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小学生の約38%は裸眼視力が1.0未満!家庭でできる予防法4選

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小学生の約38%は裸眼視力が1.0未満!家庭でできる予防法4選

プログラミング学習が学校で取り入れられ、スマートフォンやタブレットは遊ぶためだけのものではなくなってきています。他にも長時間画面を見続けてしまったり、外で遊ぶ時間が減ってしまったりしていることが原因で子どもの視力低下が進行しているようです。視力の低下は、日常生活を送る上で不便さを感じるだけでなく、将来的に失明につながるリスクのある病気になりやすいともいわれています。こちらの記事では、調査の概要や、家庭でできる視力低下予防について紹介します。

もくじ

    子どもの視力は低下し続けている

    2023年11月26日に文部科学省が2022年度の学校保健統計調査を発表しました。その調査によると、裸眼視力が1.0未満だった学生の割合は小学生で37.88%でした。その内訳は、裸眼視力が1.0未満〜0.7以上は11.98%、0.7未満0.3以上は13.90%、0.3%未満は11.99%となっています。約10人に1人は裸眼視力が0.3未満ということになります。

    中学生になると裸眼視力が1.0未満の学生の割合は、61.23%、高校生になると71.56%と増えていき、どの年代でも1993年度の調査開始から過去最多となりました。

    裸眼視力が0.6以下になると教室の後ろの方の席からは黒板の文字が見えづらくなりはじめると言われています。0.3以下になると前の席でも黒板の文字が見えづらくなります。

    視力低下の原因は?

    調査の中では、視力が低下し続けている原因の一つに、スマートフォンやタブレットの利用時間の増加が挙げられています。総務省の統計によると、6〜9歳のインターネットの平均利用時間は、2019年には94.2分でしたが、2022年には133.7分と39.5分の増加となっています。スマートフォンやタブレットの普及が進んだり、コロナ禍でおうち時間が増えたりしたことが原因ではないかと考えられているのです。
    また、睡眠時間の短縮や、外遊びをする時間の減少も視力低下の原因とされています。

    視力低下がリスクとなる目の病気も

    視力低下が原因で、網膜はく離や緑内障、黄斑部の病気など、失明の可能性がある病気のリスクが高まるといわれています。

    出典:日本眼科医会


    そもそも、近視とは眼球が楕円のような形になり、ピントが合わなくなっている状態のことです。人がものを見るときには、眼球のなかの角膜を通り、水晶体でピントを合わせて、網膜で映像を認識しています。眼球は通常丸い形をしているため、丸いままの位置に合わせて水晶体はピントを合わせます。

    出典:日本眼科医会


    しかし、眼球が伸びることで、網膜が後ろにさがり、ピントの合う位置がずれてしまいます。その結果、ものがぼやけて見えるようになるのです。
    眼球が伸びると、網膜や視神経に負担がかかり、前述の失明のリスクのある病気にかかってしまいやすくなるといわれています。

    小学生がメガネをかける目安は0.5以下

    メガネは、目の疲れやすさを軽減したり、生活上の不便さをなくしたりするために使用します。メガネをかける目安は小学生では、視力が0.5以下になったらといわれています。

    普段の生活で、

    • 文字が見えづらそう
    • テレビやタブレットを近くで見るようになった
    • 勉強がはかどらない

    などの様子が見られないでしょうか。

    また、お子さまに直接確認してみることも大切です。黒板の文字は見えづらくなっていないか、運動をするときに動きにくくないかなど聞いてみてください。近視以外でも視力低下の原因となる病気もあるので、眼科の受診やメガネの利用を検討してみてくださいね。

    子どもの視力を低下させないために家庭でできること

    視力低下を引き起こしやすい環境の中であっても、家庭でできることはあります。
    この記事では4つ紹介していきます。

    • スマートフォンやタブレットを使用する時間を決める
    • 読書や学習時の姿勢を見直す
    • 睡眠時間を9〜11時間とる
    • 外遊びを1日2時間以上取り入れる

    それぞれ詳しくみていきましょう。

    スマートフォンやタブレットを使用する時間を決める

    スマートフォンやタブレットの使用時間を決めましょう。学習には2時間、学習以外のものなら1日1時間など使用する目的やお子さまの状況に合わせて決めることをおすすめします。近年、授業でもタブレットが導入されるようになりました。学習に必要な時間は課題の量や授業内容によって異なりますので、保護者が一方的に決めるのではなく、お子さまの意見も取り入れたルールを作ってみてください。

    また、スマートフォンやタブレット、本は目から30cm以上離して使用し、30分に1回の頻度で20秒間は遠くを見るようにしましょう。タブレット立てを利用するなどして目に近づけすぎないことや、一定時間ごとに遠くを見ることで目の疲れを軽減させることができますよ。

