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自分次第で大きく成長できる働き方!キャッシュフロークワドラントの自営業者(Self Employee)の特徴を解説

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自分次第で大きく成長できる働き方!キャッシュフロークワドラントの自営業者(Self Employee)の特徴を解説

お花屋さんやパン屋さんなどを将来の夢に持つお子さまをお持ちの保護者の方。その働き方は、自営業という働き方です。ロバート・キヨサキ氏の著書『金持ち父さん貧乏父さん』シリーズに出てくるキャッシュフロークワドラントの自営業者(Self Employee)に分類されます。今回は自営業者(S)の特徴や、向いている人、将来自営業者(S)として働くために今できることを紹介します。子どもの将来の夢を叶えたり、将来やりたいことの選択肢を増やす際の参考にしていただけると幸いです。

もくじ

    子どもに合った働き方を選ぶために子どもの価値観を知ろう

    生活に困らないよう過ごしてほしい、子どもにはなるべくつらい思いをして欲しくないというのが親心。それなのに、収入面で安定しにくい自営業者になりたいと言われると、心配してしまうかもしれません。しかし、労働者(E)の記事でもお伝えしたように、小学生のうちから、どのクワドラントで稼ぐと決めてしまう必要は全くありません。

    働き方を決める前に、子どもにとって何が大事で、なぜそう思うのかという子ども自身の価値観を知っていくことが大切です。お金よりも時間を大切にしたい、今はお金を稼ぎたい、早起きしたくない、ゆったり働きたいなど、どれも間違いではありません。保護者の方は子どもに対して、あなたはそう思うんだねと肯定してあげられるとよいですね。

    キャッシュフロークワドラントの自営業者(Self Employee)の特徴は?

    自営業者(S)の特徴は、自らのスキルや知識を活かして、自分で意思決定権を持ち、顧客に直接サービスを提供することで収入を得ていることです。また、自営業者(S)はキャッシュフロークワドラントの左側に位置しているため、労働者(E)と同様に自分自身の時間を使ってお金を稼いでいます。労働者(E)と異なるのは、自分で決められることが多くなる点です。一方で、自分で決めなくてはならないため、様々なことを自分自身で考えていく必要があります。

    また、各クワドラントが基本的に大切にしている価値観は以下の通りです。
    労働者(Employee)「安全」
    自営業者(Self Employee)「独立」
    ビジネスオーナー(Business Owner)「富の形成」
    投資家(Investor)「経済的自由」

    自営業者(S)は自分自身のスキルや経験をもとにお客さんと交渉をして単価を上げたり、仕事の量を増やしたりすることで収入を増やすことができます。

    自営業者(S)の仕事は、鮮魚店や青果店、カフェなどの経営者や開業医、弁護士、フリーのプログラマーなど、誰かに雇ってもらわなくても仕事を得られて、収入に繋げられるものがあります。

    自分で決めて事業を大きくしてくことも可能な自営業者(S)ですが、自分の時間を使って働いているため、右側にあるビジネスオーナー(B)や投資家(I)と比べると時間の自由が少ないといわれています。

    自営業者(S)は世界と日本にどれぐらいいる?

    自営業者(S)は世界や日本ではどれくらいいるのでしょうか?自営業者(S)の明確な定義がないため、推定の割合になりますが調査してみました。

    (編集部作成)

    国際労働機関の調査によると、2019年時点で世界の自営業者の割合は約48%でした。この割合は、地域や国によって大きく異なります。

    (編集部作成)

    日本はどうでしょうか。総務省統計局の調査によると、2021年時点で日本の全企業数は約336万社であり、そのうち99.7%が中小企業です。また、2021年の全集業者数は5700万人います。このことから、日本のSクワドラントの割合は、全就業者数の10%前後と推測されます。

    世界と比べて日本の自営業者(S)の割合が少ないのは、日本では労働者(E)の労働環境が整えられてきた歴史が関係しています。給与や労働条件、解雇など労働に関することがまとめられた労働基準法が1947年に制定され、その中では、例えば会社側が社員を不当に解雇できないようにしています。

    1922年に制定された健康保険法では、数回の改正を経て、従業員とその家族の保険内容や費用の負担方法についてまとめられ、会社員の社会保険は会社側と会社員で半分ずつ払うことになっています。このような労働環境が整えられ、保障のある労働者(E)と比べると、自営業者は収入が不安定になる可能性があったり、社会保障が充実していなかったりします。

    そのため、多くの人は、収入や保障のある労働者(E)を選ぶようになったのです。また、起業や独立の際の手続きや資金調達が難しいことも理由の一つに挙げられます。起業には難しさはありますが、アイデアがあれば学生のうちから起業することも可能です。

