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「SDGs 12.つくる責任、つかう責任」の取り組み事例8選!

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「SDGs 12.つくる責任、つかう責任」の取り組み事例8選!

SDGsの掲げる17の目標のうちの12番目は、「つくる責任、つかう責任」です。
今回は、この「つくる責任、つかう責任」の実現のために行われている取り組み事例に焦点をあてて紹介します。

取り組み事例紹介の前に、「SDGs 12.つくる責任、つかう責任」って何だろう?

「つくる責任、つかう責任」のキーポイント1『食品ロス』

「食品ロス」とは、売れ残りや食べ残し、期限切れ食品など、まだ食べられるのに廃棄される食品のことです。
農林水産省及び環境省の「平成29年度推計」によると、日本では年間2,550万トンの食品廃棄物のうち、まだ食べられるのに廃棄される「食品ロス」は612万トンとのこと。
2015年の国連世界食糧計画(WFP)の援助量が、約320万トン。日本人の「食品ロス」はその約2倍量…もったいないですね。
(出典:消費者庁 食品ロスについて知る・学ぶ(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/education/))
売れ残った恵方巻の大量廃棄や、2016年に起きた、冷凍カツの廃棄を依頼された産廃業者が廃棄せずにカツを食用としてだした事件もありました。

「つくる責任、つかう責任」のキーポイント2『リファービッシュ品』

最近、電化製品ではリファービッシュ品というというものも出ています。
リファービッシュ(refurbish)は「磨き直す」の意味で、初期不良品や中古品を新品同様に整備して再販売される製品を指します。
「リファービッシュ品」の他、「メーカー再生品」「工場整備品」といった呼び名で出ていることもあります。
(出典:lifehacker「メーカー再生品」って何?買っても大丈夫?
詳しくはこちらをご覧ください!
【わたしたちができることって?】SDGs目標12.つくる責任、つかう責任を解説

SDGs 12.「つくる責任、つかう責任」の日本の取り組み事例

株式会社TBM

株式会社TBMでは、「過去を活かして未来を創る。100年後でも持続可能な循環型イノベーション」の企業理念のもと、「LIMEX」という自社開発により特許を取得している複合材料を生産しています。
この製品は、地球上にほぼ無尽蔵にある石灰石(英名:Limestone)を原料にしています。日本でも100%自給自足できる資源で、世界での埋蔵量も多く、高確率でリサイクルも可能です。
「LIMEX」を使って紙の代替にすれば、名刺やメニュー表になり、プラスチックの代替にすれば包装容器や手提げ袋などを作ることもできます。
紙の名刺とほぼ変わらない価格を実現し、1400社以上で採用され、東京マラソンウィークのマップにも使われました。
出典:事業構想 紙・プラスチックを代替 世界が注目する革命的新素材

NHK「らいふ」

NHK「らいふ」は「毎日のくらしをちょっとだけハイクオリティーに」というコンセプトのNHKのサイトです。
ここでは、「まだ食べられる!食材を無駄にしないレシピ」のページで、普段捨ててしまいがちな野菜の皮などを使った野菜だしのベジブロスなどを紹介しています。
他にも、関連コンテンツにある”刺し身のつま”リメイク術や、余ったパン粉の消費レシピなど、日々の生活に家庭でできる「食費ロス」対策につながることが紹介されています。

消費者庁

エシカル消費(倫理的消費)という言葉はご存知でしょうか?エシカルは、倫理的・道徳上という意味の形容詞で、エシカル消費は、法律の縛りがあるわけではないけど、多くの人が正しいと思う、人や社会、環境に配慮した消費行動をさします。
消費者庁では、エシカル消費普及・啓発運動を行っており、そのイベントとして各地で「エシカル・ラボ」を開催しています。その他にも、エシカル消費の推進や実践を行う高校生の「エシカル甲子園」を開催し、特に優れたものへの表彰を行ったり、[食品ロス削減]食べ物のムダをなくそうプロジェクトで、食品ロスに関する消費者庁の取り組みや情報の発信をしています。
エシカル消費につながるものには、フェアトレード、オーガニック、寄付つき商品、障害者支援につながる商品、地産地消、MSC認証、FSC認証、被災地の産品、伝統工芸、リサイクルなど、たくさんのものがあります。

