子どもへのお金の教育どうする?伝えるべき4つのポイントと具体例を紹介!
子どもへお金の教育をしたいと思っても、どんなことを伝えたらいいのか悩みますね。自分が教えてもらった記憶や専門的な知識がないからこそ難しいのではないでしょうか。
小学生は、様々なことに興味を持ちはじめ、お金に関するイメージがまっさらな時期なので、お金の教育を始めるにはちょうどいいタイミングといえます。
自分から興味を持ったものは吸収もしやすいため、お子さまのお金に関する発言や行動に対してアプローチをしていけるといいですね。
記事の後半では、家庭でできる具体的な方法や、お金の教育に使えるおすすめツールも紹介していきます。
子どもにお金の教育をする理由
そもそもなぜ、お金についての教育が必要なのでしょうか。
その理由は3つあります。
- 子どもが自立して生活していくため
- 将来の子どもの選択肢を増やすため
- お金に関する不安を小さくするため
それぞれみていきましょう。
子どもが自立して生活していくため
現代社会において、お金との付き合いは一生続きます。そのため、限られたお金でやりくりする力、買いたいものを決めて貯金する力などお金に関する力は子どもが自立して生活していく上では必須のスキルです。
上記の2つの力は小学生のうちから身につけることができますし、大人になっても求められます。
そういった力を身につけるには、お金に関することを親が全部管理してしまわないようにすることがポイントです。お金が大事とわかっているからこそ、つい色々口出しをしたくなるかもしれませんが、自立の過程だと思って、見守ってあげるようにしてみましょう。
将来の子どもの選択肢を増やすため
お金の教育によって、お金の管理ができるようになると、お子さまの選択肢を増やすことができます。お金は、様々なものと交換できる道具です。遊びなどの娯楽に使うだけでなく、仕事のスキルアップや取り組みたい学びに関しても使うことができます。
また、お金が管理可能なものであると考えられると、お金のために働くのではなく、自分が本当にやりたいことに取り組め、周りのために働いてもいいのだという気持ちも育めるのです。やりたいことを犠牲にすることなく働き方を選べるので、子どもの将来の選択肢を増やすことに繋がります。
お金に関する不安を小さくするため
お金に対する先入観がない子どもの時期から教育をすることで、お金についてわからないことが原因の漠然とした不安を小さくすることができます。
大人になってからお金のことを考えるといつの間にか同時に不安を覚えるようになっていませんか?お金とは一生の付き合いであるにもかかわらず、教育をしてもらった記憶はないですよね。習った記憶はないけれど、お金がなくては生活ができません。
お金の正体を知らずにただ必要なものであるという認識だと、なくなったらどうしようという不安が出現するのです。
しかし、子どもの頃からお金に触れ、お金の正体を知り、付き合い方を考えていくことで、わからないことから出てくる不安を小さくすることができます。
教育を始めるタイミング
小学生は、お金の教育を始めるのにぴったりの時期です。さまざまなことに興味を持ち、自ら学びたいという気持ちも出てきます。お金についてもその一つです。自分の内側から出てきた興味や関心から学んだことは、吸収もしやすいため、小さな疑問や興味がありそうな行動をキャッチしてあげましょう。
お金に関して質問をされたり、小銭に興味を持ち始めたりした時はいい機会です。その際はこれから紹介する4つのポイントを伝えてみてくださいね。
小学校に入る前にこれだけはやっておきたい家庭でできる教育の記事はこちら!
