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SDGs4「質の高い教育をみんなに」世界の事例に学ぶ小学生ができること!

社会・SDGs
公開日:2023年6月22日 更新日:2023年6月22日
SDGs4「質の高い教育をみんなに」世界の事例に学ぶ小学生ができること!

SDGs4といえば、SDGsの目標の中でも教育に関するもので、特に、他のゴールを達成するための基盤にもなる重要な目標です。
先の見えない時代だからこそ、子どもには自分事として捉えて考え、行動できるようになってもらいたいと思いますよね。
この記事では、SDGs4に関する世界での取り組みだけでなく、読み終わった後、お子さまと一緒にいますぐ取り組めることも紹介していきます。

もくじ

    SDGs4と「質の高い教育をみんなに」とは?

    SDGsとは、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標のことを指します。
    もう少しわかりやすい言葉にすると、持続可能な世界を実現するまでの地図のようなものです。
    その中でもSDGs4は「質の高い教育をみんなに」という目標で、対象は、地球上で生きる全ての人となっています。。
    学校に通っている子どもたちだけでなく、実は赤ちゃんから大人まで対象になっているのです。
    そのため、SDGs4に取り組める場所も、学校だけではありません。

    教育がなぜ持続可能な世界の実現につながるのか?

    持続可能というとエネルギーや環境問題が思い浮かびますが、なぜ教育が目標の一つに掲げられているのでしょうか?
    今回はその主な理由を2つご紹介します。
    その2つとは、

    • 私たち以降の世代でも取り組みを続けていく必要があるから
    • 貧困や飢餓に対して教育が有効だから

    です。
    それぞれ詳しく説明していきますね。。

    私たち以降の世代でも取り組みを続けていく必要があるから

    まず1つ目の理由は、持続可能な世界を実現するためには、私たちより後の世代でも取り組みを続けていく必要があるからです。
    持続可能な世界の実現は、私たちの世代だけで達成させることはできません。
    私たち以降の世代でも持続して初めて達成できるのです。
    知識や取り組みを継承するバトンの役割が教育ということになります。

    貧困や飢餓に対して教育が有効だから

    2つ目の理由は、貧困や飢餓に対して教育が有効だからです。
    持続可能な世界を実現するためには、人類の協力が必要不可欠とされています。
    しかし、貧困によって飢餓に苦しみ、一日一日を生き抜くことが精いっぱいな人は持続可能な世界のために協力することは難しいでしょう。
    その現状を断ち切るためにも教育が必要なのです。

    みらいいには、SDGs4についてより詳しく解説している記事もあります。参考にしてみてくださいね。
    SDGs4の取り組みとは?私たちにできることはある?現状や事例を解説!

    SDGs4に関する世界の課題

    さて、教育が持続可能な世界の実現に欠かせない理由を把握したところで、SDGs4に関する世界の課題にはどのようなものがあるのでしょうか?
    開発途上国と先進国の課題をそれぞれ見ていきましょう。

    開発途上国での課題

    開発途上国での課題の一つには、2021年の時点で約6700万人が初等教育すら受けられないことが挙げられます。
    世界の6〜11歳の総人口は約7億4000万人ですので、9%の子どもたちが小学校に通えていません。

    出典:New estimation confirms out-of-school population is growing in sub-Saharan Africa

    なぜこんなにも多くの人が、教育を受けることができないのでしょうか。

    その理由には、

    • 親の収入が少ないために、家計や家事の手伝いをしている
    • 家の近くに学校がなく、教えられる教師もいない
    • 紛争に巻き込まれている
    • 男性優位の考えが残っている地域では、女子への教育が軽視されている
    • 栄養失調や医療体制が整っていないことによる病気をわずらっている


    などといったものが挙げられます。
    私たちの生活する環境では問題にならないようなことが、いまだに課題の原因となっているのです。

    先進国での課題

    一方で、先進国にも課題はあります。
    就業前教育環境が整っていないことや、不登校、経済格差による進路選択の制限などです。

    女性の社会進出が叫ばれ、現在は女性も活躍しやすい社会になりました。
    しかし、日本でも待機児童が問題になったように、それまで女性が担っていた仕事を、代わりにサポートする環境は十分に整っているとはいえません。
    初等教育をスムーズに開始するためにも、就業前教育環境を整えていく必要があるのです。

    また、不登校や経済格差による進路選択の制限は、子どもたちにとって教育の機会が失われてしまうことにも繋がります
    開発途上国と比べて教育に関する環境は整っている先進国にも課題は残されているのです。

    課題に対する世界での取り組み

    ここまでで、開発途上国や先進国の課題について学びました。
    次は課題に対する世界での取り組みをみていきましょう。

    ユネスコ 持続可能な開発のための教育(ESD for 2030) 

    まず初めにユネスコが主導機関になって進めているESDを紹介していきます。
    Education for Sustainable Developmentを略したもので「持続可能な開発のための教育」と訳されます。