大丸有 SDGs ACT5

東京都千代田区にある大手町・丸の内・有楽町の3つの町を合わせた大丸有エリアに拠点を置く、8つの企業とまちづくり団体によって構成される実行委員会が、2020年5月から約7ヶ月間に渡ってSDGs達成に向けたアクションが行われたプロジェクトです。
ACT1.サステナブルフード
ACT2.気候変動と資源循環
ACT3.WELL-BEING
ACT4.ダイバーシティ
ACT5.コミュニケーション
この5つのテーマをもとに、合計45社のアクション協力企業により、街全体でサステナビリティを発信するメディアと見立てた合計35のアクションが展開されました。
取り組み内容が報告されたイベントを取材しましたので、こちらの記事をご覧ください。
SDGsイベントに行ってみた!大丸有 SDGs ACT5 クロージングアクト

SDGs文化祭

2020年6月のキックオフから中・高生が学校や学年を超えて、SDGs課題解決に向け協働して、解決への方法をオンラインでの対話を通じ、考え・実践する取り組み「SDGs文化祭」が約5ヶ月間、7つのプロジェクトが行われました。
①Support to Change
②国内の外国人支援におけるVoYJ(https://voiceofyouth.jp/)での発信
③絵本プロジェクト
④海外への手助け
⑤TOWA
⑥環境にいいことをtwitterを使って広める
⑦パラスポーツの普及
取り組み内容が報告されたイベントを取材しましたので、こちらの記事をご覧ください。
SDGsイベントレポート!中・高生がSDGs達成に向けて取り組むSDGs文化祭!

SDGs 12.「つくる責任、つかう責任」の海外の取り組み事例

LEGO

おなじみのブロック、LEGO。これを作っているLEGO社は2030年までに持続可能な材料によってレゴブロックを作ることを目標にしています。
2018年にサトウキビを原料とした、柔らかく、耐久性があり、柔軟なプラスチックであるポリエチレンを作成しています。植物由来のプラスチックですが、何世代にもわたる子どもたちにとって耐久性と安全性のある製品でいるため、生分解性プラスチックにはしていません。
また、LEGO Replayというプログラムを米国で展開しています。これは、使っていないレゴブロックを誰かに譲るきっかけとして、Give Back Boxの仕組みを使って行っています。
何世代にも渡って使い続けることが出来るおもちゃで、多くの人が捨てずに持ち続けるか、友人や家族に譲ったりしているレゴブロックを、譲る先がなくて捨てるということなく、使いたい子どもたちのいるところへ送料無料で譲ることができます。

Apple

iPhone、iPadなどなど、パソコンのしてきたことを、直感的な操作で使える身近な機器にしたApple。この記事をApple製品でご覧になってる方も数多いのではないでしょうか。
Appleでは、Apple Trade Inという下取りサービスを行っています。これにより、手元の古いAppleのデバイスを手放し、新たなデバイスの購入時に下取り価格分の割引を受けるか、AppleStoreギフトカードでの受け取りを選べます。もし、下取り対象にならないApple製品だった場合でも、無料でリサイクルを行っています。
また、キーポイント2でお伝えした「リファービッシュ品」の販売も行っています。
Appleが新品同様の品質を保証するため、再整備し、整備済みのiOSデバイスには新しいバッテリーと外装が搭載されます。
先日、筆者宅でもAppleのリファービッシュ品を購入しましたが、まず、リファービッシュ品が届いたとは感じられないような、新品のApple製品にひけをとらない梱包でした。もちろん、製品は問題なく使えています。
(出典元:Apple

フランス

2016年2月、フランスでは「食品廃棄禁止法」が成立しています。
「食品廃棄禁止法」は、延べ床面積400m2以上のスーパーマーケットに対し、賞味期限切れなどで売れ残った食料の廃棄を禁止し、生活困窮者への配給活動を行う慈善団体への寄付もしくは飼料化・肥料化を義務付ける法律です。
違反した事業者には罰則規定(最高で75000ユーロの罰金、もしくは最大2年の禁固刑)も設けられていて、国際的にもその成果が注目されているものです。
なお、農林水産省の各国における食品リサイクル等の実施状況によれば、フランスの1人あたり食品廃棄物排出量は、約352kg。法律成立の背景には、この「食品ロス」の多さと、貧困者の救済策の同時解決ということも挙げられます。
(出典:EIC 環境用語集 食品廃棄禁止法

おわりに

日本でも、レジ袋の有料化が進んできました。自治体のゴミ袋を、レジ袋として販売する店舗も出てきています。
日々の買い物で何気なくもらっていたレジ袋を、マイバックなどの利用によってもらわない、使わないという選択をし続けることも、SDGsにつながる行動のひとつです。
買う前に、所有品で代用できないか考えたり、使い続けることが出来るか考えたりするのも、のちのゴミを減らすきっかけとなります。
日常でできるところから、エシカル消費を続けて行きたいですね。

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