!
小学生の自己肯定感を高める方法とは? 子どもと今すぐ始められること! (miraii.jp)
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合格だけが絶対と伝えず中学受験はあくまでも一通過点だと認識する
先ほどの「安心させてあげる」と少し重なる部分がありますが、「受験に合格することが絶対」と伝えないことが重要です。
中学受験をする子どもの親は、少しでもよい大学に入らせるために「レベルの高い中高一貫校に入学させることが子どもの幸せ」と考えている人が多いです。当然、子どもも「難関中高一貫校→有名大学」の道しか考えられなくなっています。
しかし、中学受験で失敗したとしても、高校受験や大学受験があり、人生がそこで終わるわけではありません。中学受験は、人生の一通過点に過ぎないのです。
そのため、過度に合格を期待するのではなく、今までがんばってきたけれど、数パーセントぐらいは受からない可能性もあることを心に留めておくことが重要です。
中学受験はあくまでも自分の望む未来への一つの道だと伝え、プレッシャーを与えないようにしましょう。
どのような結果でも受けとめる心構えをしておく
受験の結果がどのようなものであっても受けとめられるよう、親は心構えをしておく必要があります。
中学受験は親も思い入れが強くなりがちですが、もし受験に失敗したとしても、悔しがったり子どもを叱ったりするのは避けてください。子どもに「中学受験に失敗した」という意識を植えつけてしまうと、子どもが前へ進めなくなります。
前述したように、「中学受験はあくまでも人生の一通過点」。「受験に合格することが絶対」ではありません。
子どもがまた未来に向かって前進できるよう、新しい門出を喜べるように心構えをしておくことが大切です。
受験直前の子どもの過ごし方とは?
この項目では、受験直前の子どもの過ごし方について紹介します。規則正しい生活はもちろん、イメージトレーニングも行ってみるのもおすすめです。
普段どおり過ごすようにする
受験直前でも、普段どおりの生活を送りましょう。直前だからと、何も特別なことをする必要はありません。子どもだけでなく、親もナーバスになってしまう時期ですが、受験当日に平常心で臨めるよう、なるべく普段どおりの生活を心がけてください。
「受験勉強をするために学校は休んだ方がよいのではないか」と思う親もいるかもしれませんが、学校には行かせる方がよいでしょう。学校に行って友だちと触れ合うことで息抜きにもなりますし、メリハリのある生活になります。自宅での勉強にも集中できるようになるでしょう。
ただし、それぞれの家庭の方針もありますので、行くか行かないかはよく話し合ったうえで決めてください。
規則正しい生活を送るようにする
受験直前期には、子どもが規則正しい生活を送るようにしてください。
本番に向けて、夜遅くまで勉強をしている子どもも多いでしょう。ですが、入試1か月前くらいからを目安に、少しずつ朝型の生活リズムに切り替えていくこと。
試験を受ける時間にもっとも頭が働くよう、試験開始時間の3時間前にはすっきり起きられるのが理想的。入試のときだけ早く寝て早く起きるということは難しいので、徐々に規則正しい生活サイクルに変えていくことが望ましいです。
子ども以外の家族もなるべく早寝早起きを心がけるようにし、協力してあげてください。
困難を乗り越えた自分をイメージしてみる
イメージトレーニングという言葉を聞いたことはあるでしょう。元々は、スポーツのメンタルトレーニングから生まれた言葉です。
野球の大谷翔平選手やサッカーの本田圭佑選手、フィギュアスケートの羽生結弦選手など、一流アスリートは常日頃からイメージトレーニングを行い、自分を成長させているそう。
今では社会人の仕事や学生の試験準備にも活用されているため、受験生にとってもイメージトレーニングは非常に効果的です。
ここで注意してほしいのは、「合格した自分」ではなく「困難を乗り越えた自分」をイメージすること。通常、イメージトレーニングで頭に描く映像は、成功した瞬間の姿でしょう。受験生でいうと、合格した時の姿ですね。
しかし、イメージトレーニングにはほかにも種類があり、自信が向上するイメージトレーニングは「困難を乗り越える自分」だそうです。困難な状況を乗り越えたり、自分の弱点を具体的に克服したりしているシーンをイメージすることが、大きな自信に繋がるとのこと。
困難を乗り越えた自分のイメージが鮮明に見えたとき、人は自信を持てるのです。
大谷選手の場合は「160キロを投げているイメージをする」、本田選手の場合は「フリーキックが決まったシーンをイメージする」、羽生選手の場合は「4回転ジャンプを跳んだシーンをイメージする」といったように、困難を乗り越えているシーンをイメージした結果、実現に繋がっているわけです。
試合に勝ったり、メダルを獲ったりしているシーンをイメージしているわけではないのが興味深いですよね。
ですので、受験生であれば「合格した自分」ではなく、「難しい問題が解けた自分」「苦手な科目をすらすら解いている自分」「高い集中力で勉強に取り組んでいる自分」などをイメージするとよいかもしれません。
ぜひ試してみてください。イメージトレーニングを習慣にできれば、今後の人生においても必ず役立つはずです。
参考文献:相川 聖、高井秀明「イメージトレーニングがイメージ能力とパフォーマンスに及ぼす影響 」2022年8月26日公開(最終閲覧日:2023年12月19日)
いよいよ明日が本番!中学受験前日の過ごし方は?