    この教育の目的は、持続可能な社会の創り手を育むことです。
    持続可能な社会の創り手とは、現在取り組むべき問題を知り、その問題を人ごとではなく自分ごとに捉え、自分なら何ができるかを考えて、行動していける人を指します。

    ESDが掲げている取り組むべき問題のテーマは環境や国際交流、エネルギーや防災などです。

    また、自らの問題と捉えて行動していくためには、多様性・公平性・相互性・連携性・有限性・責任性といった価値観を養うことが重要だとしています。

    そして、そのような創り手を育むために必要な教育をどのように提供していけばよいのか、様々な規模で提示しているのです。
    国レベル、地域レベルで取り組めるヒントが散りばめられています。

    みらいいにはESDについての記事もありますので、詳しく知りたい方はこちらの記事も目を通してみてくださいね。
    ESDとは?持続可能な開発のための教育とその実践例を簡単に解説

    日本国内での取り組み例として、青森県の八戸工大第二高等学校・附属中学校では、地域理解・社会貢献・国際理解のテーマを重視しているそうです。
    八戸沿岸のマイクロプラスチックの研究に取り組み、そこから海の環境問題について考えます。
    そして、研究成果の発表や意見交換会などを実施しているのです。

    このように、地域の環境問題に取り組むことで、実は身近なところから関われる変化を生み出すことができるという実感を得られます
    また、実践を重視することでESDが掲げている6つの価値観も養っています。

    参考:文部科学省 持続可能な開発のための教育(ESD:Education for Sustainable Development)

    ユニセフ 子どもにやさしい学校

    ユニセフは、世界中の子どもの命と権利を守るために活動している開発機関です。
    その取り組みの中でも特に「子どもにやさしい学校」という活動はSDGs4に大きく関わっています。

    「子どもにやさしい学校」とは、地域のすべての子どもたちが学校に通い卒業できること、教員に質の高い授業を行うスキルがあること、子どもたちが清潔で安心できる環境で学べることが満たされている学校のことです。

    引用元:ユニセフ アフリカに教育支援が必要な理由

    ユニセフは、学校を作ったり、教えたりするだけではなく、その周りの環境もしっかり整えています

    学校に来て、教育を受けるためには、健康でいる必要がありますね。
    その健康のためには、清潔な環境や栄養のある十分な食事も重要です。
    そして、それをただ提供するのではなく、子ども達にもその必要性や重要性を理解してもらうために「保健・栄養の教育」もなされています。

    デンマーク LEGO財団「Learning Through Play」

    レゴブロックで有名なLEGOもSDGs4に関する取り組みを行っています。
    遊びは学びにつながるとして、遊びの機会を提供しているのです。

    遊びを通してどのようなことが学べるかというと、

    • 物事は何度も挑戦できること
    • 誰かと協力するとより大きなことができるようになること
    • 粘り強く取り組むことでわかることがあること
    • 他の人との関わりで生まれる気づきがあること

    などが挙げられます。

    南アフリカでは、セサミストリート(エルモなど様々なキャラクターが登場する世界的に有名な子ども向けの教育番組)と連携して番組を作ったり、親も参加できるワークショップを開催したりといったことに取り組んでいるようです。

    番組からも子どもたちは様々なことを学んでいます。
    キャラクターたちが難しい課題に挑戦し、スムーズには解決できないことがあることや、それでもみんなで協力すること、友人たちの違いを理解して受け入れていくことなど、学習だけでは得られないことも学ぶきっかけになってるようです。
    Learning through play on Takalani Sesame

    インド「観光を利用してスラムの現状を知ってもらう」

    Reality Tours & Traveは、観光を通してスラム街の現状を知ってもらうことを目的として、ツアーを提供しています。
    百聞は一見にしかずということわざがあるように、一度自分の目で見たり、体験したりすることは大きなインパクトを残してくれますよね。

    ツアーの一つでは、インドの金融都市であり、ボリウッドの発祥地であるムンバイのスラム街を訪れることができます。
    ツアーというと観光名所を巡ることを想像しますが、このツアーではスラム街に住む人々の暮らしを見ていきます。
    どのような住環境なのか、普段どのようなお店で買い物をして、どのような仕事をしているのかなど、ツアーガイドさんが一緒に回ってくれるそうです。

    教育というと、やはり子どものためという意識があるかもしれませんが、私たち大人も学ぶ機会は持ちたいものです。
    勉強には机に座って取り組むイメージがあるかもしれませんが、このようなツアーを体験することで、私たち大人も、座って話を聞くだけでは得られない視点が身につくのではないでしょうか。

    SDGs4に対して親子でできることとは?

    SDGs4に関する世界の取り組みについて紹介しましたが、その一方で私たちが取り組めることは何があるでしょうか?
    今すぐできることも紹介しているので、世界の一員として取り組んでみるのはいかがでしょうか?

