小学生の算数の学習の狙いとは?つまづくポイントと対策を学年別にご紹介!
苦手と得意が分かれる教科の一つが算数です。
低学年の頃は問題なくても、新しい単元で苦手になることも。算数は中学校以降の数学の基礎となるので、しっかり身に付けさせておきたいですね。
そこで、小学校の学年別つまづきポイントとその対策をご紹介します。
小学生で苦手な子と得意な子に分かれる教科の一つに算数があります。低学年の頃は問題なく解けていても、新しい単元やルールを知るタイミングで苦手になることも。小学校で学ぶ算数の力は中学校以降の数学の基礎となるので、しっかり身に付けさせておきたいですね。
そこで、小学校の学年別つまづきポイントとその対策をご紹介します。ぜひ参考にしていただき、お子さまが困った時はサポートしてみてくださいね。
学年別算数の学習
算数の学習は論理的思考を養い、量の感覚(数を量として認識できる感覚)を身に付けるためにあります。すぐに答えにたどり着けばよい、というわけではなく、試行錯誤しながら論理的に考え、答えに向かっていく思考が、今後の人生を生きる上で大切です。
また、量の感覚を身に付けることは、日常生活でも役立ちます。この仕事を終わらせるには〇時間、移動に〇時間だから、家を出るのは〇時、などのスケジュールを立てたり、買った野菜や果物が冷蔵庫に入るのか、鮮度はどれぐらい持ち、いつぐらいに食べなければならないのかなどを考える際にも役立ちます。
量の感覚はたくさんの数字に出会い、問題を解くことで培われます。加減の計算に始まり、図形の面積や体積、分数、小数、割合、比例、反比例などの考え方や式の立て方。多くの数字や考え方に触れることが大切なのです。
では、各学年で学ぶ算数について見ていきましょう。
1年生で学ぶ算数
1年生では、数の構成、数の表し方、足し算、引き算などを学びます。数の構成、とは、個数を比べること、数の大小、絵や図を用いた数の表現などのことです。文章問題を読んで、足し算引き算の式に表すこと、時計の読み方、1〜100までの数も学びます。足し算、引き算は、最初は小さな数を扱いますが、繰り上がり、繰り下がりも学びます。
2年生で学ぶ算数
2年生では九九、簡単な分数、図形、大きな数の足し算引き算の筆算などを学びます。1年生で習った足し算、引き算が大きな数になり、筆算も出てきます。10,000まで数えられるようになり、長さや体積の単位、簡単な表やグラフについても学習します。九九をしっかり暗記することが、3年生からの割り算の基礎にもなります。
3年生で学ぶ算数
3年生では割り算、小数点、分数、大きな数の足し算・引き算、掛け算の筆算、時刻・時間、長さ・速さなどを学びます。九九を基本とした割り算、筆算は3桁、4桁のものに発展します。小数点、分数では足し算、引き算も学習します。
4年生で学ぶ算数
4年生では、グラフ、表の読み取り、角、並行、直角、図形、四則計算の順序などを学びます。折れ線グラフや表などから、傾向を読み取る統計的学習に進んでいきます。四則計算の順序は混乱しやすいので、しっかり学習することが必要です。
5年生で学ぶ算数
5年生では、数の仕組み、比例、平均や百分率、様々な図形の面積・体積などを学びます。数の仕組みは、整数や小数の十進法について、偶数・奇数・倍数・約数などを理解します。ともに変わる2つの数量の変化を表を使って理解する比例も出てきます。平均や百分率、グラフなどを使って全体と部分の把握も行います。
図形ではすべての種類の図形について学び、面積や体積の計算、円周率などについても学習します。
6年生で学ぶ算数
6年生では、分数の掛け算・割り算、図形の対称、角柱・円柱の体積、グラフや資料の読み取りなどを学びます。1年生から5年生までに習ったものを土台にさらに発展した内容になります。割合や量の単位のほか、グラフを用いて資料を調べることも。図形では対称や拡大・縮小を学習します。
速さ・道のり・時間を計算で求めたり、比例・反比例を式や表・グラフに表すことも学びます。比例・反比例は2つの数の関係をグラフや表だけではなく、式でも表します。5年生で習う比例と違って、xやyを使った式が出てきます。xやyを使った式は、親世代は中学校で学んだ内容ですが、現在は小学校6年生で習います。
学年別算数のつまづきポイントと対策
小学校の算数の学習は、前年度までに習ったものを理解している前提で積み上げていきます。そのため、一度つまづくとその前の学習まで戻って復習するのが基本です。
ここでは、学年ごとのつまづきポイントとその対策をご紹介します。
1年生のつまづきポイント「繰り上がり・繰り下がり」
1年生でのつまづきポイントは、初めて出てくる繰り上がり、繰り下がりの計算です。1桁の計算ですが、ここで理解しておかないと、2年生からの桁が増えた計算に対応できなくなってしまいます。
1年生の算数のつまづきポイントの対策
繰り上がり・繰り下がりにつまづいたときは、サクランボ計算を復習しましょう。サクランボ計算とは、11 + 9の11を10と1に分け、9 + 1=10のように10の塊を作ることを言います。式に書き込んでいくとき、11の下にサクランボの軸のような線を描き、1と10を記入するため、サクランボ計算と言われています。
