「SDGs 13.気候変動に具体的な対策を」の国内外の取り組み事例5選!
SDGsの掲げる17の目標のうち13番目は、「気候変動に具体的な対策を」です。
今回は、この「気候変動に具体的な対策を」の実現のために行われている取り組み事例に焦点をあてて紹介します。
取り組み事例紹介の前に、「SDGs 13.気候変動に具体的な対策を」って何だろう?
「SDGs 13.気候変動に具体的な対策を」のキーポイント1『地球温暖化』
世界中で近年増えている自然災害。その原因のひとつに地球温暖化が関係していると言われています。
地球温暖化は、地球の表面を覆う温室効果ガスの濃度が高くなることにより起きています。
現在、地球の平均気温は14℃前後ですが、もし大気中に水蒸気、二酸化炭素、メタンなどの温室効果ガスがなければ、マイナス19℃くらいになります。太陽から地球に降り注ぐ光は、地球の大気を素通りして地面を暖め、その地表から放射される熱を温室効果ガスが吸収し大気を暖めているからです。
近年、産業活動が活発になり、二酸化炭素、メタン、さらにはフロン類などの温室効果ガスが大量に排出されて大気中の濃度が高まり熱の吸収が増えた結果、気温が上昇し始めています。これが地球温暖化です。(出典:全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト)
2019年11月にアメリカのトランプ大統領が、正式に離脱をした「パリ協定」も、地球温暖化への対策です。「パリ協定」は、先進国のみならず発展途上国を含む全ての参加国に温室効果ガスの排出量削減の努力が求められています。
(アメリカ政府は離脱しましたが、アメリカは州に一定の自治権があり、多様な価値観が共存する国でもあるので、州や企業が引き続き協力しています。)
「SDGs 13.気候変動に具体的な対策を」のキーポイント2『エコロジカル・フットプリント』
「エコロジカル・フットプリント」という言葉は聞いたことがありますか?
これは、人類が地球環境に与えている「負荷」の大きさを測る指標です。
「エコロジカル・フットプリント」=人口×1人あたりの消費×生産・廃棄効率
人間1人が持続可能な生活を送るのに必要な生産可能な土地面積として数値で表わされています。
数値が小さいと、地球への負荷が少ない持続可能な暮らしとなるので、環境保全活動の指標にもなっています。
(出典元:EICネット環境用語集、WWFジャパン)
詳しくはこちらの記事をご覧ください!
基礎から海外事例まで紹介!【SDGs目標 13.気候変動に具体的な対策を】はどう実現する?
「SDGs 13.気候変動に具体的な対策を」の日本の取り組み事例
環境省
日本では、平成28年5月13日に「地球温暖化対策計画」が閣議決定されました。
2030年時点での温室効果ガス排出量を2013年度比で26%削減とする中期目標や、長期的目標として、2050年までに80%の温室効果ガス削減を目指しています。
これは、日本が地球温暖化対策を進めていく上での礎となるもので、具体的な内容には、電気自動車などの次世代自動車の普及や、LED等の省エネにつながる機器への転換、クールビズやCOOL CHOICEなどの国民運動の推進などがあります。
なお、2030年26%減の達成に向け、「国全体」「温室効果ガス別・部門別」「個々の対策」の3段階で進捗管理を厳格に行い3年毎に計画の見直しを検討するとしています。
(出典元:環境省「地球温暖化対策計画」の閣議決定について)
旭化成
旭化成は、グループ理念「世界の人々の”いのち”と”くらし”に貢献します」のもと、「アルカリ水電解システム」による「グリーン水素」を開発し、2018年4月よりドイツ連邦共和国のh2herten」(ドイツ連邦共和国NRW州ヘルテン市に設立された水素シティ)で実証実験を行っています。
水素は酸素と化学反応をさせると水になりますが、その時に発生する電気をエネルギーとして使うことができます。ドイツでは再生可能エネルギーである風力発電が盛んですが、インフラの問題で余剰電力を蓄えることができない状況でした。
旭化成の「アルカリ水電解システム」によってできるエネルギーを蓄えることにより、自然に左右される再生可能エネルギーの不安定さをカバーし、必要になったときに化学反応をさせて、電気を作り電力を安定供給できるようになります。
現在、水素は主に化石燃料から取り出す手法が主流ですが、化石燃料から取り出すとCO2が発生します。アルカリ水電解システムでは、水素を製造する過程でのCO2の発生もなく、「グリーン水素」を作ることができます。