    しかし、起業に興味はあっても、やはり不安があるような場合は、労働者(E)として働きながら、自営業者(S)になるために必要なスキルや知識を身につけ、資金を貯め、独立を目指す方法もあります。労働者(E)として働きながらそのスキルや知識は世の中にどのように活かせるか、どうしたら知ってもらえるか、どんな人に役に立ちそうかなどを考えていくとよいでしょう。初めから自営業者(S)で稼ぐことよりも、スキルの活かし方を学びながら拡大させていく方法もありますよ。労働者(E)についての記事はこちらです。
    働いて自分の強みを見つけよう!子どもに伝えたいキャッシュフロークワドラントの労働者(E)の特徴を解説

    自営業者(S)クワドラントのメリット

    • 収入に上限がない
    • 定年がない
    • 働く時間や場所などを自分で決められる


    自営業者(S)は、収入に上限がありません。例えば、労働者(E)が、前の月と比べて2倍の仕事をこなしたとします。しかし、お給料が2倍になる職種は限られています。一方で自営業者(S)であれば、収入が2倍になる可能性があります。また、必要なスキルや知識を得ると、自分の判断ですぐに商品や仕事に取り入れられることもメリットです。お客さんにそれを評価してもらえれば、収入が増やせたり、次の仕事に繋がります。

    また、自営業者(S)には定年という考えがありません。自分が働き続けたいと思った時には働き続けることができます。会社員でいると、定年が来るため、働きたいと思っていても、働けなかったり、給料が減ってしまったりする可能性があります。自営業者(S)は、定年までと同量の仕事量をこなすことができれば、急に収入が減ることがありません。仕事の量を調整しながら働きやすいのも自営業者(S)の特徴です。

    働く時間や場所を自分で決められるのは、自営業者(S)のメリットです。労働者(E)は働く場所や時間は会社によって決められます。自営業者(S)は、朝早くから働いて、夕方からゆっくりしたり、一日中働いて次の日はお休みしたりすることも可能です。他にも、工夫次第で、1年の半年は働いて、残りの半年は自由に時間を使うというような働き方も叶えられます。

    自営業者(S)のデメリット

    • 収入が不安定になる可能性がある
    • 長時間労働になってしまう可能性がある
    • 休暇や休業を取りにくい


    自営業者(S)は収入が不安定になりやすいというデメリットがあります。自分で仕事を獲得し、完了した分だけ報酬を得るため、そもそも仕事を獲得できなかったり、体調不良などで計画通りに完了できなかったりすると収入が減ってしまいます。努力次第で大きく稼げることはメリットである一方デメリットでもあります。

    長時間労働になってしまう可能性があることもデメリットの一つといえます。終わりの時間を区切るシステムがないため、仕事に集中し過ぎてしまいやすいのです。また、自分が休むと仕事がまわらなくなってしまうため、休暇や休業を取りにくいこともデメリットでしょう。無理なく仕事ができていればよいのですが、無理をし過ぎて体を壊してしまわないよう、意識して休息を取る必要があります。無理をしないで仕事ができるように時間管理を行ったり、計画を立てたり、自分を律する力がより必要なクワドラントといえます。

    自営業者(S)で稼ぐことが向いている人

    このようなメリット・デメリットを踏まえて自営業者(S)で稼ぐことが向いている人の特徴は、以下の通りです。

    • 自らのスキルや知識を活かして独立したい人
    • 収入や自分自身の成長に上限を設けたくない人
    • 自ら時間管理を行い、責任を持って仕事を進められる人


    自営業者(S)の働き方は、現場ですぐに活かせる様々な知識やスキルを身につけることができます。お客さんの声を自分自身に取り入れるかどうかも自分で意思決定できるため、成長を実感しながら収入を伸ばせる可能性もあります。組織に属さずに自分自身の力を試してみたい人や、社会貢献を実感したい人に向いている稼ぎ方といえるでしょう。

    自営業者(S)やその先のクワドラントに進むにはどのようなことを準備する必要がある?

