【SDGs 9.産業と技術革新の基盤をつくろう】とは?現状と家庭でできること
SDGs目標8「産業と技術革新の基盤をつくろう」について現状や事例、さらに家庭でできることを紹介します。
動画でも3分で解説しておりますので、ぜひご覧ください!
この記事では、SDGs目標8「産業と技術革新の基盤をつくろう」について現状や事例、さらに家庭でできることを紹介します。
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「SDGs 9.産業と技術革新の基盤をつくろう」とは?
「SDGs 9.産業と技術革新の基盤をつくろう」とは?現状は?
SDGsの全体の基本理念として、「世界の人が満たされた生活を続けられて、かつ将来の世代が必要とするエネルギーなどの資産を損なわない社会」を目指したもので、実現のために貧困・環境、労働問題まで17のゴールを掲げています。
そして今回、紹介する「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」は、17のゴールの1つです。
このゴールは、強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図ることを指します。
強靭なインフラというのは、災害が起こっても復旧しやすい設備を意味します。そして、開発途上国では多くが未整備となっているので、先進国がサポートをして持続可能な産業になるようにしていこうというのが「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」の目標になります。
現状は、道路や情報通信、技術、衛生施設、電力、水といった基礎インフラは、多くの開発途上国で未整備となっています。全世界で23億人が基本的な衛生施設を利用できず、ほぼ8億人は安全な水を、苦労なく手に入れることができていないそうです。
なぜ産業と技術革新の基盤が必要?
このような現状を受けて、産業と技術革新の基盤の整備が叫ばれているのですが、
そもそも、産業と技術革新の基盤がなぜポイントなのでしょうか?
それはインフラや持続可能な産業開発、技術進歩がないと、経済成長や気候変動対策を実現できないためです。今、世界はグローバル経済の様相が急激に変化し、不平等が拡大しているといわれています。そのような状況下で持続的な成長をするためには、「すべての人々が機会を利用できる」「技術革新と強靭なインフラに支えられた産業を含む」ことが必須と考えられています。
つまり、新産業の成長は私たちを含む世界の多くの人にとって生活水準の向上を意味し、また、産業が持続可能性を追求すれば、環境や地球に住む私たちに良い影響を与えるというわけです。
「インフラ整備」「持続可能な産業化」「技術革新の拡大」が必要
では、産業と技術革新の基盤は具体的にどのように、進めていけばよいのでしょうか?
それは「インフラ整備」「持続可能な産業化」「技術革新の拡大」とされています。
「インフラ整備」は、道路や情報通信、技術、衛生施設、電力、水といった生活に必要な基盤を整えることを指します。
「持続可能な産業化」は、環境に優しくお金も適正に循環し、従業員をはじめとした人々が必要な物を買うに足りるだけの十分な収入を得られるような産業をつくることを指します。「技術革新の拡大」は地球に優しく、かつ新しい技術を生み出しつづける姿勢を指します。
「SDGs 9.産業と技術革新の基盤をつくろう」を目指した取り組み事例
では産業と技術革新の基盤づくりのために、具体的にどのような取り組みが行われているのでしょうか?
「SDGs 9.産業と技術革新の基盤をつくろう」の詳しい事例はこちら!
