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こども家庭庁を分かりやすく解説!できた理由・役割・取り組みが親子で分かるガイド

親の学び
公開日:2023年10月25日 更新日:2026年1月12日
こども家庭庁を分かりやすく解説!できた理由・役割・取り組みが親子で分かるガイド

2023年に発足した行政機関「こども家庭庁」。

名前を耳にする機会は増えましたが、「どのような組織なのか」「何をしているのか」を詳しく知っている方は、まだ多くないかもしれません。

この記事では、こども家庭庁ができた理由や役割、具体的な取り組みについて分かりやすく解説します。

こども家庭庁が私たちの生活とどのように関わっているのか、一緒に見ていきましょう。

もくじ

    こども家庭庁とは?親子で分かりやすく基本を知ろう

    ここでは、こども家庭庁の基本について、分かりやすくまとめました。
    どのような役割を担っている組織なのかを、ひとつずつ見ていきましょう。

    こども家庭庁は2023年4月1日に発足した組織

    こども家庭庁は、妊娠・出産や育児をはじめ、少子化や子どもの貧困、いじめなど、子どもを取り巻くさまざまな社会問題に向き合うために設置された行政機関です。

    子どもに関する政策をより一体的に進めることを目的として、2022年6月に「こども家庭庁設置法」と「こども基本法」が成立し、翌年の2023年4月1日に発足しました。

    現在は内閣府のもとで、子どもや家庭を支える取り組みを進めています。

    こども家庭庁が担う役割

    「子どもを中心に考える」という考え方のもと、子どもの権利を守りながら、子どもと家庭の福祉や健康の向上を支える役割を担っています。
    具体的な課題としては、子どもの貧困対策や児童虐待への対応、障がいや発達に課題のある子どもへの支援、少子化対策などが当てはまるでしょう。

    こうした取り組みを行う際には、子どもの目線に立ち、実際に育児をしている人の声を大切に、都道府県や市町村などの地方自治体と連携して進めています。

    「こどもまんなか社会」は安心して子育てできる社会

    こども家庭庁が実現を目指している「こどもまんなか社会」とは、すべての子どもが権利を保障されながら、将来にわたって幸せに生活できる社会です。

    こども家庭庁は、子どもや若者の視点に立ち、最善の利益を第一に考えながら、子どもが健やかに成長できるよう社会全体で後押しすることを目標としています。
    そのため、家庭だけが負担を抱えるのではなく、行政や地域、社会全体で子育てと子どもの成長を支える体制づくりが展開されているのです。

    こども家庭庁

    こども家庭庁はなぜできた?背景をやさしく解説

    では、なぜこども家庭庁は発足したのでしょうか。
    ここでは、こども家庭庁が設置された背景について、分かりやすく解説していきます。

    縦割り行政の課題

    こども家庭庁が設置された理由のひとつに、「縦割り行政の課題」があります。
    縦割り行政とは、子どもに関する制度や相談窓口が省庁ごとに分かれており、支援が遅れたり、必要な支援が行き届かなくなったりする状態を指します。

    以前は、いじめや不登校は文部科学省、ヤングケアラーへの支援は厚生労働省というように、課題ごとに担当する省庁が異なっていました。
    そのため、子どもや家庭が抱える複雑な問題に対して、迅速に対応することが難しいという指摘がありました。

    こうした課題を解消するために設置されたのが、こども家庭庁です。
    子どもに関する窓口や施策をひとつの組織に集約することで、支援の抜け漏れを減らすことが期待されています。

    少子化と子育て支援の不足

    少子化と子育て支援の不足も、こども家庭庁が設置された理由のひとつです。
    厚生労働省のデータによると、2024年の出生数は68万6,061人と、過去最少を記録しました。

    参照元:厚生労働省


    少子化が進む背景には、未婚化や晩婚化に加え、仕事と育児の両立の難しさや、育児・教育費への不安があるとされています。

    こども家庭庁は、こうした課題を踏まえ、育児しやすい環境づくりを進めるとともに、「結婚・妊娠・出産・子育てに夢や希望を持てる社会」の実現を目指し、個人のニーズに応じた支援に取り組んでいます。

    参照元:令和6年(2024) 人口動態統計月報年計(概数)の概況|厚生労働省

    子どもを取り巻く問題の深刻化

    子どもを取り巻くさまざまな問題が深刻化していることも、こども家庭庁が設置された理由と言えるでしょう。

    たとえば不登校については、国のデータによると、2024年時点で小・中学校における不登校児童生徒数が35万3,970人と過去最多を更新し、12年連続で増加傾向が続いています。

