小学生から始める!「お金を貯める力」の具体的な鍛え方
お金にまつわる力のうち、貯める力は特に子どもに身につけてほしい力ではないでしょうか。お金を貯められるようになると、自分の欲をコントロールしたり、計画性を身につけたり普段の生活で役に立つ力をつけることができます。
こちらの記事では、子どものお金を貯める力の鍛え方や家計の見直しポイントもご紹介していきます。今回の学びをきっかけにお子さまと一緒に動いてみてはいかがでしょうか?
小学生のうちから鍛えたい貯める力とは
貯める力とは、収入の中で支出をコントロールできる力と言い換えることができます。多くのお金を稼げていても、出ていくお金が多かったり、稼ぐ以上に使ったりしてしまうとお金を貯めることはできません。稼ぐ力を伸ばすことも大切ですが、まずは貯める力を伸ばせるようにしましょう。
貯める力や稼ぐ力といった言葉があるように、お金の教育が大事とわかっていても子どもに対して何から伝えるべきか迷いますよね。こちらの記事では、子どもにお金の教育をする際にどのようなことを伝えるべきかをまとめています。お金の教育をする理由から解説していますので、合わせて参考にしてみてください。
子どもへのお金の教育どうする?伝えるべき4つのポイントと具体例を紹介!
貯める力を鍛えると身につけられるもの
お金を貯める力を鍛えることで、一緒に身につけられるものもあります。
- 自分の欲をコントロールする力
- 手元にあるお金を使っていく計画性
- 自分の価値観の再発見
どれも自立して生きていくために必要なものです。それぞれ詳しくみていきましょう。
自分の欲をコントロールする力
お金を貯めるためには、子どもが「欲しい」という気持ちをコントロールする必要があります。欲しいと思ったからといってすぐにお金を使っていては、お金を貯めることはできません。今本当に必要なのか頭で考えたり、考えた結果その時は我慢したりすることで、欲のまま動かないようになれるのです。
子どもが何か欲しいと言っている際は、なぜ今それが欲しいのかを聞いてみましょう。そして、それが「本当に今必要なのか」「本当に自分のお金で買うのか?」を尋ねてみて、自分で考えるきっかけをつくるようにしてみてください。
計画性が身につく
お金を貯めるには、どのくらいの期間でいくらまで使っていいのか、そのためには、どのように自分が動いていくべきかを考える必要があります。これらを考えることで、お金を貯めると同時に計画性も身につけられます。
子どもに考えてもらうためには、普段の買い物の際や、お小遣いが月に1回なら半月、週に1回なら3日経ったら、お小遣いの残りがいくらあるのかや、使いすぎていないかを確認してみましょう。
また、お小遣いを渡す時や月末には今月は何にいくら使ったのか、何を我慢できたのかといった振り返りと、その結果貯められた金額の確認をして、来月はどうしていくかといった計画を立てられるといいですね。
計画性はお金を貯めることに限らず、様々なことを実施していくために必要な力です。貯めると同時に計画性を身につけていることも意識して、長期的な視点で考えられるようアドバイスができるといいですね。
自分の価値観を知ることができる
支出をコントロールするためには、自分にとって何が必要で、何が不要かを判断できる基準が必要です。お金を使うときに、立ち止まって考える習慣をつけておくことで少しずつ自分の価値観を知ることができます。子どもが買いたいものがあった時に、どうして買いたいのかを聞いてみましょう。その回答を掘り下げていくことで、ものが欲しい以外の理由が見つかるかもしれません。
例えば、お菓子を食べたいから買うという理由の場合でも、掘り下げると食べることが好き、甘いものが好きなどという理由が隠れているかもしれません。その場合は、家で何か作ってみたり、好きな食べ物について調べてみたりすることができます。子どもの価値観を大切にしながら、子どもにとってお金を使う以外の楽しみを見つけることができますよ。
ただお金を使うだけでは何に使ったか把握しづらいです。そのような使い方をしていると、いつの間にかお金がなくなっているという状態になりかねません。より高額なものを買うために貯めたり、使わずに楽しむ方法があるという選択肢があると知ることで、自分が何を大切にしていきたいかを考えるきっかけになります。
貯める力が身につかないとどうなる?
