検索

子どもの睡眠時間が足りてない?!「良い眠りのコツ」とは?

その他
子どもの睡眠時間が足りてない?!「良い眠りのコツ」とは?

お子さまのいる毎日は、慌ただしく過ぎていきますね。早く寝かせなくてはと思いつつ、寝る時間がどうしても遅くなってしまう日もあるのではないでしょうか? 気になる子どもの睡眠についてさまざまな角度から解説します。

もくじ

    小学生の睡眠時間、足りている? 理想の睡眠時間は?

    小学生の理想の睡眠時間はどのくらいなのでしょうか?  厚生労働省の睡眠指針によると、小学生は9時間から12時間の睡眠時間が推奨されています。
    参考:厚生労働省 健康づくりのための睡眠指針の改訂について(案)
    しかし、実際の睡眠時間は小学4年生で平均8.5時間、小学6年生で平均8.2時間となっています。

    引用元:ベネッセ教育教育そごう研究所 子どもの生活リズムと 健康・学習習慣に関する調査 2021

    下の図は小学4年生から6年生までの起床時刻と就寝時刻のグラフです。起床時間では学年による大きな変化が見られない一方で、就寝時刻は学年が上がるにしたがって遅くなっていく傾向が見られます。

    引用元:ベネッセ教育教育そごう研究所 子どもの生活リズムと 健康・学習習慣に関する調査 2021

    夜型になりやすい小学生の生活環境

    子どもの睡眠時間について紹介しましたが、実際にお子さまの睡眠時間を確保することは、難しく感じてしまいますよね。朝早くから始まる学校、帰宅後にもお友だちとの予定や、習い事があったり、放課後学童クラブで過ごす場合もあるでしょう。宿題にも時間がかかります。親も帰宅が遅い場合、帰宅後に子どもの世話や宿題のチェックなどを行うことになりますね。親やきょうだいの予定に合わせなくてはならないこともあるでしょう。やることがたくさんあり、就寝時間を早められない事情が伺えます。また、マンガ、ゲーム、動画、また、スマートフォンの使用時間がついつい長くなってしまい、就寝時間が遅くなってしまうということもあるでしょう。
    こちらの記事ではゲームとの上手なつき合い方について紹介しています。ぜひご覧ください!
    小学生のゲームとの上手なつき合い方!ゲーム依存症とは?

    睡眠の効果とは?

    生きていくために欠かせない睡眠。睡眠には、身体を維持して、整えるさまざまな効果があり、一日ごとに身体と心をリセットして翌日に備える重要な役割を担っています。
    ■睡眠の効果
    ・身体や脳の疲労回復
    ・記憶を整理する
    ・感情を整理する
    ・精神面を安定させる
    ・成長ホルモンの分泌
    成長ホルモンとは、睡眠時に多く分泌されるホルモンです。
    ■成長ホルモンの効果
    ・筋肉量の維持
    ・身体機能や代謝を整える
    ・肌の状態を整える
    ・骨を伸ばす(特に子どもの時期)
    成長ホルモンは入眠1~2時間後の、深いノンレム睡眠の際に多く分泌されるため、入眠後に深くぐっすり眠れることが重要になります。
    ※レム睡眠・ノンレム睡眠とは?
    レム睡眠:寝ている時に眼球がきょろきょろと動く、急速眼球運動を行っている状態をいいます。身体は休息しながら、脳は活動しています。
    ノンレム睡眠:レム睡眠では無い状態をいいます。眼球運動や脳の活動は低下しています。
    また、子どもの睡眠習慣が、体調にも影響していることが、以下のグラフからわかります。

    引用元:ブレインスリープ 睡眠偏差値KIDS調査結果発表2021

    子どもの睡眠不足が招く健康や学力への深刻な影響

    睡眠が足りていない状態は、翌日の眠気、眠気による集中力や注意力の低下、疲れやすくなってしまうなど、日中の活動に影響が出てしまいます。また、寝る直前に食事をとったり、朝起きられないことで朝食を抜いてしまったり、食事に影響が出てくると、生活習慣も乱れてきてしまいます。
    睡眠不足の状態で学校に行くと、授業中に眠くなってしまったり、集中力が続かずに内容が覚えられなかったり、学力にも悪影響が出てしまいます。

    子どもの睡眠障害

    子どもの睡眠障害にはさまざまなものがあります。以下一部紹介しますが、お子さまの睡眠に関して心配な症状があれば、かかりつけの小児科を受診してみましょう。

    ・ナルコレプシー

    夜間の眠りが足りているにも関わらず、日中耐え難い強い眠気に襲われて眠り込んでしまいます。

    ・無呼吸症候群

    睡眠時に、繰り返しいびきをかく、数秒間呼吸が止まる、眠りが浅く起きてしまうなどの症状があります。扁桃肥大が原因ですが、鼻炎や鼻づまり、肥満などからも引き起こされることもあります。

    ・概日リズム睡眠覚醒障害

    朝目覚め、夜眠るという、生活・社会活動のリズムに合っているはずの体内時計のリズムが、ずれてしまうことで、時間通りに寝起きすることが難しくなり、社会活動に影響が出てしまいます。

    ・むずむず足症候群

    夕方から寝る前にかけて、足や手に違和感や不快を感じることで、寝つきが悪い、眠りが浅い、足を自分でさする、寝付けずに歩き回る、などの症状があります。

    また、発達障害の子どもは、睡眠障害になりやすい傾向があるといわれています。
    こちらの記事では子どもの発達障害について紹介しています。ぜひご覧ください!
    子どもの発達障害とは? 3つのタイプ別に特徴をわかりやすく解説!
    子どもの発達障害の特徴・対応・接し方・診断などについてわかりやすく解説!

