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非認知能力は子どもの将来に役立つ力!家庭でできる育み方もご紹介!

親の学び
公開日:2023年2月28日 更新日:2023年2月28日
非認知能力は子どもの将来に役立つ力!家庭でできる育み方もご紹介!

子どもには「将来や人生を豊かにし、生き抜く力を育てたい」と思っていませんか?
この力は「非認知能力」と言われ、近年学校教育の場でも重視されるようになってきました。
この記事では非認知能力とは何か、家庭でできる育み方などをご紹介します。子どもの非認知能力を理解し、伸ばす助けとなることでしょう。

もくじ

    非認知能力とは


    人の能力は、大きく「認知能力」と「非認知能力」の二種類に分けられます。

    認知能力とは、テストで数値化できる知的能力のことです。
    具体的には、記憶力、思考力、計算力、言語力、IIQ(知能指数)などが挙げられます。
    いわゆる「学力」に相当しますね。

    一方、非認知能力とは認知能力以外の能力を指します。
    思いやりや協調性、物事に取り組む姿勢など、数値化できない能力のことです。
    主に下記の9つに分けられます。

    1.自己認識
    自分に自信を持つ、自己肯定感が高い
    2.意欲
    やる気がある、意欲的である
    3.忍耐力
    忍耐強い、粘り強い、根気がある
    4.自制心
    強い意志を持っている、精神力が強い
    5.メタ認知ストラテジー
    自分の状況やスキルを把握できる
    6.社会的能力
    コミュニケーション能力やリーダーシップがある
    7.回復力・対処能力
    立ち直りが早い、出来事に対して上手に対応できる
    8.創造性
    創造性がある、工夫ができる
    9.性格的な特性
    誠実、好奇心旺盛である、協調性がある、外交的である

    どの能力も「子どもに備わっていてほしい」といえますね。
    社会で生きていくためには必要不可欠な能力です。

    非認知能力を伸ばすポイント



    お子さまの、非認知能力を育めためには、非認知能力を伸ばすためのポイントをチェックしましょう!
    非認知能力の土台は3歳までに作られる非認知能力の土台は3歳までに作られると言われています。
    大人になってからも非認知能力を伸ばすことはできますが、脳が柔軟で、急速に発達する幼児期に伸ばすほうがより効果的です。
    しかも、幼いころに身につけておくと、能力へのよい影響が長く続くとも言われているのです。

    参考:The Productivity Argument for Investing in Young Children∗よりグラフを作成

    こちらのグラフは「ペリー就学前教育プログラム(ペリー・プレスクール・プロジェクト)」の結果の一部です。
    このプログラムでは、幼児教育を受けさせられない貧困層の3~4歳の子ども123人を対象に行われ、その内約半分の子どもたちに下記の教育プログラムが行われました。

    • 週3回、午前中に毎日2.5時間、教室で授業を受けさせる
    • 週に1度教師が家庭訪問し90分間の指導を行う
    • 授業を担当する先生は修士号を持つ専門家に限定し、読み書きや音楽などを教える
    • これを2年間続ける

    その後40年間に渡って、教育プログラムが子どもの人生にどんな影響があるかを追跡調査したところ、高校中退率、犯罪率、雇用、収入、大学入学などの面で違いが見られたのです。
    これは、幼少期の非認知能力の教育がその後の人生に大きな影響を及ぼすと言える結果ですね。

    非認能力を高めるためにできること

    子どもの非認知能力を伸ばすには、親の関わり方、サポートが重要です。
    具体的には

    • 愛情を注ぐ
    • 子どもの好奇心を尊重する
    • 子どもの気持ちに共感する
    • 自信を持たせる

    ことが挙げられます。
    順に見ていきましょう。

    愛情を注ぐ

    「愛情を注ぐ」のは、学童期だけではなく、3歳までの子どもの非認知能力を高めるためにも重要なことです。
    子どもは「親から愛されている」と感じることで安心感や親への信頼感が生まれ、「自分は自分のままでいいんだ」という自己肯定感を身につけます。
    そして自己肯定感を持つ子どもは、挑戦したり、あきらめずにやってみようというポジティブな姿勢を持ちやすいのです。

    【具体策】

    • 子どもが泣いていたらまず共感して寄り添う
    • 失敗しても頭ごなしに叱るのではなく、どう思うかを聞く
    • 不安そうなときは言葉を掛けるだけではなく、そばにいる


    親からの愛情が、子どもの非認知能力を育む基盤となるので、どんな時も愛情を持って接することが大切です。

    こちらの記事も参考にしてみてください。
    アドラー心理学を子育てに活かそう!「ほめない」「しからない」子育てとは?