    引用元:文部科学省



    また、子どもの貧困も大きな課題。
    厚生労働省の調査では、2021年の子どもの貧困率は約9人に1人とされており、家庭の経済状況によって学習や体験の機会に差が生じています。

    参照元:厚生労働省


    このほかにも、いじめや児童虐待、ヤングケアラーなど、子どもをめぐる社会問題は多岐にわたります。
    こうした課題に一体的に対応するため、こども家庭庁による早急な取り組みが求められているのです。

    参照元:令和6年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果概要|文部科学省
    こどもとIT
    各種世帯の所得等の状況|厚生労働省

    以下の記事では、子どもの貧困について紹介しています。こちらもあわせてチェックしてみてください。
    【SDGs1.貧困をなくそう】の現状と私たちができることを解説

    こども家庭庁は何をしている?取り組みをやさしく解説

    ここからは、こども家庭庁の具体的な取り組みを見ていきましょう。
    どのような支援が行われているのかを知ることで、私たちの生活とどのように関わっているのかが分かります。

    子どもに関する政策をまとめて進める

    こども家庭庁は、子どもに関するさまざまな政策をまとめて進める「司令塔」としての役割を担っています。

    これまで複数の省庁に分かれていた子どもに関する業務を一元化し、少子化対策や児童虐待、子どもの貧困、子育て世帯の負担増加といった社会問題に総合的に対応。

    子どもの権利を大切にしながら、すべての子どもが健やかで安全・安心に成長できる環境づくりを目指しています。

    妊娠期から子育てまで切れ目なく支える

    「こども・子育て支援加速化プラン」により、妊娠期から出産、子育て期までを切れ目なく支える取り組みが進められています。

    妊娠中の相談支援や経済的なサポート、出産後の育児不安への対応、保育サービスの充実など、家庭の状況に応じた支援を行っている点が特徴。
    保護者の方が、安心して子育てに向き合える環境づくりを目標としています。

    子どもの権利を守るための制度をつくる

    子どもの権利を守るための制度づくりにも力を入れています。

    子どもは大人と同じように、一人の人間として大切にされる権利を持っており、「教育を受けること」「プライバシーが守られること」「心身ともに健やかに成長できる環境で暮らすこと」などが含まれます。
    こうした権利の考え方を社会全体に広めるため、普及啓発キャンペーンやSNS・Webなどの情報発信など、さまざまな施策が進められています。

    こども家庭庁の取り組み①|子どものことを考えた政策づくり

    ここからは、こども家庭庁の取り組みについてさらに深掘りしていきます。
    まずは、子どもに関する政策について解説します。

    子どもを中心に考える「こども基本法」

    「こども基本法」は、すべての子どもが将来にわたって幸せに生きられる社会を目指し、子どもに関する政策を包括的かつ強力に推進するための法律です。
    2022年6月に成立し、2023年4月に施行されました。

    「こども基本法」では、子どもを一人の権利の主体として位置づけ、子どもの意見を尊重しながら政策を進めていくことが明記されています。

    子ども政策の方向性を示す「こども大綱」

    「こども大綱」は、こども基本法の理念をもとに、子どもが生きやすい社会を実現するための政策の方向性や重点施策を示した指針です。

    こども大綱では、子ども・若者の権利を守ることを前提に、すべての子どもが健やかに成長できる支援の充実や、子育てをしやすい環境づくりなどを目標に掲げています。

    子どもや若者、子育て当事者の意見を尊重しながら、実効性のある政策を進めていく点が特徴です。

    こども大綱

    子どもの声を大切にする「こども若者★いけんぷらす」

    「こども若者★いけんぷらす」は、子どもや若者が自分の意見を表明し、国の政策に反映させるための取り組みです。

    小学1年生から20代までを対象に、参加者はさまざまなテーマについて意見を発信することができ、集まった声はこども家庭庁や関係省庁の政策づくりや施策の実行に活かされています。
    こうした仕組みを通じて、子どもや若者の意見を尊重する「こどもまんなか社会」の実現を目指しています。

    「ぷらすメンバー」への登録は、こども家庭庁の公式サイトから行えます。必要事項を入力し、年齢が確認できる書類をアップロードしてください。
    こども若者★いけんぷらす