確認!「SDGs 9.産業と技術革新の基盤をつくろう」の取り組み事例
インフラ整備_水道会社への高効率ポンプの導入
日本の(株)荏原製作所をはじめとした関連会社は、ベトナムの水道会社へ、高効率ポンプを導入し、インフラを整備しました。
ダナン市水道公社の浄水場に高効率省エネ型ポンプ9台を納入しました。そのことにより、年間で従来比約200万キロワットの電力消費量を削減できることが見込まれているそうです。電力消費量の削減は、二酸化炭素排出量の削減のみならず、安価な飲料水のアクセスといったインフラ整備にもつながりました。
持続可能な産業化。風力発電と太陽光設備で稼働する石鹸工場
アメリカのメソッド社は業界初のLEEDプラチナ認証の石鹸工場をシカゴに開設しました。ポイントは、工場の一部が風力発電所と太陽光設備により発電されていることです。
また、この建物の屋上には世界最大の都市型温室もあり、100万ポンドのチンゲン菜やルッコラなどの無農薬作物が毎年生産されることが予想されています。
技術革新。1台で水・電気・インターネットを生み出すマシーン
アフリカのガーナで設置された「watly」という設備の事例です。この設備は、水や電気、インターネットを提供する機械です。サハラ以南では、人口の66%以上の約6億2500万人が電気のない生活を送っており、人口の39%は安全な水を手にすることができていませんでした。
これらの問題に対してベンチャー企業のwatly社は、1台で水・電気・インターネットを生み出すマシーンを開発しました。
ソーラーパネルで太陽エネルギーを電気に変換しバッテリーに蓄積。この電力によりフィルターで水をろ過・沸騰・蒸留し、年間300万リットルの水を提供、また無線インターネット接続が可能なハブや充電ポートの電力源にもなるそうです。
EUから出資も受けており、農村生活の改善に向けて、8年以内に1万台の導入を目指し、これにより5万人の雇用を創出すると予測されています。
「SDGs 9.産業と技術革新の基盤をつくろう」のために家庭でできること
家にあるインフラについて調べてみる
これまでの話で、産業と技術基盤をつくるためには、「インフラ整備」「持続可能な産業化」「技術革新の拡大」であることが分かりました。お子さんにこのことを理解してもらうには、身近にあるもので話をするのが良いと考えられます。
まず、インフラ整備については、
・トイレの水はどのように供給されているか
・インターネットはどうやってつながっているか
・自宅の電気のブレーカーを見せる
など、実物を見せながら話をするとよいでしょう。
また、子ども向けにインフラを易しく説明した本を親子で一緒に読むのもオススメです。
例えば水については、「みんなの命と生活をささえる インフラってなに? 1水道: 飲み水はどこからくる? (シリーズ・全集)」(筑摩書房)を読んでみると、どのように水が自宅へ運ばれてくるのかの仕組みを構造的に知ることができます。構造で知ることで、他国のインフラに目を向けたときに理解がしやすくなると思うので、オススメと言えるでしょう!
団体を通じて寄付や募金をしてみる
「インフラって何?」ということがわかったら、今度は自宅や日本の外に目を向けてみるとよいでしょう。日本でも、自然災害によってインフラ設備がダメになってしまって、復旧までに不便な生活を強いられるというケースが発生しています。
その話をしつつ、自然災害ではなく普段の生活レベルでインフラ整備がままならない国があるという話をお子さんにしてあげると理解しやすいと思います。
インフラ設備が不十分な地域に対しての寄付や募金活動をすることも、子どもたちの意識を高めるよいきっかけづくりになります。例えば、「WaterAid」という団体は、設備の設置だけでなく、現地の人々が主体となり長期的に継続していける解決策を現地のパートナーと協力して作りあげています。
子ども向けのSDGsイベントに参加してみる
SDGsはじめ未来の地球と人のために具体的に考えたり、活動をしたりしたいと思った場合は、団体が主催するイベントに参加するとよいでしょう。
地球子どもサミットという団体がイベントを主催しているので、そこに参加してみるとよいでしょう。この団体は「未来のいのちと100年後の地球を考える」ための活動を行っています。
おわりに
いかがでしたでしょうか? 「SDGs 9.産業と技術革新の基盤をつくろう」は、これからの地球保全と経済発展のために必要なゴールということが分かりました。私たち親世代が子どもの頃は考えもしなかった視点は、今の子ども達には必要になってきている時代です。
親世代が習っていないことを教えるのは難しいですが、子どもの身近にあるものを使って、会話や関連した体験を重ねていくことで、子ども達の未来を生きるに必要な考え方が
浸透していくと良いですね!
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