(出典:旭化成株式会社 ヨーロッパにおける「グリーン水素」実証プロジェクト本格始動(https://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/news/2018/ze180507.html))
新潟県見附市
新潟県のちょうど重心的位置にある見附市は、市の将来像に「スマートウェルネスみつけ」を掲げ、新潟県内初の「SDGs未来都市」「自治体SDGsモデル事業」に選出されています。
「気候変動に具体的な対策を」につながる取り組みとしては、「歩いて暮らせるまちづくり(ウォーカブルシティ)」の都市政策を行っています。
魅力ある、何度も足を運びたくなる交流の場を徒歩で移動できるエリアに集約し、自家用車に頼らず市内循環のコミュニティバスやデマンドタクシーなどにより、公共交通と徒歩で複数の目的地を行き来できるようにし、これにより自然と人の交流や歩数が増えるようにしています。
目的地の移動ごとに自家用車の駐車場を変えることなく、公共交通で出向いた後は徒歩で複数の目的地に移動できれば、市内での渋滞で排気ガスが増えるのも防ぐことができますね。
他にもこんな企業の取り組みがあります。
清水建設が挑戦するSDGs!富里市の八ツ堀のしみず谷津の休耕田を再生するプロジェクト
また、生きる力を育む自然やオーガニックについての記事はこちらから!
自然が生きる力をはぐくむ!コロナ禍の時代だからこそ自然に触れる機会を!
【オーガニックとは?】基礎知識とカラダや環境へのメリットを詳しく解説
「SDGs 13.気候変動に具体的な対策を」の海外の取り組み事例
フィンランド
フィンランドは2018年のSDGs達成度ランキング3位の国です。
ここの首都ヘルシンキ市では、サステイナブルな選択をするための情報発信サイト、「Think Sustainably」を2019年6月に立ち上げています。
これによると、ヘルシンキ市は2030年までに二酸化炭素排出量を60%削減し、2035年までにカーボンニュートラルにすることを目指しています。ヘルシンキは寒冷地で、暖房による二酸化炭素排出も多い土地柄です。これはかなり思い切った目標であるとともに、市民の協力する意識の高さがうかがわれます。
また、レストラン、カフェ、バーへの環境保全基準は17あり、「Think Sustainably」で紹介されるサービス提供者は、少なくとも10の項目で基準を満たしています。
17の基準には、
・施設が独自の電気契約を結んでいる場合、使用される電力の100%は太陽光、水、バイオ、または風力エネルギーから供給される
・地元産の商品がみつけやすい
・メニューに複数のバランスのとれたビーガン料理がある
・敷地内に水道水がある
・施設で、使い捨ての皿、カップ、調理器具、その他の食器を使用していない
・公共交通期間の利用や、会場へのウォーキングまたはサイクリングでの訪問を勧めている
といったものがあります。
スワンエコラベル(Nordic Swan)
ノルディックスワンエコラベルは、1989年のノルディック閣僚会議にて北欧諸国のデンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデン向けの自主的なエコラベル制度として設立されました。
多国間エコラベル制度は、これが世界初の導入で、現在では25000以上の製品がこのエコラベルで販売されています。
(出典元:Nordic Swan Ecolabel)
この取り組みにより、消費者が環境に優しい商品やサービスを簡単に選べるようになってすでに30年。
北欧諸国は、SDGs達成度ランキングで常に上位を占めていますが、SDGsのスタートよりもずっと前から、持続可能な社会に変えていくことへの意識が高く、先進的取り組みをしてきました。特に、ミレニアル世代(1980~2000年代生まれ)にはサステイナブルなライフスタイルが浸透しています。
おわりに
「SDGs 13.気候変動に具体的な対策を」の取り組み事例、いかがでしたか?
たとえば、
・使い捨てをしない
・エコラベル認証品やリサイクル品など環境負荷の低い製品を選ぶ
・公共交通もしくは徒歩、自転車といった手段での移動を選ぶ
など、地球への負荷を着実に減らしていくために、普段の生活の中でできるレベルのこともたくさんありますね。
未来の生活環境がより良くなるよう、是非お子さんと一緒に取り組んでみてください。
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