お金を貯める力が身につかないと、お金を稼げても、投資で増やせても、手元にお金が残らないため、いつまでも働き続けなくてはなりません。
自分自身や家族の急な病気や、子どもの教育資金、老後の資金など、備えておきたいものはいくつもありますよね。
貯めておかないと、子ども自身も、その周りの人たちも大変な思いをすることになるため、小学生のうちから貯める力を身につけることを意識していきましょう。
貯める力の具体的な鍛え方
お金を貯める力を身につけさせたいと思っても、実際にどのように行えばいいのでしょうか。
お金を貯める力を身につける方法は3ステップです。
- 目標を決める(いつまでにいくら)
- 実際に貯める(お小遣い帳や透明の貯金箱)
- 貯めたお金を使って振り返る
具体的な鍛え方をお伝えしていきます。1つずつ詳しくみていきましょう。
1.目標を決める(いつまでにいくら)
お子さまは、保護者の方から、ただやみくもに貯めなさいと言われても、貯めるのは難しいことです。なぜなら、子どもはまだ急にお金が必要になった経験がないからです。そのため、何かあった時のために「貯めておく」という考えにはなかなか至りません。
一方で、ほしいもののために我慢するのは小学生でも可能です。
1か月のお小遣いでは届かないような金額のものを目標にすることで、貯める力を伸ばすことができます。
貯めることを達成するポイントは、貯めることを決めた時に、なぜそれがほしいのか、それを得たら何ができるか、何をしたいのかを明確にしておくことです。明確にしておくと、途中で諦めずに、引き続き頑張れるきっかけをつくってあげることができます。
計画をする時点で、貯めることができたら何ができるか、何がしたいのかをメモしておきましょう。そして、貯めている間は、そのメモを使って頑張ろうと思った気持ちを思い出すようにしてみてくださいね。
2.実際に貯める(お小遣い帳や透明の貯金箱)
目標が決まれば、次は実際にお金を貯めていきます。貯め方のポイントは、お小遣いなどをもらった時に貯めたい金額を先に貯めておく、先取り貯金がおすすめです。先に使って余ったお金を貯金するのではなく、貯金に回した後のお金を使っていくようにしましょう。先取り貯金の習慣は貯める力を伸ばすためには必須の力です。
また、貯めるためのおすすめツールは、お小遣い帳や、透明の貯金箱です。数字で増えていくことが確認できたり、透明の貯金箱であれば量で増えていくのを確認できたりします。私たち大人も、お金が増えていくと嬉しいですよね。子どもも増えていくことを実感できれば、貯めるモチベーションにつながります。目にみえる形で、貯めていくことを意識してみてください。
3.貯めたお金を使って振り返る
初めの目標金額を貯めた後は、最初に決めた目標のものを購入しましょう。ただ貯めるだけではお金の力を使えていません。お金は使って初めてその効果を発揮してくれます。
また、まずは貯められたことを褒めて、子ども自身に何が難しかったか、貯めている間の気持ち、使おうと思ったことはあるか、使わずに貯め切って初めの目標を達成できてどう思うかなどの振り返りをしましょう。
誘惑に負けてしまった場合でも、責めたりはせずに「計画を立てて動けたことがえらい」「途中まではきちんとできていたよ」などと伝えてあげてください。そして、誘惑に負けてしまった理由を聞き、「その時はそれが〇〇にとって大事だったんだね」などと、その意見を尊重してあげましょう。そして、次どうしていくか、その時の反省を活かせるようにアドバイスができるといいですね。
こちらの記事ではお小遣いを子どもに渡すポイントや、子どもにお金の教育をするときのコツも紹介しています。
【必見!お金の専門家が解説!】お小遣いのルール決めについて
また、お小遣い制度をよりうまく使う方法を伝えている記事もあります。お小遣いの渡し方もそれぞれメリット・デメリットがあるので、参考にしてみてください。
【いま注目!】子どものお小遣いを管理する時に知っておく3つのこと!
家計の見直しも一緒にしてみる
「子どもの貯める力の伸ばし方」は実践していくことで身につきます。実践で身についていくのは私たち大人も同様です。お子さまの貯める力を伸ばすと同時に、保護者の方も家計の見直しをして、一緒に貯める力を鍛えてみてはいかがでしょうか?
大きな額の固定費から見直してみる
家計の見直しというと、食費や遊ぶお金の節約が思い浮かんでいるのではないでしょうか?実際に節約をしてもお金は貯まります。しかし、額としては小さく、お金と同時にストレスも溜まってしまいます。
そうならないためにも、1度見直すだけで効果の大きいものから見直しをしていくようにしましょう。
おすすめの見直しポイントは以下の4つです。
- 住宅ローン
- 車のローン
- 保険
- 携帯電話料金
家や車はローンを組んでいることが多いのではないでしょうか?金利がかかり、返済する額も大きいですね。見直しをすることで支払う総額を減らすことができる場合もありますので、早めの見直しをおすすめします。
また、最近話題になっているのが保険や携帯電話料金の見直しです。保険や携帯電話料金は毎月払います。それも動画サービスのようなサブスクリプションの数百円ではなく、数千円です。
例えば、携帯電話料金の見直しを行い、1か月あたり5000円減らすことができたとしましょう。その携帯電話を5年間使い続けたとすると、5000円×12ヶ月×5年=30万円となります。
30万円も支出を減らすことができ、その分のお金はお子さまの塾代や、家族旅行費用など様々なことに使うことができます。
お金に関することは、手続きが面倒くさそうだと思いがちです。しかし、紹介した4つの金額を減らすことは、その後十数年分の支出を減らすことにつながります。保護者が長期的な視点で考えられるようになると、子どもも長期的な視点で考えられるようになるなどいい影響を与えられるので、この記事を読んだ機会に家計を見直してみてはいかがでしょうか。
貯める力を伸ばして自立した人生を歩んでいこう
子どもの「貯める力」を伸ばすことは、自分の欲をコントロールしたり、計画性が身についたり、自立して人生を歩むために必要な力も身につけられたりすることがわかりました。貯めることを目的とするのではなく、貯める力を伸ばすことで、どのようになりたいのかを考え、取り組めるといいですね。そうすることで、子ども自身のなりたい自分になれる未来につながっていくことでしょう。
お金に関する5つの力!他の4つはこちらから!
子どもに伝えたい「お金を使う力」を鍛えるために必要な考え方とは?
小学生からお金を稼ぐ感覚を身につけよう!おうちアルバイトの方法とは?
投資を活用してお金を増やす力を鍛える!お小遣いを使った投資の練習方法も紹介!
お金は何から守る?小学生から知りたいお金を守る方法と伝えるポイント