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【令和時代をやり抜く力】「非認知能力」の「GRIT(グリット)」の意味とは?

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【令和時代をやり抜く力】「非認知能力」の「GRIT(グリット)」の意味とは?

近年注目されている「非認知能力」という言葉をご存知でしょうか?
複数の「非認知能力」のなかでも特に注目されている「GRIT(グリット)」に焦点をあて、その意味やどうしたら伸ばせるかなど詳しく解説します。

「非認知能力」とは?


「非認知能力」といわれて何が浮かびますか?
認知能力ではない、ということなので、IQや学力テストの点数など、わかりやすく数値化できる認知能力以外の資質のことを指します。
とても広い概念ですが、具体的には、次のようなものがあります。
・自己認識:自分に対する自信、やり抜く力
・意欲:やる気がある、意欲的
・忍耐力:忍耐強い、粘り強い、根気がある
・自制心:高い意志力、強い精神力
・メタ認知ストラテジー:理解度の把握、自分の状況の把握力
・社会的適正:リーダーシップがある、コミュニケーション能力
・回復力と対処能力:立ち直りのはやさ、うまく対応する
・創造性:独創的な発想力、工夫のあること
・その他の性格的な特性:外向性、協調性、開放性、誠実性、神経質
お子さんを一言で表現したら?というときに出てくるようなポジティブなワードがたくさん!
欲を言えば「すべて我が子に備わってほしい!」と思ってしまう能力ばかりではないでしょうか。

「GRIT(グリット)」の意味とは?

上記の「非認知能力」のなかでも、近年の研究で注目されているのが「GRIT(グリット)」です。
「GRIT」は、
Guts(ガッツ、度胸、根性)
Resilience(レジリエンス、復元力)
Initiative(イニシアチブ、自発性)
Tenacity(テナスティ、執念)
の頭文字からつくられた言葉で、「やり抜く力」と言われています
「GRIT」を提唱したのは、ペンシルバニア大学の心理学者アンジェラ・ダックワース氏で、
「GRIT(=やり抜く力)」とは長期の目標に向け情熱と忍耐とスタミナを持ち続けて一生懸命に取り組みその夢を実現すること 短距離走ではなくマラソンを走るように生きることと表現しています。
また、才能と「GRIT」は違っていること、「GRIT」と才能の高さは通常関係がなく、むしろ反比例さえするとも伝えています。
提唱時では、まだ「GRIT」の育て方については正直分からないと述べていますが、一番良いのはスタンフォード大学の心理学教授、キャロル・ドウェック氏が提唱している、成長思考(グロースマインドセット)と呼ばれるものである、と伝えています。
彼女を有名にしたTEDでの登壇では、経営コンサルから、中学教師への転身と、心理学者になり「GRIT」を提唱するまでの経緯を聴くことができます。(TED:アンジェラ・リー・ダックワース「成功のカギは、やり抜く力」)

子どもの「GRIT(グリット)」を伸ばす育て方4選!

これからの令和時代を生きていく子どもたちに身につけて欲しい「GRIT」。
アンジェラ・ダックワース氏も、提唱時には「GRIT」の育て方は分からないと話していますが、どのようにしてその力を伸ばせそうでしょうか?
以下にその具体案を挙げてみます。

枠に囚われることなく様々な経験をさせる

学齢期はたくさん経験を様々なジャンルから得るチャンスです。クラスでの係に始まり、委員会活動、部活動、課外活動、色々ありますね。
早くからひとつのことに集中することで、その道のプロになった人もいますが、多くの人は様々な経験を積みながら極めていきます。
一定の期間やり続けるという経験や、その子が高い関心を持って続けられることは何なのかを広いカテゴリーから実践する経験が、自分に向いているのはコレというような枠に囚われずに取り組むことで積み重ねられます。
携わるそれぞれの経験の中で、やり抜くことを体験できます。
そして、全く無関係のような別個に積み重ねた経験が、繋がりを見せることもあります。
枠に囚われずやり抜く経験の積み重ねに、STEM教育もおすすめです。
★家庭でのSTEM教育については、こちらの詳細を御覧ください。
【家庭で簡単にできる!】親子で学ぶ小学生のSTEM(ステム)教育

成功体験を積める機会を作る

「GRIT」の高い人は、自分ならやり遂げられるという、強い信念があります。
この強い信念は、はじめから持っていたのではなく、それまでの人生において、挑戦したことが成功する体験から生まれるものです。
まずは小さなことでもいいので、自分でも少し努力するとできることから小さな成功体験ができる機会を作ってみましょう
徐々に目標設定を高くしていき、都度クリアすることで成功体験を積めます。
縄跳びがまだできない子に、10回跳ぶことを目標にせず、跳ぶタイミングを掴むことや1回跳ぶことからはじめ、跳べたら次は2回を目標にするようなイメージです。
小さな成功体験の積み重ねに、プログラミング教育を活用することもできます。
★プログラミング教育ついては、こちらの記事をご覧ください。
プログラミング教育のメリットとは?子どもが将来活躍できる場所
【プログラミング教育特集】まだ間に合う!小学生の子どもをもつ親が必修化に向けて知っておくべきこと