    良い眠りのためにできること

    少しでも質の良い睡眠が取れるよう、睡眠の環境を整える方法を紹介します! 

    寝る前の時間配分を決めよう

    就寝時間から逆算し、習い事や遊びやゲーム、お風呂の時間、ご飯の時間などの大体の時間を決めておき、時間配分をしておくと、時間を効率よく使うことができるでしょう。
    習い事が遅い時間になってしまうこともありますね。習い事もさせたいけど、睡眠時間も必要…どちらも子どものためにと思うと悩ましいものです。翌朝の目覚めや、眠気のために日中の活動に影響が出てしまうようなら、習い事の時間を見直すことも考えてみてはいかがでしょうか。

    宿題と翌日の支度を効率よく

    宿題に時間がかかってしまい寝る時間にまで影響が出てしまうことはありませんか? 限られた放課後の時間内で、宿題に取り組まなければなりません。
    ・開始時間や取り組む場所を決めて、ルーティン化する
    ・集中力が続かないようなら、ガムを噛んだり、宿題の合間に数分の休憩を入れる
    ・空腹や眠気は集中を妨げるため、途中で何か食べたり、リフレッシュしてから取り組ませる
    ・宿題の分からないところや苦手な部分、翌日の支度を大人がサポートする
    宿題や翌日の支度を子ども自身で管理させることで、自己管理力を身につけることができます。一方で、限られた時間内にやることを終わらせて睡眠時間を確保することも大切です。大人のさじ加減で、子どもに頑張らせる部分と手助けをする部分を配分してあげるのもよいでしょう。

    よく眠れるお風呂の入り方

    一日のうちで、起床時に一番低い体温は、日中の活動と共にあがっていき、一日の終わりにかけて下がっていきます。夜、体温が下がるとともに眠気が引き起こされます。入浴を工夫することで、体温を調整して睡眠に入りやすくすることができます。睡眠のためには寝る1時間半から3時間前に入浴するのがおすすめです。入浴中に血管が拡張されることで、入浴後に熱が放散されやすくなり、体温が下がっていきます。ちょうど体温が下がって眠気を感じられる状態で就寝時間を迎えられるのが理想です。また、お湯の温度は38℃から40℃に設定すると、副交感神経が優位に働き、身体がリラックスした状態になります。42℃以上の熱いお湯だと交感神経が優位になり興奮状態になってしまうため、眠りのためには避けたほうがよいでしょう。

    睡眠を楽しみな時間に! 眠りの環境を整えよう

    良い睡眠のために、環境を整えて楽しみな時間にしてしまうのがおすすめです!

    ・寝具

    子どもの好きな素材や肌触りのものを選ばせて、清潔な状態で用意してあげるとよいでしょう。子ども用の枕や毛布などを使用している場合、高学年になり身体が大きくなるのに合わせて、サイズを見直して身体の大きさに合ったものにしましょう。高学年になり身体がしっかりしてくると、寝る姿勢を安定させるためにも身体に合った枕を使用することが効果的です。好きなぬいぐるみや人形は安心感につながります。

    ・照明

    眠る前は、照明の明るさを抑え、暖色系のライトの光にすることで、リラックスして眠りにつきやすくなります。

    ・音楽

    睡眠導入の音楽を流すことで眠りにつきやすくなる場合もあるでしょう。穏やかな、歌詞のない、穏やかな音や音楽を小さな音で流しましょう。自然の中の音や、オルゴールなど、お子さまの寝つきがよくなる音を探してみましょう。

    良い目覚めのためにできること

    起床の30分ほど前から徐々に光に照らされることで目覚めが良くなります。直接朝日を浴びて目覚められるとよいですが、時間を設定すると起床時間に向けて徐々に明るくなっていく目覚まし用の照明器具もあります。起床後はエネルギー不足の状態です。朝食をとることで、体温が上がります。脳と身体にエネルギーが補給されることで、午前中勉強や活動に集中できます。また、朝食で腸が刺激され、排便を促します。子どもの食欲がなかったり、朝食を食べる習慣がない場合でも、簡単な朝食を少しずつでもとれるとよいでしょう。毎日繰り返すことで生活リズムも整ってきます。時間をかけずに準備ができて、短時間で食べることができる定番メニューを考えてみましょう! 例えば、 おにぎり、パン、シリアル、チーズ、ヨーグルト、卵、フルーツ、前日の夕ご飯の残り、冷凍食品などはいかがでしょうか?

    大人も睡眠を見直そう

    子どもの世話も一通り済んで、夜は大人の時間! 色々と仕事や家事をしたり、リラックスしたりと、一日の終わりの貴重な時間と考えている方もいることでしょう。しかし、大人は6時間以上睡眠をとることが推奨されており、睡眠不足は深刻な問題となっています。大人がしっかりと睡眠不足による問題を認識し、家庭内で「睡眠」の重要度をアップさせ、家族全体で眠ることが「大切なこと」として捉えられるようになるとよいですね。

    こちらの記事では時短術や子どもの自立について紹介しています。ぜひご覧ください!
    【最新情報】自分時間を作る時短術10選!
    国際基準の「子育て」〜究極の目標、子供の自立。実は親の自律が鍵だった〜

    関連記事