    興味を持って知る

    1つ目に取り組めることとしては、今あなたが記事を読んでいるように、興味を持ってSDGsについて知ることです。
    知ることは全ての行動のきっかけになります。
    SDGs4の教育の意味にも通じるものがありますね。

    みらいいでは小学生にも理解しやすいようなSDGsに関する記事もありますので、この機会に一緒に学んでみてはいかがでしょうか。
    【みんな知ってる?】SDGsとは?17の目標の解説をまとめました!
    【小学生のためのSDGs解説】それぞれの目標を親子で学ぼう

    みらいいチャンネルにはSDGsについて3分で解説した動画もあります。
    SDGsの全体像をサクッと知りたい場合におすすめです。



    また、親子で1つの本を使って学習することで、子どもがどのように理解をしたのかがわかったり、親子でクイズを出しあえたり、より楽しく学べるのではないでしょうか?
    イラストが多く、漢字にはふりがなもふってあり、小学校低学年から一緒に読むことができるおすすめの本があります。
    みらいいおすすめ!「こどもSDGs なぜSDGsが必要なのかがわかる本」をご紹介!
    こちらの記事で詳しく紹介しているので、覗いてみてください。

    地域でのSDGsに関する活動を調べてみる

    2つ目は、住んでいる地域でSDGsに関する活動があるか調べてみることです。
    調べてみると、元々あった地域のいつものお祭りが実はSDGsに関わっていたり、いつも行っているお店が積極的にSDGsに取り組んでいたり、新たな発見があるかもしれません。

    SDGsに取り組むというと新しく何かを始めなければならないようなイメージもありますよね。
    しかし、何気なく行っていることがSDGsに関わっていたということは意外と多くあるのです。

    そして、地域は自分たちの暮らしと密接に関わっている場所ですね。
    問題を自分ごととして捉えるには身近なところに目を向けることが大切です。
    今から自分にできることがあるかもしれないという視点で探してみてください。

    フェアトレード商品を買う

    3つ目はフェアトレード商品を買うことです。
    フェアトレード商品を買うと、正当な対価が生産者に支払われます。
    ではなぜそのことが、私たちがSDGs4に対してできることにつながるのでしょうか?
    正当な対価が生産者に払われて終わりと考えてしまいがちですが、実はまだ続きがあります。

    正当な対価が生産者に支払われると生産者の人たちは安定した収入を得ることができ、不当な労働環境からも身を守ることができます。

    このような環境を作ることができると、働き手自身が学ぶ機会を持てたり、子どもたちが家の手伝いをする必要がなくなったりといったことに繋がります。
    一見どのように教育につながるかわかりづらいですが、フェアトレードの例のように先まで追っていくことで、実はSDGsに取り組んでいたということもあるのです。

    海外に触れる機会を持つ

    4つ目は、海外に触れる機会を持つことです。
    問題を解決するには、問題を自分ごととして捉えて取り組むことと、その問題が身近なものという認識を持つことが大切でしたね。
    世界の問題が身近なものであるという認識を持つためにも、海外に触れる機会を持ってみるのはいかがでしょうか。。

    海外を身近なものにするためには、難しいことをする必要はなく、まずは、日々使っているものや見ているものが海外と関係するということを意識してみるとよいのではないでしょうか。

    たとえば、買い物に行った際には、外国産のものがたくさんあることに気づきます。
    それを通して学べることは、すでに支え合いながら世界が成り立っていることです。
    また、好きなアニメや映画があれば、その作品に関する国を調べてみてもいいかもしれません。

    お金について勉強する

    5つ目は、お金について勉強することです。
    持続可能な社会を実現していくためには、まずは自分自身やその周りの環境がしっかりと整っていることが大切だといえます。
    整えておきたいものとしては、自分自身が心身ともに健康であることや、経済的に安定していることなどが挙げられます。

    取り組みたい問題が出てきた時に、自分について整っていない場合と、自分について整っている場合では、整っている場合の方が、より早く問題に取り組むことができそうですよね。

    資本主義社会で生きていくには私たちとお金は切っても切れない関係ですので、小学校のうちからお金について知っていきたいですね。

    お金に関する教育の大切さや、家庭でできる取り組みを紹介した記事もありますので、よろしければ参考にしてみてください。
    家庭でもできる!子どものための「お金の教育」

    世界の一員としてSDGsに取り組もう!

    持続可能な世界を実現するための課題に対して行動できるようになるためには、課題を自分の身近なものとして捉えることが大切です。
    「世界」というと遠く感じてしまいますが、普段の生活にこの記事で知ったことを組み合わせてみるだけでも立派な取り組みになります。
    取り組み方は十人十色。
    あなたとお子さまの取り組みを見つけてみてくださいね。

    【身近なSDGs特集】未来のために子どもたちと「いま」からできること

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