挑戦することは柔軟に変える

誰しも、楽しく取り組めることこそ、挑戦を続けることができるものです。もし、挑戦している内容や目標が高すぎと感じるようであれば、設定したことに囚われずに挑戦する内容や目標を設定しなおすことも必要です。
見切りをつけて、次のことにチャレンジするというのは、失敗にこだわったり囚われたりせずに、前向きに立ち向かう経験にも繋がります。

何を挑戦したいのかは自分で決める

どんな挑戦をするかは、自分で選んで決めます。
自分の発言に責任が生まれることで、「GRIT」が伸びるそうです。
自分の力量が的確に測れないお子さんは、高すぎる目標設定をしてしまうかもしれません。もし高すぎたら、目標を見直しましょう。
自分で考えるのが難しいようであれば、ご家族が選択肢を与えて、そこから自分で選ぶというのもやり方のひとつです。
できないことや、興味のないことを、親から言われてるからとやり続けるのでは意味がないのです。
よくあるのが習い事への挑戦ではないでしょうか。幼児の頃は保護者の意向で始めがちな習い事も、小学生になると自分で「◯◯を習いたい」と伝えてくるお子さんも少なくありません。
大抵の習い事には、進級テストなどがあります。進級テストへの合格に挑戦するのも一つの方法ではないでしょうか。

「GRIT」を伸ばすために親ができること

子どもの「GRIT」を伸ばすために親ができることを2つ解説します。

成長思考の声掛け

「GRIT」は、先天的に持ち合わせるものではなく、後天的に育てて伸ばすことができます。
日々の生活でどのように子どもと接するか、声掛けの仕方もそのひとつです。
「GRIT」を伸ばすのに良いと考えられる成長思考と、その反対の固定思考になりやすい声掛けを比較してみましょう
成長思考を伸ばすシチュエーション例固定思考になりやすいよく頑張っていたね!成功したとき才能があるね!ここまでできたね。やり遂げられなかったとき飽きっぽいのね。ゲームの時間減らして勉強していて偉かったね。難しい問題にもチャレンジしているね。
テストの結果に対して難しい問題が解けて賢いね。天才!頭がいいね
成長思考を伸ばす声掛けでは、過程や姿勢を認めているのに対し、固定思考の声掛けでは、持ち前の才能があるという声掛けです。
ある結果を生みだすまでの努力が、そのときに実った結果ということを、日々の生活の中で親が子どもに伝えて伸ばしたいですね。

コミュニケーション

学期ごとに目標を書いて掲示するなど、学校でもチャレンジすることを子どもが決める機会があります。
ですが、その目標を自ら日々意識して行動するというのは、子どもたちにはなかなか難しいものです。大人であっても、難しい。
そこで必要になるのが、メンターと呼ばれる存在です。
昨今、ビジネスシーンでもメンター制度がある企業などもありますが、簡単にいえば、「人生や、ある事柄に対する師匠や手本となる存在」です。
いずれは学校や習い事の先生、仕事の仲間など、家庭の外にメンターになる人を見出だすかもしれませんが、子どもたちにとって、人生最初のメンターは親だといえます。
「GRIT」を高めていくために、自らチャレンジする内容に対して動機づけし続けるには、メンターに悩みを相談したり、目標に対して行き詰まっている状況を打ち明けてアドバイスを貰ったりと、コミュニケーションが欠かせません。
メンターとのコミュニケーションの積み重ねが、後に自ら動機づけができる子を育てていきます。
家庭では、子どもの好奇心や自立心を育みながら、チャレンジのサポートを多面的に行ったり、子どもの状況をみながら、その日の出来事を聞いたり、時にはアドバイスをすることもあるでしょう。
家庭でのオンライン学習を、チャレンジのサポートやアドバイスをする機会にするというやり方も考えられます。
★家庭でのオンライン学習に関してはこちらの記事をご覧ください。
意外と知らない?家庭でのオンライン学習で知っておくべきこと!

まとめ

新しい学習指導要領が2020年度から小学校でスタートしました。今後中学校と高等学校でも順次スタートします。
「生きる力 学びの、その先へ」と銘打たれている今回の改定では、家庭での働きかけにも触れていますが、この中にも「子供に最後までやり抜くことの大切さを伝えている。」という項目があります。
「GRIT」は、令和時代を生きる子どもたちが受ける教育の、核になるキーワードのひとつともいえるのではないでしょうか。

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