小学校入学前にできるようになっていた方が良い6つのこと〜後編〜
日本の金融教育の現状
日本では、2022年に高校で資産形成に関する授業が必修化されました。現状、小学校では行われる予定はないため、小学生に対してのお金の教育は家庭で取り組むしかありません。
高校でも授業が始まったばかりで、現場も手探り状態であるため、今後よりよくなっていくことを期待したいですね。
お金について伝えるべき4つのポイント
小学生のうちはお金の基礎を教えることができれば十分です。お金の教育というと、増やすための投資やとっつきにくい税金を教えるのではないかと考えがちですよね。
しかし、それはこれから紹介する基本を押さえてからでも十分間に合います。
以下の4つのポイントは一生使えるものなので、ここを意識して伝えてみてくださいね。
- お金はありがとうの対価であること
- お金の使い方と貯め方
- 貸し借りをしないこと
- 何事も相談すること
それぞれ詳しく説明していきます。
お金はありがとうの対価である
お金はありがとうから生まれるものです。相手に価値を提供した結果、相手はあなたに対して助けてくれてありがとうの気持ちでお金を払ってくれています。もしかしたらお金は自分が仕事を頑張ったからもらえるものだと考えていたかもしれません。
それも、もちろん一つの考え方ですが、もう少し視点を広げてみましょう。あなたが何かを頑張った結果、相手はどこかで必ず助かっています。人からありがとうをもらうことがお金を稼ぐことにも繋がります。お金は勝手に無限に出てくるものではなく、お母さんやお父さんがどこかでありがとうと交換したものであると伝えてあげましょう。
お金の貯め方と使い方
お金を貯める力と使う力はお金に関する基本的な力で、小学生のうちから身につけることができます。他にも稼ぐ力や、守る力、増やす力などがありますが、守ったり増やしたりする力はお金を貯められてから身につけていければ大丈夫です。貯める力を身につけるには、貯めたという実感が得られやすい貯金箱がおすすめ。小銭が増えていくのを目で確認ができるため、自分ができているという感覚を得られます。
また、貯めるためには使い方も重要です。貯められたとしても、何に使ったかわからないとなると、大人になってからも管理が難しそうですよね。使い方は、ものを買うときに、必要なものなのか欲しいものなのかを判断できるようにサポートしてあげましょう。
また、何に使ったか、どうして使ったかを把握できているかどうかも確認してあげましょう。子どもが納得して使ったものに関しては、親からみると無駄遣いに思えたとしても口出ししないように注意が必要です。自分で管理をするという感覚を育てていると考えてどんと構えてあげてくださいね。
友だち同士で貸し借りをしないこと
お金の貸し借りについても早い段階で伝えておきましょう。お金の貸し借りは子どもも大人もトラブルにつながりやすいものです。お金に関係するトラブルは、友だちとの関係自体が壊れてしまったり、お子さまが苦労するきっかけになってしまったりするかもしれません。そのようなことにならないように、あらかじめ貸し借りをしないよう伝えておきましょう。
子どものうちは、相手が困っているから助けるというような感覚でお金を貸してしまうかもしれません。その場合は、助けたいという気持ちがあることをまずは受け止めてあげましょう。そして、お金を貸して解決してあげようとするのではなく、相談をするよう伝えられるといいですね。
何事も相談すること
普段から家族や周りに相談する癖をつけておくことで、金銭トラブルを防止したり、万が一巻き込まれてしまった場合でも他の人の力を借りたりして解決方法を探すことができます。
子どものうちは、友だちとのトラブルが起きた場合でも、親が対応できる可能性が高いです。一方で大人になると、扱う金額も大きくなるため、こちらで対応しきれないかもしれません。
だからこそ、トラブルに巻き込まれる前に相談をしたり、巻き込まれたとしても早めに相談することを伝えてあげましょう。相談をして他の人の力を借りることで、トラブルによって受けるダメージを減らすことができます。
家庭でできる具体例
4つのポイントを把握したところで、具体的にどのようなことに取り組めばいいのでしょうか。ここでは、家庭でできる具体的な方法を4つ紹介していきますね。
- お小遣いの制度のルールを決める
- 家族で仕事やお金の話をする
- 買い物に一緒に行く・お使いをさせる
- 遊びから学ぶ
それでは、一つずつみていきましょう。
お小遣いの制度のルールを決める
お小遣い制度は、お金について学ぶいいきっかけです。お小遣い制度を開始する時期でおすすめなのは、硬貨や紙幣などお金自体に興味を持ち始めた時や算数で100を使った計算を始めた時です。
また、お小遣いの相場は、小学校低学年は毎月500円、高学年になると毎月1000円程度としている家庭が多いようです。
お子さまがお金について学ぶきっかけにするには、相場を参考にしつつ、ご家庭でのルールを決めましょう。
- 何をしたらいくらもらえるのか
- 家計から出すものと自分のお小遣いで買うものは何か
- 友だちに貸さないようにする
など。
ありがとうの対価であることを伝えていく方法として、お母さんが疲れている時にお手伝いをしたらいつもより少し多くするなどもいいですね。
また、お小遣い制度を始める際は、任せっきりにするのではなく、見守ることも大切です。何に使っているのか、意味もなく使いすぎていないかを話せるようにしておきましょう。
以下の記事でもお小遣いのルール決めやお金の教育をする際のコツについてまとめているので、参考にしてみてください。
【必見!お金の専門家が解説!】お小遣いのルール決めについて
また、お小遣いの渡し方も毎月渡すべきか、お手伝いの報酬として渡すべきか、必要な時に渡すべきか迷いますよね。こちらの記事では、3つのパターンのメリットデメリットをまとめています。お子さまの性格に合わせて、渡し方を選んでみてくださいね。
【いま注目!】子どものお小遣いを管理する時に知っておく3つのこと!