いよいよ明日が受験本番になりました。
子どもの緊張もピークに達しているかもしれません。できるだけ子どもに寄り添って過ごすようにしましょう。
親はできるだけ子どもと一緒にいる
前日はできるだけ仕事を休み、子どもと一緒にいてあげてください。
両親が共働きの場合、家にいる時間、子どもは一人になってしまいます。とくに、受験前日は、子どもは不安でいっぱいになってしまいます。親と一緒にいるだけでも、子どもは安心するでしょう。
前日にも、先ほど述べた前向きになれる言葉をかけてあげるとよいですね。「今まですごくがんばってきたんだからきっと大丈夫!」など、子どもがホッとできる言葉をかけてあげてください。
最後まで、子どもに寄り添ってあげる姿勢が大切です。
受験すると決めた自分や今までがんばってきた自分を振り返る
不安になった際には、初心に戻って「なぜ中学受験することを選んだのか」を考えてみてください。「学校の雰囲気が好きだったから」「この制服を着て通いたかったから」など、最初は憧れから受験を決めたかもしれませんね。
中学受験を決めたのは、ほかでもない「子ども自身」。受験をすると決めたのは自分だと再確認することで不安を払拭でき、本番に向けて気合いを入れ直せるはずです。
また、今まで解いてきた問題集や過去問題を積み上げてみてください。がんばってきた証が可視化されますので、「自分はこんなにもがんばってきたから大丈夫!」と自信に繋がり、心が落ち着くはず。ぜひ試してみてください。
夕飯は消化のよいメニューにする
夕飯は、できるだけ胃腸にやさしいメニューにしてください。
受験直前だからといって、夕飯を豪華にする必要はありません。とくに、「勝つ」にかけて「カツ」にするなど油を多く使う料理にしてしまうと、子どものお腹の調子が悪くなってしまうリスクがあります。うどんや鍋といった胃に負担がかからないメニューがおすすめです。
持ち物のチェックは入念に行う
前日には、必ず試験当日の持ち物チェックを徹底して行うようにしてください。
できれば、前々日にもチェックしておくことが望ましいです。もし不足しているものがあった場合、買いに行けるからです。
前日の持ち物チェックは、午前に一回、午後に一回。募集要項を確認しながら、ダブルチェックを行いましょう。持ち物は子どもが準備し、漏れがないかを親がチェックするとよいでしょう。
持ち物については、学校に聞いてみるのが確実ですよ。
受験直前期は子どもの体と心のケアを重点的に行うこと
受験直前、子どもは親以上に不安や緊張、プレッシャーを大きく感じているはず。この時期は、子どもの体調管理とメンタルケアを重点的に行うことが大切です。
親はどっしりと構えて、子どもの心に優しく寄り添ってあげてください。
受験は大切ですが、人生のすべてではありません。あくまでも、成功への道の一つです。
どのような結果でも、しっかりと受けとめる心構えをしておくようにしましょう。もし失敗したとしても、子どもが積み上げてきた努力は決して無駄にはなりません。
そのことを心に刻んで、中学受験を乗り切りましょう!
以下の記事も参考にしてください。実際に中学受験を経験した親の姿勢や心構えを学べますよ!
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