    自営業者(S)として働き、その先にも進んでいきたいと思った時には、以下のような力が必要です。

    • 相手が喜ぶことが何かを見つける観察力
    • 仕事の元となるスキルや知識
    • 失敗を恐れない心
    • 自分自身を認めてあげる気持ち
    • 常に学び続け挑戦する姿勢
    • 自己管理能力
    • 時間管理能力
    • お金に関する知識(税金の知識も)
    • 挑戦し続けられるお金

    スキルや知識が必要なのはもちろん、相手が喜ぶことは何かを見つける力が必要です。この力があると、そもそもどんなスキルや知識が必要なのか、もっと相手に喜んでもらえるにはどうしたらよいのかがわかります。求められているものを提供することができれば、相手に喜んでもらえ、報酬にもつながりますし、自分自身の経験にもなり次の仕事にもつながっていきます。

    他には、自分自身を認めてあげる気持ちや、失敗を恐れない心常に学び続ける姿勢もこれから少しずつ準備していけるとよいですね。失敗は、大人になっても怖いものです。自営業者(S)は自分自身を商品としているため、もし失敗したり、相手の希望に添えなかったりすると、自分自身の力が足りないように思いやすいです。しかし、それを失敗と捉えるのではなく、まずは挑戦したことを褒めて、自分自身を認めてあげられるとよいです。そして、成長するチャンスだと捉え、諦めずに学びながら再び挑戦していく姿勢を取れるようにしていきましょう。

    自立や自律が求められる自営業者(S)という働き方を選択するには、このような非認知能力がより大切です。この能力はテストや偏差値などでは評価できない能力のことです。こちらの記事では、非認知能力について解説し、その伸ばし方について紹介しています。
    子どもの非認知能力を伸ばしたい!育み方やおすすめの習い事は?

    自営業者(S)として長く働くためには、挑戦し続けられるだけのお金も必要です。また、自営業者(S)は報酬を獲得するために、どのくらいお金を使ったか、どのくらい仕事をしたらいくら稼ぐことができるのかなど、お金の管理も自分自身でする必要があります。小学生のうちから少しずつお金の管理について学ぶのもよいでしょう。こちらの記事ではお小遣いを通して学べることについて解説しています。
    【いま注目!】子どものお小遣いを管理する時に知っておく3つのこと!

    将来に自営業者(S)として働くために今できること

    子どもがお花屋さんのような自営業者(S)として働いてみたいと思った時に、保護者や子どもが今からできることを紹介します。

    • なぜ自営業者(S)として働きたいと思ったのかを聴く
    • どのような仕事をしてみたいのかを聴く
    • 自営業者(S)で働いている人を探す
    • 企業や都道府県が実施するビジネスプログラムに参加する
    • お金について教育をする


    まずは、保護者が子どもの話を聴いてあげましょう。どのようなことに興味があり、どのような仕事をしてみたいのか、なぜその仕事をしたいと思ったのかを聴いてみるのです。話を聞くと、その子が大切にしたい価値観を知ることができます。もし、時間が欲しい、お金が欲しいという理由であれば、それを使って何がしたいのかなど深掘りして聞いてみるとよいですね。

    Sクワドラントで働いている人や、成功している人を探してみるのもよいでしょう。目標があると、その目標と自分の差がわかるため、何を身につける必要があるかを知ることができます。会える人であれば、会いに行って話を聞いてみるのも一つの方法です。近くにいなければ、歴史上の人物から学ぶために読書をしてみるとよいかもしれません。例えば、近代日本経済の父と呼ばれる渋沢栄一の著書である『論語と算盤』などがあります。将来の自分に必要な考え方は何か、その人は仕事をする上で何を大切にしていたのかなどを考えながら読むことで、より実りのある読書になるのではないでしょうか。

    また、企業や都道府県はビジネスを体験できるプログラムを実施しています。例えば東京都では、産業労働局が実施する、小中学生起業家教育プログラムを実施しています。夏休みの期間中などに1日で終わるものや数日かけてじっくり体験するものなどがあるようです。起業という視点から仕事を見ることで、自営業者(S)として独立できそうな職業や仕事内容を知ったり、視点が身につくかもしれません。

    お金の教育は小学生のうちからできることがあります。お金はありがとうの対価であることなど基本的なところから伝えてみましょう。みらいいでは、他にもお金の教育で子どもに伝えたいことをまとめています。参考にしてみてください。
    子どもへのお金の教育どうする?伝えるべき4つのポイントと具体例を紹介!

    自営業者(S)は自分次第で大きく成長させてくれる働き方

    自営業者(S)として働くために必要な準備は様々あります。こんなにたくさん必要なのかと思うと不安になるかもしれません。しかし、これら全てが揃わなければ自営業者(S)として働けないというわけではなく、働きながら少しずつ身につくものもあります。今は身近なところにいる自営業者(S)の人やお店を見てみたり、自分ならどんなサービスや商品があったら嬉しいかなどを考えたり、自営業者(S)につながる視点で生活してみることを意識してみましょう。

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