    こども家庭庁の取り組み②|健全に成長できる環境づくり

    子どもが健全に成長できる環境について、どのような取り組みを行っているのかを解説します。

    保育や幼児教育の質を高める取り組み

    幼児期までの子どもの健全な成長を支えるため、保育や幼児教育の質を高める取り組みを進めています。

    具体的には、幼児期の成長に関する司令塔機能を担うとともに、保育士などの人材育成・確保や指導監督を通じて、安全・安心な保育の実現に注力。

    また、地域ごとのニーズに応じた体制整備を行い、どこに住んでいても質の高い保育を受けられる環境づくりにも取り組んでいます。

    子どもの居場所づくりと地域支援

    こども家庭庁では、子どもが安心して過ごせる居場所づくりや、地域全体で子どもを支える体制づくりに取り組んでいます。

    地方自治体や民間団体と連携し、「こどもの居場所づくり支援体制強化事業」を通じて、地域の実情に応じた取り組みをサポート。
    災害時の居場所確保や朝の居場所づくりなど、さまざまなニーズに対応している点も特徴です。

    また、令和7年度からは「こどもの居場所づくりコーディネーター配置等支援事業」を実施。
    自治体・地域住民が主体的に子どもの居場所づくりに取り組めるよう、環境を整備していくための人材配置を進めることを目的としています。

    こどもの居場所づくりコーディネーター配置等支援事業


    子どもの居場所については、以下の記事でも詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。
    子どもの居場所はありますか?「サードプレイス」とは?ファーストプレイス、セカンドプレイスについても解説
    小学生向けの学校以外の居場所とは?学校に行かないことを選んだ子どもは増加傾向にある!

    子どもを守るための事故防止や見守り

    子どもが安全・安心に成長できるよう、事故防止や見守りに関する対策も行っています。

    家庭や教育・保育施設、インターネット空間など、子どもを取り巻くさまざまな場面を対象に安全対策を進め、事故や性被害、有害環境からの保護を強化。
    さらに、自治体や教育・保育機関といった関係機関と連携しながら、子どもを守るための情報発信や支援体制の充実にも努めています。

    こども家庭庁の取り組み③|結婚・妊娠・出産・子育てを支える仕組み

    こども家庭庁では、結婚や妊娠・出産といったライフステージに応じて、包括的な支援を行っています。
    ここでは、結婚から育児までを支える取り組みについて解説します。

    将来や子育てを安心して考えられる環境づくり

    結婚や出産、子育てを将来の希望として描ける社会を目指し、経済的・制度的な支援の充実にも取り組んでいます。

    「子ども・子育て支援制度」を通じて、幼児教育や保育、地域の育児支援の量と質の向上を進め、必要とするすべての家庭が支援を受けられる環境づくりを重視。

    また、妊産婦や子育て家庭が身近な場所で相談できる体制の整備や、親子が気軽に集える地域の拠点づくりも行っています。
    さらに、放課後児童クラブの整備も実施。
    共働き家庭などの子どもが、放課後も安心して過ごせるよう尽力しています。

    子ども・子育て支援制度

    妊娠・出産のときに受けられるサポート

    妊娠・出産期の不安を軽減し、安心して子育てを始められるよう、妊婦や妊産婦を対象とした相談支援や経済的支援を行っています。

    妊娠届出時や妊娠後期には給付を行うとともに、面談を通じて一人ひとりの状況に応じた支援につなぐ「伴走型相談支援」を実施し、安全な出産をサポート。
    妊産婦健診や乳幼児健診、産後ケアなどを通じて、妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援を推進しています。

    また、不妊症・不育症に関する相談支援などにも取り組み、妊娠・出産に関する幅広い悩みにも対応します。

    子育て期の保育・教育・福祉を支える取り組み

    子育て期における保育・教育・福祉の支援を強化するため、国の方針として「こども未来戦略(加速化プラン)」を進めています。

    このプランは、若い世代が希望どおり結婚し、安心して子どもを持ち、子育てできる社会の実現を目指すもので、2023年12月に策定されました。

    約3.6兆円規模の予算をもとに、児童手当の拡充や新たな保育サービスの導入、支援給付など、幅広い子育て施策が進められており、これらを支える仕組みとして「子ども・子育て支援金」が活用されています。

    加速化プランによる子育て支援の拡充と子ども・子育て支援金

    こども家庭庁の取り組み④|さまざまな環境の子どもを支援

    こども家庭庁では、家庭環境や生活状況など、さまざまな事情を抱える子どもへの支援にも取り組んでいます。
    ここでは、困難な状況にある子どもを支える主な政策について解説します。

