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【探究学習のテーマを設定してみよう!】長期休みに取り組みたい探究学習テーマ実例3選

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【探究学習のテーマを設定してみよう!】長期休みに取り組みたい探究学習テーマ実例3選

2020年、小学校の授業に探究学習が取り入れられました。「探究学習」は子どもの可能性を広げるとして注目されているキーワードの一つです。
そんな探究学習を家庭でも取り入れてみませんか?探究学習のテーマ設定のポイントとテーマの実例をご紹介します。

2020年より小学校でも授業に探究学習が取り入れられるようになりました。「探究学習」は、子どもの可能性を広げる選択肢として教育に関心が高い保護者の方々の間でも注目のキーワードです!

そんな探究学習を、あなたのご家庭でも取り入れてみませんか?日常の生活の場、全てに探究学習のスタートのチャンスが転がっています。

今回は、探究学習のテーマ設定のポイントと、長期休みの家庭学習にも使える探究学習テーマの実例をご紹介します。

探究学習におけるテーマとは?

あくまで主体的にすすめられる探究学習は、周囲の大人がテーマを一方的に与えてしまうと、途端に主体性が失われてしまいます。自分でテーマを設定しなければならない、そこに探究学習におけるテーマ設定の難しさが隠れているのです。

探究学習のテーマを決めるためには、まず自分自身が日常で感じる「問い」を見つけだすことからはじめなければなりません。
「テーマ」は、探究をすすめていく上での大きな方向性を指し示すのに対し、「問い」は、決めたテーマに対して、さらに具体的な探究を進めていくための手がかりとなるものを指します。

例えば「SDGsについて考えよう」をテーマにした場合、内容が壮大すぎて深い学びに繋がりにくいでしょう。そこで重要になるのが日常で感じている「問い」です。

「最近、スーパーなどでもらうビニールの買い物袋が有料になったのだけど、それはなぜ?」という問いを日ごろから感じていれば、有料になることでレジ袋を使う人が減り、石油由来であるプラスチックを原料とするレジ袋の製造量を抑えることで、地球温暖化対策に貢献できるいう探究の流れを作ることができます。

日常で感じる「問い」から「テーマ」に繋げていくと、その後の探究学習をスムーズに進めることができるのです。

テーマを決めるための3つのポイント


どのような探究のテーマを設定するかで、探究学習から得られる効果も変わってきます。次項からは、子どもたちが主体的にテーマを決めるための具体的なポイントを見ていきましょう。

入口の簡単さ

1つ目のポイントは、気軽に考えてみようと思えるくらい簡単かどうかです。

テーマが抽象的であったり、哲学的であったり、または身の丈に合っていない難易度のものだと、考えることがつらくなり探究学習が進まなくなってしまう可能性があります。せっかく探究するのだからとはりきって、普段あまり考えないような事をテーマに設定してしまうと、どうしたらいいか分からず戸惑ってしまうのです。

日常で感じる身近な「問い」に常にアンテナを張り、テーマを決める際には誰しもが疑問に思っているような、考えやすい簡単なものから始めることを心がけてみましょう。
階段を1段ずつ上がっていくように、探究のステップを作っていく事を意識してみてください。

どんな答えでも許容できる懐の深さ

2つ目のポイントは、どんな答えも答えになりうるくらい、そのテーマには懐の深さがあるかです。

どんな答えを導き出しても許容できるテーマ設定が重要だと考えます。テーマに対して主体的に探究し、自分独自の答えを導き出さなければならないのが探究学習です。一般的に答えがしっかりと出ているテーマを設定してしまうと、既に敷かれた探究のレールに沿って学習を進めてしまい、単なる答えを探すゲームとなってしまいます。

それでは、主体性が損なわれ探究学習の効果が薄れてしまいます。どんな答えを導き出しても「そうだよね」と、受け入れられるような幅広いテーマを設定することで、探究学習に対する興味・関心を継続して引き出すことが可能になります。

どんな答えも許容できるテーマは、探究学習の本来の目的である「自分自身で答えを作り出していくこと」つまり自分の可能性を主体的に発見していくことを実現させてくれます。

深堀の可能性

3つ目のポイントは、追求しようと思えば、どこまででも深堀ができるテーマかどうかです。

テーマを決めていざ探究学習を始めたけれども、すぐに納得して簡単に答えが出てしまうと、そこで探究が終わってしまいます。答えがすぐに出てしまうようなテーマならば、調べ学習の方が向いているでしょう。

探究学習では、探究することにより自分の新しい可能性を発見し、自分の持っている意見をより深く追求することが深い学びに繋がります。自分でも思いもよらなかった価値観や可能性を見出すことができるのも探究学習の醍醐味です。