答えが10になる計算を反射的に答えられるようになるのが理想です。子どもとゲーム感覚で練習すると良いですね。
2年生のつまづきポイント「九九」
2年生のつまづくポイントは、何と言っても九九です。割り算の基礎ともなる九九は、完璧に暗記できるまで繰り返し学習しましょう。
2年生の算数のつまづきポイントの対策
九九を順番に言えるようになったら、逆からも言えるように練習しましょう。また、ランダムに親が聞いて答えさせるのもお勧めです。書いて練習する時は、2×3=?ではなく、2×?=6のように、「?」を答えさせるような問題を時間を計ってさせると割り算に発展させやすいです。
3年生のつまづきポイント「割り算・小数点と分数・長さやかさ」
3年生のつまづきポイントは割り算、小数点と分数、長さ、かさ、重さです。割り算は九九を完璧に暗記していないと分からなくなってしまいます。小数点や分数、長さ、かさ、重さは子どもにとってはあまりなじみがないので、感覚が掴みにくいこともあるでしょう。
3年生の算数のつまづくポイントの対策
割り算のつまづきには九九の復習です。単純に九九を暗唱させるのではなく、「掛けると15になるものは?」「答えが42になる掛け算は?」など、ちょっとした時間に聞いてみるのも良いですね。おはじきなどを使って、割り算を視覚化すると理解できるお子さまもいます。
長さやかさ、重さは実際に物の大きさを測ってみたり、100グラムを持たせたりと重さを実感として掴ませましょう。単位はトイレなどの目につく場所に一覧表などを貼っておくのがお勧めです。
4年生のつまづきポイント「四則計算・文章問題」
4年生のつまづきポイントは四則計算の順序、文章問題です。四則計算のルールを理解していないと問題は解けません。また、長い文章問題を見るだけで「分からない!」と拒否反応を起こしてしまう場合もあります。
4年生の算数のつまづきポイントの対策
四則計算でつまづいたら、四則計算の順序をしっかり復習します。( )が付くとどこから計算するのかも要チェックです。
文章問題が分からない場合は、式が分からないというよりは、文章の読解力が問題となることがあります。問題文を声に出して読んでみる、問題文の内容を絵や図などに表してみる、大事なところに線を引きながら読むという方法が有効です。
最初は親がやって見せ、その後一緒にやってみて、子どもにやらせてみましょう。「長い文章=難しい」という先入観を持っている場合もあるので、そんなことはないと分かるように親がサポートしましょう。
5年生のつまづきポイント「比例と割合・小数点」
5年生のつまづきポイントは簡単な比例と割合、小数点です。中でも割合は小学生がつまづく三大ポイント「割合・比・速さ」の内の一つです。これらは6年生、中学生の数学の基礎ともなるので、しっかり理解しておきたいところです。
5年生の算数のつまづきポイントの対策
比例は実際にどんなところで使えるのかを子どもと一緒に考えてみましょう。例えば、10円で折り紙10枚、20円で折り紙20枚、としたら、100円では何枚買えるのか。イメージがつかめれば理解しやすくなるでしょう。
割合については、日常の感覚が大切です。「定価の〇パーセントはこれぐらい」という感覚を身に付けるために、実際にスーパーなどに行って計算してみると良いですね。
小数では、小数点を打つ場所が分からなくなってしまうことがあります。計算するときにどこに打つのか、筆算のときはどこを揃えれば良いのか、など、決まったルールをしっかり確認しましょう。
6年生のつまづきポイント「速さ・比例・体積」
6年生のつまづきポイントは速さ・比例・体積です。比例と速さは中学生での学習の土台になるので、確実に理解しておくことが必要です。
速さは速さ・距離・時間の3つの視点から考える必要があるため、つまづく子どもが多いようです。「y=〇xは比例」と考えてしまう子どもがいます。間違いではありませんが、それだけでは比例を理解したとは言えません。
体積は、平面にかかれた図形から3次元のものをイメージすることが難しく、苦手に感じてしまいます。
6年生の算数のつまづきポイントの対策
比例は、式だけではなく、比例の意味を考えながら問題を解くようにしましょう。速さの問題は繰り返し解くことで理解が進みます。問題に慣れてくると分かってくるでしょう。
体積は速さとともに、実生活で触れてみることがお勧めです。多くのパターンの問題に触れ、計算のポイントを確認しながら丁寧に取り組むことが大切です。
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普段の宿題の丸付けを活用しよう
普段の学校の宿題の答え合わせの際に、子どもの理解度をチェックするようにしましょう。つまづきに早く気づくと挽回も早くできます。そして、子どもがつまづいていることに気づいたら、速やかに前の内容に戻って復習します。
算数は、前年度の内容を理解していることが前提にされ、知識を積み上げていくカリキュラムだからです。算数をただ問題を解くだけの教科ととらえずに、今後の人生に役立つ論理的思考と、量の感覚を養うことを意識して子どもと一緒に取り組んでみてはいかがでしょうか?
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