    児童虐待を防ぐ支援体制

    児童虐待の発生予防から発見・対応までを、社会全体で進める支援体制を強化しています。

    地域の「こども家庭センター」を通じて相談や早期支援につなぐほか、相談窓口や通報ラインの整備、関係機関の連携まで促進。
    また、乳幼児健診の未受診者の把握などの調査を行い、見守りや虐待防止の仕組みも広げています。

    ひとり親家庭や障がいのある子ども支援

    ひとり親家庭や障がいのある子どもとその家族に対し、個々の生活状況に応じた丁寧な支援を行っています。

    経済的支援や相談窓口の案内、就労支援などを通じて、家庭ごとの事情に寄り添ったサポート体制を整備。
    そのほか、障がい児福祉サービスの提供や、医療的ケアを必要とする子どもへの支援調整を行い、安心して生活できる環境づくりを進めています。

    子どもの発達障がいについては、以下の記事で詳しく解説しています。
    子どもの発達障害とは? 3つのタイプ別に特徴をわかりやすく解説!
    子どもの発達障害の特徴・対応・接し方・診断などについてわかりやすく解説!
    ギフテッドと発達障害の違いや似ている点をわかりやすく解説

    貧困・いじめ・不登校・ヤングケアラーへの対応

    貧困やいじめ、不登校、ヤングケアラー(家事や家族の世話などを日常的に行っている子ども・若者)など、困難な環境にある子どもへのサポートにも尽力。

    こうした課題の背景には、社会的な不安や孤立があることから、国や自治体が連携し、相談窓口の整備や適切な支援につなぐ体制を整えています。

    とくに、子どもが家族の世話や家事など過度な負担を担うヤングケアラーについては、理解の促進を図るとともに、子ども一人ひとりの状況に応じた手厚い支援を進めています。

    こども基本法とは?こども家庭庁とあわせて分かりやすく解説

    こども家庭庁とあわせて理解しておきたいのが、「こども基本法」でしょう。
    ここでは、こども基本法の基本的な考え方や内容について、こども家庭庁との関係も踏まえながら、分かりやすく解説します。

    子どもを中心に考えることを定めた法律

    こども基本法とは、国連が定めた「子どもの権利条約」をもとに、子どもの権利を日本の法律として明確に位置づけた法律です。

    すべての子どもや若者が安心して幸せに暮らせる社会の実現を目指し、国や自治体など社会全体で子ども・若者に関する「こども施策」を進めることを目的としています。

    子どもの最善の利益を大切にする考え方

    子どもの最善の利益とは、子ども一人ひとりが安心して健全に成長できるよう、子どもの立場に立って必要な支援を行うという考え方です。

    こども基本法では、この「最善の利益」がすべての子どもにとって大切な考え方としており、安心して過ごせる居場所づくりやいじめ対策など、心と身体の成長を支える取り組みが含まれています。

    あわせて、育児を担う大人への支援も重視。
    働きながら子育てしやすい環境づくりや、気軽に相談できる窓口の整備なども進められています。

    子どもの権利を社会全体で守るしくみ

    近年、不登校や児童虐待の相談件数は増加しており、家庭環境や経済状況の違いによって、教育や支援を受ける機会に差が生まれるなど、子どもや若者を取り巻く環境は厳しさを増しています。

    こうした状況の中で、子どもや若者が安心して学び、遊び、自分の意見を表明しながら成長していくためには、生まれながらに持つ「子どもの権利」を社会全体で守ることが重要です。

    こども基本法は、国連の「子どもの権利条約」の考え方をもとに、差別の禁止や子どもの最善の利益の尊重、意見表明の権利などを大切にしながら、子ども施策を進めることを定めています。

    具体的には、子ども一人ひとりが尊重され、安心して育ち、平等に教育を受けられること、年齢や成長に応じて社会に参加できること、家庭での養育を基本としつつ必要な支援を受けられる環境づくりなどが基本理念とされています。

    こども家庭庁は子どもの権利を守り幸せな生活を支える組織

    こども家庭庁は、少子化や子どもの貧困など、子どもを取り巻くさまざまな社会問題に向き合うために設置された組織です。
    「子どもを中心に考える」という考え方を大切にし、子ども一人ひとりが幸せな生活を送れる社会の実現を目指しています。

    子どもの権利を守る「こども基本法」をもとに、結婚・妊娠・出産・子育て支援から、困難な環境にある子どもへの支援まで、切れ目のない取り組みを進めている点が大きな特徴と言えるでしょう。

    こども家庭庁の取り組みを知ることで、制度や支援が私たちの生活とどのようにつながっているのかを理解できるはず。
    これまでよりも、こども家庭庁の存在を身近に感じられるかもしれません。

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