    子どもの好奇心を尊重する

    非認知能力を伸ばすために、子どもの好奇心を尊重しましょう。
    好きなことなら楽しみながら意欲的に取り組み、根気強く続けられるからです。
    子どもがやりたいと思うことをさせてあげることで、意欲を伸ばしたり、工夫したりなどの能力が育まれます。

    子どもが何に興味を持つかはそれぞれです。
    大人から見ると「何をしているの?」「なぜそれを選ぶの?」という事にも興味を持つことがあります。
    そこで「こっちの方がいいんじゃない?」と言いたくなるのをぐっと我慢して見守ってみましょう。
    子どもは一見無駄とも思える行動からも、多くのことを学んでいるのです。

    命の危険があったり、自分や他人を傷つけたりする行為などではない限り、子どもの興味の赴くままにさせてあげましょう。

    子どもの気持ちに共感する

    親が子どもの気持ちに共感することも、非認知能力を伸ばすのに効果的です。
    嬉しい時は一緒に喜び、悲しい時は一緒に悲しむ。
    自分の気持ちを受け入れてもらえると、子ども自身も自分の感情を肯定できます。
    そこから自分で気持ちに折り合いをつけて立ち直ったり、またやってみようと思えることもあります。
    まずは「悲しかったね」「嬉しかったんだね」と子どもの気持ちに共感する態度を示しましょう。

    自信を持たせる

    「自分はできる」という意識を持つことは非認知能力を伸ばすことにも重要です。
    自信がつくと「もっとやってみたい!」「もっとうまくできる方法があるかも!」と意欲的になったり、根気よく取り組めるようになります。
    また、自信を持つことで心に余裕ができ、コミュニケーションをうまく取れるようになることもあります。

    子どもに自信を持たせるには下記の点を意識してみましょう。
    【具体例】

    • 「あなたが大好き」「生まれてきてくれてありがとう」など、子どもが存在してくれているだけで価値があると伝える
    • 「頑張ってたね」など、結果ではなく過程や努力を認める
    • 比べる対象は他の子ではなく、過去のその子自身
    • 遊びや習い事の中で成功体験を増やす
    • 「宿題もうやったの!すごい!」など、できている時にも声かけをする


    簡単な声かけで、子どもが自信を持てるようになります。
    また、自信がつく成功体験のためには、習い事も有効です。
    トライアンドエラーをすることで、思考力やチャレンジ精神も育まれるプログラミング教育もお勧めです。
    プログラミング教育について詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。

    小学生向けおすすめプログラミング教材を年代別に紹介!家庭で学べる!

    【申込受付中】みらいいが子ども向けゲームプログラミングワークショップを開催

    「GRIT(グリット)」とは


    非認知能力の中でも、近年注目を集めているのが「GRIT(グリット)」です。
    GRITとは「やりぬく力」という意味で、下記の言葉の頭文字から成っています。

    Guts(ガッツ):度胸、根性、困難な力に立ち向かっていく能力
    Resilience(レジリエンス):復元力、失敗してもあきらめずに継続できる力
    Initiative(イニシアチブ):自発性、自分で目標を見つける力
    Tenacity(テナスティ):執念、最後までやり遂げる力

    「GRIT」は、ペンシルバニア大学のアンジェラ・リー・ダックワース教授が提唱しました。
    心理学者になる前は中学校教師だった彼女によると、子どもたちはIQが低くても「GRIT」があれば優秀な成績を納め、IQだけが高くても成績がいいとは限らなかったそうです。
    そこで「教育で必要なのは生徒や学習についてよく理解することだ」と気づき、研究者になって、社会における成功者(起業家、ビジネスマン、アスリート、アーティスト、学者など、さまざまな分野で功績を残した成功者)の共通点を研究しました。
    その結果、成功者の共通点は「情熱」と「粘り強さ」、つまり「GRIT」=やりぬく力を持っていることだと分かったのです。
    しかも、「GRIT」は先天的な能力ではなく、誰もが後天的に伸ばせる能力だと言います。
    「才能」と「GRIT」は違い、両者には関係性はなく、むしろ反比例さえするそうです。
    (参考動画 TED:アンジェラ・リー・ダックワース「成功のカギは、やり抜く力」)

    子どもの「GRIT(グリット)」を伸ばすためにできること


    成功者が身につけていて、しかも後天的に伸ばすことができる「GRIT」。わが子にも伸ばしてあげたいですね。
    「GRIT」を伸ばすには下記のことが挙げられます。