そのためにも、テーマ設定の際にはどこまででも深く追求できるかどうかを考えるのも、重要だと言えます。

テーマを決めるための注意点

1 やらされ感のあるテーマにはしない
探究学習では、「主体性」が大変重要視されています。

子ども自身が興味をもち「このテーマについて探究したい」と考えるものでないと、主体性が養われません。周囲の大人が促してテーマ設定をするのではなく、子ども本人が日常で興味がある事を自ら掘り下げて探究学習のテーマに繋げていけるようにしましょう。

2 テーマ設定には時間をかける
テーマ設定の時間が短いと「とりあえずこれでいいや」という、取り繕った探究学習になり、深く掘り下げることができず、十分な学習の成果が得られません。日ごろから、日常にある「問い」を感じられるような環境を整えておくこと、そしてその問いからテーマを設定することが大変重要です。

身近な話題から探そう!探究学習のテーマ具体例

子どもたちの探究心は無限大です。生活の中のちょっとしたことに「どうなっているんだろう」「なんでそうなるのだろう」と好奇心を刺激されることも、多々あるでしょう。そんなときこそ、探求学習のチャンスです。ぜひ親子で取り組んでみてください。

次項からは子どもたちの探究心をくすぐるような探究学習のテーマ具体例をご紹介します。

ごみ問題を解決したい!話題のスクラッチを使ってごみ拾い大作戦 

(引用元 プログラミングスクールに通う子どもが「ゴミ問題」解決のために立ち上がった!

小学校でのプログラミング必修化により、プログラミングで探究学習を行う人も増えています。

ごみ問題に興味があった小学3年生のゆうご君が、「Scratch(スクラッチ)」というプログラミングツールを使って、ごみ問題について探究しました。ごみ問題はSDGsにも関連が強く、探求学習にも取り上げやすいテーマですね。

ゲームの構想を考えながら、ごみの知識を調べていき、その知識をゲームの中に取り入れていきました。 Scratchを使い出来上がったゲームは、楽しみながら自然とごみの分別を学ぶことができます。

ごみ問題が深刻化しているなか、何かの役にたてればという思いからスタートした探究学習が、プログラミングでゲーム作り楽しんでプレイしてもらうことで、ごみの分別方法を知ってもらうという答えに行きつきました。

そのほかのみらいいキッズのプログラミング作品はこちら!
みらいいキッズクリエイターたちの作品を一挙紹介!
初めてのゲーム作り!「レッツシューティング」が完成!
子どもがプログラミングで社会課題の解決に挑戦!詐欺被害を防げ!

くず野菜を育よう!リボべジでエコ活動

(引用元:くず野菜を育てて再生する様子を観察してみよう【小学生の自由研究(理科)】

普段ならキッチンの生ごみになってしまう、くず野菜の切れ端を再生させて再び食べられるようにすることを「リボーン・ベジタブル」略して「リボベジ」と呼びます。

ニンジンや豆苗、カイワレ大根など普段の料理に使った後のくず野菜を、水を張ったトレイ等を使い再生させます。家計に優しい上に、SDGsでもたびたび話題になるフードロスを減らす取り組みにも繋がるため注目されています。

基本的には水に浸けて育てる「水栽培」なので、比較的簡単に進めることができます。リボベジは家庭菜園の一つになり、個人単位で簡単に始めることができる持続可能な取り組みです。
SDGsはもちろんのこと、植物の生育に関する理科の実験としても探究することができ、いろんな方向から深く学ぶことができるテーマだと言えます。

【カレーの不思議】自分でカレー粉を作ってみよう!

(引用元 エスビー食品スパイス&ハーブde自由研究 )

思うように外出できない日が続きますが、学校が休みの日は親子で料理を作ってみようという機会も増えたのではないのでしょうか。

みんな大好きなカレーをスパイスから作ってみよう!という探究学習もおススメです。「食」に関するテーマは、子どもも興味を持ちやすく、日常と密接しているため深く探究することができます。

カレーや香辛料を販売しているエスビー食品では「スパイス&ハーブde自由研究」のコンテンツを公開中です。香辛料やハーブについて深く学ぶことができ、オリジナルのカレー粉作りなどは本格的なレシピなので、親子でチャレンジしてもいいかもしれません。

カレーと言えば箱入りのカレールーがほとんどなので、カレーについて深く学ぶチャンスですね。

身近なところから探究のテーマを探そう

探究のテーマは身近なところにたくさんあります。日ごろから感じる、なぜだろう?とか、どうして?といった「問い」を拾い上げることで、楽しい探究学習への扉が開きます。探究学習の先には、新しい可能性が待っています。

ちょっとした問いを問いのままで終わらせるのではなく、そこから派生するさまざまな問題や興味を深く掘り下げて、自分なりの答えを導き出す探究学習をご家庭でも取り入れてみませんか?そこから、思ってもいなかった新しい世界へとステップアップできるかもしれません。

みらいいではさまざまな小学校教育の取り組みについてもご紹介しています。
詳しくはこちらの記事をご覧ください!
小学校のキャリア教育の実践例とこれから
小学校教育でのSDGsの取り組み事例と身につく力
スクラッチとは?小学校のプログラミング教育における実態など

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