家族で仕事やお金の話をする
お家の中で積極的にお金の話をすることで、お金の話がタブーではないことを伝えられます。その結果、伝えたいポイントの1つである相談することへのハードルも下がります。
話をする際は、お金が足りないことよりも、お金を使って何ができたか、何を得られているかポジティブな言葉を使ってみましょう。今月はどのようなことに使ったのか、自分はそれについてどう思ったのかなどを発表してみてもいいですね。
買い物に一緒に行く・お使いをさせる
一緒に買い物に行ったり、お使いをさせたりすることで、お金が動く場面を見て、使い方を学ぶことができます。一緒にいる時に、なぜそれを購入するのか、その理由を伝えてあげられるといいですね。いつもは安いものを買っているが、今回はお祝いで特別だからちょっといいものを買うというのも立派な教育の一つです。
また、お金を使う時には、必要なものと欲しいものを分けて考えることが大切です。欲しいものはどんどん出てきてしまうので、毎回買っていてはお金がもたなくなります。そうならないためにも、自分のお小遣いで買うかどうかを考えてもらいましょう。
親に買ってもらえるなら欲しいけれど、自分のお金を使うとなるといらないとなることも多いです。自分のお小遣いを出してでも買いたいというのであれば、お子さまにとっての理由があるので、否定せずに買わせてあげましょう。自分のお金で本当に購入するのか一言声をかけることで、お子さまが考えるきっかけを作ることができます。
自分が欲しいものを買い続けた結果お金がなくなってしまったとしてもそれもいい経験です。そんな時は、振り返りの機会を作り、次はどうしていくか話してみてください。
遊びから学ぶ
難しそうなお金の学びこそ、遊びで楽しく取り組みたいと思いますよね。もちろん遊びでも学ぶことができます。今回紹介するのは、金融庁うんこお金ドリル、どうぶつの森、人生ゲームです。
金融庁うんこお金ドリルは、お金に関する様々な問題が出題されます。
お金がどのようなものなのかということや、何をしたら得られるのか、トラブルに巻き込まれたらどうしたらいいのか。4つの選択肢から選ぶドリルなので、どのような行動が取れるのかということも学ぶことができます。
「どうぶつの森」はお金を稼いでものを買うだけでなく、物を売ってお金を稼ぎ、貯金をして、ローンを組み家を改築することもできます。私たちの生活で行うことがそのまま体験できるのです。
人生ゲームもお金がよく動くゲームの1つです。仕事を決めて給料日マスを通ると毎回お金がもらえたり、病気や事故などのイベントにより出費が発生したりします。また、結婚や妊娠など人生にはどんなイベントがあるかを知ることができるので、人生計画を立てる参考にもなりますね。
みんなで参加するもよし、1人で取り組んでみて、感想を聞いてみるのもいいですね。
お金の教育は実践が大切
お金について伝えたい4つのポイントは、
- お金はありがとうの対価であること
- お金の使い方と貯め方
- 貸し借りをしないこと
- 何事も相談すること
でした。
このポイントをまずは意識して伝え、日々使っていきながら、お金は管理できるものであるという感覚を身につけていきましょう。
新しく何かを始めるというよりは、今まで使っていたシーンに少し視点を追加していくイメージで取り組むと、始めやすいかもしれません。
また、これをきっかけにお母さん、お父さんもお金について学んでみるのはいかがでしょうか?
こちらの記事ではお子さまの教育資金には大体いくらかかるのかということや、家計の見直しポイント、ファイナンシャルプランナーおすすめの貯蓄方法などを紹介しています。
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