    • 様々な経験をさせる
    • 成功体験を積み重ねる
    • 家族全員で何かに挑戦する
    • 何に挑戦するかは自分で決める
    • 挑戦することは柔軟に変える

    詳しく見てみましょう。

    様々な経験をさせる

    小学生、中学生の間には、様々なジャンルで多くの経験を得るチャンスがたくさんあります。
    家庭だけではなく、学校のクラスでの係活動、委員会活動、部活動、課外活動など盛りだくさんですね。
    それぞれの経験の中で、一定の期間やりぬく体験ができます。

    幼少期から一つのことに集中し、その道でプロになる人もいますが、多くの人は様々な経験を積みながら人生を歩んでいくことになります。
    興味関心を持つ分野のことをやってみる、さらに、すぐやめてしまうのではなく、ある期間は継続してみることで、多くの選択肢の中から経験を積んでいくことができるでしょう。

    全く無関係に感じる別々で積み重ねた経験が、時間を経てつながることもあります。
    「自分に向いていそうなものはこれ」と思い込みで枠を決めずに、様々な経験をさせてあげましょう。
    自ら自由に表現したり、個々の感性を大切にしたりするうえで、STEAM教育もお勧めです。
    STEAM教育については、こちらの記事をご覧ください。

    小学校に取り入れられるSTEAM(スティーム)教育とは

    STEAM(スティーム)教育とは?アートが学びに与える影響とは

    成功体験を積み重ねる

    「GRIT」の能力の高い人は、「自分ならやり遂げられる」という強い信念があります。
    この信念は初めから持っていたのではなく、人生において挑戦したことが成功した体験から生まれるものです。
    まずは小さなことから「自分でも努力するとできる」という成功体験を積み重ねていきましょう。
    徐々に目標設定を高くしていき、クリアすることで成功体験の積み重ねになります。
    例えば、縄跳びができない子どもに最初から10回を目標にするのではなく、まずは跳び方を教え、1回跳ぶ、次は2回跳ぶ、と目標を上げていくイメージです。
    小さな成功体験には、習い事が有効です。
    こちらの記事も参考にしてみてくださいね。

    【小学生の習い事】学年別!習い事を始めるポイントと上手な選び方について

    プログラミングを体験した親子へのインタビュー記事はこちらです。

    「まあ、やってみましょう」が口癖に!自分を認めてくれるから失敗を恐れず試行錯誤できる!

    【まるで別人】学校のテストの点数が100点に!?

    家族全員で何かに挑戦する

    親も含めた家族全員で「取り組めそうだけど少し難しそう」なことに挑戦してみましょう。
    家族で挑戦することで、子どもが「自分だけじゃない」と思え、一人でやるよりも継続できます。
    また、自分以外の人が挑戦する姿を間近に見ることで、取り組む姿勢、考え方などを学ぶこともできます。

    何に挑戦するかは自分で決める

    何に挑戦するかは必ず「自分で」決めます。
    たとえ相談しても、最後に決めるのは「自分」です。
    人から言われてやるよりも、自分で決めたことの方が責任を持つことができ、やりぬく力がつくと言われています。
    特に「自分が好きなこと」に挑戦すると、楽しんで継続することができるでしょう。

    「継続する力」「努力できる力」を持つ著名人と言えば、イチロー選手が思い浮かびます。
    イチロー選手は、3歳の時に初めてバットとボールを持ってから、寝るときも離さないほど夢中になったそうです。小学校時代は毎日ボールが見えなくなるまで父親と練習をしていたとか。「好きな野球」だからこそ、努力を続けられたのだと言えるでしょう。

    挑戦することは柔軟に変える

    自分で決めたとしても、どうしても続けられないこともあります。
    原因は、実はそんなに好きなことではなかったり、難しすぎたり、継続できない環境になってしまったりなどがあるかもしれません。
    そんな時は、見切りをつけて次のことにチャレンジするのも大切です。
    最初に「継続できないときは挑戦することを変えてもいいこと」を伝えておきましょう。
    挑戦することを変えることで、失敗にとらわれずに前向きに進んで行く経験にもなります。

    子どもの非認知能力を伸ばすために親が愛情を持って関わろう

    子どもの非認知能力を伸ばすには、目標を立てたり、何かに挑戦したり、習い事をしたりすることも有効でした。
    しかし、目標達成のために行動していき、継続していくには、親のサポートが欠かせません。
    愛情を持って、見守り、励まし、ときには何かに挑戦する姿を子どもに見せる。
    親自身の在り方も子どもに影響することを忘れないようにしましょう。

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