    スマートフォンやタブレットが身近になり、学習だけでなくゲームもいつでも気軽にできる環境になりました。ゲームにはたくさんの魅力があるので、大人も子どもも夢中になってしまいますよね。しかし、何事もやりすぎは禁物です。こちらの記事ではゲームとの付き合い方について解説しています。スマートフォンやタブレットだけでなく、ゲームとの付き合い方についても一度考えてみてはいかがでしょうか。
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    ものを見る時の姿勢を見直す

    スマートフォン・タブレットを使用する時や、読書・学習をする時の姿勢は意識できていますか?正しい姿勢は、身体だけでなく目の疲れにくさにも影響しています。

    正しい姿勢に整える順番ポは、

    1. 膝が90度になるよう椅子に深く腰掛ける
    2. 足を軽く開き、足の裏をしっかりと床につける
    3. おしりの二つの骨(坐骨)に体重を乗せる
    4. 背もたれに背中はつけず顎を引く
    5. 机と体の距離は拳ひとつ分開ける
    6. 机の高さは肘の角度が90度になることが目安

    です。

    正しい姿勢でいることは、目を疲れさせない以外にも、呼吸がしやすくなり酸素が取り入れやすく、集中力や判断力を向上させたり、体が疲れにくくなったりするなどといったメリットもありますよ。

    睡眠時間をとる

    睡眠は身体だけでなく、目の周りの筋肉や視神経を休めることができます。そのため、睡眠不足は視力低下につながるといわれています。2016年に行われた調査では、近視の子どもはそうでない子どもと比べて睡眠時間が短かったり、就寝時間が遅かったりしたという結果が出ています。

    子どもにとって睡眠は体や脳の発達にも重要です。小学生のうちは9〜11時間の睡眠時間が取れるといいとされています。睡眠の質を上げるためには、寝る前の2〜3時間前にお風呂を済ませたり、1時間前からスマートフォンやタブレットを使用しないことなどを意識してみてください。

    外遊びを1日2時間以上取り入れる

    外遊びをしていると、ドーパミンという神経伝達物質が出てきます。なぜ外遊びが視力低下に有効なのかというと、ドーパミンは眼球が、だ円形になるのを防いでくれるといわれているからです。

    学校での体育の時間などと合わせて1日2時間以上遊べるといいとされています。毎日2時間取ることが難しい場合は、お休みの日に一緒に買い物に行ったり、近くのお店まで散歩をしてみたりするなど、外に行く時間を意識的に取り入れてみてください。

    スマートフォンやタブレットの使用時間が守れない時は?

    使用時間を決めてもなかなか守れない場合もあるかもしれません。その場合は、ルールを見直してみましょう。どうして時間が守れなかったのかお子さまと話し合ってみてください。

    例えば、残り時間を意識できていたのかどうかで対策は異なります。
    残り時間を意識できていたけれど、つい過ぎてしまった場合は、次回注意するよう声をかけるだけでいいかもしれません。残り時間も意識できなかったのであれば、時間を意識できるように近くに時計を置いたり、アラームをセットしたりするなど別の対策をとることができます。

    また、ルールは一度決めたらそのままにするのではなく、守れているのであれば1日の使用時間を増やすなど緩めることも検討してみるのもいいですね。使用時間を増やした結果、子どもが自分自身で今日は30分だけと決めて動けるようになるかもしれません。増やしたら守れなくなるからと決めつけずに、お子さまと相談しながらスマートフォン・タブレットと付き合っていきましょう。

    約束を守ることは子どもの自己肯定感アップにもつながります。自己肯定感が高い子は自分に自信を持つことができ、失敗してもめげなかったり、ポジティブに物事を考えられるようになります。こちらの記事では、自己肯定感を高める方法を紹介しているので併せて参考にしてみてください。
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    小学生のうちから視力を守る習慣を身につけよう

    視力は環境の影響を強く受けるものです。普段何気なく行っている習慣は環境の一部といえるでしょう。画面を近づけてスマートフォンを見たり、近くに寄せて本を読んだりしていませんか?ついもう一本などと動画を見続けてはいないでしょうか?この機会に親子で習慣を振り返ってみると視力低下について改善できる点がある一方で、目にとっていいことをしていたと自信がつく点が見つかるかもしれませんよ。

    タブレットを使いすぎると視力低下などのリスクとなりますが、プログラミングを学ぶことで、得られる力もあります。こちらの記事ではプログラミング学習とはどのようなものなのか、その目的を解説しています。この機会にプログラミング学習についても理解を深めてみてはいかがでしょうか。
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